海の家

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海の家(うみのいえ)とは、日本の海水浴場海水浴客の便宜を有料で提供する小屋のこと。地域によっては「浜茶屋(はまぢゃや)」とも呼ばれる。海水浴のシーズンと共に仮設の小屋を建てて営業を行い、一定の期限を経た後に撤去するのが一般的。

概要[編集]

更衣室、休憩場所、シャワーなど海水浴に必要な便宜を図るとともに軽食などの提供を行う。一般に更衣室、休憩場所、シャワーなどを利用する場合、施設利用料として1人当たり1日500円~2,000円程度を徴収する。飲食のみの利用が可能な店舗も多い。

営業権[編集]

海水浴場毎に海岸組合や海の家組合といった任意組合が設立されており、組合員の希望を調整し出店場所や権利金の運営を行う形態が採られている。一般的に新規参入を希望する業者は、脱退する業者が現れるのを待つか、著しく人影が少ない海水浴場の隅での営業を強いられるなど不利益を受けがちである。また2006年現在では国有地の海岸の占有は海岸法による市町村の許可が必要であるが、市町村によっては条例又は指針などで新規の占有許可は出さず、経過的措置として従来占有が(法律上、又は慣習により)認められてきた業者のみに許可を出すとしている場合があり、これによって、これらの任意組合に加入しなければ海の家を営業することができないと場合がある。 もっとも既存の業者といえども、概して権利金や仮設施設の設置などの必要経費は、短い営業日数を考慮すれば高くつきがちで、冷夏(客数の減少)や台風(海の家の倒壊・破損)などの影響を受けると投資金を回収できないこともある。

不法占拠問題[編集]

一般客が立ち入ることのできる海岸(海水浴場)の多くは国有地又は公有地である。そのため、海岸を占有して海の家を営業するには海岸法に基づいて管理権限をもつ都道府県から使用許可を得る必要がある。しかし、このような許可を得ずに営業をしている海の家もあり、また一方で慣例として占有が都道府県から黙認されていたこともあって、その占有の法的根拠についてトラブルとなっている例もある。2006年9月5日には千葉県九十九里町九十九里浜片貝海岸で、退去勧告に応じず海岸を不法占有している海の家2軒を行政代執行による強制撤去した事件が発生している。

傾向[編集]

  • 葦簀張りやトタン屋根が象徴的な海の家も健在であるが、1990年代頃からプレハブ造りの見栄えのする海の家が出現しつつある。高級感のある食事や空調設備を提供するなど、客単価を高め高収益を上げることから、既存の業者との摩擦も生じている。
  • 日本には1,000件を超える海の家が存在すると推測されるが、夏のレジャーの多様化などの影響により利用客数は減少傾向にあるとされる。
  • 通年営業する海の家も存在するが、海岸に面した私有地に建てられているものがほとんど。ダイビングサーフィンなどマリンスポーツ関連業種と一体化した店もある。

漫画などでの扱い[編集]

  • 漫画などでは、海の家は登場人物の夏のアルバイト先として扱われることがある。この場合、冬のスキー場コテージのアルバイトと同様に、「リゾート地で遊べると思ったらだまされた」というような、厳しい労働の象徴というステレオタイプな扱いや、登場人物間の恋愛感情を進める舞台としての扱いが多い。
  • 海の家を描いた作品としてはつげ義春の『海辺の叙景』などがあり、うだるようなを表現する上で効果的に描かれている。
  • 高橋留美子の『うる星やつら』に登場する藤波竜之介親子は、友引高校の購買部を任されるまで、年中無休の海の家を経営していた(と言っても小屋は簡素な作りのもので、誰も泳がない吹雪の日でも小屋内に雪が積もっていても営業していた)。
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