「イル・モストロ事件」の版間の差分
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イル・モストロ事件はイタリアのフィレンツェで発生した連続殺人事件。主にカップルが狙われ、8組16名が殺害されたといわれている。2011年現在未解決。
事件の名称の由来は事件の犯人を「イル・モストロ・ディ・フィレンツェ(Il Mostro di Firenze、『フィレンツェの怪物』の意)」、もしくは「イル・モストロ」と呼んだことによる。または単にカップル殺人犯などとも呼ばれている。
犯行の手口[編集]
- 夏場の月のない、休日の前日の晩に犯行をおかす。
- ドライブ中のカップルが狙われる。
- 22口径のベレッタを使用して被害者を射殺する。
- 被害者の死後、遺体を切開し性器を持ち去る。
- 犯行は年に1回程度のペースで行われ、通常の連続殺人のように犯行の間隔が短くなることはない。また、被害者を選定した形跡はほとんどみられない。
犯行[編集]
イル・モストロの関与が疑われる事件[編集]
- 1968年8月21日フィレンツェ郊外シーニャの林近くに停められた車の車内から男女の射殺死体が発見された。車内には女性の子供が同乗していたが、熟睡していたため事件に気づかず無事だった。被害女性の夫の犯行とされ、夫は懲役刑を受けた。
- 1980年代後半に娼婦が殺害された事件で、使用された凶器がイル・モストロ事件の凶器と同一の物と見られている。
第一期(1974年)[編集]
- 1974年9月14日、フィレンツェ郊外ボルゴ・サン・ロレンツォのブドウ畑近くに停められた車の車内から男女の死体が発見された。男性は銃撃され即死。女性には96箇所もの刺し傷があった。女性の性器にぶどうの蔓が差し込まれていたことから、悪魔崇拝との関連が噂された。
第二期(1981年から1985年)[編集]
- 1981年6月6日、結婚式を控えた男女が買い物に出かける途中で殺害された。男性は射殺。女性は射殺された上に数十箇所におよぶ刺し傷があった。付近ではカーセックスをする若者をターゲットした覗きが横行していたため、覗き魔の一人が犯人として逮捕された。
- 10月22日、カレンツァーノのバルトリーネ付近で車内から男女の惨殺死体が発見された。6月の事件の犯人とされる人物が拘留中であったことから、捜査陣はパニックに陥った。
- 1982年6月19日、モンテスペルトリで男女の射殺死体が発見された。
- 1983年9月9日、ドイツ人男性二人の射殺死体が発見された。男性の一人は髪を長く伸ばしており、女性と間違えられたと考えられている。
- 1984年7月29日、デート中の男女が撃たれ、女性は即死。男性は8時間後に死亡。現場近くで不審な50代の男性が目撃された。(のちに無関係と判明)
- 1985年9月8日、サン・カシャーノ・イン・ヴァル・ディ・ペーザでフランス人のカップルが殺害された。遺体の一部が切り取られ、捜査担当者に送りつけられた。
その後[編集]
1993年に農夫の男性が容疑者として逮捕されたが、犯行を否認したまま1998年2月22日に73歳で心臓発作により死去した。
関連作品[編集]
- フィレンツェ連続殺人(ISBN 4104011010)
- 母への遺書—フィレンツェ連続殺人事件の真実(ISBN 4309202810) - 犯人と目された人物の手記。
- トマス・ハリスの小説ハンニバル(ISBN 410216703X、ISBN 4102167048) - フィレンツェ編はこの事件にかなりのページを割いている。
- ミッドナイトリッパー (Mostro di Firenze)
- 新サスペリア (The Murderer is Still With Us)
- ロベルト・ベニーニのMr.モンスター (Il Mostro) - フィレンツェの怪物事件を題材としたコメディ