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日本でも山間部では狩猟の対象でも有り、食用とされる。また、比較的安価なソーセージに兎肉が使われることがある。 | 日本でも山間部では狩猟の対象でも有り、食用とされる。また、比較的安価なソーセージに兎肉が使われることがある。 | ||
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2024年2月12日 (月) 11:45時点における最新版
ウサギ(兎)は、ウサギ目に属する草食哺乳類の総称。ただし、多くの場合、ウサギ目のうち耳の小さいナキウサギ科を除いたウサギ科の動物のみを指す。外敵から身を守るために発達した四方に旋回する大きな耳と、脱兎の如(ごと)くなどと例えられるような俊足ぶりや、遠くの音を聞くために立って音を聞くことが出来るように発達した長い足が特徴的である。門歯が伸びることなどから古くはネズミ目に類縁が深いとされていた。カイウサギ(アナウサギ Oryctolagus cuniculus の家畜種)、ノウサギなど。
日本では、長い耳と小さな目がかわいいととらえられることが多く、小学校でよく飼育されている。現在ペットとして飼われているウサギ(カイウサギ)は、すべて哺乳綱 - ウサギ目 - ウサギ科 - アナウサギ属を家畜化したものといわれている。アナウサギ(英:rabbit)はヨーロッパ原産で、名前のとおり野生状態では地下に巣穴を掘り、巣穴で出産・育児を行う。アナウサギも、それを家畜化したカイウサギも、子どもは出生時には眼が開かず、毛も生えておらず、自力で歩行や跳躍ができない。
一方、日本の山野に棲息しているウサギはノウサギ類(英:hare)で、巣穴を掘らずに生活し、子どもは生まれてまもなく眼が開いて毛が生え、歩行もできる。
目次
日本の野生ウサギ[編集]
日本に分布するウサギ科の在来種は、北海道の(エゾ)ユキウサギ・本州のニホンノウサギ・南西諸島のアマミノクロウサギの3種である(北海道のエゾナキウサギ Ochotona hyperborea yesoenis は、ウサギ科ではなく、ナキウサギ科のキタナキウサギの亜種)。詳しくは以下のとおり。
ウサギ科
- ユキウサギ Vulpes vulpes vulpes(ユーラシア)
- エゾユキウサギ(亜種) Vulpes vulpes schrencki (北海道)
- ノウサギ(ニホンノウサギ) Lepus brachyurus (本州、固有種)
- アマミノクロウサギ Pentalagus furnessi (奄美大島・徳之島、固有種)
ナキウサギ科
- エゾナキウサギ Ochotona hyperborea yesoenis
このうち、アマミノクロウサギは、特別天然記念物にも指定されている絶滅危惧種である。また、サドノウサギは、本土から移入されたホンドテンによる捕食のため、激減している。
ウサギは伝統的に、1羽・2羽と鳥と同様の数え方を行う。この由来には諸説あるが、仏教で四足の動物を食べることが禁じられていたため、鳥の鵜と鷺(または佐芸)を捩り、ウサギとし、「鳥」として扱うことでこれを回避した、あるいは、大きく長い耳が鳥の羽に見えるからとする説が有力とされている。現在では鳥類とウサギをまとめて数える場合を除き、通常の小動物を数える「匹」を用いることが一般的になりつつある。
古くから親しまれてきた動物で、「うさぎ追いしかの山」と唄われたり、鳥取県の民話「因幡の白兎」では、鮫を騙した報復として皮を剥がれたりした。日本の昔話では「ずるがしこいことを考えるが、どこか抜けている」というような役をあてがわれることが多い。「カチカチ山」では、悪い狸をこらしめる勧善懲悪のヒーローの役を務めているが、いずれにせよ、狡猾でいたずら好きなトリックスターの類型からはずれるものではない。
生息数の動向[編集]
ノウサギは狩猟対象種であるが、捕獲数は減少の一途を辿っている。 年間10万頭が捕獲されていた1960年代に比べると、近年はその十分の一の頭数しか捕獲できないまでに生息数が減少してしまった。
日本のカイウサギ[編集]
日本で昔から飼われている、白い体毛・赤い目という特徴をもつカイウサギは「日本白色種」という品種で、明治時代にニュージーランドホワイト種から作られた。近年では「ジャパニーズホワイト」とも呼ばれている。
カイウサギは現在、全国の島嶼部で野生化、環境破壊で問題となっている。
太平洋戦争中、日本はアンゴラウサギの飼育頭数が世界一になったが、これは食糧の確保及び兵士の防寒着を作るために飼育が奨励されたためである。
ペット用ウサギ[編集]
愛玩用に飼われるウサギの種類としては、以下のものがある。
- ネザーランド
短毛で小型のウサギ。好奇心が強く活発で、人にあまり馴れないタイプと友好的なタイプがある。かわいらしい仕草と活発に動く姿に惚れ込む人が多く、日本ではもっとも人気のある品種である。
一般的には「ピーターラビットのモデル」と言われているが、実際は絵柄のみのモデルであり、ストーリーにおけるモデルは野生のアナウサギである。
また、ペットショップ等で「ピーターラビット」という品種として売られているウサギは、ほとんどがこのネザーランドの雑種である。
- ロップイヤー(主な品種:アメリカンファジー、ホーランド、イングリッシュ)
耳が非常に大きく垂れているのが特徴で、「イングリッシュ」のように、本来は中型のウサギであるが、人為的に品種改良された「ホーランド」や長毛種の「アメリカンファジー」のように小型になっているものが多い。他の品種と比べて顔が丸く愛嬌があり、性格は非常におとなしく、人にもよくなつくので、ペットとしては人気が高い。
- ドワーフホト
目の周りに特徴のあるアイラインをもつ小型のウサギ。ネザーランドが元になっているので、性格もネザーランドに近い。
- レッキス(ミニレッキス)
短毛種だが、毛の密度が濃く、毛皮の質が非常によいために、毛皮にも使われる中型のウサギ。性格は穏やかで人なつっこいので、人とも一緒に遊ぶ。小型に品種改良されたものは「ミニレッキス」と呼ばれている。
- アンゴラ
本来は毛を利用するために生み出された長毛種。非常におとなしい性格で我慢強く、人形のように動かない個体が多い。
- ジャージーウーリー
小型の長毛種でおとなしい性格なので、ペットとしては非常に飼いやすい。
- ジャパニーズホワイト
日本白色とも呼ばれ、日本で古くから飼われていた中型の品種。日本では実験用として最も多く利用される。アルビノと呼ばれる色素欠乏症の目の赤い個体が多く、個体によっては高価。
- フレミッシュジャイアント
ヘアを原種としてを品種改良された。ウサギの中では非常に大きなサイズの品種で、人形のようにおとなしい。大きな体に加え、最大7キロ近くまで体重が増えるので、ペットとして飼うにはかなり気を遣う。
同様の大型種としては、本来食肉用に作られた「ニュージーランド」、大型でも活発な性格の「チェッカードジャイアント」、ノウサギの性格を残した頭のよい「ベルジャンヘア」等がある。
ほかにも様々な改良品種があるが、国内で一般的にミニウサギとして流通しているものは、大半はいわゆる雑種である。
うさぎ島[編集]
広島県大久野島[編集]
瀬戸内海にある大久野島(広島県)、別名「毒ガス島」は、もう一つの別名を「うさぎ島」という。「毒ガス島」の由来は、第二次世界大戦中、国際法上禁止されている毒ガス兵器研究施設が大日本帝国陸軍により設置されていたことによる。この施設が長年国外に対し秘密にされてきたこともあり、地図上にも正式には記載されていない時代があった。
この島では、研究施設での実験用や、島内での毒ガス検知のために飼われていた多数のウサギたちが、終戦後放棄された施設と共にそのまま放置され、温暖な気候と天敵がいないという好条件のために繁殖し、この島唯一の住民となった。このために大久野島は「うさぎ島」とも呼ばれるようになった。
長年無人だったこの島にも、現在は国民休暇村や大久野島毒ガス資料館等の観光施設もでき、人になれた多数のウサギたちが観光客を出迎えてくれることで、一部のウサギ好きの聖地ともなっている。
(ただし、この島には現在も危険な土壌汚染地域が有り、立ち入り禁止になっている場所も存在する。)
愛知県前島[編集]
愛知県幡豆郡の無人島・前島も名鉄海上観光船によって数百匹のうさぎが放し飼いにされ、「うさぎ島」と呼ばれた。日本猿を放し飼いにされた「猿ヶ島」こと沖島とともに41年間にわたって観光航路となっていたが、1997年11月30日に両島をめぐる観光船は運航廃止となっている。
食肉としての利用[編集]
古来から欧州各地で食用として利用されてきた。 特にフランス料理では、伝統的にラパン、リエーブルなどの名称で食肉として利用されている。 日本でも山間部では狩猟の対象でも有り、食用とされる。また、比較的安価なソーセージに兎肉が使われることがある。
仕草[編集]
- 穴を掘る
巣を作ろうとするための仕草である。 普通は土を掘って穴を掘るのだが、土以外の場所(例えばコンクリートなど)も掘ろうとすることもある。
- 顔を洗う
毛づくろいをするための仕草である。
- うたっち
主に警戒している時や気になる音がしたとき、周りが気になる時、何らかの気配を感じた時に、二本足で立つ行動で、稀に行う行動である。警戒するのを止めると、立つのをやめる。 周りに何の音も鳴ってないのに、誰もいないのにうたっちをしたら、幽霊に反応しているらしい…。
- 足ダン
警戒している時に行う行動。 あの小さい体の割にかなり大きい音が出るのでほとんどの人が驚く。
その他[編集]
- オーストラリアやニュージーランドには、本来、哺乳類は古いグループである有袋類しかいなかった。これらの土地では、植民者がもちこんだウサギや犬(ディンゴ)が、外敵がいないために大繁殖し、大きな問題となっている。数々の固有種の絶滅の原因にもなった。オーストラリアでは農作物を守るため、ウサギの侵入を防ぐ「ラビット・プルーフ・フェンス」が敷設されている。
- 米国の成人誌『PLAYBOY』のキャラクターである「ラビットヘッド」の由来は、人間以外の哺乳類で一年中発情(交尾により排卵が誘発されるため受胎率が高い)する動物はウサギくらいということから、生殖能力が高いという意味で採用されている(「ウサギの寓意」を参照)。
- 漫画や童話で、ウサギの耳をもつシーンが描かれることがあるが、耳を持って引き上げる行為は、絶対に行ってはいけない。ウサギの耳は、デリケートな器官である。
- 「ウサギは水を飲むと死ぬ」と信じる人もあるが、ウサギも生き物なので、水は必要であり、全くの出まかせ情報である。ただし、水分の多い野菜や果物で水分を取るという面もあるので、野菜等を常時与えている環境では、大量の水分は必要ではない。出産直後だけは別で、十分に水分を与えないと、自分が生んだ子を食い殺すことがある。水皿に糞・餌・敷きわら等が入って汚染されることのないよう心がける必要があるのは、他の動物と同様である。
- また、ウサギに関してもっとも一般に広く流布した誤解は、「ウサギは鳴かない」という点であろう。声帯を持たないために、他の動物と同じように鳴くことはないが、安心できる状況ならば、食道などを振るわせることで、興奮時に「ブッ、ブッ」という小さな声を上げる。交尾時にも、オスは鳴き声を上げる時がある。
- 「ウサギは寂しいと死ぬ」というのも誤りである。ウサギはむしろ縄張り意識が強い動物であり、争いを避けるために単独で飼う方がよい。
- 野ウサギは昔から食料などの目的で狩猟の対象とされているが、狩猟の際にウサギを追いかけるときは必ず斜面の上から追いかけると有利、逆に斜面を登る形で追いかけると不利とされている。なぜなら、ウサギの身体的特徴として後ろ足が長く前足が短いため、ウサギは上り坂では体の傾き具合が水平になるため上り坂で坂を上るのに強く、下り坂では前かがみのようになってしまうから、下り坂を下るのは苦手としているからである。
- ウサギはアトロピンに対して強い耐性を持つ。これはウサギがatropinaseというアトロピンを分解する酵素を持っているためである。動物医療の現場等においては、このことを留意しておく必要がある。またこの能力は、ナス科の植物等に含まれる自然毒としてのアトロピンに抵抗するために身に付いた、と考えられる。
- アルコール耐性が非常に弱く、酒の誤飲による死亡事故がおこる。
- 「兔」(兎の異体字)はShift_JISにおいてコンピュータプログラムの動作不良の原因となる文字(通称「ダメ文字」)の一つ。
- ウサギはイヌやネコと同様に人間に身近な動物であることや、可愛いイメージが強いこと、擬人化しやすいことなどから、漫画やマスコット等のキャラクターとしても多く登場する。ウサギを主題とする作品一覧、Category:架空のウサギを参照。
ウサギには、肉球が無く、足の裏には毛が生えている。
ウサギの寓意[編集]
キリスト教世界でウサギは(性的)誘惑のシンボルとされる。これはウサギが多産であるところから転じたものと考えられる。
一方、仏教世界においては、献身のシンボルとされる。これは仏教説話集ジャータカ(jātaka)の中に、ウサギが身を火に投じて仙人に布施する物語(ササジャータカ:sasajātaka)があるため。ちなみに月面の模様をウサギに見立てることも、この物語が発祥である。
ユダヤ教においてウサギは食禁忌(kosher:コシェル、コーシャー)のひとつである。イスラームもユダヤ教の禁忌を踏襲している(halam:ハラム)。
欧米では、ウサギの足は幸運のお守りとして使われてきた。
国内でのウサギに関する月刊誌[編集]
- 季刊うさぎと暮らす(季刊(2月・5月・8月・11月)発行・マガジンランド社)
日本では珍しいウサギの専門誌で、ウサギに関するQ&Aや生活情報、キャラクター情報を掲載する。老後のケア方法や食事、病気に関する記述もおおく、自分のウサギ自慢するコーナーもある。
- アニファ(スタジオエス社)
小動物専門の総合誌であるが、ウサギに関する記事が多く役立つ物が多い。海外のラビットショーに関する記事も掲載される。別冊で更に詳しいウサギの専門書も同社より発刊されている。
ウサギにまつわる慣用句、ことわざなど[編集]
- 脱兎の如(ごと)く:兎が駆けるように非常に速くて捕まえられない事の例え。
- 始めは処女の如く、終わりは脱兎の如し:始めはおとなしかったのが、終わりに近づけばだんだん勢いが増して抑えられない状態にまでなってしまう事。
- 二兎を追うものは一兎をも得ず(二匹の兎ともいう):欲張って一度に二つのものを狙うとかえってどちらともの目的を果たせなくなってしまう事。
- 兎に角(とにかく 夏目漱石が使用して一般に定着した当て字である)
- 兎死すれば狐これを悲しむ:同類の不幸を縁者が悲しむ
- 兎に祭文:何の効果もないこと
- 兎の登り坂:物事が順調に進む
- 兎の糞:長続きしないことの形容
- 兎兵法:実用的でないこと
- 兎の股引:後が続かないこと
- 兎起鶻落:勢いがある
- 獅子搏兎:容易なことにも全力で努力する
- 狡兎三窟:難を逃れるのが上手いこと
- 犬兎の争い:当事者が争っている間に第三者に横取りされる