運輸業
運輸業(うんゆぎょう)とは、旅客や貨物の運送にかかる業種、あるいは職業である。運輸業には単に輸送する以外にも、保管業務、荷役業務(搬出・搬入・仕分け)、流通加工業務、物流にかかる情報処理業務、フォワーダー業務などがある。
運送する対象が人である輸送を旅客輸送、モノである輸送を貨物輸送と呼ぶ。
また、輸送機関が鉄道やトラックなど陸上の貨車での輸送を陸運、航空機での輸送を空運、船舶での輸送を海運または水運と呼ぶ。
残業代未払い求めるドライバー「人間不信に陥る」[編集]
「人間不信に陥るよ」。
それまで不平不満も言わず、まじめに働いていたドライバーがある時、急に態度を変える。トラック業界における労使トラブルでよく耳にする話だ。
決して労働環境が整備されているとはいえない業界にあって、こうしたトラブルはいま、現場で頻繁に起きている。今回、当事者となってしまった東京都内の事業者も、「話に聞いていたが、まさか自分がという思いだ」と打ち明ける。
「不平不満も言わず、まじめに働くいいやつだ」。
社長が最初に受けた印象で、何事もなく半年が過ぎようとしていたが、それまで何も言わなかったドライバーが有休を取りたいと申し出てきた。代わりのドライバーを用意するだけの余裕はない同社にとって、有休とはいえ休みを取られるのは痛手だ。社長は状況を説明した上で、苦肉の策として、有休を買い取ることで了承を得ようと試みた。
一時はそれでしのげたが、そのドライバーの態度は徐々に悪化。何かといえば不平不満を口にする。見かねた同社長が注意しても、態度は変わらない。
対応に苦慮していた時、新たな問題が起きる。残業代の未払いを要求してきたのだ。払えないと諭すと、今度は弁護士を伴って荷主へ駆け込んだ。
同業大手の仕事をしていた同社は、荷主からその事実を聞かされ慌てた。
後でわかったことだが、ドライバーは入社してから、すべての日報をコピーして保管していたのだという。確信犯だった。残業代の請求は500万円に上ったが、労働調停で妥協案を示し、半分の250万円で解決を図ったという。
主な事業[編集]
陸運[編集]
陸上運送。近距離の輸送、内陸地への輸送や消費者へ商品を行き渡らせる流通を得意とする。
- 鉄道輸送(旅客・貨物) - 軌道を自ら敷き(または借用し)、その軌道上に運搬車両(鉄道車両)を運行させる事業。天候による運行停止も比較的少なく、近中距離間の安価な定時輸送が比較的容易であるが、損益分岐点が高く、軌道などの設備の保守作業を事業者が行わなければならない(鉄道事業者)。
- 自動車輸送 - 公道上を自動車で輸送する事業。小口輸送をもっとも得意とするほか、鉄道の通っていない地域の補完的な輸送を行う。網の目のように全国津々浦々の道路網を使った面輸送を行い、拠点間輸送の鉄道貨物や航路貨物、航空貨物も輸送拠点からの戸口までの末端集配業務をトラックに引き継ぐ。渋滞等で到着時刻が遅延することが間々ある。ジャストインタイム輸送など荷主要求が強く、輸送費以上の遅延料金を支払う羽目になることが多く、ドライバーは時間厳守を要求される。
空運[編集]
空中運送。輸送コストが大幅にかかる反面、輸送時間を短縮するのに適している。長距離間の旅客輸送や輸送時間が優先される長距離間の貨物輸送に良く用いられる。航空機(飛行機・ヘリコプター)等を使った輸送。
海運[編集]
海上輸送。輸送に時間がかかるが、非常に多量の積載に耐え得るため輸送コストがあまりかからない。企業間の商業輸送、とりわけ輸出入の大半を占める輸送形態である。
倉庫・運輸関連業[編集]
各輸送事業をつなぐための事業。