エアブラシ

提供: Yourpedia
移動: 案内検索

エアブラシは、空気や圧縮ガスを用いて、細かい霧状の絵の具等を噴射して、対象に対して均一に着色するのに使用される工具または文房具。器具そのものとしては「ハンドピース」という名称で呼ばれることもあり、この場合にエアブラシと云うのはこれを用いて制作する技法をさす。

一般的にエアブラシは小型の精密なスプレーノズルを使用しており、技法としては低い気圧で微細な描画/塗装を行うことをさす。より大規模な、工業用途や広範囲の吹きつけ塗装などで非常に高い圧力で使われる器具はスプレーガンと呼ばれることが多い。

概説[編集]

元来、工業分野の吹きつけ塗装の技法である圧搾空気などを用いたスプレーガンの原理を応用、小型化し、絵画やデザインなどでも耐えうるように精密にしたものである。先に美術デザイン分野の描画に使用され、ぼかしやグラデーション効果により、写実的なイラストレーション制作が行われた。 さらに、模型工芸作品の制作においても使用されるようになり、小縮尺の模型に対しても非常に平滑な塗装面が得られ、イラスト技法の応用により兵器類の迷彩塗装のぼかし表現や微妙な陰影の表現が可能、広範な種類の塗料を吹き付けで使用できるなど多くの利点により、高度かつ重要なテクニックとして普及している。なお、近年模型の分野では安価な機種および用具の普及で入手が容易になったこと、自分で塗料を調色できること、缶スプレー塗料よりも細かい部分で扱いやすいことなどの理由から入門者が使用することも増えており、基本的な道具となりつつある。

基本的な仕組みは、カップ内に溜めた絵の具もしくは塗料を、ニードル(針)弁の前後動により供給の加減が可能なノズルに導き、その周囲から均一に圧縮空気またはボンベ入りの圧縮ガスを噴出させることで、霧状に対象物に吹き付け付着させる。

使用される絵の具、塗料類としては、水性/油性/アクリル絵の具や、カラーインク、油性エナメルやラッカー等の合成樹脂塗料が挙げられる。比較的粘度が低く粒子がなく薄め液等で薄めて液状になるものならば大抵のものは利用することが出来る。


その形状および材質は用途や価格によって多岐にわたっている。 塗料カップの取り付け形式には本体横に付くサイドカップ、上部に付く上カップ、塗料のボトルがノズルより下に付く吸い上げ式などがあり、サイドカップと上カップ式の一部はカップ容量の変更ができるものがある。機構的な分類はボタン操作がエアー調節だけのシングルアクションタイプ、エアと塗料の量をボタンの前後上下で操作できるダブルアクションタイプ、保持しやすく比較的広範囲・長時間の作業に向くトリガー式タイプがある。また、簡易なものとしてコピックなどのペンのペン先に圧縮空気、圧縮ガスを噴射させるなどして利用するものもある。

各種の特徴として、シングルアクションは安価だが、ニードル開度を調整することで塗料の噴霧量を決定するため吹きつけ作業を中断するたびにニードル調整をしなければならず、精細かつ長時間の作業には向かない。ダブルアクションはその欠点を補っており、調整が指先でできるため、より高度な作業が可能だが、コントロール技術の習得が必須となる。トリガー式はエア量と塗料量が連動するため最も操作が容易で扱いやすいが高価なものが多い。スプレーガンとも呼ばれる工業用のエアブラシはトリガー式がほとんどである。


利用例としては、美術イラストの技法を応用した自動車のボディペイント、蛍光塗料を利用したイラスト、爪へのネイルアートプラモデルの塗装などが挙げられる。wiki:エアブラシ