BMS (音楽ゲーム)
BMSとは、いわゆる音楽ゲームであるBM98等の譜面を定義するファイルフォーマットのことである。広義には、それによる譜面データを中心とした曲データ、あるいはゲームシステム全体のことをさす。コナミの音楽ゲームbeatmaniaを模したデザインであり、ゲームもbeatmaniaと同じルール・操作でプレイする。
概要[編集]
(広義の)BMSは基本的にBMSファイル、MIDIファイル、WAVEファイル、ビットマップ画像ファイルで構成される。BMSファイルは譜面を定義するファイルで、曲データの核を成すものである。MIDIやWAVEは音に、ビットマップファイルはムービー(BGA)に使われる。また、BMSファイルの拡張としてBMEファイルがあり、基本的にBMSファイルが5鍵盤用のファイルであったのに対し、BMEは7鍵盤の譜面データ(丁度beatmaniaに対するbeatmania IIDXのような譜面)のために作られたファイル形式である。現在ではBMSプレーヤーの性能の向上により、BMSとBMEを区別する必要はなくなった。
二次創作物としてのBMS[編集]
そもそもBM98が「ビートマニアシミュレーター」として位置付けられていた。また、BMSファイルも本家音楽ゲームの楽曲やポピュラー音楽などが多かった。
オリジナルとしてのBMS[編集]
しかし、やがてオリジナルの作品が作られるようになった。BMSは音楽だけではなく、譜面の構成、さらにはムービーのグラフィックまで自分で作成する。それらを独りでこなす者もいる。最近ではオリジナルBMSを取り扱うウェブサイトも増え、BMSイベントも多く開催されている。
法的位置づけ[編集]
既述したようにBMSはコナミのBEMANIシリーズを模倣したものである(近年ではbeatmaniaだけでなくpop'n musicやDance Dance Revolutionを模したデザインも広く用いられている)。たとえ音楽データ自身の著作権をクリアしていても、ゲームシステムそのものの知的財産権・意匠権等に関して訴訟沙汰になれば、BMS製作側に不利な結果になることは想像に難くない。
コナミは2007年現在、BMSに直接関わる法的措置を採っていない。このことについてBMS製作者の間では「コナミはBMSの存在について黙認している」という認識を共有している。BMSデータで遊ぶことにより、本家BEMANIシリーズへの興味・関心をそそり、ゲームの人気や売り上げにつながる、という考えが根拠である。すなわち自社の利益になるものをわざわざ自ら潰しにかかることもないだろうという解釈である。
しかしながらコナミは、自社のゲームに酷似したゲームを製造・販売したとして韓国のAmuse World社(EZ2DJ・EZ2Dancerを開発)とAndamiro社(Pump It Upを開発)提訴し、いずれもコナミ側に有利な判決となっている。このことからコナミが自社の模倣品に関して必ずしも消極的ではないという姿勢が窺い知れる。
以上のことや、逆に前項のBMS作家による本家への楽曲提供などの友好的側面をもふまえて、BMS作家は、BMSと本家BEMANIシリーズとの関係について考慮し活動する必要がある。