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2017年2月19日 (日) 00:53時点における最新版
美人(びじん)とは、容貌の美しい人物をさす言葉。美女・佳人・麗人と同義。古代中国で女官の官名とされたことから、古くから女性に対して用いられた。[1]未成年者はとくに美少女と呼ばれる。
概要[編集]
女性の何をもって美とするかは、究極においては主観的なものであり、個人の嗜好によって美人の基準は異なる。ある共同体において一般的とされる美人像がその共同体内の全ての個人に共通して美人と見なされるとは限らず、価値観の多様化が進んだ社会であれば美の基準においても個人差が大きくなる。
一方、美人とは多くの人が一致して美しいと見なす女性を指すものであり、ある女性に対する美的評価において、不特定多数の個人の嗜好が一致する場合があることも確かである。後述の平均美人説や黄金比率美人説などに見られるように、多くの人が美と感じる容姿を科学的に説明しようという試みも行われている。
ただし、美は社会的に共有されるものでもあり、時代や文化によってその基準も変動しており、形質に対する科学的な分析だけでは説明のつかない要素もある。ある時代や文化において多くの人に美と認識される要素が、他の時代や文化でも同様の評価を受けるとは限らない。同様に、ある社会で一般的に美とされる要素がすべての個人の嗜好を全面的に規定するわけではないが、その社会固有の文化として多かれ少なかれ個人に影響を与えることもまた事実である。日本でも特定の女優や芸能人が時代を代表する美人として扱われ、それに似せたファッションが流行することがある。[2]
このように、美人という審美的判断は、判断主体個人の嗜好・その文化的背景・対象の客観的形質という複数の要素によって総合的に形成され、いずれか一つの要素によって排他的に決定されるものではない。
ちなみに、ミス・コンテストなど、容姿の美しさを基準にして女性を評価することは、男性が女性を性的欲望の対象としてのみ視るような差別意識の表れとして、フェミニズムの立場からは社会倫理上問題視される傾向がある。ただし、こうした批判は女性の美を礼賛するという自然な欲求を抑圧し党派的議論を押しつけるものとして、男性のみならず女性からの反発も根強い。
日本の美しい女性像[編集]
平安時代には、肌理(きめ)の細かい色白の肌、ふっくらした頬、長くしなやかな黒髪が典型的な美人の条件として尊ばれた。ただし、一定以上の身分のある女性は近親者以外の男性に顔を見せないものとされたため、男性はめあての女性の寝所に忍んで行き、ほの暗い灯火の下で初めてその姿を見るということが普通であった。化粧は、顔に白粉を塗り、眉を除去して墨で描き(引眉)、歯を黒く染める(お歯黒)といったもので、健康美よりはむしろ妖艶さが強調された。当時の女性の成年年齢は初潮を迎える12~14歳であり、30代はすでに盛りを過ぎた年齢とみなされていた。ちなみに、しばしば言及される引目鉤鼻は源氏物語絵巻等の平安絵画に用いられた理想的な美人の表現技法の名称である。また、現代ではいわゆる下ぶくれのおかめ顔を平安美人などと呼ぶこともあるが、おかめは狂言において乙(おと)という醜女に当たるため、美人である小面と混同されたと推測される。
江戸時代以来、日本では色白できめ細かい肌、細面、小ぶりな口、富士額、涼しい目元、鼻筋が通り、豊かな黒髪が美人の典型とされた(浮世絵で見られる小さな目で描かれた女性は、当時の理想的な美人を様式化した作品である。詳しくは美人画を参照)。こうした美意識は、明治時代から大正時代に至るまで日本の美人像の基調となった。井原西鶴の作品要出典には、低い鼻を高くしてほしいと神社で無理な願いことをする、との記述があり、当時鼻の高さを好んだ傾向が伺える。また朝鮮通信使の記録には、「沿道の女性の肌はお白いをせずとも白く、若い女性の笑い声は小鳥のようである」と国王に報告している。
明治時代に入ると欧化主義とそれに伴う洋装化の動きがおこり、大正時代の関東大震災後からパーマネントや断髪、口紅を唇全体に塗るなど、従来の美意識と相容れないような欧米式の美容が広まった。とくに、戦後の日本では、西洋映画等の影響を受けて、芸能界を中心に白人に近い顔立ちを尊ぶ美意識が普及した。
今日では、雑誌やマスメディアを通じて、化粧品やメイクに関する情報が広く共有され、美白・二重まぶたなど、ファッション産業と密接に結びついた審美観が普及している。その反面、容姿の美醜が従来以上に女性の幸福感を左右するようになった。こうした傾向は、摂食障害や美容整形への過度の依存など身体的・精神的健康をむしばむ新たな問題を生じている。
美人の比喩[編集]
日本では木花咲耶姫以来、神代から、正真正銘の美人を指すのに花の比喩をよくつかう。
ただし、これは飽くまでも日本の文化(大和民族の文化)における伝統的美意識による発想である。たとえば金田一京助は、アイヌに「お前、桜の花きれいだと思わないか」と訊いたところ「きれいだ」との返答だったので、「じゃ美人のときに、花のようだと言ったら」と重ねて問うと、そのアイヌから「だって全然違うじゃないか。花はこんな形をしているし、顔とは全然違う」と笑われたと伝えられる[3]。
平均美人説[編集]
Judith LangloisとLori Roggmanは、無作為に抽出した顔写真の合成写真を被験者に示した時に、その写真が魅力的であると判断されることが多いとする研究結果を発表した(Psychological Science 1990)。この事から、美人とはそのコミュニティにおいて最も平均的な容姿を持つものであるという仮説が提唱された。この説によると、美人像の変遷は、そのコミュニティの構成員の変化を背景としているものと考えられる(鼻が高い人が多くなれば、鼻が高いことが美人の要素となる)。このように平均的な女性が美しいと感じられる理由としては、平均的であるということが、当該コミュニティで失敗のない生殖を行う可能性が高いことを示している(繁殖実績が多い)と考えられるためと説明されている。
黄金比率美人説[編集]
カナダのトロント大学のカン・リー(Kang Lee)が視覚研究の専門誌「Vision Research」で白人女性のみを対象にした研究結果を発表した。そこで女性の見た目の美しさは両目の間隔や目鼻と口の距離が顔全体に占める割合によって決まるという研究結果が発表されている。その研究結果は目と口の距離は顔の長さの36%の時に一番美しいと感じられ、両目の間隔は顔の幅の46%の時に一番美しいと感じられることが分かった。http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2814183/
美人に関する諺・四字熟語[編集]
日本や中国では、美人(の意味)を比喩したことわざ・四字熟語が存在している。
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その他の美人[編集]
脚注[編集]
参考文献[編集]
- 井上章一 『美人論』 朝日新聞社<朝日文芸文庫>、1995年。ISBN 4022640952
- 井上章一 『美人コンテスト百年史-―芸妓の時代から美少女まで』 朝日新聞社<朝日文芸文庫>、1997年。ISBN 4022641452
- 山本桂子 『お化粧しないは不良のはじまり』講談社 2006年。 ISBN 4-06-213311-3
関連項目[編集]