接続詞
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接続詞(せつぞくし)とは、文と文、節と節、句と句、語と語など文の構成要素同士の関係を示す役割を担う品詞である。
目次
日本語の接続詞[編集]
単独で接続語として、前後の文脈の関係を表すことばで自立語である。活用はしない。付属語(前の動詞などに接続する)である接続助詞(から、と、や、て、ば、等)とは区別される。このうち、「だから、けれども、しかし、さらに、ところが」などは統語論的には副詞の一種であり、英語の接続副詞に相当する。これらは英語などヨーロッパの言語における従属接続詞とは機能が違うことに注意すべきである。日本語において英語の従属接続詞に相当する機能を持つのはむしろ接続助詞(「~ば、~ても、のに、etc.」)である。
用途によって、以下のように分類される。
働き | 例文 | |
---|---|---|
順接 | 前の文脈の当然の結果として、後の文脈を導く。 | 故郷を離れて久しい。だから(ゆえに)、旧友とは10年以上会っていない。 |
逆接 | 前の文脈と相反する事柄として、後の文脈を導く。 | 後半戦で必死の追い上げを見せた。けれども(しかし)、あと一歩及ばなかった。 |
並列 | 対等の関係にあることを示す。 | 身分証明書および(ならびに・また)印鑑をご持参ください。 |
累加 | 別の物事を付け加える。 | 駐車場まで1時間かかった。さらに(そのうえ)、そのあと30分歩くことになった。 |
説明 | 前の文脈を言い換える。または、例示する。 | この人は母の兄、つまり、私の伯父です。 |
選択 | 複数の中からいずれかを選ぶ。 | 山間部では、雨 または(もしくは) 雪が降るでしょう。 |
転換 | 話題を変える。 | 今シーズンの結果をお知らせしました。ところで(さて)、来シーズンはルールが変更される予定です。 |
英語の接続詞[編集]
英語においても接続詞は、文と文、節と節、句と句、語と語など項目同士の関係を示す役割を担う品詞のひとつである。
英語の接続詞には、語と語、句と句、文と文を等しい(equal)関係でつなぐ等位接続詞と、文と文を主従関係でつなぐ従属接続詞の2種類が存在する。
また、本項目では、これらに加え、本来的には接続詞ではなく、副詞であるものの、接続詞に類する役割を担うものとして、接続副詞 (however 等)についても述べる。
接続詞にも語法があり、接続詞それぞれによって、つなげられるもの(beforeの後に否定文は原則来ない等)や来られる場所(butは原則的に文頭には来ない等)の決まりが、ある程度の類型化が可能であるものの、各単語ごとにある。
また、日本語に訳して考えた場合に前置詞や関係詞との区別がつきにくいケースもある。そもそも接続詞/前置詞の両方の用法のある単語もある。TOEIC等の英語の試験ではこれらのポイントがよく出題されると言われている。
等位接続詞[編集]
等位接続詞(英語名:Coordinating conjunctions,または coordinators)は、等しい位のもの同士を接続する詞(ことば)のことである。 同一の範疇の語・句・節を対等の関係で結びる働きをする。 同一の範疇にない語句同士(例:形容詞と名詞、名詞と副詞句等)を繋ぐことはできない。
等位接続詞で接続された複数の対等な節からなる文を、重文(compound sentence)という。 例えば、次のような節と節との接続を考えた場合:
[節1] [接続詞] [節2].
[節1]のみでも、[節2]のみでも、それぞれで意味が通じていれば、それは重文であり、その接続詞は等位接続詞ということになる。
例:[犬は庭をかけまわり]、そして[猫はこたつで丸くなる]。
等位接続詞[編集]
英語の主な等位接続詞は以下の通り:
- and(そして)
- or(または)
- nor(でもない)
- but(しかし)
- so(だから)
- yet(しかし)
- except(をのぞいて)
相関接続詞[編集]
以下の相関接続詞(英語名:Correlative conjunctions)も等位接続詞の一種である:
- either A or B (AとBのどちらか)
- not only A but also B (AだけではなくBも)
- neither A nor B (AでもBでもない)
- both A and B (AとBのどちらも)
- rather A than B(BよりむしろA)
- A as well as B(BとおなじくA)
従属接続詞 (英語名:Subordinating conjunctions, または subordinators)[編集]
従属接続詞または従位接続詞は、文と文を主と従の関係で結ぶ接続詞である。複文(complex sentence)において、主節と従属節をジョイントする働きをする。ここで主節(英語名:independent clause)とは、それ自身で独立した文になれる節のことであり、従属節(英語名:dependent clause)とは、主節に付加的な情報を与える節のことで、それ自身では独立した文になれない節のことを指す。 <例>
・Wherever she goes, she leaves an item of luggage behind. (Wherever she goesは従属節であり、she leaves ~ は主節)
従属接続詞は、副詞節を導くものと、名詞節を導くものに分類される。 これらは節をまとめる標識として機能しており、日本語における「接続詞」とはまったく異なる文法範疇である。 たとえばalthoughは日本語の「けれども、しかし」などの「接続詞」ではなく「~のに、~けれども」などの接続助詞に近いことに注意すべきである。またifは日本語でよく「もし」と訳されるが、「もし」は、「私がもしあなたならば」のように節の途中で使うことができることからもわかるように、副詞であり、ifとはまったく範疇がちがう。従属節をまとめるという、統語的にifと似た働きをしているのは、むしろ接続助詞の「~ば」である。
副詞節を導く従属接続詞は、用法によって下記のように分類される。
- 時を表す
- when(するとき)
- whenever, every time, each time(するときはいつでも)
- while(している間は)
- before(する前に)
- by the time(するまでには)
- until, till(までずっと)
- after(した後で)
- since(してからずっと)
- as soon as, the moment, the instant, directly(するやいなや)
- 原因、理由を表す
- because(なぜなら~だから), since(なので), as(なので), that(だから), now that(今や~だから), seeing that(だから), on (the) grounds that(~を根拠として、~の理由で)
- 仮定、条件を表す
- if, on condition that, supposing(that), in case(もし)
- as[so] long as(~で(さえ)あれば)
- unless(もし~でないなら)
- 目的を表す
- in order that, so that, that(するために)
- lest, for fear (that),(~しないように)in case (~したばあいにそなえ)
- 結果を表す
- so 形容詞か副詞 that(非常に~なので), such 名詞 that(非常に~なので)
- 比較を行う
- as
- than
- 譲歩を表す
- 様態を表す
- as, like(~のように)
- as if, as though(あたかも~のように)
- 範囲を表す
- as far as(~の範囲では)
接続副詞[編集]
接続副詞は、副詞の一種であるが、意味的には逆接・順接・譲歩・追加など論旨展開にかかわる意味を表す。しかし接続詞とは異なり、接続副詞には語句と語句、文と文を統語論的に接続する機能はない。日本語の「しかし」は、機能の点では等位接続詞butではなく、接続副詞howeverに相当する。また、接続副詞は本来副詞であるため、従属接続詞のように節のはじめに置かれるとはかぎらず、主語のあとや文末など、別の位置に置かれることもある。接続副詞の例としては以下のものがある。
however「しかし」, besides「そのうえ」, therefore「したがって」, otherwise「さもなくば」, furthermore「そのうえ」, moreover「そのうえ」, nevertheless「にもかかわらず」, nonetheless「にもかかわらず」, though(文中・文末で)「でも、けれど」
接続詞と前置詞[編集]
接続詞は前置詞としても用いられるものもある。
- after, before, since, till, until
as, but, forはどちらにも用いられるが意味が異なる。
接続詞と前置詞で異なるもの
- because - because of
- by the time - by
- while - during
- although - despite, in spite of
備考[編集]
一部の地域方言・社会方言やポップ・ミュージックでは分詞、不定詞、動名詞を通例使わないため、接続詞や接続副詞が用いられる場面(複文や重文)は頻繁に見られる。
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