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2012年5月6日 (日) 15:37時点における最新版
山口 二郎(やまぐち じろう、1958年7月13日 - )は、日本の政治学者。岡山県岡山市出身。東京大学法学部卒業。北海道大学教授。専門は行政学、現代日本政治論。日本政治学会理事長。
徹底した社会主義者であり、民主党のブレーン、左翼を代表する評論家である。
目次
略歴[編集]
- 1977年3月 岡山県立岡山操山高等学校卒業。 同年4月東京大学教養学部文科1類入学。
- 1981年3月 東京大学法学部卒業。
- 1981年4月 東京大学法学部助手。
- 1984年7月 北海道大学法学部助教授。
- 1987年7月 コーネル大学留学(フルブライト奨学生(1989年6月まで)。
- 1993年12月 北海道大学法学部教授。
- 1997年3月 オックスフォード大学セントアントニーズ・カレッジ客員研究員(1997年6月まで)。
- 2000年4月 北海道大学大学院法学研究科教授(附属高等法政教育センター長兼任、2004年3月まで)。
- 2004年4月 北海道大学大学院公共政策学連携研究部教授。
- 2005年3月 ウォーリック大学客員研究員(2005年6月まで)。
研究・言論活動[編集]
元々は行政学、特に大蔵省の意思決定に関する研究からスタートしたが、平成に入ってからは論壇で政治評論を多く執筆している。細川内閣誕生前後は選挙制度改革や政界再編など「政治改革」の旗振り役となり、村山内閣ではブレーンとして政策提言を行った。
民主党のブレーンとして[編集]
社会党が政権を離れて社会民主党に党名変更後、新しく結成された民主党のブレーンになった。民主党代表となって以降の小沢一郎の政策を後援し、小沢が掲げた「生活第一」のスローガンの発案者の一人とされ、2009年の政権交代までは民主党の応援団を任じ、「政権交代が日本を変える」と主張し続けた。政権交代が実現すると「今回の政権交代によって、ようやく本物の民主主義が日本に現れたということができる。いわば、政権交代によって市民革命が成就したのである」と絶賛した。しかし政権交代後の民主党政権については「(政権交代を支援してきた自分は)リフォーム詐欺の片棒を担いだ詐欺師の気分で身の置所がない」などと度々批判と失望を漏らしている。
橋下徹に対する批判活動[編集]
橋下徹大阪市長に対する辛辣な批判者として知られ、2011年大阪市長選挙に際しては「橋下主義(ハシズム)を許すな!」を出版し、講演会でも「チンピラにいちゃんの野望打ち砕け」などと訴えた。選挙期間中は橋下の政治手法を「上から枠をはめないといけないという貧困な人間観しかない」とし、大阪都構想についても「実現の可能性はゼロだと思う。だからこそ、いつまでもこねくり回している」と非難した。
2012年1月15日、テレビ朝日の報道ステーション SUNDAYで橋下徹大阪市長と直接討論をし、「愛知県犬山市のように立派な人を教育長に選んで、改革のプランを作らせ予算をつけるのが首長の仕事」と持論をぶつけたが、即座に「1700の自治体の一例に過ぎない。しかも犬山市は(後で選挙で方針が変えられ)上手くいっていない」「中身の問題ではなく仕組みの問題。現場でやったことがない学者の意見」と反論を受けた。 続いて、「学者として観察すれば大体の事は分かる」「父兄が教育現場に介入すれば教育なんてできない。歯止めが効かない」などの発言を残した他、橋下市長が教育最大の問題と定義している調書人事の仕組みを「知らない」と答えた。 また、「大阪府は私学助成を切った」と指摘するも、「そうです。再建の為に一回切って、拡充しました。大阪府が今一番拡充してるんですよ。知らないでしょ」と橋下市長に切り返され、無言を貫いた。 保護者や子供達に教師を評価させる橋下市長の教育改革について、「現場の教師のモチベーションが下がる。上からの評価ばかり気にする卑屈な人間が作られる」と否定的な見解を述べた。
2012年1月17日、北海道文化放送(UHB)ののりゆきのトークDE北海道に出演し、「橋下さんは持たざる者、明日の希望が持てない人達の支持を得た」と選挙を分析した。教育改革については「滅茶苦茶やろうとしている」と態度を変えておらず、大阪都構想含め橋下徹の政治改革を「具体性がないので何も変わらない」と批判を行った。
そのほかの政治活動[編集]
その他にも現実政治とのかかわりは深く、国立大学の独立法人化に伴い教員が公務員でなくなったため、選挙では応援演説を積極的に行っている。佐藤優とともに、北海道に根を下ろした活動という点で鈴木宗男の「新党大地」を応援している。2005年の総選挙では、辻元清美などの応援演説を行った。また、普天間基地移設問題では、和田春樹東大名誉教授らと米軍の海兵隊が日本から全面撤収するように求める声明を発表した。
交友関係[編集]
高校時代の同級生には、作家の原田宗典、グラフィックデザイナーの原研哉、参議院議員の姫井由美子がいる。
著作[編集]
単著[編集]
- 『大蔵官僚支配の終焉』(1987年、岩波書店)
- 『一党支配体制の崩壊』(1989年、岩波書店)
- 『政治改革』(1993年、岩波新書)
- 『日本政治の同時代的読み方』(1995年、朝日新聞社)
- 『日本政治の課題 新・政治改革論』(1997年、岩波新書)
- 『イギリスの政治 日本の政治』(1998年、ちくま新書)
- 『危機の日本政治』(1999年、岩波書店)
- 『地域民主主義の活性化と自治体改革』(2001年、公人の友社)
- 『地方政治の活性化と地域政策』 (2004年、公人の友社)
- 『戦後政治の崩壊 - デモクラシーはどこへゆくか』(2004年、岩波新書)
- 『ブレア時代のイギリス』(2005年、岩波新書)
- 『内閣制度』(2007年、東京大学出版会)
- 『ポスト戦後政治への対抗軸』(2007年、岩波書店)
- 『若者のための政治マニュアル』(2008年、講談社現代新書)
- 『政権交代論』(2009年、岩波新書)
共著[編集]
- 『マスコミと政治は市民に学べ――市民が政治を変える』 (1995年、ほんの木)共著:石川真澄・神保哲生
- 『どうする日本の政治』(2000年、岩波書店)共著:石川真澄・田中秀征
- 『グローバリゼーションと戦争責任』(2001年、岩波書店)共著:金子勝・高橋哲哉
- 『現代日本の政治』(2003年、放送大学教育振興会)共著:杉田敦
- 『本当に憲法改正まで行くつもりですか?』(2007年、実務教育出版)共著:福島みずほ・倉田真由美
- 『格差社会と教育改革』(2008年、岩波ブックレット)共著:苅谷剛彦
- 『橋下主義を許すな!』(2011年、ビジネス社)
編著[編集]
- 『現代日本の政治変動』(1999年、放送大学教育振興会)
- 『北海道大学法学部ライブラリー (5) 自治と政策』 (2000年、北海道大学図書刊行会)
- 『日本政治再生の条件』 (2001年、岩波新書)
- 『「強者の政治」に対抗する!』(2006年、岩波書店)
- 『政治を語る言葉』(2008年、七つ森書館)
- 『ポスト新自由主義 民主主義の地平を広げる』(2009年、七つ森書館)
- 『民主党政権は何をなすべきか――政治学からの提言』(2010年、岩波書店)
共編著[編集]
- 『現代日本の政治と政策』(1995年、放送大学教育振興会)共編:新藤宗幸
- 『連立政治同時代の検証』(1997年、朝日新聞社)編著:生活経済政策研究所
- 『グローバル化する戦後補償裁判』(2002年、信山社)共編:奥田安弘
- 大石眞・久保文明・佐々木毅 『首相公選を考える - その可能性と問題点』 (2002年、中公新書)
- 『東アジアで生きよう! - 経済構想・共生社会・歴史認識』(2003年、岩波書店)共編:金子勝・藤原帰一
- 『日本社会党 - 戦後革新の思想と行動』(2003年、日本経済評論社)共編:石川真澄
- 『グローバル化時代の地方ガバナンス』(2003年、岩波書店)共編:山崎幹根・遠藤乾
- 『ポスト福祉国家とソーシャル・ガヴァナンス』(2005年、ミネルヴァ書房)共編:宮本太郎・坪郷實
- 『市民社会民主主義への挑戦 - ポスト「第三の道」のヨーロッパ政治』(2005年、日本経済評論社)共編:宮本太郎・小川有美
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- JiroYamaguchi Official Web Site
- 山口二郎連載記事(現代政治の深層を読む|魚住昭責任編集ウェブマガジン「魚の目」)
- 山口二郎(@260yamaguchi)- Twitter