「アベノミクス」の版間の差分

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[[東京証券取引所]]1部上場で[[時価総額]]が1兆円を突破している企業の数が、 2012年11月14日に当時の野田佳彦首相が衆院解散を表明してから、約4カ月で約1.5倍に急増。東証1部全体の時価総額は[[3月26日]]時点で約362兆円となり、解散表明時に比べ約111兆円増加した。
 
[[東京証券取引所]]1部上場で[[時価総額]]が1兆円を突破している企業の数が、 2012年11月14日に当時の野田佳彦首相が衆院解散を表明してから、約4カ月で約1.5倍に急増。東証1部全体の時価総額は[[3月26日]]時点で約362兆円となり、解散表明時に比べ約111兆円増加した。
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⑦日本・日本人の国益に反する商売をしている者
 
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①まともな日本企業  
 
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2020年4月17日 (金) 03:39時点における最新版

歴代政権時の日経平均株価の推移

アベノミクス(またはアベノミックス安倍ノミクス)は、自由民主党の政治家・安倍晋三第2次安倍内閣において掲げた一連の経済政策に対して与えられた通称。安倍とエコノミックスを合わせた造語。呼称は中川秀直がつけた。ドイツ語、英語、フランス語では Abenomicsと表記される。

概要[編集]

デフレ経済を克服するためにインフレターゲットを設定し、これが達成されるまで日本銀行法改正も視野に、大胆な金融緩和措置を講ずるという金融政策ロナルド・レーガンの経済政策であるレーガノミクスにちなんで、アベノミクスと呼ばれるようになった。ただし、主に使用しているのは経済学者やマスメディアで、安倍晋三の秘書(飯塚洋を含む5人のうち誰かと見られる)は「首相が自ら口にしたことは一度もない」と証言している。

内容[編集]

アベノミクスは、下記の3つを基本方針としており、安倍はそれを「3本の矢」と表現している。

  • 大胆な金融政策
  • 機動的な財政政策
  • 民間投資を喚起する成長戦略

個別の政策としては、下記などが挙げられる。

経済政策を進めるために、甘利明経済財政政策担当相の下に日本経済再生本部を設け、さらにその下に経済財政諮問会議産業競争力会議を設置している。

背景[編集]

アベノミクスに類する経済議論は既に1990年代後半から始まっていた。日本経済は1990年代初頭にバブル崩壊を経験して以来、その後の消費税率3%から5%への増税など緊縮財政の結果として名目GDPの成長不全に陥っていた。1990年代後半には、ノーベル経済学賞受賞者であるポール・クルーグマンは日本が流動性の罠に陥っている可能性を指摘しつつも、日本経済を回復軌道にのせるための手段として、極めて初歩的ではあるが、お金を大量に刷ること(Print lots of money)で民間需要増加に努めるべきと論じた。具体的には日本銀行が長期国債を買うことであるが、日本銀行が多額の日本国債を買い取ることに起因するインフレーションについては「人々の消費がその経済の生産能力(供給力)を超える状態のときに限り、紙幣増刷由来のインフレが発生する」と述べる。というのも流動性の罠に陥っている状況では、IS-LM分析でLM曲線がY-r平面でフラットになっているためにマネタリーベースの増加が実質金利上昇を喚起しないからである。ここでクルーグマンは、そのような中央銀行のインフレ期待政策は長期にわたって続けねばならないとも述べていた。

さらにはノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・E・スティグリッツコロンビア大学教授が、日本がバブル崩壊後に長期のデフレーションに陥り10年以上も不況が続いていることを指摘し、日本経済を好転させるために日本政府が財政赤字を紙幣増刷によってファイナンスするように提言していた。新規に発行されたコイン・紙幣を人々が持てば、それらの人々のいくらかが財やサービスの消費にお金を使おうとし、また銀行など金融機関が民間企業向けの貸し出しを増やし景気を刺激するからである。これはいわば政府が発行する紙幣、すなわち政府紙幣のことである。これは無利子国債を中央銀行が買い取ることと実質等しい。

展開[編集]

2012年(平成24年)11月14日、2日後の11月16日衆議院解散をして12月に総選挙を行うことが決まったため、自民党政権復帰が視野に入ると共に円安・株高現象が起こった。それまで日本のマーケットは、米国株価に左右される動きではあるが、米国の大企業が好決算を出していたものの、日本のGDPが上がらず、主力株である銀行鉄鋼などが低迷したままの状態であった。特に輸出関連のメーカーなどは30年前の株価まで下落する状況であった。

民主党政権において数回、円売りドル買い介入をしたものの円高や株安は改善されず、貿易赤字は毎月膨れ上がり、10月においては過去最高の5490億円を記録した。だが安倍晋三が11月15日、デフレ脱却・無制限の量的緩和策を打ち出したことで、日経平均株価円安の動きが連動した。そして選挙戦に事実上突入して以降は株高・円安がさらに加速したことで「アベノミックス」「安倍トレード」「安倍バブル」「安倍相場」という言葉をマスメディア等が使い始めた。

円安になると円換算の売上が増えて輸出競争力が付き、為替差益が生ずるため、実際に増収増益となる。そのため、マーケットは思惑買いから先取りした相場展開となり、第2次安倍内閣の発足以前から市場が動いて経済的にプラス効果が出た。

2013年(平成25年)2月1日には、日経平均は2012年11月-2013年2月にかけて12週連続で上昇し、「岩戸景気」の1958年12月-1959年4月にかけての17週連続に次ぐ54年ぶりの記録となった。

同年2月の日本百貨店協会による全国百貨店売上高は、前年同月比0.3%増(店舗数調整後)の約4317億円と、高級ブランド品やバレンタイン関連の需要が牽引して1月に続くプラスとなった。2カ月連続の売上増は、 東日本大震災の反動増が寄与した昨年3~4月以来となる。

同年3月1日、公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、2012年10-12月期の運用実績が2012年11月末からの円安・株高の影響で5兆1352億円の利益を計上したことを発表した。

同年3月8日には日経平均株価がリーマンショック前の水準に戻った。

東京証券取引所1部上場で時価総額が1兆円を突破している企業の数が、 2012年11月14日に当時の野田佳彦首相が衆院解散を表明してから、約4カ月で約1.5倍に急増。東証1部全体の時価総額は3月26日時点で約362兆円となり、解散表明時に比べ約111兆円増加した。

アベノミクスで喜んでいる人[編集]

ニート等、労働所得を得ていない者 、生活保護受給者

②韓国経済界、或いは韓国経済界と強い結びつきを持っている者

③中国経済界、或いは中国と強い結びつきを持っている者

④景気が回復してしまうと、これまでの主張が嘘だったと攻められる立場の人たち

在日韓国人・中国人など本国に送金を目的で日本に不法滞在している者

⑥朝日・毎日・中日新聞・NHK・ゲンダイ・ポストセブンなどの反日マスゴミ

⑦日本・日本人の国益に反する商売をしている者

アベノミクスが困る人[編集]

①まともな日本企業

②日本に対して投資している人達

③ふつうの生活をしている日本人全般 (※帰化朝鮮・韓国人などを除く)

④日本の景気に連動しやすい主要先進国

アベノミクス支持派[編集]

アベノミクス失敗を願う派[編集]

野党の反応[編集]

民主党[編集]

2012年(平成24年)12月24日海江田万里民主党代表は安倍が掲げる金融緩和について「学者の中にもいろんな考え方がある。国民生活を学説の実験台にしてはいけない」と述べ、対決姿勢を示した。同年12月25日、民主党新代表に選出された海江田はアベノミクスに潜む危険性を予算委員会で指摘した。記者会見では「公共事業の大盤振る舞いは古い考え方」と批判し、金融政策について「日銀の独立性が損なわれるような政策は中銀や円の信任にかかわり、様々な副作用が予想される」と語った。

野田佳彦元首相は「何でも日銀に責任をかぶせるやり方だ。国際社会では通用しない」と述べアベノミクスを批判した。首相時代に野田は安倍の金融政策に関する発言について「安倍さんのおっしゃっていることは極めて危険です。インフレで喜ぶのは株・土地を持っている人。一般庶民には関係ありません。借金を作ってそんなことをやってはいけない」「金融政策の具体的な方法まで言うのは、中央銀行の独立性を損なう」と批判していた。

2013年(平成25年)1月30日、衆院本会議で海江田民主党代表は、財政政策について「公共事業に偏重した旧来型経済政策は効果に乏しく、財政赤字を膨らませてきた」と批判。物価上昇2%を目標とする金融緩和策に関しても「国民生活への副作用も無視できない」と懸念を示し、「景気回復が一過性なら、雇用や給与はほとんど増えない可能性がある」と指摘し、実質賃金の引き下げなどにつながりかねないと疑問を呈した。

2013年(平成25年)2月7日、民主党の前原誠司衆院予算委員会において、デフレの背景として、日本の人口減少が影響していると指摘、これに対し安倍は「人口減少とデフレを結びつける考え方を私はとらない。デフレは貨幣現象であり、金融政策で変えられる。人口が減少している国は他にもあるが、デフレに陥った国ない」と答えた。これに対して前原誠司はさらに「日本を他の国と比べることは出来ない。他の国との大きな違いとして、日本には莫大な財政赤字ある。人口が減っていくという事は国民一人当たりの負担が増えていくという事ではないか」と応じた。

2013年(平成25年)2月12日、民主党の後藤祐一は衆院予算委員会において「3本の矢は我々民主党が言い出し、3本を一体でやっていこうと主張しているが、安倍は『1本目の矢の金融緩和は勝手に日銀がやってくれ。我々政府は知らない』と言っている。3本の矢で行こうというのが日銀と民主党の考え方、1本の矢で行こうというのが安倍首相の考え方であり、食い違いがある」、「人口減少と、デフレギャップおよびデフレは密接に関係している」、「2%の物価安定目標の達成に向けて安倍首相は政府は全く責任を取らないと主張している。本音は(2013年7月の)参院選が気になっているだけだ。安倍首相のマクロ経済に対する考え方は私は大変疑問だ」と発言した。

これに対し、安倍は「そもそも3本の矢と言い始めたのはあなた(後藤祐一)でも日銀でもなく私であり、総裁選を通じて申し上げてきたもの。単に金融緩和をやるのではなく、それと共に有効需要を作っていき実質経済を成長させ、そして地域が活性化し雇用賃金に反映させる時差を短くし、景気回復の実感を持って頂く。そのために2本目の矢の財政政策が必要であると主張している。しかしこれは何度も打てないので3本目の矢の成長戦略をしっかり打つ。これを同時に打ち込み、以前から言ってきた経済3団体への賃上げ協力要請も本日行う。私が全く言っていない事について、言った事として批判されても本当に困る」、「山本幸三議員が先程のヤジで指摘した通り、アメリカは日本より遥かにデフレギャップが大きいのにデフレに陥っていない。人口が減少している国の中でデフレ脱却していない国は日本だけ」と反論した。

みんなの党[編集]

2013年(平成25年)2月5日山内康一みんなの党国対委員長は、衆議院本会議において、安倍が掲げる公共事業について「特定の産業を育成するのは社会主義計画経済的な発想だ。経済政策は保守主義の王道から外れるのではないか」と述べた。

日本共産党[編集]

2013年(平成25年)2月5日、日本共産党佐々木憲昭は衆院本会議で2012年度補正予算案に関し「庶民の懐を温める政策に転換すべきだ。家計消費が増えれば、内需が拡大しデフレ克服への道が開かれる」と代表質問を行なった。これに対し安倍は「成長期待の低下やデフレ予想の固定化」が不況の原因であると答えた。佐々木は「いま必要なのは、消費税増税の中止など国民の所得を奪う政策をただちにとりやめること」と述べている。

日本維新の会[編集]

2013年(平成25年)2月12日日本維新の会石原慎太郎共同代表は衆議院予算委員会において「何としてもアベノミクスを成功させて欲しい」と応援を行い、「日本の国家の会計制度に懸念を持っている。これを合理化して企業並みにしないと、アベノミクスのバリアになる。この国には健全なバランスシート財務諸表がない。国は何で外部監査を入れないのか。アベノミクスを成功させるためにも会計制度を一新させる必要がある。会計制度を変えると税金の使途がハッキリ分かる」と提言を行った。

政財界の見解[編集]

大蔵官僚アジア開発銀行(ADB)の黒田東彦総裁はアベノミクスについて「適切だ」と評価し、支持する姿勢を示している。

黒田は「デフレを克服する一方、中期的な財政再建を堅持し、成長力を高めていくのは適切な政策だ。日本経済の問題にたいして適切に対応するものだ」「日本経済にとって最大の課題はデフレからの脱却だ。15年もデフレが続いているのは異常である。日本経済にマイナスの影響を与え、その結果として世界経済にもマイナスの影響与えている。それを直そうということは日本にとって正しいだけでなく、世界経済にとっても正しい」と評価している。

また「日本がデフレから脱却することがアジアにも世界経済にもプラスになる」とし、アジア各国も支持するとの認識を示している。また、政府と日銀が2%の物価上昇率目標を設定する共同声明を結んだことについて「画期的なことであって、非常に正しいことだ」と高く評価する考えを示している。

トヨタ自動車で社長や会長を務めた奥田碩日本経済団体連合会名誉会長は、1ドル90円から100円が適正な為替レートで、そうなれば自動車や電機の輸出も増え、貿易赤字が解消されるだろうとの見解を示した。

元大蔵官僚で国際通貨研究所理事長の行天豊雄はアベノミクスを小手先の金融政策や景気刺激策に終始するようであれば市場に足をすくわれるのがオチと批判。アベノミクスにより財政悪化が進めば最終的に日本は悪性インフレに陥るとまとめた。

新聞論説[編集]

中日新聞は、2013年1月29日夕刊の夕歩道(夕刊コラム)において「調子に乗りすぎるなよアベノミクス」と述べている。一方、2013年2月10日社説においては「金融緩和と拡張的財政政策の組み合わせは景気を刺激する。これは経済学の教科書に必ず書いてある基本の話で、実は議論の余地はない」「本紙はこの十年ほど、一貫して金融緩和の重要性を指摘している」と述べている。

日本政府の見解[編集]

麻生太郎財務大臣は「(2009年4月のG20加盟20カ国の首脳会談で)通貨安競争はやらないという約束をしたが、約束を守った国は何カ国あるのか。米国はもっとドル高にすべきだ。ユーロはいくらになったのか」と言及。1ドル=100円前後で推移していた当時に比べても円高水準にあると指摘した。その上で、約束を守ったのは日本だけだとし、「外国に言われる筋合いはない。通貨安に急激にしているわけではない」と述べた。

浜田宏一内閣官房参与は「麻生副総理も言っておられたように、今まで日本だけが我慢して他国にいいことを続けてきたのに、今自国のために金融緩和しようとするときに、他国に文句をつけられる筋合いはない。日本の金融政策は日本のためであり、ブラジルや他国のためではない」と述べている。

また浜田は「日本はこの3年間、世界中からいいように食い物にされてきた。今回は、それをようやく正常な形に戻すことに決めたということである。それを海外が非難すること自体、おかしなことで、日本はそうした非難を恐れる必要はない」と述べている。

2013年1月22日、閣議後の会見で、麻生財務大臣は「円高がだいぶ修正されつつある」との認識を示した。

2013年1月28日の臨時閣議後の記者会見で、甘利明経済財政・再生相は、円安誘導との批判がある安倍政権の経済政策について「(ダボス会議で)説明後に、この政策に対して危惧を持っているという発言は無かった」と述べ、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)ではおおむね理解を得られたとの認識を示した。甘利経済財政・再生相はIMF、OECDなど国際機関の責任者や民間の識者から日本の政策を支持する声が「相次いだ」と説明している。

同年1月28日の臨時閣議後の記者会見で、麻生財務大臣は各国で日本が通貨安政策をとっているとの批判が起きていることに「ドルやユーロが下がった時には(日本は)一言も文句を言っていない」と述べ、「戻したらぐちゃぐちゃ言ってくるのは筋としておかしい」と反論した。円相場については、安倍政権がとった施策を受けて「結果として安くなったもの」と分析。過度な円高の修正局面だとの認識を示した。また「日本は(金融危機だった)欧州の救済のために融資するなど、やるべきことをやっている」と付け加えた。

同年2月9日、麻生財務大臣は円安について、進みすぎだと発言している。

同年2月14日、日銀の白川方明総裁は、金融政策決定会合後の記者会見で「(金融緩和)は国内経済の安定が目的で、為替相場への影響を目的にしているわけではない」と述べ、先進国の一部や新興国による「円安誘導」との指摘を否定した。

同年2月15日、浜田内閣官房参与はピーターソン国際経済研究所で講演で、日本の金融政策は国内の物価目標の達成のみを目指したもので、円相場を操作していると解釈されるべきではないとの見解を示した。またリーマン・ブラザーズ破綻後の金融危機時に、日本はイングランド銀行やFRBが行った拡張的な金融政策を批判しなかったとし、日本の積極的な金融政策も非難されるべきではないというのが日本当局者の見解と述べた。また、「変動相場制の下では『通貨安戦争』という概念はない」と述べ、「ブラジルのように不満のある国は、自らの国で適切な金融政策を採用すべきだ」と指摘した。

同年2月22日、安倍はバラク・オバマ米大統領との首脳会談後の記者会見で、「アベノミクス」について、オバマ大統領が「歓迎した」と明らかにし、「日本経済の再生が日米両国、さらに世界に有意義であるとの認識を共有した」との認識を示した。安倍はオバマ大統領が「安倍政権がとった大胆な政策が日本国民に評価されていると認識している」と応じたと述べている。

上場企業2,316社の平均年間給与604万4000円(2014年11月)[編集]

上場企業2,316社の2014年3月期決算の平均年間給与は604万4,000円(前年比5万8,000円増)だった。調査を開始した2010年3月期以降、4年連続で増え、初めて平均年間給与が600万円を超えた。

業種別では、円安や株価の上昇で銀行証券会社を中心に好業績を反映し金融・保険業が前年比3.1%増と最も高かった。

一方で、原発停止の影響から電力業の平均年間給与の減少率が大きく、電気・ガス業が同6.3%減と、唯一減少し、業種により明暗を分けた。

上位50社を業種別でみると、テレビ局など放送関連を含む運輸・情報通信業(13社)、証券・保険・銀行の金融・保険業(11社)、総合商社などを含む卸売業(8社)で約6割を占めた。一方、建設業、小売業は1,000万円以上の企業が1社もなく、業種間で格差が生じている。

安倍政権は賃金アップの方向性を打ち出している。しかし、人手不足から人材確保のため人件費アップ、円安による原材料、資材高などコストアップが企業収益に大きな影響を及ぼす懸念も出てきた。業種を問わず、「利益を伴う成長」が給与水準の上昇の大きなカギとなってくる。

上場企業2,316社のうち、平均年間給与が前年より増えたのは1,451社(構成比62.6%、前年1,220社)、減少が855社(同36.9%、同1,085社)、横ばいが10社(同0.4%、同11社)だった。

平均年間給与が「増加した企業」は前年より231社(18.9%)増加し、構成比は前年の52.6%から10.0ポイントアップした。大手企業を中心とした業績好転が牽引し、平均年間給与を押し上げた格好となった。一方、平均年間給与が減少した855社のうち、445社(構成比52.0%)は従業員を増加させた。人材採用を積極的に行ったことで、平均年間給与が下がったとみられる。

上場企業2,316社の平均年間給与の増減率分布では、増加率10.0%未満が1,352社(構成比58.3%、前年1,136社)で最多。次いで、減少率10.0%以下が793社(同34.2%、同1,004社)、増加率10.0%以上が109社(同4.7%、同95社)、減少率10.0%超が62社(同2.6%、同81社)の順。

業績好転に伴い平均年間給与は増加しているが、増加率は10.0%未満が大半と、増加幅は僅かにとどまっている。

業種別で平均年間給与が最も高かったのは、金融・保険業の693万9,000円で、最も低かったのは小売業の496万7,000円だった。

増減率では、金融・保険業が前年より3.1%増と最も大きかった。円高から円安への為替相場の変動、株価上昇により銀行・証券を中心に平均年間給与を押し上げた。一方、電気・ガス業(18社)が前年比6.3%減と唯一、前年を下回った。特に電力業では、原発停止が大きく響き、東京電力(前年比10.4%増)を除く10電気会社が前年を下回って前年比8.6%減となり、電気・ガス業の減少率を拡大させた。福島第一原子力発電所事故の復旧と賠償のために、政府が公的資金を導入した東京電力が684万4,000円で、2年ぶりに前年(619万6,000円)を上回った。震災以降、給与カットを行っていたが、年俸制を導入したことで平均年間給与が増加した。

平均年間給与の上位3社は、トップがフジサンケイグループの事業を統括する純粋持株会社のフジ・メディア・ホールディングスの1,506万円。2位が東京放送ホールディングスの1,499万円、3位が野村ホールディングスの1,488万2,000円の順。上位10位までに、放送は純粋持株会社や準キー局が5社、大手商社も伊藤忠商事1,383万5,000円、三菱商事1,355万2,000円がランクイン。また、前年17位だったM&A仲介企業の日本M&Aセンターが1,412万円で、6位に大幅にランクアップした。

前年比較の増加率が最も高かったのは、投資業のアジア・アライアンス・ホールディングスの60.5%増(486万3,000円→780万8,000円)。2位が2013年5月に事業再生ADRを申請した劇場運営の御園座の57.2%増(350万9,000円→551万8,000円)。3位が医薬品などの研究開発を行うナノキャリアの46.3%増(440万7,000円→644万9,000円)の順だった。

平均年間給与の金額別では、1,000万円以上が43社、700万円以上1,000万円未満が411社、600万円以上700万円未満が609社、500万円以上600万円未満が735社、500万円未満が518社。600万円未満の構成比が54.1%を占めた。なお、最高金額のフジ・メディア・ホールディングスと最低となった企業の平均年間給与は5.6倍の開きがあった。

車・電機、ベア昨年超えへ。日産は満額回答の公算(2015年2月)[編集]

2015年春の労使交渉で、労働組合の給与水準を底上げするベースアップ(ベア)要求に対して、自動車各社は昨年実績を上回る回答をする見通しだ。日産自動車はベアに相当する月6千円の賃金改善要求に満額回答する公算。自動車と同様に業績が堅調な電機も昨年実績を上回る可能性が高い。交渉をリードする両業界の大手企業の姿勢を受けて、中小や地方にどこまで波及するかが焦点だ。

日産に加え、トヨタ自動車など自動車大手の労働組合が18日、一斉に月6千円相当の賃上げを求める要求書を提出した。各労組が高水準のベアを統一要求するのは2000年以降で初めて。東芝NECの労組も同日、月6千円の賃金改善を求めて交渉に入った。

日産は成果主義に基づく独自の賃金体系を採用している。労組は経営側に昇給原資となる1人あたり月12,000円の賃金改定原資(うちベア相当の賃金改善は6千円)と年間一時金5.7カ月分を要求した。

経営側はベア相当6千円を含む1人あたり賃金改定原資に加え、一時金についても満額回答する公算が大きい。満額回答すれば2年連続となる。日産は世界での販売が増え、2015年3月期の連結売上高が過去最高を更新する見通しだ。円高の是正で収益環境も好転している。

トヨタ自動車など他の自動車メーカーも6年ぶりのベア実施となった昨年の実績を上回る回答となる見通しだ。電機でも昨年実績(月2千円のベア)が交渉の出発点となる公算だ。自動車や電機の労使の間では「前年実績を超えるのは最低ライン」(労組関係者)との見方が強い。

消費増税後の回復が遅れている消費を下支えするには、中小企業や地方にも賃上げが広がることが必要だ。トヨタ系の部品メーカー労組などで構成する全トヨタ労働組合連合会によると、集計した製造系の121組合全てが6千円以上のベアを要求した。全組合による統一要求は初めてだ。

自動車関連の労組でつくる自動車総連の相原康伸会長は18日の記者会見で「中小企業への広がりは今年の最重要課題だ」と強調した。トヨタなど各社が部品の調達価格の引き下げ要求を緩和する動きも出ている。好業績を部品会社の賃上げに波及させる狙いがある。

ただ、日本商工会議所の三村明夫会頭は同日の記者会見で「地方や小規模企業であればあるほど景況感は改善していない。取引価格に配慮する動きは歓迎するが、全般に広がっているわけではない」と、慎重な見方を示す。電機も海外生産が多いため、国内の中小企業に恩恵は広がりにくい。

物価の影響を除いた実質賃金は2014年12月まで18カ月連続のマイナスで、個人消費の重しとなっている。安倍晋三政権は景気の回復には実質賃金が前年を上回ることが必要だとしており、ベアの行方が重要な意味をもつ。

東証寄り付き、続伸。2007年の高値上回る、国内景気期待の買い(2015年2月)[編集]

19日前場寄り付きの東京株式市場で日経平均株価は続伸して始まった。一時前日比90円超高い1万8290円台まで上昇し、2007年7月9日に付けていた終値ベースの高値(1万8261円98銭)を上回った。このまま終えれば、2000年以来、約15年ぶりの高値となる。海外情勢や為替相場の落ち着きで、国内景気の回復期待を背景にした買いが継続して入っている。AV(音響・映像)機器事業の分社化を発表したソニーが上昇するなど、日本企業の経営の変化を評価した買いも株価押し上げに一役買っている。

チャート上で昨年12月以来の「三角もちあい」を上放れし、テクニカル指標面で先高期待が広がっていることも買いにつながっている。前日に大幅高となった流れを引き継ぎ、きょうの上値を試す雰囲気が広がっている。日経平均は、取引時間中としては2007年7月5日(1万8297円00銭)以来およそ7年7カ月ぶりの高値水準で推移している。

18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小反落した。米経済指標が相次いで市場予想を下回り、利益確定売りが出た。ただ、この日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で米連邦準備理事会(FRB)が利上げに慎重な姿勢を示したことで下げ渋った。きょうの日本株高もFRBによる早期の利上げ観測後退が一役買っているとの見方がある。

JPX日経インデックス400東証株価指数(TOPIX)はともに続伸している。業種別では「銀行業」や「海運業」「精密機器」「電気機器」などの上げが目立っている。

個別銘柄では、旧「村上ファンド」の関係者が配当を上積みするよう要求している、と報じられたヨロズも買われている。一方、ソフトバンクや武田が下げている。

三菱UFJ、利益1兆円に。国内銀行グループ初(2015年4月)[編集]

三菱UFJフィナンシャル・グループは、2015年3月期連結決算で、税引き後利益が1兆円を超える見通しとなった。

三菱UFJは経営統合後の2006年3月期連結決算で、旧行の税引き後利益との合算ベースで1兆円を超えたが、単独では国内の銀行グループで初となる。

安倍政権の経済政策「アベノミクス」による景気回復で貸出先の業績が上向き、融資の焦げ付きに備えて計上していた貸し倒れ引当金が不要となって利益(戻り益)が増加したことが要因だ。買収した海外の金融機関の利益も、底上げにつながった。

2014年3月期の税引き後利益は約9800億円だった。

大卒就職率、今春96.7%。4年連続上昇、「リーマン」前水準に回復(2015年5月)[編集]

平成27年3月に卒業した大学生の就職率(4月1日時点)は96.7%(前年同期比2.3ポイント増)と、4年連続で上昇した。統計開始以降、最高だった20年(96.9%)には及ばなかったが、ほぼリーマン・ショック以前の水準まで回復した。厚労省は「景気回復により企業の採用意欲が高まった結果」(若年者雇用対策室)と分析している。

一方で約1万3600人の学生が就職できていないと推計されており、ハローワークなどを通じて既卒者の就職支援を続ける。調査は全国の国公立、私立大の中から計62校を抽出して実施。就職希望者約41万700人のうち、約39万7100人が就職したと推計した。

男女別の就職率は、男子が96.5%(前年同期比2.7ポイント増)、女子が96.9%(同1.7ポイント増)でともに改善。3年連続で女子が男子を上回った。文系理系別では、文系96.5%、理系97.2%で「理高文低」の傾向が続いている。

地域別では中部と中国・四国が最も高く97.3%。近畿が97.1%、関東96.9%、北海道・東北95.3%、九州94.7%と続き、すべての地域で前年を上回った。大学以外では短大95.6%(同1.4ポイント増)、高等専門学校100%(前年も100%)などだった。

一方、文部科学省平成27年3月に卒業した高校生の就職率(3月末現在)について、前年同期比0.9ポイント増の97.5%(男子98.1%、女子96.4%)に上ったと発表した。5年連続の上昇で、バブル期の就職率(平成5年3月、96.9%)を上回る水準となった。

同省は「特に製造業を中心に、求人数が増加したことが大きな要因」(児童生徒課)と話している。

関連人物[編集]

  • 高橋洋一 - ブレーンの一人。第1次安倍内閣では経済政策のブレーンを務めた。
  • 浜田宏一 - 経済政策・金融分野のブレーンの一人。第2次安倍内閣内閣官房参与。安倍は「私の主張を正しいと言ってくれている経済学の大家」と評している。
  • 本田悦朗 - ブレーンの一人。第2次安倍内閣の内閣官房参与。
  • 岩田規久男 - 経済ブレーンの一人。
  • 中原伸之 - 金融政策のブレーンの一人。
  • 山本幸三 - アベノミクスの仕掛け人。自民党の経済再生本部事務局長。
  • 藤井聡 - 第2次安倍内閣での内閣官房参与(防災・減災ニューディール政策担当)。国土強靭化計画の提唱者。

関連項目[編集]

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