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ロボットアニメと呼称されるアニメの作品群は特に日本において主要な位置を占める人気ジャンルである。

概要[編集]

ロボットアニメとはその名の通りロボットを主人公格に据えた、あるいは中心的な題材としたアニメのことであるが、通常はロボットの強力さ・卓越した能力・特異さなどを採り上げ非日常への憧れをかき立てる作品性を持つものが多い。

最初のロボットアニメ作品は最初のテレビアニメ作品でもある『鉄腕アトム』。

20世紀から21世紀初頭においては当然ながらフィクションとしての位置付けにあり、題材的必然としてSF作品として分類されるものがほとんどである。 また、題材的にも対象視聴者層的にも特撮ヒーロー作品と深い関連を持つ。

ドラえもん』や『ろぼっ子ビートン』のような作品はロボットキャラクターが物語の中心にいるものの、通常ロボットアニメとみなされることは少なく、ギャグアニメ・ファンタスティックなアニメ(エブリデイ・マジック)として語られることが多い。ロボットのヒーロー性よりも、日常+ロボット自身による騒動や冒険に作品の主眼を置いていると考えられるからである。卓越した能力、特異さはむしろ戦闘を主眼にした作品群よりも日常に近い目線で描かれる事が多い。

しかし近年、これらの作品の主だったスポンサーである玩具業界全体の不振により、全日帯アニメにおけるロボットアニメは減少状態にあり、特に子供向けアニメに関しては一部を除いて壊滅に近い状態にある。その原因の一つに、製作サイドが玩具メーカーの要望で未就学児童対象に作品を制作しつづける為、ロボットアニメに興味を持たない小学生以上の子供が増加している為ではないかといわれる(深い関連を持つ特撮ヒーロー作品や女児向けの魔法少女アニメの低迷とその要因は重なっている)。小学生層には現在ではロボットアニメに変わってデジモンなどのモンスター系アニメが盛況であるとされる(デジモンの場合はロボットアニメや特撮ヒーローのコンセプトを持つモンスターも存在する。それがロボットアニメの衰退につながっているのは、ある意味皮肉といえるのかもしれない)。逆に『スーパーロボット大戦シリーズ』などでファンがやや増加の傾向にあるため、本数を増やしているようだが、2~3本程度で根本的な状況の改善に至ってない。

また、近年の少子高齢化の進行も不振に拍車をかけている。かつてのロボットアニメのブームは、いわゆる日本の人口の比較的多数を占めている「団塊ジュニア」および「ポスト団塊ジュニア」世代の子供たちによって支えられており、彼らの圧倒的支持があってこそなりえたものだった。しかし、彼らが成人したこととそれに続く世代の人口が減り続けていることによって、ロボットアニメなどの子供向けの市場は相対的に縮小傾向にある。

一方で玩具展開を前提としない作品(一部を除く)は深夜アニメを中心に幾作か制作が続いている。前述した『スーパーロボット大戦』のTVアニメ、『スーパーロボット大戦OG -ディバイン・ウォーズ-』も深夜アニメ(とはいっても作品自体は全日帯アニメに近いコンセプトになってはいるが)だが、多くの関連商品を発売しているためそれには当てはまらない作品になっている(他のロボットアニメでは『創聖のアクエリオン』などがある)。

巨大ロボットものという潮流[編集]

日本において「ロボットアニメ」は巨大ロボットものという意味で使われることが多く、その場合大きく2つの傾向に大別される。この記事では視聴者・マニア層の間でよく認知されている以下の分類に従う。

  • スーパーロボットもの
  • リアルロボットもの

ただし近年においては互いが互いの要素を組み入れることも多くなり、その境目は曖昧になってきているとも言われている。

スーパーロボットもの[編集]

比肩する物の無い強い力を持つロボットが普通の文明では太刀打ちすることのできない強大な敵や脅威に立ち向かうテーマのロボットアニメを、スーパーロボットものと呼ぶことがある(cf.スーパーロボット)。

「未来の技術」としてのロボット観に裏打ちされた世界観を持つものが一般的で、主人公格のロボットは(その多くがオーバーテクノロジーによってもたらされた)人類の平和を守るヒーローとして描かれており、この種の作品が登場するのもほぼテレビアニメの黎明期までさかのぼれるほど古い。戦うために造られた巨大ロボットを描いて鮮烈な印象を与えた『鉄人28号』が本ジャンルの始まりと言えるが、「スーパーロボットもの」という場合は特に「主人公が乗り込んで操縦するロボット」という意味で『マジンガーZ』を嚆矢とする。

また、鉄人がフランケンシュタインの怪物的なイメージなのに対し、マジンガーが怪獣的である事は『マジンガーZ』の前身となった同じ永井の『魔王ダンテ』が怪獣映画を志向した事と無縁ではないだろう。 それ故、テーマ・対象層・演出・登場する設定の傾向・流行した時期や流行の変遷・雑誌展開など、特撮ヒーロー作品と非常に深く関連している。

スーパーロボット、と言う呼び方は、『マジンガーZ』の歌詞に出てくる言葉、あるいはバンプレストゲームソフトスーパーロボット大戦シリーズ』が始まりと思われる。

リアルロボットもの[編集]

ロボットを道具または兵器として世界観の中に採り上げ、ロボットのヒーロー性や活躍よりもそのロボットを取り巻く人物群像や事件の経過を物語として描き出すロボットアニメをリアルロボットものと呼ぶことがある(cf.リアルロボット)。

決して現実に即した技術考証ではないにしろ、ロボットを唯一無二のものとは捉えない(現実の航空機や車両の延長線上に描写する)ことで、世界観に現実性を与えようとしている作品が多い。スーパーロボットものが主にヒーローロボットの活躍という非現実性・娯楽性を楽しむものであるのに比べ、リアルロボットものは他のジャンルのドラマと同様にストーリーやキャラクターへの感情移入を重視するものと言える。

ただしスーパーロボットものに全くドラマが無いわけではなく、いくつかの作品では全体主義の恐怖や驕れる文明への批判など社会派のテーマを追求したシリーズ・エピソードが存在している。またリアルロボットものにおいても兵器としての巨大ロボットが扱われることで、ロボットによる戦闘の迫力やカタルシスに憧れ心奪われる側面もある[1]

リアルロボットはその技術背景に於いて基本的に現用のテクノロジーや科学知識(物理法則など)に基く肉付けが行われており、また架空の技術体系に基くにせよ、かなり厳密な(言い換えればご都合主義ではない)設定があるものである。

軸となる架空の技術体系も様々な面で他の技術体系と不整合が出ないよう構築されており、これを入り口として工学的な方面に興味を抱く者もある。

近年ではロボット工学の発展が著しく、これに基いて「よりリアルな挙動」をする作画が行われており、架空の技術体系も含めた作品に登場するロボットの解説書も発行されている。

他方では立体物の装置として、造型には専門のデザイナーが付く事から、無理なくプラモデル等の玩具化が行い易い。実際にはまず玩具としてのデザインがあり、それらをアニメーション作品等に登場させる訳だが、近年ではCADを利用して造型する場合も見られ、一層立体感のある物も登場、スーパーロボットに有りがちだった「立方体や円筒形・円錐を組み合わせたようなデザイン」から「より工学的に無理の無いフォルム」へと変化している。

リアルロボットものの最初の作品は『機動戦士ガンダム』であるとされている。ジャンル名の命名自体は、そのポストガンダムと謳われた『太陽の牙ダグラム』の原作・監督を担当し、『ガサラキ』『FLAG』の原作・監督において、リアル系の頂点を極めたとされる高橋良輔である。

日本ではガンダムシリーズのヒット以降、数多くのリアルロボット系アニメーション作品が作成・放送されたが、1980年代以降では欧米でもそれらに興味を示す消費者が出てきて、メック関連に代表される日本製ロボットアニメに強い影響を受けた作品も登場した。1990年代に入ってからは、日本も積極的にこれら著作物を海外に輸出するようになり、多くのファンを獲得するに至っている。

ロボットアニメの制作会社[編集]

巨大ロボットものの第一人者と言える制作会社として『機動戦士ガンダム』を制作したサンライズが挙げられる。1975年の『勇者ライディーン』に始まり[2]、『ロマンロボ(製作は東映)』『ガンダム』『勇者』などのシリーズ作品、単発作品を多々輩出し、ロボットアニメ全盛期の1970年代後半から一貫して「ロボットアニメと言えばサンライズ」と言われるほどの実績を築きつづけている。しかし、『勇者』シリーズ終了以降はロボットアニメの制作数は少しばかり減少している。これはサンライズ自身がロボットアニメ以外の方向に向き始めている表れだと言える。

その他にロボットアニメの制作会社としては『マジンガーZ』などの東映アニメーション[3]、『マクロス』『エヴァンゲリオン』などのタツノコプロ[4]が主な所と言えるだろう。

古くはロボットアニメの制作会社と言えば他にも『J9シリーズ』『アクロバンチ』『スラングル』の国際映画社、『ダンクーガ』『ゴーショーグン』『マシンロボ』の葦プロダクションなどがあるが、前者は80年代中期に倒産して今はなく、後者も最近はロボットアニメを殆ど制作していない(しかしながら2007年に久々のロボットアニメ『獣装機攻ダンクーガノヴァ』を制作している)。最近では『グラヴィオン』『トランスフォーマーギャラクシーフォース』のゴンゾ、元サンライズのプロデューサー南雅彦らが設立した『ラーゼフォン』『エウレカセブン』のボンズなどが比較的多数のロボットアニメを制作している。

ロボットアニメ一覧[編集]

特記されていない物はテレビアニメ作品。

ヒト型ロボット(アンドロイド[編集]

活劇は勿論、交流・共存(果ては恋愛)がテーマとなることが多い。

1960年代[編集]

1970年代[編集]

1980年代[編集]

1990年代[編集]

2000年代[編集]

自律型ロボット[編集]

ヒト型と同様、活劇は勿論、交流・共存がテーマとなることが多い。

1960年代[編集]

1970年代[編集]

1980年代[編集]

1990年代[編集]

2000年代[編集]

遠隔操作・搭乗型ロボット(人型機械)[編集]

もっぱら活劇主体、存在意義はテーマとなり得る。

1960年代[編集]

1970年代[編集]

1980年代[編集]

1990年代[編集]

2000年代[編集]

脚注[編集]

  1. ただし、現実に即した戦争を採り上げることの是非についてしばしば論議の的となる。
  2. 自社制作は『ザンボット3』からだがサンライズ最初のロボットアニメはライディーンである。当時無名に近かったサンライズが売り込みのためにあえて権利を手放して制作した物らしい。
  3. 東映動画。なおコンバトラーVなどの『ロマンロボ』シリーズは東映動画ではなくその親会社である東映本社が企画し、サンライズのスタッフが実際の制作を行ったものである。
  4. ただし実際の制作はどちらもタツノコではない。ただロボットアニメこそ『ゴーダム』『ゴールドライタン』など数少ないものの、代表作である『ガッチャマン』などを初めとする作品群は『マジンガーZ』『コンバトラーV』などを始めとしてロボットアニメ全般に多大な影響を与えている。

外部リンク[編集]

zh:機器人動畫