湘南神奈交バス
湘南神奈交バス(しょうなんかなこうバス)は、神奈川県秦野市を中心に路線バスおよび貸切バス事業を行っているバス会社であり、神奈川中央交通(神奈中バス)の子会社である。コーポレートカラーは黄。自社車両に表記される営業所の略号は「か」を用いる。
目次
概要[編集]
各神奈交バスの中で最初に誕生した会社であるが、当初の目的は箱根登山鉄道(当時)の秦野地区のバス路線を神奈中サイドへ移管するための受け皿であった。そのため、他の神奈交と若干異なり、自社独自の直轄路線を持っている。かつてはいくつかの営業所を持っていたが、のちに地域ごとに分社化され、現在は2営業所体制になっている。基本的には神奈中バスの不採算路線の移管を受けて営業を行っており、神奈中バス本体の路線の運行管理の受託も事業の一つとなっている。
沿革[編集]
- 1995年12月22日 湘南神奈交バスを設立する。
- 1996年4月1日 箱根登山鉄道より、渋沢駅近辺の路線を移管され路線バス事業を開始する。
- 2008年11月24日 - 湘南神奈交バス平塚営業所管内にてPASMO運用開始
- 2009年3月15日 - 湘南神奈交バス秦野営業所管内全路線にてPASMO運用開始
- 2012年10月29日 - 秦野営業所管轄の全路線(二宮町コミュニティバスを除く)で乗降方法を「前乗り後払い方式」から「中乗り後払い方式」に変更[1]。
- 2013年6月24日 - 平塚営業所管轄の全路線(平塚市シャトルバス・寒川町コミュニティバスを除く)で乗降方法を「中乗り・前降り・運賃後払い方式」に変更[2]。
本社・営業所[編集]
本項では、系統番号の頭文字が神(読み:かなこう)の湘南神奈交バス直轄の路線についてのみ解説する。それ以外の路線は、神奈中の各営業所の項目を参照されたい。
本社[編集]
- 神奈川県秦野市曽屋字高砂626-1(神奈川中央交通伊勢原営業所秦野操車所の同一構内)
秦野営業所[編集]
- 神奈川県秦野市(神奈川中央交通伊勢原営業所秦野操車所と同一)
- 下記の「神」以外の所管系統は神奈川中央交通からの受託路線。
- 神01 秦野駅 - 土橋 - 渋沢駅北口
- 神07 秦野駅 - 白笹稲荷神社(2月の初午祭のときのみ運行)
- 神10 二宮駅北口→二宮高校→中央公園前→緑が丘南→緑が丘三丁目→緑が丘二丁目→二宮高校→二宮駅北口(湘南緑が丘循環)
- 神11 二宮駅北口→二宮高校→団地中央→中央公園前→緑が丘南→緑が丘三丁目→緑が丘二丁目→団地中央→二宮高校→二宮駅北口(湘南緑が丘循環)
- 神12 中央公園前→緑が丘南→緑が丘三丁目→緑が丘二丁目→二宮高校→二宮駅北口
- 神13 中央公園前→緑が丘南→緑が丘三丁目→緑が丘二丁目→団地中央→二宮高校→二宮駅北口
- 神14 二宮駅北口→二宮高校→中央公園前→緑が丘南→緑が丘三丁目→緑が丘二丁目
- 神15 二宮駅北口→二宮高校→団地中央→中央公園前→緑が丘南→緑が丘三丁目→緑が丘二丁目
- 二宮町コミュニティバス
平塚営業所[編集]
- 神奈川県平塚市(神奈川中央交通平塚営業所と同一)
- 平塚駅南口発着路線及び、平67系統「平塚駅北口 - 神明経由 - 田村車庫」線の平日3往復を除いて、全て神奈川中央交通平塚営業所からの受託路線。
廃止路線[編集]
- 神02:渋沢駅 - 松田ランド(神06系統の区間路線)
- 2011年9月30日 神02系統の運行を終了する。
- 2011年10月1日 神02系統を廃止する。
- 神03:渋沢駅南口 - みくるべ
- 2011年9月30日 神03系統の運行を終了する。
- 2011年10月1日 神03系統を廃止する。
- 神04:渋沢駅 - 松田ランド - 新松田駅(神06系統の区間路線)
- 2011年9月25日 神04系統の運行を終了する(土休日のみ運行)。
- 2011年10月1日 神04系統を廃止する。
上記の3系統については、再編の見込みがない路線として退出等意向の申出が行なわれた[3]。資料によれば、神02・神03系統の平均乗車密度は2.3人、神04系統の平均乗車密度は1.9人となっている[3]。2011年9月30日までに、各路線について方向性を決定する予定である[3]。2011年8月30日開催の神奈川県生活交通確保対策地域協議会湘南足柄上地域分科会において、新たな交通確保策が実施されることになったために2011年9月30日をもって退出(廃止)が決定した[4]。
- 神05:秦野駅 - 土橋(神01系統の区間路線)
- 2011年3月22日 路線を廃止する[5]。
- 神06:秦野駅 - 渋沢駅 - 松田ランド - 新松田駅
- 1996年4月1日 箱根登山鉄道から路線を移管される。
- 2002年11月25日 神06系統を廃止する。
- 神08:峠 - 渋沢駅 - 若竹の泉
- 2003年12月1日 路線を廃止する。
- 神09:渋沢駅 - 若竹の泉
- 2002年11月25日 路線を廃止する。
撤退・他社に移管された路線[編集]
他社に移管された路線[編集]
高速バス運行を神奈川中央交通から移管されていたが、2008年6月16日より横浜神奈交バスに移管された[6]。
- 中宮寺東口は横浜発のみ経由。
- 2008年10月1日からは奈良交通(奈良 - 千葉線)に路線吸収され、事実上撤退となる。
- ハーバーライト大阪号(西日本ジェイアールバスと共同運行)
- ハーバーライト京都号(西日本ジェイアールバスと共同運行)
- 本郷車庫・港南台駅・上大岡駅・横浜駅東口・町田バスセンター・本厚木駅 - 京都駅中央口
これより前に撤退した路線[編集]
- 本厚木・町田・横浜 - 盛岡線(岩手県交通と共同運行)
- 概説
本路線は鉄道では直行できない岩手県と神奈川県を結ぶ路線である。当初は岩手県交通とジェイアールバス東北の2社が参入を希望したが、その後両社間の調整で、別路線への参入を条件にジェイアールバス東北は本路線への参入を見送ることになった[7]。検討段階から交通ジャーナリストの鈴木文彦が市場調査などで直接的に関わっており[8]、盛岡での開業初日のテープカットでは鈴木も招待されていた[8]。
運行開始当初は神奈川中央交通(神奈中)との共同運行を行っていた。神奈川中央交通の夜行高速バスでは初めて本厚木駅発着となった路線で、その後神奈中の他の夜行高速バスも本厚木を停車地に追加した。 後に神奈中より湘南神奈交バスに運行を移管されたが、2005年11月30日をもって撤退し、現在は神奈中が予約・発券業務のみ受託している。
全席指定制(学生割引運賃設定あり)
- 使用車両
独立3列シート便所付きのスーパーハイデッカーが使用される。
運行開始当初の岩手県交通はいすゞスーパークルーザーを使用していた。当時の岩手県交通の夜行高速バス車両は、らくちん号(現:ドリーム盛岡 (らくちん) 号)に使用されていた車両が乗客定員27名となっており、本路線のために乗客定員29名とした車両が専用車として運行されていた。
運行開始当初の神奈中は三菱エアロクィーンMが使用されていた。神奈中は他の路線と異なり厚木営業所が担当していたが、車両更新時には三菱エアロクィーンIに代替されると同時に横浜営業所に移管された(岩手県交通の車両は引き続き神奈中厚木営業所に入庫)。さらに湘南神奈交バスに移管された後、2005年の撤退時に岩手県交通に譲渡され、塗装変更の上本路線で使用されている。
岩手県交通の単独運行になってからは、エアロクィーンI・スーパークルーザーのほか、日産ディーゼル・スペースウイングが使用される。
年度 | 運行日数 | 運行便数 | 年間輸送人員 | 1日平均人員 | 1便平均人員 |
2002(平成14)年度 | 364 | 727 | 12,129 | 33.3 | 16.7 |
2003(平成15)年度 | 366 | 732 | 12,146 | 33.2 | 16.6 |
2004(平成16)年度 | 365 | 729 | 11,828 | 32.4 | 16.2 |
2005(平成17)年度 | 365 | 729 | 11,931 | 32.7 | 16.4 |
車両[編集]
設立当初は全て神奈中から移籍した三菱エアロミディのみ6台であった。その後小型車両の配置や大型車の移籍もあり、新車の直接投入も行なわれている。平塚には契約貸切車が5台配置されているが、いずれも神奈中から移籍した車両である。
平塚管内の路線車両は通常の中型車であるが、秦野管内では狭隘路線が多いことから日野レインボーRB(引退済み)や三菱エアロミディMEといった、車幅2mクラスの車両も導入されている。二宮町コミュニティバスは湘南緑が丘循環と共通運用の日野リエッセを使用している。
- KC-RJ1JJAA Kanako Ka1013 front.jpg
中型車両の例 か1013
- PA-ME17DF Kanako Ka1007.jpg
狭隘路線に使用されるエアロミディME か1007
- KC-RX4JFAA Kanako Ka1011 front.jpg
コミュニティバスに使用される日野リエッセ か1011
その他[編集]
営業開始当初から傘・スナック菓子・パン等の車内販売をしており、当初は斬新な試みとしてマスコミにも取り上げられ、バスに乗車しなくても折返所などで長時間停車中の場合に限り、売店のみの利用も出来た。販売品目には米もあったが、2004年までは食料法により、米の販売には県知事への登録が義務付けられていたため、これらは売店の設置された各車両を米穀小売販売業者の店舗として神奈川県知事へ正式に登録し、車内にも登録証が掲示されていた[9]。その後、ほとんどの神奈交バスの施策となっていたが、様々な事情により、2008年3月31日限りで傘や乗車券類を除く車内販売を廃止した。
注記[編集]
- ↑ 秦野営業所管内のバス乗降方法の変更について 2012年9月28日 神奈川中央交通
- ↑ 平塚営業所管内のバス乗降方法の変更について 2013年5月 神奈川中央交通
- ↑ 3.0 3.1 3.2 神奈川県公式サイト内バス路線の退出等意向申出に関する調査結果及び分科会の設置についての中の添付資料「退出意向申出2」による。
- ↑ 神奈川県公式サイト内湘南・足柄上地域分科会(平成23年8月30日開催)より。
- ↑ 神奈中公式サイト「土橋系統のダイヤ改正について」による。[リンク切れ]
- ↑ 公式サイト「高速バス運行会社変更のお知らせ 」による。[リンク切れ]
- ↑ 鈴木文彦『新版・高速バス大百科』p182
- ↑ 8.0 8.1 鈴木文彦『新版・高速バス大百科』p38
- ↑ 車内の売店をスーパーマーケット「神奈中ストア」の店舗扱いとすることで対応した。
参考文献[編集]
- バスラマ・インターナショナル68号(ユーザー訪問・神奈川中央交通)
- バス・ジャパン・ハンドブックシリーズR・57「神奈川中央交通」