ワイパアエースゾル

提供: Yourpedia
移動: 案内検索

ワイパアエースゾル(Wiper Ace Sol)は、大正製薬株式会社が製造販売していたエアゾール殺虫剤の商品名である。

製品の誕生[編集]

従来のエアゾール式殺虫剤は、溶剤の石油臭と噴射ガスであるLPガス特有の硫黄臭を隠ぺいするために、強力な香料を配合しているのが一般的であった。室内で殺虫剤を使用したときに殺虫剤の臭気が残ってしまうのは、当時のエアゾール殺虫剤の特徴であったが、食堂や寝室などで使用した際に臭気がこもったり、鼻やのどを刺激する欠点もあった。1962年4月、上記のような「殺虫剤らしさ」を払拭し、日本ではじめての「無臭性」エアゾル殺虫剤として誕生したのがこの商品であった。 製剤面においては、まず溶剤のケロシン(一級白灯油)をさらに精製し、LPガスは充てん時に脱臭カラムを通すことによって、噴射時には、ほぼ無臭化することに成功した。

1976年11月、長年使用してきた同社の殺虫剤ブランド「ワイパア」を、メーカーロイヤリティを生かすべく、段階的に「大正」ブランドに移行することを発表。「大正」ブランド第1号商品として、『大正殺虫ゾル』と名称変更された。

2000年で同社が捕殺虫剤事業から撤退したことにより、殺虫剤ブランドは期限付で他社に有償貸与。現在は『ワイパア殺虫ゾル』の名称で、製造を小池化学、販売を白元が行っている。

製品の歴史[編集]

  • 1962年4月 「ワイパアエースゾル」発売。広告タレントに乙羽信子を起用。
  • 1969年1月 押しボタンとキャップを一体化したワンタッチキャップを採用。
  • 1972年5月 噴射助剤の塩化ビニールガスが発癌成分となるため使用禁止となり、これをフロンに変更。
  • 1975年3月 速効性に優れたフタルスリンに、致死成分レスメトリンを加え処方を強化。
  • 1976年11月 「大正殺虫ゾル」に名称変更。
  • 1979年3月 450mlロング缶登場。「ニオイの残らない」を缶に表示し、一貫して「キキメと無臭」をアピール。
  • 1981年3月 「ハエ・蚊用」のイラストを入れ、商品の専門性を訴求。
  • 1986年1月 処方が強化され「大正殺虫ゾルF」となる。d-T80-フタルスリンを配合し、速効性が向上した。
  • 2000年4月 殺虫剤事業からの撤退により、以降商標貸与先の白元から「ワイパア殺虫ゾル」として発売。

製品の概要[編集]

ワイパアエースゾル[編集]

成分[編集]

フタルスリン(ピレスロイド系)、レスメトリン(ピレスロイド系)

効能[編集]

はえ・蚊・油虫(ごきぶり)・のみ・南京虫・家だにの駆除

使用法[編集]

蚊の駆除には6畳間なら3~4秒間、はえ・油虫・のみ・南京虫・家だにには 直接数秒間噴射する。

包装[編集]

500mL.、300mL.

大正殺虫ゾル[編集]

成分[編集]

(5-ベンジル-3-フリル)メチル d-シス/トランス-クリサンテマート、 フタルスリン

効能[編集]

ハエ・蚊・ゴキブリ(油虫)、ノミ、ナンキンムシ、イエダニの駆除

使用法[編集]

蚊の駆除には6畳間なら5秒間上方に向け噴射し、ハエ・ゴキブリ・ノミ・ナンキンムシ・イエダニには、直接数秒間噴射する。

包装[編集]

450mL.300mL.

大正殺虫ゾルF[編集]

成分[編集]

d-T80-レスメトリン、d-T80-フタルスリン

効能[編集]

ハエ・蚊・ゴキブリ(油虫)、ノミ、ナンキンムシ、イエダニの駆除

使用法[編集]

室内のハエ・蚊には6畳間なら約10秒間上方に向け噴霧し、ゴキブリ・ノミ・ナンキンムシ・イエダニには直接噴霧する。

包装[編集]

450mL.300mL.

歴代広告タレント[編集]

その他

大正ゾルシリーズ[編集]

大正ゴキブリゾル【医薬部外品】
「新ゴキブリワイパアゾル」を処方改良。「追い出し」「まちぶせ」「直射」の3通りの使い方ができる。(後の「ワイパアゴキブリスプレー」→「ワイパアゴキブリ殺虫ゾル」【防除用医薬部外品】)
大正ダニ殺しゾル【医薬部外品】
アレルギーの原因となるダニ退治に効果を発揮。畳・カーペット両用。(後の「ワイパアダニスプレー」【防除用医薬部外品】)
大正アリ殺しゾル
土台を食い荒らすシロアリや、しつこいクロアリ退治に優れた効果。(後の「リピートアリスプレー」→「ワイパアアリスプレー」→「ワイパアアリ殺虫ゾル」)
大正虫殺しゾル
屋外の不快害虫専用殺虫剤(後の「大正害虫スプレー」→「ワイパア害虫スプレー」→「ワイパア害虫殺虫ゾル」)
大正キクイムシゾル
家具や木材を食い荒らすキクイムシや、シロアリ、クロアリ専用の殺虫剤
大正園芸ゾル【農薬】
花の病気と害虫に効果を発揮。