春日山原始林

提供: Yourpedia
移動: 案内検索

春日山原始林 (かすがやまげんしりん)は奈良県奈良市春日大社東側にある長らく人の手の入っていない森林である。

概要[編集]

標高は498m、約25haの広さがあり、841年(承和8年)から元明天皇の勅命により狩猟と伐採が禁じらた。それ以来春日大社の神域として1000年以上に渡り、人間の手が入っていない原始林となった。特別天然記念物となり、古代の原始林の姿をとどめている。北側に若草山、南に高円山、西には、春日大社の神山である御蓋山がある。シイ・カシなどドングリのなる常緑広葉樹を主とする貴重な照葉樹林が広がる。「春日杉」という価値の高いスギやモミ・ツガ等の針葉樹も見られる。ツル性植物や、シダ類、苔類などの希少種も生育する。

ただし16世紀に豊臣秀吉によるスギの木1万本の伐採があり、台風災害から回復するために補植は行われている。春日山のなかの花山では、東大寺興福寺が花(樒:シキミ)を採取している。春日山原始林に春日大社の末社が点在する。

指定[編集]

1955年(昭和30年)に国の特別天然記念物に指定された。1998年には春日大社と一体となった文化的景観として評価され、ユネスコの世界文化遺産「古都奈良の文化財」の一つとして登録された。

鶯の滝[編集]

春日山原始林の北東端付近にある高さ8mの滝で、水の落ちる音が鶯の鳴き声に似ている。

参考文献[編集]