MEGAVIDEO
MEGAVIDEO(メガビデオ)とは、香港に拠点を置く企業のMegavideo Limited(メガビデオ・リミテッド)が運営を開始した動画共有サービスであり、19歳以上であれば誰でも利用可能である。キャッチコピーは「I'm watchin' it.」。
元々のキャッチコピーは「Beats YouTube.(打倒YouTube)」であり、サイトのトップページには「10 REASONS TO USE MEGAVIDEO INSTEAD OF YOUTUBE(YouTubeの変わりにMEGAVIDEOを使う10つの理由)」と題したビデオがあるなど、YouTubeを強く意識したつくりになっていた。
2012年、サイトは閉鎖された。
特徴[編集]
MEGAVIDEOの特徴的な部分は、アップロードした動画ファイルのダウンロード数によってポイントをためられる、MEGAUPLOADと同様のリワードプログラムであり、自分で作成した動画を公開して、他の利用者がダウンロードするごとにポイントをためてPayPalに換金することができることである。しかし、無料会員登録者はこれらのサービスを利用することができない。
YouTubeのビデオのリンクを入力、またはMEGAVIDEOでYouTubeのアカウントにログインするだけで、直接MEGAVIDEOに指定されたYouTubeのビデオを移すことも可能になっている。
ほとんどの動画は会員登録をしなくても閲覧できるが会員しか見ることができない動画もある。動画のお気に入り機能や投稿された動画を5段階で評価したり、動画にコメントを付けられることもできる。また、ウェブサイトのデザイン、ブログのレイアウトに合わせ、カスタマイズできる組み込みプレイヤーのデザインを選択することができる。
MEGAVIDEOは広告などが一部しか無くクリーンなレイアウトとなっている。一度にアップロードできる動画の容量は5GB(無料会員は500MB)と大容量であり、この容量の範囲内ならば再生時間に制限は設けられていない。反面、動画ファイルのアップロード時間はやや長い。ブラウザ上で再生される動画の画質はYouTubeとほぼ同等か若干上回る程度。
多言語展開を進めており、英語、日本語、韓国語、中国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、デンマーク語、スウェーデン語、ルーマニア語、トルコ語、アラビア語などのサービスが公開されている。
その他[編集]
MEGAVIDEOもYouTubeやVeoh等と同様に著作権の侵害が問題となっているコンテンツが後を絶たない。大容量動画のアップロードと無制限の再生時間を容認しているため、有名なハリウッド映画やアニメ映画が丸々一本アップロードされているなど、悪質な投稿も目立つ。また、他の動画共有サービスに比べ管理体制が劣っているため著作権侵害になるファイルなどがアップロードされてもなかなか削除されないことが多い。
著作権侵害であるとの報告を受けたり法廷闘争などを避けるためか、会社情報と連絡先には住所などは記載されておらずメールアドレスしか記載されていない。 同じ会社が運営している「MEGAROTIC」(メガロティック)というサイトがある。ここには18歳以上、大人向けの映像がアップロードされている。また、MEGAVIDEOは19歳以上限定ではあるが、アダルト映像は禁止である。
『Megaupload』の運営者が逮捕、『Megavideo』も同時に使用不可に(2012年1月)[編集]
オンラインでファイルを共有できるストレージサービスの大手「Megaupload」にアメリカ司法省と連邦捜査局(FBI)の捜査が入り、運営者7人が起訴された。これにより、サイトは閉鎖された。
司法省とFBIによると、Megauploadの著作権侵害による被害総額は5億ドル(約385億円)を上回る。現在、アメリカの議会ではオンラインでの海賊行為を禁止する「Stop Online Piracy Act(SOPA)」法案が審議されているが、Megauploadについてはすでに2週間前には手配が行われていた。
共同創業者であるKim Dotcom(Kim Schmitz)とMathias Ortmannはニュージーランドのオークランドで、他の2人の従業員とともに逮捕された。捜査令状は9ヶ国で20を越える数が発行され、5000万ドル(約38億6000万円)が差し押さえられた。
Scribd.comには訴状がアップロードされている。これによると、Megauploadは有料会員から1億5000万ドル(約116億円)、広告などで2500万ドル(約19億円)、あわせて1億7500万ドル(約135億円)以上の利益を上げていた。
その他発表されたことは、
- Megauploadはヴァージニア州の「Carpathia Hosting」というホスティングプロバイダにメインサーバを置いていた。サーバの数は1000以上で、総容量は25ペタバイト。
- 2番目に大きなデータセンターはオランダにあり、Leasewebという会社から700以上のサーバを借りていた。
- ユーザーは1億1000万ドル(約85億円)以上をPayPal経由で支払っていた。
- 従業員は9ヶ国にわたり30人以上が働いていた。
- FBIや各国警察機関により60の銀行口座と大量のPayPalアカウント、メルセデスベンツを始めとする30台以上の自動車やバイクを差し押さえた。
- Kim Schmitzの主張によると、彼はMegaupload.com、イメージホスティングサイトのMegapix.com、アフィリエイトサイトのMegaclick.comの68%、Megavideo.comとMegaporn.com、Megapay.comの100%を所有。
- CTOだったMathias OrtmannはこのMega帝国の25%を所有。
- Megauploadの従業員はYouTubeからムービーをコピーしてサイト利用を促進していた、証拠として「YouTubeのムービーをダウンロードし続けるサーバを有効にしておく?キム(Kim Schmitz)はこれが最優先だと言っている」「キムは本当はYouTubeの内容を1対1で(丸ごと)コピーしたい」といったメールが残っている。
- 他のメールでは、幹部が特定のDVDや作品をアップロードしたユーザーに対してどう報奨金を与えるか議論していた様子が記録されている。
- 自分たちを現代の海賊に例えるメールも見つかっている。
- MegauploadのプログラマがサイトへDVDを多数アップロードしていた。
「違法ファイルがアップ可能な状態にあった」というだけであればYouTubeなども同じように閉鎖になるが、MEGAVIDEOの場合、著作権者が削除申請ツールを使って削除したとしても、実際にはアップロードされたファイルには複数のリンク用URLが存在し、実際のサーバ上のファイルが削除されるわけではなく、そのURLのうちの1つが削除されるだけであり、この削除依頼ツールは実質的には機能していなかった。
たとえば、ある「A」というファイルについて「http://www.megaupload.com/?d=1」
「http://www.megaupload.com/?d=2」
「http://www.megaupload.com/?d=3」
というようにしていくつもURLが生成され、このうち著作権者が
「http://www.megaupload.com/?d=1」
に対して削除依頼を出した場合、あくまで
「http://www.megaupload.com/?d=1」
というURL経由でのアクセスができなくなるだけで、アップロードされたファイル自体は削除されていないので、相変わらず
「http://www.megaupload.com/?d=2」
「http://www.megaupload.com/?d=3」
ではダウンロード可能な状態になっていた。
Megauploadではサイト閉鎖直前にこれまでかけていたダウンロード速度制限を解除したため、一時的に世界中の帯域の57%を占有することとなった。これによりDropboxのトラフィックを越えた。