長野県建設業厚生年金基金横領事件

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長野県建設業厚生年金基金横領事件とは、2010年に発覚した、坂本芳信による24億円の横領事件である。

事件概要[編集]

坂本芳信は会計事務所での勤務を経て1989年に基金に事務長代理兼出納員として採用された。2001年に事務長兼出納員となり、加入会社から基金に納められた掛け金を生保会社に送金する業務を担当していた。

2005年頃より坂本の横領は始まり、「投資会社の社長」と名乗り銀座や六本木のクラブにてホステスたちに金をばらまいていた。坂本は着服の発覚を防ぐため、着服金に相当する額を架空の投資顧問料として計上する経理処理をした。

2010年8月に生保会社から掛け金が以前よりも少なくなった理由を聞かれた際、「県建設業協会の支部に一部を返金した」と虚偽の説明をし、関東信越厚生局の特別監査や基金内部の監査に対しても虚偽の資料を用いて不正を隠蔽したと主張した。

2010年9月9日、基金の顧問弁護士の助言を受け、県建設業協会の理事がこの支部に確認したことで横領が発覚し、坂本は翌日にタイに逃亡した。

2013年11月、逃亡先のタイでも風俗で豪遊していたが、金が尽きたところでタイの愛人に警察に通報され逮捕された。

指名手配の男に賠償命じる判決(2011年9月)[編集]

巨額の横領事件で指名手配されている男に、賠償を命じる判決が下された。本人は、依然逃亡している。4年の間に、こつぜんと消えた多額の現金。総額は、23億8,000万円余りにものぼっている。

2010年9月、長野県で発覚した巨額横領事件。県内の建設会社社員ら、およそ6,800人から集めていた厚生年金を管理していた建設業厚生年金基金で、当時事務長だった坂本芳信(53)が、その一部を横領した疑いが持たれ、指名手配されている。しかし、その行方は、現在もわからないままとなっている。

そして6日、基金側が、横領額の一部、およそ2億円の損害賠償を求めていた裁判で、本人不在のまま、判決が言い渡された。6日の裁判では、原告・被告ともに姿を見せず、わずか数十秒のうちに結審した。原告側の主張通り、元事務長に対し、2億0,010万円の支払いを命じる判決となった。

坂本をめぐっては、2010年11月にも基金側が、損害賠償を求め提訴。2011年2月に、5,526万円の支払いを命じる判決が言い渡されている。そして6日、2度目の判決が下された。

実はこれまでの取材で、坂本は、失踪した翌日の2010年9月10日に、バンコク郊外の空港から、タイに入国したことが明らかになっている。その後、タイを出国した記録はなく、2011年3月にはパスポートが失効。現在は、不法滞在の状態にあるとみられている。

2010年11月、近所の人は、「すごい高級車ですよね。シルバーのレクサス。その前はシーマとか、明らかに新車、ぴかぴかで。『また替えたよ』みたいな感じで。気づくと(車が)替わっている感じ」、「どこかの会社のお偉い人なのかなと思った。タクシーで出勤していくのを、2~3回見たんですよ」などと話していた。

事件発覚前、半年から1年で車を買い替え、タクシーで出勤という、ぜいたくな暮らしぶりがうわさになっていたという坂本。2010年10月の取材に、坂本の妻は「お話しすることはありません。本当にないんで...」と話していた。

また、坂本の母親は「何もわかりません。わかりません。わたしらは待っているだけだから、全然。金のことだって、わしらはわしらでやっている。じいさんとばあさんで生きているんだもん。やりようがないんだよ。何をやってもやりようがない。殺してもらってもいいで、おらは」と話していた。

巨額の横領事件について、両親は「何も知らない」と話していた。

坂本の実家は、2度目の判決が出た6日、人けもなく、問いかけに応答もなかった。近所の人の話によると、事件発覚前、かなり羽振りがよかったという。

坂本の実家の近所の人は、「(2010年)3月ごろ(坂本容疑者の実家が)景気がよかったの、金遣いが。子どもにお金もらったって。農機具も、あらゆるもの、2,000~3,000万円くらい使ったって」と話した。基金側はこれまでに、坂本容疑者の生命保険など、資産5,000万円余りを差し押さえたということで、今後は、6日に判決が出た2億円とあわせ、回収を目指すという。

セックスしたら1000万円!「酒池肉林24億円」[編集]

「『車が欲しい』と言われればポンと買ってあげるし。『家具が欲しい』と言う子には、平気で海外の800万円もする家具一式を買ってあげたりとかね。今は閉店しているけど、六本木にお店をオープンさせてあげたこともあったそうよ。女に貢ぐ額が一桁違うの。一度でもセックスできると、一人当たり軽く1000万円は貢いでいたと思う。そういう具合で、好きな女の子一人に入れ込むタイプではなく、常時3、4人の女の子と付き合っていて、私が知る限り二十数人の子と関係を持っていた」

週刊新潮』の「ラモス瑠偉と親しかった『24億円横領男』黄金の日々」で、長野県建設業厚生年金基金元事務局長・坂本芳信(56)のかつての酒池肉林の遊びぶりをこう語るのは、坂本がよく通っていた銀座クラブのママ、エリ(仮名)さんである。

だが、長野市内の家賃5万5000円の家に家族と暮らし、週に何日かは東京で豪遊していた坂本を、エリさんは新橋にある投資ファンドの社長だと信じて疑わなかったという。2、300万円はするオーダースーツを着こなし、時計は1500万円の海外ブランド品。店を終わって女の子を連れて行く店は銀座の高級寿司屋「久兵衛」だった。

エリさんにいわせると、私のような年増は相手にせず、21歳から25歳ぐらいまでの銀座ズレしていない女性が好みだったという。20人の女性に1000万円ずつ貢いだとして、それだけで2億円が消えた計算になる。

エリさんと坂本が出会ったのは六本木のクラブだったが、それから坂本がポンとカネを出して銀座のポルシェビルに「ピノ」というクラブを2008年11月に開く。保証金や内装費、スタッフの支度金あわせて1億円はかかったという。その当時、元Jリーガーのラモスとも知り合い意気投合した。社員旅行はハワイで、ラモスも同行。「久兵衛」の社長らと職人を連れて行き、プールの傍のダイニングキッチンで寿司を握らせたという。

しかし、2010年9月に事件が発覚し坂本はタイに逃亡する。そこでも残っていたカネを湯水のように使って遊んでいたそうだが、最後は愛人に家賃を無心して通報されお縄になる。逮捕されたときの所持金は1万円と少しだった。

タイ潜伏、坂本芳信(55)「もうカネが底をついた」←タイの愛人「はいはい」 警察へ通報[編集]

24億円は、どこに消えたのか。横領容疑で国際手配されていた55歳の男と、愛人関係にあったタイ人の女性が、新証言をした。 明らかになったのは、潜伏先での、男の驚きの行動と生活ぶりだった。

タイ・バンコク2013年11月2日、坂本芳信(55)は

「(不法滞在で逮捕。今の気持ちは?)うん、まあ、なんか。考えられないです、いろいろ。(考えられないというのは?)頭の中がこう、真っ白っていうか」と、弱々しい声で心境を語っていた。

坂本は、勤務先の年金基金で不明になっている掛け金およそ24億円の一部を横領した疑いで国際手配され、逃亡先のタイ・バンコクで、不法滞在の容疑で逮捕された。 逮捕のきっかけとなったのは、逃亡生活を支えていたタイ人女性の通報だった。

坂本の元愛人のタイ人女性は「きのう、彼から電話がかかってきて、『お金がない』と言っていました。わたしは、彼に『また、あとで電話してくれる?』と答えました。そして、警察に電話したんです」と話した。

坂本は、バンコクで最も有名な繁華街近くの夜の店で働く女性と親しい関係になり、多い時で、月に10万円を渡していた。坂本は、逃亡の地で、タイ人女性にのめり込んでいった。

坂本の元愛人のタイ人女性は「(電話がかかってきて、彼に会いに行った?)はい。でも、わたしだけじゃない。彼は毎日、女性を替えていました。彼は、風俗店に行くのが好きでした」と話した。

複数の女性と関係を持っていたという坂本。この女性と、バンコク市内のアパートで生活するようになり、日本円で月に6万円から10万円を渡していたという。 そのタイ人女性から明らかにされた潜伏生活。

坂本の元愛人のタイ人女性は「彼は、タイ料理が食べられず、日本料理しか食べませんでした。わたしと一緒の時は、誰かにお願いして、彼のために食事を買ってきてもらっていました。

彼は、好き嫌いが多くて、特に食べ物には細かいんです。そして、出かける時は、わたしよりも、身支度に時間をかける人でした」と話した。 女性と過ごした時間は、そう長くは続かなかった。

坂本の元愛人のタイ人女性は「彼は、お金を使い果たしました。わたしは、彼の食事や新聞、果物など、全てを支払っていました」と話した。 女性から関係を解消された坂本は、逮捕された時に住んでいたアパートに引っ越した。

巨額の金を横領した坂本だが、潜伏生活は質素なものだった。部屋にはエアコンがなく、月々の家賃もわずか8,000円だった。

坂本は「(最後まで逃げ切ろうと?)それは、そういう、あれはなかったです。(いずれ出頭しようと?)ええ」と話していた。

長野県警は、坂本容疑者の身柄が、タイ当局から引き渡されたあと、業務上横領の疑いで逮捕する方針。

驚愕の使途不明金約24億円の行方[編集]

2013年11月14日、長野県建設業厚生年金基金の元事務長である坂本芳信が、滞在先のタイから帰国して逮捕された。同容疑者は、同年金基金の責任者として資金運用を事実上1人で担当しており、2010年7月に基金から引き出された約1億3000万円のうち、約6400万円を着服した疑いが持たれている。

基金の調査によると、2005年6月から2010年9月までに約23億8700万円の使途不明金があるとされており、今後の調査によって同容疑者の横領金額はさらに増えると見られる。

一方金融庁の検査では、先に年金消失問題が表面化したAIJ投資顧問への投資で約65億円の損失が発生したことに加えて、未公開株式投資でも約46億円の損失が出ていることが明らかになっている。

そうした投資についても坂本元事務長時代に始まっており、横領や投資の失敗などで同氏が基金に与えた損失は、想像を絶する金額に上ると見られる。

2010年、同氏は横領などの追及を恐れ、大金を所持してタイに逃亡し、持ち逃げした金を湯水のごとく使う豪勢な生活をしていた。しかし、3年以上に及ぶタイの生活で金を使い果たしたことで困窮生活を強いられ、最後にはタイ警察に身柄を拘束され、日本に送還されて逮捕される羽目になった。

この事件は、1人で多額の金を自由に使える立場になった男が、金を着服して豪勢な生活を求めて海外に渡ったものの、金が底を尽いて最後には哀れな姿を晒すという、一種古典的な物語と言える。

問題は、1人の担当者がこれだけ多額のお金を着服したり、常識では考えられない運用手法によって多額の損害を発生させることができたということだ。そこには、外部からは計り知れない裏事情がある。

厚生年金基金とは、企業や特定の業界団体などが、当該企業あるいは業界で働く従業員である加入者から掛け金を集めて運用し、一定の条件に基づいて年金を給付する組織だ。

一般的な大企業だと、独自の厚生年金基金を創設して独自の年金制度を運営したり、関連企業を集めてグループ全体として年金基金を創設することもある。一方、一定の業種や業界などの企業が集まって、共同で年金基金を創設することもある。“総合型”と呼ばれ、今回の長野県建設業厚生年金基金はこれに該当する。

厚生年金基金に関して、かなり以前からよく問題点が指摘されてきたことの1つに、“人”の問題がある。基金では、多くの加入者から毎月掛け金を集めるため、金額がどうしても大きくなる。しかも、それをしっかりした手法に基づいて運用しなければならない。

特に、多額の資金運用は口で言うほど容易なことではない。しかも、相応の水準以上の運用利回りが求められる。そうしたニーズをきっちり遂行できる人材は、それほど多くはいない。

また、高いノウハウや知識を持っている人材の値段はかなり高い。そうした人材を、全ての基金が雇用することは困難だ。

それに加えて、年金の組織や運用に関しては、厚生労働省などから監督を受けるシステムになっていることもあり、国家公務員OBが天下っていることが多い。それらの公務員OBの中には、天下ってから退職金をもらって短期間に別の組織に移る人もいる。

そうした人たちが理事や理事長という肩書きを付けて、本当の意味で基金のしっかりした運営ができるかについては大きな疑問符が付く。そのため、どうしても現場の担当者に頼り切りになってしまうケースが出てくる。結果として、着服や横領、さらには投資の失敗などが発生しやすくなる。今回のケースは、その典型例とも言える。

裁判[編集]

初公判(長野地裁)2014年1月[編集]

検察側は2014年1月21日に長野地裁(伊東顕裁判官)で開かれた初公判で、元事務長・坂本芳信(56)(業務上横領罪で起訴)が基金の口座から横領した1億9500万円のうち1億500万円を、関係ある東京都内のクラブの運転資金などに充てたと指摘。

坂本が約24億円に上る使途不明金全額の着服を認め、「1人で考え、1人で行った」と供述していることを明らかにした。

長野地裁には午前9時半までに42の一般傍聴席を求めて265人が集まり、傍聴券の抽選が行われた。公判は午前10時に開廷。坂本は黒のフリースの上着に紫のジャージーのズボン姿で、頭は白髪交じりの丸刈り。タイへの逃亡前と比べ、かなり痩せていた。罪状認否で、伊東裁判官から「間違いありませんか」と問われると、「ございません」と小さな声で答えた。

起訴状によると、坂本被告は、2010年5~7月、3回にわたり、基金口座から計約4億円を引き出し、運用委託先の生命保険会社に一部しか送金せず、残りの計1億9500万円を横領したとされる。

検察側は冒頭陳述で、坂本はそのうち約半分にあたる1億500万円を、自分が関与していた都内のクラブの運転資金などに充てたと指摘。3140万円は自分名義の銀行口座に入金してブランド品購入などのクレジットカードの決済に充てたほか、残りは交際女性への小遣いや都内のクラブでの飲食代、海外旅行などに使ったとした。

検察側は証拠調べで、「着服金は、高級クラブでの飲食や著名人を招いたイベントに使った」との坂本の供述調書を読み上げた。

坂本の弁護人は閉廷後、「坂本被告は被害弁償をしたいと話している。基金に対し申し訳ないと感じており、情状酌量を求める」と報道陣に話した。

関連項目[編集]