「報道被害」の版間の差分
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2010年8月19日 (木) 06:21時点における最新版
報道被害(ほうどうひがい)とは、マスメディアが犯罪等の事件や出来事を報道する時、誤報、行き過ぎの報道により、被報道者の生活基盤、人間関係、名誉などを破壊してしまうことをいう。
概要[編集]
事実に基づく報道であっても、恣意的な編集や誇張による偏向報道、それらによる恣意的な社会的制裁によって、一部を見聞きした人が誤認してしまう場合がある。
特に週刊誌の広告では、目を引く為にセンセーショナルな見出しを付ける場合が多く、新聞広告や電車の吊り広告を通じて目にした人が、本文を読まずに誤認したままとなるケースが少なくない。
誤報であったということが判明しても訂正されなかったり、訂正文が掲載されることになった場合でも、誤報した本文ほどには目立たない形で書かれる傾向にある。その為、必ずしも被害者の不名誉が払拭されるとは言い難い。最近ではまるまる一ページに訂正謝罪文を掲載させる(週刊・月刊誌の場合)損害賠償請求訴訟が起こされ、認容される例が相次いでいる。
また誤報などにより報道被害を受けた者がその報道の根拠として情報源の開示を要求する場合があるが、取材情報源の秘匿を理由にして拒否される場合もある。この場合、報道被害者にとっては誤報であってもそれを証明する手段が無くなり、結果的に報道被害のみが残ってしまう。
報道の自由と人権侵害[編集]
知る権利と被報道者のプライバシーのどちらを優先させるべきか、いまだ決着がつかない。我々には真実を知る権利があるが、プライバシーを暴かれない権利も持っている。 そのため報道被害に対する裁判も多い。しかし、勝訴しても失った元の生活には戻れないという人も多い。
重大犯罪を起こした疑いを持たれ、大々的かつ継続的に報道された場合、たとえ無罪が確定したり、無実が確認された後も疑いの目を持たれ続けることがある(ロス疑惑・松本サリン事件等)。一部のマスメディアは判決を軽視し疑いの目を向け続け、却って偏見を助長していることさえある。このような場合、法的には名誉回復という形になっても、長期にわたり偏見にさらされ続けることがある(参考:痴漢冤罪)。
また、被疑者(容疑者に非ず)や被告人(被告に非ず)の段階ではまだ犯罪を犯したとは言えないにもかかわらず、日本のマスコミは、まるでその人物が犯罪者であるかの如くに報道することが多い為に無罪判決を受けたり誤認逮捕であったりした場合でもその人物が偏見を持たれ、失職や離婚等の被害を蒙る可能性がある(検察が公判請求する事件は“有罪に出来る”と確信したものだけである為でもある。また、検察・警察は無罪判決が確定した場合も「不当判決であり、現在も被告が真犯人であることを確信している。引き続き注視・監視していく」と犯人扱いし続ける意志を毎回発表している)。そして、その人物の名誉回復などは十分に行われない場合が多く、大きな社会問題となりつつある。
インターネットと報道被害[編集]
インターネット(ウェブサイトやメールマガジン)上に流れる情報の質は玉石混淆であり、中には噂話レベルの情報がまことしやかに語られることもある(この時点で受ける被害は風評被害)。ところが、稀にそのような情報を鵜呑みにしてマスメディアが二次利用する場合がある。一般にマスメディアの情報には信頼が置かれており、また、より多くの人が見聞きすることになる為、ネット上に留まっている場合とは比較にならないほど被害が拡大することになる。
また、マスメディアが「電子掲示板に報道対象の人物の書き込みがあった」と紹介することで、興味本位の訪問者が増え、掲示板の運営者に負担をかけることがある。近年では、無関係の人物が偽の書き込みをして、内容がマスメディアによって報道されたこともある。
報道被害の例[編集]
関連項目[編集]
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