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三菱グループ(みつびしグループ)とは、かつての三菱財閥の流れを汲む企業を中心とする、企業グループである。
概要[編集]
日本を代表する企業連合の一つ。創業は土佐藩が大阪(現在の土佐稲荷神社付近)で経営していた九十九商会、それを土佐藩士であった岩崎弥太郎が買い受け個人企業とした。そして九十九商会を三菱商会と改称し、海運と商事を中心に事業を展開した。
マークは赤いスリーダイヤ(三菱マーク:創業時の九十九商会が船旗号として採用した三角菱のマークが、現在のスリーダイヤ・マークの原型。土佐藩郷士出の岩崎家家紋「三階菱」と、土佐藩主の山内家家紋「三ツ柏」の組合せに由来。後に社名を三菱と定める機縁)。グループの主要企業ながら、社名に「三菱」が付かない企業(日本郵船、新日本石油、東京海上日動火災保険、旭硝子、ニコン、キリンホールディングス(旧・麒麟麦酒)など)もある。これら三菱の名前の付かない企業はスリーダイヤマークを使わない。
三菱グループの中核とされる三菱東京UFJ銀行、三菱商事、三菱重工業の3社を「三菱グループ御三家」と呼ぶ。
旧財閥系企業グループの中で、比較的結束が強いと言われ、一般に「組織の三菱」と称される。一例としては下記のことがあげられる。
- 三菱グループ各社の本社、支社等は三菱地所や明治安田生命が保有するビルに置かれている事が多い。
- 三菱地所のビルには、ほぼ必ず三菱電機のエレベーターやエスカレーターが設置されている(ちなみに同様に三井不動産のビルには、ほぼ必ず三井グループの東芝製の物が使われていたり、住友不動産のビルの設計は、住友グループ外ながら同根の日建設計(旧住友本店建築部)が担当することが多い…等の事例もある)。
- 三菱グループが所有するビルには、ほぼ必ず、キリンビバレッジの自動販売機が設置されている。
- グループ各社の社用車は、三菱自動車工業(現在は大型乗用車市場から事実上撤退したため、軽自動車及び小型車が多い)及び三菱ふそうトラック・バス(ダイムラーAGの連結子会社)の車両が多い。また、三菱自動車から新型車が発売される際には、グループ社員限定の事前発表会が行われる。
- 社内行事では、麒麟麦酒・キリンビバレッジの製品を扱う飲食店を優先的に選ぶ。
- 「THE MONTHLY MITSUBISHI」というグループ広報誌が、毎月社員に配布される。
- 三菱グループ各社が浦和レッドダイヤモンズ(通称は「浦和レッズ」。前身は三菱重工業サッカー部で、現在の筆頭株主も三菱自動車工業である)のオフィシャルパートナーに名を連ねている。
など、現在でも継続されている習慣も多い。
また、ビジネス以外の福利厚生面や広報については、施設を共有していたり、三菱系企業社員等が集まってスポーツ大会・レガッタ・コーラス等をするなど交流を行っている。
また、ライブドアによるニッポン放送株の買収に際して、三菱電機がフジサンケイグループの支援を表明するなど、財閥・金融系以外の企業グループにもかかわりを持つようになっている。一方では、三菱自動車工業の再建をめぐって、東京三菱銀行、三菱商事、三菱重工業の間で意志の相違が生じ、また明治生命保険や東京海上火災保険が、同業会社との経営統合で、グループから自立の動きを見せている。
三菱金曜会[編集]
1954年に始まった金曜会は、毎月第2金曜日、グループ企業の会長・社長を集めて行う懇談昼食会を、活動の中心としている。
この外、歴史的建造物である岩崎弥之助本邸の維持・管理、およびグループの迎賓館・社交クラブとしての運営に当たる三菱開東閣委員会が、グループ30社によって組織されている。
主要会社[編集]
ここでは、三菱金曜会の会員(29社)、および三菱広報委員会の会員(42社)を挙げる(なお、三菱金曜会の会員は、すべてが三菱広報委員会の会員である。)。その他の会社は、下記の会社を中心とするグループのいずれかに属する形となる。
社名 | 三菱金曜会 | 三菱広報委員会 |
---|---|---|
三菱アルミニウム | ○ | ○ |
三菱化学 | ○ | ○ |
三菱化工機 | ○ | ○ |
三菱ガス化学 | ○ | ○ |
三菱地所 | ○ | ○ |
三菱自動車工業 | ○ | ○ |
三菱重工業 | ○ | ○ |
三菱樹脂 | ○ | ○ |
三菱商事 | ○ | ○ |
三菱製鋼 | ○ | ○ |
三菱製紙 | ○ | ○ |
三菱倉庫 | ○ | ○ |
三菱総合研究所 | ○ | ○ |
三菱電機 | ○ | ○ |
三菱電線工業 | ○ | ○ |
三菱東京UFJ銀行 | ○ | ○ |
三菱ふそうトラック・バス | ○ | ○ |
三菱マテリアル | ○ | ○ |
三菱UFJ証券 | ○ | ○ |
三菱UFJ信託銀行 | ○ | ○ |
三菱レイヨン | ○ | ○ |
旭硝子 | ○ | ○ |
キリンホールディングス | ○ | ○ |
新日本石油 | ○ | ○ |
東京海上日動火災保険 | ○ | ○ |
ニコン | ○ | ○ |
日本郵船 | ○ | ○ |
ピーエス三菱 | ○ | ○ |
明治安田生命保険 | ○ | ○ |
三菱オートリース | - | ○ |
三菱原子燃料 | - | ○ |
三菱鉱石輸送 | - | ○ |
三菱スペース・ソフトウエア | - | ○ |
三菱プレシジョン | - | ○ |
三菱UFJニコス | - | ○ |
三菱UFJリース | - | ○ |
アイ・ティ・フロンティア | - | ○ |
アストモスエネルギー※ | - | ○ |
キャタピラージャパン | - | ○ |
大日本塗料 | - | ○ |
東洋製作所 | - | ○ |
菱食 | - | ○ |
※2006年10月1日に旧三菱液化ガスが出光興産LPG部門と統合。
「三菱」「スリーダイヤ」の商標について[編集]
鉛筆製造の三菱鉛筆、熊本県の三菱サイダーは、「三菱」の名前とスリーダイヤモンドの商標を使用しているが、両社とも三菱グループとは、一切の資本・人的関係がない。これは、三菱グループが商標登録するよりも早くからこの商標を用いており、三菱グループがその使用を排除できないためである。また、両社は競合する事業分野がないことから、同じ商標を用いることに合意している。このため、時折、三菱グループの事業範囲について言われる「鉛筆から戦闘機(ミサイル、ロケットの場合もあり)まで造っている」というのは、間違いである。(但し飲料に関しては三菱グループで言えばキリンビール=ビール・酒類と、子会社・キリンビバレッジ=清涼飲料、キリンディステラリー=ウィスキーがある)
他にも、大阪府門真市の三菱タクシーや香川県高松市の三菱クリーンサービス、文房具卸売業の三菱文具など、グループ外で「三菱」を名乗る企業も一部存在する(いずれも、スリーダイヤは使用していない)。
一方、三菱グループの中には「スリーダイヤ」マークを使用しない企業がある。三菱東京UFJ銀行[1]や明治安田生命[2]、新日本石油[3]のような非三菱グループと合併した企業や、日本郵船や麒麟麦酒のように、古くから「三菱」「スリーダイヤ」とは異なる商標を用いてきた企業がそれに当たる。
関連項目[編集]
- 日本の企業グループ一覧
- 岩崎家
- 三菱東京フィナンシャル・グループ
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ
- 三菱未来館
- 三菱ダイヤモンド・サッカー - かつての提供番組
- FNNニュース6:30(同上)
- 三菱ダイヤモンドカップゴルフ
- 成蹊大学
- スリーダイヤ
- 近鉄グループ・近畿日本鉄道 - 関係が深い。メインバンクが三菱東京UFJ銀行で、鉄道車両の制御装置、モーターは三菱電機製が使用されている。また近鉄の全車両を製造する近畿車輛は三菱重工業と業務提携している。
- 旧岩崎邸庭園 - 旧岩崎家茅町本邸
- 殿ヶ谷戸庭園 - 旧岩崎家別邸
- 清澄庭園 - 岩崎家深川別邸跡
- 六義園 - 岩崎家駒込別邸跡
- 国際文化会館 - 岩崎家鳥居坂別邸跡
- 開東閣 - 旧岩崎弥之助家高輪本邸・非公開
- 島津財閥 - 関係が深い。同じくメインバンクが三菱東京UFJ銀行で、三菱車にGS YUASA製の自動車用バッテリーが多く使用されていたり、元日本電池(現:GS YUASA)系のニチユが三菱重工業との提携関係を強化している。
- 森村財閥 - 関係が深い。同じくメインバンクが三菱東京UFJ銀行。
脚注[編集]
外部リンク[編集]
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