鳥獣花背方鏡

提供: Yourpedia
移動: 案内検索

鳥獣花背方鏡(ちょうじゅうかはいのほうきょう,Square Bronze Mirroe with Design of Flowers,Birds,and Animals)は、葡萄唐草文と禽獣からなる鏡背をもつ白銅鋳製の方鏡である。正倉院では唯一の方鏡である。

概要[編集]

中国の時代の代表的な鏡である。古代日本に7世紀頃に伝わったとされる。 一般的には「海獣葡萄鏡」と呼ばれる。銅と錫、鉛の成分比率が中国鏡に近いため、唐からの舶載鏡と見られる[1]

構成[編集]

背面に葡萄唐草中を獅子や鳥、趙や蜂が飛び交う姿が表現される。鏡面はやや凸型である。正方形の中を内区と外区に分け、内区は獅子紐をめぐり、六頭の獅子を描く。外区は鳥、蝶、虻、飛雲、蜂を描く。周縁に忍冬唐草文帯を配する。鳥と蝶に変化をを付け、内区の獅子と対応させる文様構成となる。鋳上がり、保存状態は良好で、表出は精妙、正倉院銅鏡中で白眉とされる。

類似鏡[編集]

類似の鏡に次のものがあるが、大半は円鏡である。

管理[編集]

  • 倉番 : 南倉 70
  • 寸法 :一辺 17.1cm、縁厚 1.6cm、重 1.945kg

参考文献[編集]

  1. 奈良国立博物館(2008)『正倉院展 六十回のあゆみ』奈良国立博物館