坂東志郎

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坂東 志郎(ばんどう しろう)とは、20年を超える不倫の末、51歳の妻を殺害した元・銀行員である。

事件概要[編集]

東京都江東区木場4の大横川2011年9月14日に女性の変死体が見つかった。

警視庁深川署捜査本部は9月18日、女性の身元を江東区東陽3、坂東宏美さん(51)と確認し、宏美さんの遺体を川に捨てたとして、同居する夫で自称会社員、坂東志郎(63)を死体遺棄容疑で逮捕した。

調べに対し「川に捨てたのは間違いない。詳しいことは後で話す」と容疑を認め、殺害についても関与をほのめかしている。

捜査本部によると、坂東容疑者は宏美さんと2人暮らし。遺体の所持品や聞き込みから宏美さんの身元が浮上し、18日、自宅にいた坂東容疑者に事情を聴いたところ、遺棄容疑を認めた。捜索願は出ていなかった。

宏美さんの首には絞められたような痕があり、軟骨の一部が損傷していた。

遺体には鉄アレイ(重さ約1キロ)2個を結んだビニールひも(2メートル)が絡まっており、捜査本部は、坂東容疑者が首を絞めた後、鉄アレイを重りにして川に投げ込んだとみている。

逮捕容疑は14日未明、大横川に宏美さんの遺体を遺棄したとしている。

坂東志郎を送検(2011年9月)[編集]

自称・会社員の坂東志郎(63)は、妻の宏美さん(51)の遺体を川に捨てた疑いで9月19日朝、送検された。

川の中からは車椅子が見つかっている。宏美さんの遺体が発見される数時間前、自宅マンションの防犯カメラに志郎とみられる男が車椅子を押す姿が映っていた。

坂東は、「金融の専門家」として、雑誌に寄稿したり、講演を行ったりしていたが、逮捕されたあとの調べで、「妻を殺して自分も死ぬつもりだったが、講演会などの仕事があり、穴を空けられないと思った」と供述していた。

坂東は、その後の調べに対しては多くを語らないということで、警視庁は動機を追及している。

東京都江東区のマンションに住む坂東宏美さん(51)が殺害され、遺体が近くの大横川で見つかった事件で、東京地検は19日、殺人と死体遺棄の罪で、夫の坂東志郎(63)を起訴した。起訴内容を認め「借金苦だった。 自分も死のうと思った」と供述している。

坂東志郎は2011年9月10日ごろ、自宅で宏美さんの首を電気コードのようなもので絞め、殺害。遺体を大横川に遺棄した。

不倫「20年愛」の末… 遺体に鉄アレイくくり川に遺棄。元銀行マンの“多重債務地獄”[編集]

犯行現場となったのは、20年を超える不倫の末に築いた“2人の城”だった-。妻を自宅で絞殺し、遺体に鉄アレイをくくりつけ川に捨てたとして、殺人と死体遺棄の罪に問われた坂東志郎の裁判員裁判。「嘘」と「多重債務」に彩られた愛の軌跡が、法廷で明らかになった。

起訴状と検察側の冒頭陳述によると、被告は平成23年9月、東京都江東区の自宅マンションで妻・宏美さん=当時(51)=の首を電気コードで絞め殺害。数日後、遺体を車いすに乗せて運び、鉄アレイをつけたひもをくくりつけて川に遺棄したとされる。

2012年5月22日の初公判で坂東志郎は起訴内容を認め、犯行の動機が争点となった。弁護側は被告が消費者金融などの借金に苦しんでおり「自殺しを考えたが、宏美さんを1人で残せないと決意した」として、心中目的の犯行だったと主張。検察側は「真の動機は分からない」と述べた上で、犯行前後に妻の口座から現金を引き出し借金返済にあてていたことや、逮捕まで自殺を図った形跡がないことを指摘。「『心中』は罪を軽くするための嘘」と訴えた。

傍聴席はほぼ満席。21日に制度施行3年を迎え、裁判員裁判への関心が高まっている様子がうかがえる。約50人の傍聴人が見守る中、弁護側の被告人質問では坂東志郎が被害者と歩んだ25年が明らかにされていった。

2人の出会いは昭和61年にさかのぼる。坂東志郎が当時勤務していた大手銀行に、27歳の宏美さんが就職。同じ部署で働きはじめると間もなく、交際が始まった。弁護側の被告人質問で、被告は当時について問われ「2人が出会った部署への発令日が彼女の誕生日で、交際後に『赤い糸で結ばれていると感じた』と言われた」というエピソードを紹介した。

しかし、12歳年上の被告は当時すでに、別の女性と結婚し3人の子供がいた。翌昭和62年には宏美さんが坂東志郎の子供を身ごもり中絶する苦難もあったが、関係は続いたという。

坂東志郎は平成10年に銀行を早期退職、民間企業に再就職したのを機に家族と別居、宏美さんとの“愛の巣”となるマンションを購入した。さらに10年以上が経過した平成21年、ようやく離婚が成立し、2人は出会いから20年以上を経て入籍を果たした。

坂東志郎は法廷で、ここ数年糖尿病を患い入退院を繰り返したことを明かし、宏美さんの存在について「食事、運動を常にサポートしてくれる看護師、栄養士でもあり、『命の恩人』だった」と説明。昔と変わらない円満な関係を強調した。

しかし、証拠調べや検察側の被告人質問では、被告が仲睦まじいパートナーにも、借金の存在をひた隠しにしてきた実態があらわになる。

「生活費に加え、宏美さんとの交際費に充てるためサラ金に手を出した」(捜査段階の供述)と、銀行員時代から消費者金融などで借金を重ねた被告。銀行を辞めた際の退職金でいったんは完済したものの、その後再び借り入れがふくれ上がり、犯行当時は住宅ローンを含め借金が4千万円超に。毎月50万円以上の収入があったにも関わらず、返済額が上回っていたという。

20年越しの“新婚生活”の陰で、「火の車」状態の坂東志郎はなりふり構わず金策に走る。元妻が暮らすマンションを無断で借金の担保にあて、別の消費者金融の借り入れの際には弟の保険証を偽造。宏美さんの貯蓄500万円も、無断で使い切った。

さらに、坂東志郎が被害者のクレジットカードを不正使用した記録が自宅に届いた際には、契約していた警備会社職員の住居侵入を匂わせ、ごまかしたこともあったという。

殺害前後の坂東志郎の言動からも、「カネ」と「嘘」ばかりが浮かび上がる。犯行当日にも外出中の宏美さんの銀行カードを使いキャッシングを試みるなど、複数回にわたり銀行口座から無断で現金を引き出し、借金返済にあてた。殺害後は宏美さん宛てにメールや電話を残すなど隠蔽工作を疑わせる行為に及んでいた。

検察側は被告人質問で、坂東志郎が警察から事情聴取を受けた当初、「妻が行方不明になり、電話をかけても連絡がつかない」などと説明していた点を追及。坂東志郎は「子供じみた嘘をついた」と言葉を濁した。

審理を通し、借金苦の状況は明らかになっていく。しかし、そもそもいったんは債務を完済した被告が、再び借金地獄に陥るきっかけは何だったのか。再就職の数年後、突如給与が半減したことを理由に挙げる被告に対し、検察官が質問する。

検察官「再就職後の給料が60万円で、半分になっても30万円。会社とは別のコンサルタント業を含めれば50万円の手取りがあったんですよね」
坂東志郎「はい」
検察官「なぜ借金が必要になるんですか」
坂東志郎「返済するだけで毎月100万円近くなり、収入の倍になっていました。バクチも一切やっていません。生活費の充当と借金返済だけでした」

借金生活が始まった理由についての答えにはなっていないが、検察官は追及しないまま質問を打ち切る。また、借金を被害者に打ち明けることもなく殺害した理由についても、坂東志郎は不可解な弁解に終始する。

坂東志郎「借金を打ち明ければマンションを手放すことになり、『2人でマンションに住む』という彼女の夢を壊すことになる。マンションを残すには自分が死ぬしかないが、借金を残したまま死ねば、風評被害で彼女もマンションを追われるかもしれない。2人で死ぬしかないと思いました」
検察官「元銀行員なんだから、自己破産についても当然知っているわけですよね。なぜ利用しなかったんですか」
坂東志郎「マンションから出ていかなければならなくなるので。当時は彼女の夢をつぶしてはいけない、としか考えていませんでした」

宏美さんの「夢」、という言葉を繰り返す坂東志郎。犯行の数日後、室内で腐乱した遺体にかぶせていたシーツなどを勤務先で捨てていた点を問われると、さらに住居の意義を繰り返す。

坂東志郎「マンションは彼女が作り上げた『城』。城の中に置いておくのはよくないと思いました」
検察官「じゃあ、『城』の中で殺しはやってもいいの?」
坂東志郎「身勝手で、申し訳ありません」

裁判員も疑問が尽きない様子で、積極的に質問を重ねていく。女性裁判員は夫婦関係について尋ねる。

裁判員「一貫してよく分からないんですが。非常に長く不倫をしていて、本当にトラブルがなかったんですか? 私なら諦めますけど」
坂東志郎「子供を中絶した時の一度きりでした。私からも彼女からも、問題になることはありませんでした」

坂東志郎は、老人ホームに暮らす実母のお見舞いから帰宅した直後の被害者を絞殺していた。男性裁判員は犯行の計画性について尋ねる。

裁判員「お母さんのお見舞いから帰ってきたところを殺した、というのは計画していたんですか。衝動でしたか」
坂東志郎「前もって考えていません。夕方に彼女が帰ってきて、衝動的でした」
裁判員「本当に理解できないんですが。母親のお見舞いから帰ってきたばかりの奥さんを、突然に? しかもたまたま手元に電気コードがあったんですか」
坂東志郎「はい、衝動的です」

裁判員らは終始険しい表情で、発言する被告を見つめていた。

検察側は5月25日の論告で、犯行動機として

(1)宏美さんの財産を奪う目的だった

(2)借金や被害者名義のカードの不正使用が発覚し、口論になった-

などの可能性を挙げ、「被告が嘘をついているのは明らか」と主張。懲役17年を求刑した。弁護側は最終弁論で「仲の良い夫婦だった。借金を苦に心中を図り、死ねなかったのが真相」として犯行の悪質性を否定、懲役8年が相当とし、結審した。判決は5月29日に言い渡される。

家庭を犠牲にし、20年以上を共に歩んだパートナーを失ってなお、坂東志郎が守ろうとしたものは何だったのだろうか。元銀行マンらしい丁寧な言葉遣いと淡々とした表情から、読み取ることはできなかった。

絞殺した妻、鉄アレイ付けて川に。懲役16年(2012年5月)[編集]

東京都江東区東陽の自宅で妻を殺害したなどとして、殺人と死体遺棄の罪に問われた会社員・坂東志郎被告(64)の裁判員裁判で、東京地裁(鬼沢友直裁判長)は29日、懲役16年(求刑・懲役17年)の判決を言い渡した。

判決によると、坂東志郎被告は2011年9月10日頃、妻(当時51歳)の首を電気コードで絞めて殺害。14日早朝、遺体に鉄アレイを付けて大横川に捨てた。

犯行の動機が争点となり、弁護側が「被告に多額の借金があり、心中目的だった」と主張したのに対し、検察側は「心中目的ではない」と反論。この日の判決は、「被告が妻の退職金を借金返済に充てていることからすると、借金を巡る口論などのトラブルから、被告が殺意を抱いたと認定するのが相当だ」と結論づけた。

閉廷後の記者会見で、裁判員を務めた60歳代の男性は「証拠は乏しかったが、裁判員らの経験値を集めて事実認定した」と話した。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]