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2007年5月12日 (土) 14:15時点における版
公立進学校(こうりつしんがっこう)とは進学指導に重点を置いた公立の小学校、中学校、高等学校を指す。
戦前は明治時代は東京高等学校、郁文館高校、攻玉社など数々の私立学校が設立され、それらの学校から海軍兵学校、陸軍士官学校、旧制高等学校への進学が盛んであった。しかしながらその後旧制のナンバースクールのである第一中学校、第六中学校を筆頭に旧制の公立学校の優位が見られた。
戦後の一時期はその余波により進学のために公立学校への進学するものが多かった。
しかしながら、その後公立学校では学校群制がとられるようになり、進学希望者が希望の学校に進めなくなる状況が現出し、また教育要綱の制限を受ける公立の場合、特別な進路指導やカリキュラムの編成が出来なくなるなどの事情により、特別のカリキュラムを組んで進学指導を行う麻布中学校、芝中学校などの一部私立学校に対し、進学実績で遅れをとり、昭和50年以降進学実績で私立の後塵を拝せざるを得なくなった。
しかしながらその後ゆとり教育への反省から近年、公立高等学校でも学校群制度が廃止され、カリキュラムにおいて独自の進学指導を行えるようになり、進学実績において実績を出す学校が見られるようになった。品川区のように中学校の段階で学校区が廃止され、進学希望者が自由に中学校を選択できるような状況も生まれてきている。
また大手予備校とタイアップして講師を招いて進学指導を行う公立中学校なども見られる。
これら進学公立校の現出するにおよび、学校の選択が主に進学実績のみで計られ、日本国憲法で保障された本来の全ての人に教育を施す公立教育の趣旨から逸脱しているのではという議論も見られる。
また、公立進学校が地域住民の所得水準や教育水準に大きく影響を受けることから、本来「機会の平等」を提供するはずの公教育による平準化機能が損なわれるとする議論が学識経験者によって立ち上げられた。公立進学に希望者が集まることで、結果として低学力の児童生徒は高価な月謝を必要とする私立に進学を余儀なくされ、所得格差による階層固定が進むとする説もあり、これらは現在の「ゆとり教育」への見直しの議論と組み合わされることで公立進学校のあり方が検討されている現状にある。
なお、上記の状況は主に首都圏で見られた状況であり地方においては進学実績で一般に公立学校優位が戦後一貫して続いていた。
主な公立進学校
東京都内
小学校
中学校
高等学校
外部リンク
クローズアップ現代「学力格差 拡大をくい止めろ(公立の小中学校がいま、大きく変わろうとしている)」
参考文献
- 苅谷剛彦,『欲ばり過ぎるニッポンの教育』
- 藤田 英典『教育改革のゆくえ―格差社会か共生社会か』
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