花咲徳栄高等学校
花咲徳栄高等学校(はなさきとくはるこうとうがっこう)は、学校法人佐藤栄学園が運営し、埼玉県加須市花崎に存在する普通科と食育実践科を併設する男女共学の私立高等学校である。略称は「徳栄」。
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花咲徳栄のブラック労働、甲子園引率教員は手当0で1万円払う(2018年7月)[編集]
昨夏の甲子園で、埼玉県に初めて優勝旗を持ち帰り、その知名度を全国区にした花咲徳栄高校(加須市)。今年も北埼玉大会を制し、史上6校目の夏連覇を目指している。そんな最中、教職員の「ブラック労働」が常態化しているという“内部告発”が上がった。文武両道を掲げて拡大路線を突き進む有名私立校で何が起きているのか──。
7月24日、花咲徳栄高校が6度目の甲子園出場を決めた直後、テレビ画面に映る教え子たちの歓喜の輪を見つめていた同校の現役教師A氏が、重い口を開いた。
「頑張った生徒たちを褒めてあげたい半面、素直には喜べない。“甲子園優勝校”の金看板の裏で、ブラック労働が横行している。『甲子園に引率する余裕なんかない』と話す同僚もおり、見切りをつけて教育現場を去った教員もいます」
花咲徳栄は、埼玉県内で1大学・4高校などを運営する一大学園グループ「佐藤栄学園」(本部・さいたま市)の一角をなす。今回の甲子園出場は、教員たちにとっても“厳しい戦い”だとA氏は語る。
「これから学年ごとに“ゼロ泊3日”の応援ツアーが組まれます。1学年600人を超える生徒と職員が30台ほどのバスで甲子園まで往復します」
この酷暑の下、応援し、着替える暇もなくバスへ──生徒の体調管理に神経を使う教員も激務だ。
「引率する教職員には1円の手当も出ないボランティアで、学園グループの教職員は一律、賛助金の名目で1万円が徴収される。数年前までは弁当代や移動費として6000円ほどのお金も自腹で負担していました。もちろん野球部員の晴れ舞台だから、応援したい気持ちはあります。ですが、そうしたやり方には“生徒のため”という異論を挟みにくい掛け声のもと、無茶な働き方を強いる今の花咲徳栄の体質を感じてしまうのです」(A氏)
教員の間に“厭戦気分”が漂う背景には、長時間労働の常態化があるという。
同校が生徒募集用に作成した2018年度版のパンフレットでは、カリキュラムは週6日制で、うち4日は「0時限~8時限」まで授業があると説明している。
「生徒の卒業単位になるのは1~6時限ですが、大学受験に備えた補講として0時限と、7、8時限が設けられており、ほとんどの教師はこの時間まで勤務しています。さらに一部のクラスでは週1回、18時40分まで9時限目が設定されています」(A氏)
0時限の開始は7時50分、8時限が終了するのは17時40分。教員にはその後に試験の採点や部活指導などの仕事が山積している。
「授業とは無関係の仕事も少なくありません。午後5時で帰ってしまう司書の代わりに8時まで出退室や貸し出しを行なう“図書館業務”や、1時間をかけて広大な校舎の戸締まりチェックをする“日直業務”など、さまざまな役割が順番に回ってきます。
さらに10~12月になると、受験生向けの学校説明会が学校主催のものだけで月に3回、それ以外にも県内各地の学習塾主催の説明会にも派遣されるので、平日夜だけでなく土日も次々と業務が入ってしまう。昨年の休日出勤は約20日ありました」(A氏)
同校の教員に配られた「平成29年度10月行事予定」を見ると、授業も行事も入っていない日は、土日祝日を含めて4日のみ。同月後半には米国への修学旅行があり、17連勤のスケジュールとなる教員もいた。
概要[編集]
1982年(昭和57年)開校。2017年8月時点で約1800人の生徒が在籍している。クラブ活動と進学指導の両立を図っている。
社会へ出た時に通用する人間を形成することを目標とし、躾や礼儀を重視した教育を行っている。
陸上競技場・サッカー場・室内温室プール・ボクシング道場・コンピュータ室・総合グラウンド・サテライト教室などを有する。
校名の由来[編集]
加須市花崎に位置する事からそれにちなんで「花咲」に、佐藤栄学園による運営であることから系列の埼玉栄、栄東と同じく「栄」を一字とり「徳栄」に、「栄」の文字を「はる」と読ませ、「はなさきとくはる」としたという通説があるが、本来は、生徒一人ひとりの「徳」を積み、それぞれの「花」を咲かせるという意味がある。
校歌[編集]
佐藤照子(元校長)作詞、金田あきお作曲
- 4番までの歌詞があり、1番ごとに春夏秋冬を題材にしての校歌になっている。学校では全校朝礼等で歌われているが、季節に応じて1番の歌詞(春の花咲徳栄高校~)2番(夏)3番(秋)の歌詞で歌われる場合もある。
設置コース[編集]
- 普通科
- α(アルファ)コース
- AD(アドバンス)コース
- 食育実践科 … 卒業と同時に調理師資格を取得することが可能。
部活動[編集]
ボクシング部・水泳部(女子水球)・女子野球部・空手道部などが、全国大会の常連である。
また野球部も創部8年目に監督に迎えた桐光学園前監督の稲垣人司によって埼玉県の強豪校となった。稲垣の死の翌年に岩井隆が監督に就任し、2001年夏の大会で甲子園初出場。2003年春のセンバツではベスト8に入り、準々決勝の東洋大姫路との15回引き分け再試合で知られている。2015年夏の大会では埼玉県勢12年ぶりとなるベスト8、2017年夏の大会では初の決勝進出)を果たし、決勝では広陵を破り埼玉県勢としては初となる夏の甲子園優勝を果たした。
文化部では、漫画研究部がまんが甲子園で1999年と2003年に準優勝に輝いている。
- 運動部
- 駅伝競走部(男子・女子)
- 陸上競技部(男子・女子)
- 男子バスケットボール部
- 女子バスケットボール部
- 野球部(男子)
- 女子野球部
- 剣道部(男子・女子)
- 男子サッカー部
- 女子サッカー部
- 男子バレーボール部
- 女子バレーボール部
- 卓球部(男子・女子)
- 弓道部(男子・女子)
- 空手道部(男子・女子)
- ソフトテニス部(女子)
- 硬式テニス部(男子・女子)
- ラグビー部(男子)
- 体操部(男子・女子)
- アーチェリー部(男子・女子)
- アメリカンフットボール部(男子)
- ボクシング部(男子・女子)
- バドミントン部(男子・女子)
- 女子ソフトボール部
- 競泳(男子・女子)部
- ハンドボール部(男子)
- 柔道部(男子・女子)
なぎなた部(女子)- アマチュアレスリング部(男子・女子)
カヌー部(男子・女子)スキー部(男子・女子)- 応援団部(男子・女子)
- バトン部(女子)
- 同好会
- 和太鼓同好会
- 会計学研究同好会
- 小倉百人一首同好会
進路状況[編集]
卒業生の約6割が大学・短大へ、約3割弱が専門学校へ進学する。就職は1割程度。
著名な卒業生[編集]
野球[編集]
- 阿久根鋼吉(元北海道日本ハムファイターズ内野手)
- 阿部俊人(元東北楽天ゴールデンイーグルス内野手)
- 新井智(元阪神タイガース投手)
- 池田郁夫(元広島東洋カープ投手)
- 武田愛斗(埼玉西武ライオンズ外野手)
- 神田大介(元横浜ベイスターズ投手)
- 小久保志乃(元兵庫ディオーネ外野手)
- 品田寛介(元広島東洋カープ投手)
- 品田操士(元近鉄バファローズ投手)
- 根元俊一(千葉ロッテマリーンズ内野手)
- 若月健矢(オリックス・バファローズ捕手)
- 高橋昂也(広島東洋カープ投手)
- 岡崎大輔(オリックス・バファローズ内野手)
- 楠本泰史(横浜DeNAベイスターズ内野手)
- 西川愛也(埼玉西武ライオンズ内野手)
- 清水達也(中日ドラゴンズ投手)
サッカー[編集]
- 池田光忠(栃木SCミッドフィールダー)
- 池田昌広(元ブラウブリッツ秋田 ミッドフィールダー)
- 金久保彩(ヴァンラーレ八戸ミッドフィルダー)
- 金子豊(元愛媛FCミッドフィールダー)
- 黒津勝(ガイナーレ鳥取フォワード)
- 津田琢磨(ヴァンフォーレ甲府ディフェンダー)
ボクシング[編集]
- 岩渕真也(プロボクサー)
- 内山高志(プロボクサー、WBA世界スーパーフェザー級チャンピオン)
- 大迫亮(元プロボクサー)
- カズ有沢(元プロボクサー、元日本ランカー)
- 鳥海純(元プロボクサー、元OPBF東洋太平洋バンタム級チャンピオン)
- 矢代義光(元プロボクサー、元日本スーパーフェザー級チャンピオン)
- 渡部あきのり(プロボクサー)