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+ | 死刑の廃止が国際社会の共通の意思となりつつあるなかで、日本政府は一貫して、死刑制度の廃止に向かう世界の流れを無視しつづけている。死刑制度については、存廃や死刑に代わる措置など刑罰の在り方についてより開かれた国民的な議論を尽くし、その間、政府は死刑の執行を停止すべきだ。社民党は今後も、死刑制度の見直しに全力を挙げて取り組む。 | ||
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+ | === 死刑執行に対する抗議声明。公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本 === | ||
+ | 本日、東京拘置所の服部純也さんと大阪拘置所の松村恭造さんの2人の死刑確定者に対して死刑が執行されたことについて抗議する。特に、死刑執行のなかった翌年に、すでに2度の死刑執行を行ったことは、死刑執行に依然として固執する政府の意思表示ともいえるものであり、強く抗議する。 | ||
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+ | 死刑は生きる権利の侵害であり、究極的な意味において残虐で非人道的かつ品位を傷つける刑罰である。[[アムネスティ]]は日本政府に対し、死刑廃止への第一歩として、公式に死刑の執行停止措置を導入するよう要請する。日本政府は、国際人権諸条約の締約国として、死刑に頼らない刑事司法制度を構築する国際的な義務を負っていることを改めて確認しなければならない。そして、日本政府は、生きる権利をはじめとする人権保障の大原則に立ち戻り、死刑の執行を停止し、死刑廃止に向けた国民的議論を速やかに開始すべきである。 | ||
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2012年8月11日 (土) 10:13時点における最新版
京都・神奈川親族連続殺人事件とは、2007年1月に京都・神奈川で起こった殺人事件である。
目次
事件[編集]
2007年1月16日、松村恭造(当時25歳)は京都府長岡京市在住の叔母(当時59歳)を襲って殺害し、現金およそ2万円とキャッシュカードを強奪して逃走した。京都府警は1月20日、犯人を特定して全国指名手配(非公開)する。松村恭造はその頃には東京都に逃走しており、奪った金で風俗店で遊びまわって使い果たしてしまっていた。金に困った松村恭造は、1月22日に神奈川県相模原市在住の大叔父(当時72歳)を頼って金を無心したが断られた。宿泊を頼み込んで認められたが、1月23日の深夜、松村恭造は大叔父が就寝しているところを鈍器で滅多打ちにして殺害。遺体を押入れに隠し、現金およそ1万円と携帯電話を盗んで逃走した。大叔父の遺体は早朝に発見された。
松村恭造は1月23日の夕方、東京都練馬区内を歩いていたところを京都府警の捜査員に発見され、叔母に対する強盗殺人で逮捕。2月21日には大叔父に対する強盗殺人の容疑で再逮捕された。
松村恭造[編集]
犯人の松村は短気で切れやすく、自分の思い通りにならないとすぐに暴力に訴えたという。家庭内では主に母親に対して暴力をふるい、母親の髪を切って坊主頭にしたこともあったという。学生時代にも学校で暴力をふるい、好きな女生徒にふられたときには授業中に自らの手首を切るなどの自傷行為を行ない、教師・生徒の双方から何をしでかすかわからない存在と恐れられた。大検に合格して入った東京の大学も暴力沙汰などから中退を余儀なくされ、その後に始めたアルバイトでも人間関係を作ることができず、そればかりかアルバイト先の店長に暴力をふるい、同僚から財布を奪った容疑など傷害・暴行・窃盗容疑などで逮捕されてしまった。この事件で松村は3ヶ月の拘留を受け、懲役2年6ヶ月、執行猶予4年の判決を受けて仮釈放された。
しかし逮捕されたことから松村は父親から勘当同然の身となり、息子の暴力を恐れて家から離れていた母親を頼るようになる。しかしそこでも暴力沙汰を繰り返して警察に逮捕されたり、滋賀県内の養豚場や電気機器工場など、住み込み可能な仕事を探して職に就いたこともあったがやはり暴力事件を起こしたりしていずれも長続きしなかった。やがて無職になったAは金に困るようになり、親族に無心するようになった。しかし松村の暴力沙汰には親族も迷惑を被っており、相手にされるはずもなく、松村はそのことを逆恨みして凶行に及んだのである。
裁判[編集]
裁判でも松村恭造は傍若無人な発言を繰り返した。初公判では「人殺しくらいやって当然」と述べた。さらに「2人の冥福を祈るつもりは全くない」などとも述べた。
2008年3月17日、京都地裁で裁判長が「犯行を認めますか」という罪状認否に対して、「俺が2人を殺した。俺は人殺しという大仕事を冷静に成し遂げた。俺は自分をほめてやりたい」と発言した。動機に関しても、「人生がうまくいかない。どうせ死ぬのなら恨みがあるやつを殺してからにしようとした」と発言した。
また、自身を勘当した父親を憎んでか、父親に対して「事件はてめえの責任」と述べるなど、不規則発言を繰り返した。また、自分を馬鹿にしたとして同級生を3人目の殺害対象にしていたとも証言した。
松村は、「事件に至った原因の半分は父親にある。ざまぁみろと思っている」と、反省の言葉はまったくなかった。
これらの不規則発言から反省の意思がまったくないとして、3月28日に京都地裁は「事件の責任は重大。被告の反省の態度が見られず、更生を期待するのは極めて困難」として死刑判決が下した。弁護側は即日控訴したが、松村が自ら取り下げて4月8日に死刑が確定した。
死刑執行(2012年8月3日)[編集]
法務省は2012年8月3日午前、静岡県三島市で女子短大生に乱暴し殺害した服部純也死刑囚(40・三島女子短大生焼殺事件)=東京拘置所=と、京都府と相模原市で計2人殺害した松村恭造死刑囚(31・京都・神奈川親族連続殺人事件)=大阪拘置所=の2人の死刑を執行したと発表した。執行は小川敏夫前法相在任中の3月29日以来で民主党政権下では3度目。被害者1人での執行は2008年4月以来となる。今回の執行で、未執行の確定死刑囚は130人になった。
「(少女レイプ&焼き殺しの)服部純也さんらの死刑に、強く抗議する!」…アムネスティ、社民・福島みずほ氏、日弁連(2012年8月)[編集]
日弁連会長“強く抗議する”[編集]
2人の死刑が執行されことについて、日弁連=日本弁護士連合会の山岸憲司会長は
「執行を停止することなどを法務大臣に要請したばかりであり、極めて遺憾で強く抗議する。死刑制度の廃止について社会的な議論をただちに行うべきだ」という声明を出した。
死刑執行に強く抗議する。社会民主党・福島みずほ[編集]
死刑の廃止が国際社会の共通の意思となりつつあるなかで、日本政府は一貫して、死刑制度の廃止に向かう世界の流れを無視しつづけている。死刑制度については、存廃や死刑に代わる措置など刑罰の在り方についてより開かれた国民的な議論を尽くし、その間、政府は死刑の執行を停止すべきだ。社民党は今後も、死刑制度の見直しに全力を挙げて取り組む。
死刑執行に対する抗議声明。公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本[編集]
本日、東京拘置所の服部純也さんと大阪拘置所の松村恭造さんの2人の死刑確定者に対して死刑が執行されたことについて抗議する。特に、死刑執行のなかった翌年に、すでに2度の死刑執行を行ったことは、死刑執行に依然として固執する政府の意思表示ともいえるものであり、強く抗議する。
死刑は生きる権利の侵害であり、究極的な意味において残虐で非人道的かつ品位を傷つける刑罰である。アムネスティは日本政府に対し、死刑廃止への第一歩として、公式に死刑の執行停止措置を導入するよう要請する。日本政府は、国際人権諸条約の締約国として、死刑に頼らない刑事司法制度を構築する国際的な義務を負っていることを改めて確認しなければならない。そして、日本政府は、生きる権利をはじめとする人権保障の大原則に立ち戻り、死刑の執行を停止し、死刑廃止に向けた国民的議論を速やかに開始すべきである。