「第58回NHK紅白歌合戦」の版間の差分

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第58回NHK紅白歌合戦(だい58かいNHKこうはくうたがっせん)は、2007年12月31日JST、以下同じ)にNHKホールから放送された、通算58回目のNHK紅白歌合戦。19:20 - 23:45に生放送(21:25 - 21:30はニュースにより中断。BShiは別番組)。双方向対応番組

放送メディア[編集]

  • 国内向けには、総合テレビBS2BShiラジオ第1で放送。
  • 海外向けには、NHKワールド・プレミアムおよびNHKワールド・ラジオ日本で放送。ただし、著作権処理や電波運用の関係で、一般視聴者が直接受信できるNHKワールドTVでは放送されず、第57回まで全世界で放送されていたNHKワールド・ラジオ日本についても同時生放送を行ったアジア大陸と東南アジア地域以外では放送されなかった。ラジオでの全世界での放送が行われなくなったのは2007年10月1日以降、テレビ国際放送の強化に重点を置くため、放送時間・地域の大幅な変更・見直しが行われたことによる。なお、NHK以外では、台湾の日本専門チャンネル「緯来日本台(VIDEOLAND JAPAN)」において、2008年1月5日に中国語字幕つきで放送(NHKワールド・プレミアムでは字幕がないため)。
  • なお、アナログ衛星ハイビジョン放送は、紅白開催前の9月30日を最後に終了。前年には地上波デジタルテレビジョン放送の本放送が全都道府県で始まり、10月1日には北海道内の各放送局でも開始されている。

放送まで[編集]

  • 10月10日に制作発表。
    • 向こう3年間共通のコンセプトワードを「歌力(うたぢから)」とし、この回のテーマを「歌の力 、歌の絆」とすることが発表された。記者会見では、「格調高い紅白にしたい」と抱負が語られた。
    • SONGS」の三溝敬志チーフプロデューサーら同番組スタッフが中核となって制作を担うことになった。
    • 紅白いずれにも属さない「特別枠」の設定が発表された。竹内まりや矢沢永吉ら、「SONGS」出演経験者がこの枠で出場するのではないかと報じられたが、実際には小椋佳が選ばれた(小椋は1993年第44回にも出場歌手とは別扱いの出演をしている)。
    • 番組宣伝のため、初めてビジュアルアイコンが作成された。

当日のステージ[編集]

全員参加の「応援合戦」や「アトラクション」などが行われなかった。そのため、コンセプトどおりに、出場者の生歌を聞かせる構成となった。例年舞台両手に設置されている曲紹介などを行うステージを下手のみとし、セットチェンジの間には、鶴瓶ら司会陣と出演者のフリートークが行われるなど、例年には無い演出が多く見られた。これは白組司会の依頼を打診するに当って、鶴瓶より自身が民放の司会番組で多用している「アドリブ」を紅白でも同じように多用したい、という要望を受けてのものであった。

この年8月に死去した作詞家の阿久悠の追悼として、最後の4曲は阿久が作詞を手掛けた曲となった(和田アキ子あの鐘を鳴らすのはあなた」、Char闘牛士」、石川さゆり津軽海峡・冬景色」、五木ひろし契り」。石川・五木がトリ)。過去に紅白で歌唱された阿久ナンバーの名場面も放送された。また、この年の5月に自殺したZARD坂井泉水を追悼する「スペシャル・トリビュート・ライブ」コーナーが設けられ、NHK大阪ホールでのフィルムコンサートの中継を主として、坂井の生前の未公開映像(「揺れる想い」の歌唱映像と「負けないで」の歌唱映像の後半部分がそれぞれテレビ初公開であった)も公開された(「負けないで」にはテレビ朝日系「ミュージックステーション」に出演した際の坂井の映像も使われた)。

美空ひばりの生誕70周年を記念して、作詞・作曲を担当した小椋佳が生前の美空の映像とデュエットした。

その他のトピックスは以下の通り。

  • ハロー!プロジェクト]]10周年記念紅白スペシャル隊はハロプロエッグも参加して46名というNHK紅白歌合戦史上最多でのステージを行った。この他にも多くのバックダンサーを従えたパフォーマンスを行う出場者がいた。
  • 前川清の歌唱時には、クール・ファイブムーディ勝山が参加し、バックコーラスを務めた。前川の歌唱前、ムーディの持ちネタである右からきたものを受け流すの歌を披露し、前川清とハモった。
  • 白組の一部トリ(3回目)を務めたさだまさしは鶴瓶が司会の『鶴瓶の家族に乾杯』の主題歌の「Birthday」を歌唱。曲紹介の場で鶴瓶は自身が紅白の司会に決定した直後、さだに対して「出場したら歌ってほしい」とリクエストをしていたことを明かした(歌唱中には同番組内での映像も流された)。
  • 小林幸子の歌唱時の衣装は、自身の予告通りに歌唱曲「恋桜」に合わせ、桜と万華鏡をイメージしたものになった。司会二人が後ろを覗こうとする演出もあった。
  • Gacktは、彼が上杉謙信役で出演していた大河ドラマ風林火山」を意識した演出で行われ、伝令の兵士がNHKホールのMCコーナーから101スタジオにご注進に走り、それを受けてGacktが陣触れを発し、歌い始めるというものであった。
  • 中村中は、歌唱直前に母から中村へ向けての手紙が読まれた。
  • 北島三郎の「帰ろかな」のステージでは出場歌手・合唱団・鶴瓶がバックで大合唱する演出があった。リア・ディゾンが、リハーサル時に同曲が歌えずに多くの出演者の前で半ベソ状態になったと報じられた。
  • コブクロの曲紹介中に鶴瓶は涙ながらにNHKホールに自身の85歳の母親を招待したことを明かした後、同ユニットが歌唱する「」が小渕健太郎の母親喪失の際のエピソードで制作されたものであることを紹介し、会場の感動を誘うものとなった。
  • 注目されたDREAMS COME TRUEのステージ前には、ドリカムの2人と縁の深い特別審査員の宮崎あおいが応援として曲紹介を行った(吉田美和の夫の死には触れず)。吉田は「未来予想図II」と「ア・イ・シ・テ・ルのサイン 〜わたしたちの未来予想図〜」のメドレーを涙を流さずに熱唱し、多くの感動を誘うものとなった。
  • 審査結果は、東京タワーライトアップの色で発表された。この様な大々的な結果発表は史上初。
  • エンディング直前には「世界に一つだけの花」と「蛍の光」を歌唱した。
  • 楽屋にカメラが入るという史上初の演出もあった。

結果[編集]

  • 中間審査を含めた総得票数による審査の結果172,566対135,139で白組優勝。この結果、対戦成績は紅組28勝・白組30勝となった。また白組にとって10年ぶりの3連勝を達成した。
  • 前回からゲスト審査員の主格人物が優勝司会者に優勝旗授与を行う形式となったが、当年は1999年第50回)で白組司会を務めた経験もある中村勘三郎が務めた。中村は白組司会を務めた第50回で見事白組を優勝に導いており、司会での優勝経験者から初の授与となった。

司会者[編集]

  • 出場歌手や視聴者から「温かみがあった」と蛯原と鶴瓶の司会を肯定する意見が多かった。また、デーブ・スペクターは「この2人だから視聴率が持った」と翌2008年の続投を推す意見を出した。また、高須光聖は「思考を変えただけ。NHKがかわいそう」と某ラジオで話した。

審査員[編集]

  • ゲスト審査員(別記
  • デジタルTV審査員(地上BSデジタルハイビジョン放送の視聴者、無制限)
  • ケータイ審査員(携帯電話で審査、50,000名)
  • ワンセグ審査員(ワンセグ搭載型の携帯電話で審査、無制限)
  • ふるさと審査員(デジタルTV審査員・ケータイ審査員・ワンセグ審査員の応募者から抽選で会場に招待された30名)
  • 会場審査員(ふるさと審査員を含めたNHKホールの観客全員)

出場者[編集]

カッコ内は出場回数。2007年12月4日に出演歌手が、12月27日に曲順が、それぞれ発表された。

紅組 白組
曲順 歌手 曲順 歌手
第1部
1 ハロー!プロジェクト10周年記念紅白スペシャル隊
 モーニング娘。(10)
 Berryz工房(初)
 ℃-ute(初)
Special LOVE Mix 〜幸せの平成20周年 Ver.〜[1] 2 美川憲一(24) さそり座の女2007
4 川中美幸(20) 金沢の雨 3 鳥羽一郎(20) 兄弟船
6 中村美律子(12) だんじり 5 w-inds.(6) Beautiful Life
8 長山洋子(14) じょんから女節 7 北山たけし(3) 男鹿半島
10 mihimaru GT(2) 俄然Yeah! 9 EXILE(3) Lovers Again 〜紅白バージョン〜[2]
12 アンジェラ・アキ(2) サクラ色 11 JUN SKY WALKER(S)(初) 全部このままで
14 香西かおり(15) 無言坂 13 布施明(23) 君は薔薇より美しい
16 水森かおり(5) ひとり薩摩路 15 前川清(17) そして、神戸
おしりかじり虫スペシャルステージ
17 宇浦冴香(初)
リア・ディゾン(初)
ANNA TSUCHIYA inspi' NANA (BLACK STONES)(初)
日本が誇る最先端! スペシャルメドレー[3] 18 米米CLUB(5) 愛君浪漫
19 絢香(2) Peace loving people 〜スペシャル・ピアノ・バージョン〜[4] 20 ポルノグラフィティ(6) リンク
22 伍代夏子(14) 21 スキマスイッチ(3) 奏 (かなで)
24 あみん(2) 待つわ'07 23 すぎもとまさと(初) 吾亦紅
26 平原綾香(4) Jupiter 25 寺尾聰(2) ルビーの指環
27 BoA(6) BoA ウィンター・バラード・スペシャル[5] 28 馬場俊英(初) スタートライン〜新しい風
30 坂本冬美(19) 夜桜お七 〜大晦日スペシャル〜 29 さだまさし(19) Birthday
坂井泉水追悼企画 ZARDフィルムコンサート中継「揺れる想い」「グロリアス マインド」「負けないで
第2部
31 小林幸子(29) 恋桜 32 Gackt(5) RETURNER 〜闇の終焉〜消え逝く武士(サムライ)への鎮魂歌(レクイエム)〜[6]
33 大塚愛(4) CHU-LIP 34 TOKIO(14) 青春 SEISYuN
36 浜田麻里(初) Ruten-no-toki 35 槇原敬之(2) GREEN DAYS
38 aiko(6) シアワセ 37 氷川きよし(8) きよしのソーラン節 YOSAKOIソーラン紅白スペシャル[7]
39 久松史奈(2) 微笑みながら 40 徳永英明(2) 恋におちて -Fall in Love-
41 中村中(初) 友達の詩 42 平井堅(5) 哀歌 (エレジー)
特別企画 小椋佳×美空ひばり「愛燦燦」
44 天童よしみ(12) 珍島物語 〜絆〜 43 北島三郎(44) 帰ろかな[8]
46 中島美嘉(6) LIFE 45 コブクロ(3)
47 一青窈(4) ハナミズキ 48 秋川雅史(2) 千の風になって
49 DREAMS COME TRUE(12) ア・イ・シ・テ・ルのサイン 〜わたしたちの未来予想図〜 紅白ヴァージョン[9] 50 D'ERLANGER(初) LA VIE EN ROSE
阿久悠追悼コーナー
51 和田アキ子(31) あの鐘を鳴らすのはあなた 52 Char (初) 闘牛士
53 石川さゆり(30) 津軽海峡・冬景色 54 五木ひろし(37) 契り
世界に一つだけの花蛍の光
  1. 悲しみトワイライト(モーニング娘。)、付き合ってるのに片思い(Berryz工房)、都会っ子 純情(℃-ute)、LALALA幸せの歌H.P.オールスターズ
  2. 6thアルバム「EXILE LOVE」通常盤収録の「Lovers Again -Orchestra Version-」を披露。
  3. Sha la la -アヤカシNIGHT-(宇浦)、恋しよう♪(リア・ディゾン)、LUCY(土屋アンナ)
  4. 歌唱後、コブクロとのコラボレーションでWINDING ROADも歌唱
  5. LOVE LETTERメリクリ
  6. NHK101スタジオを川中島の戦いに見立てての歌唱。剣式マイクで
  7. バックダンサーとしてYOSAKOIソーラン祭りの学生チームが参加
  8. 出場歌手有志がバックコーラスを行う。
  9. 前フリで未来予想図II(実質メドレー扱い)も歌唱

メイン演奏[編集]

三原綱木とザ・ニューブリード・東京放送管弦楽団(指揮:三原綱木)

ゲスト出演者[編集]

ゲスト審査員[編集]

演奏ゲスト[編集]

応援ゲストなど[編集]

スタッフ[編集]

主要スタッフは以下の通り(所属部署と担当番組は放送当時のもの)。

視聴率・裏番組[編集]

ビデオリサーチ社の速報によれば、第一部は関東地区:32.8%、関西地区:33.2%、第二部は関東地区、関西地区共に39.5%であった。関西地区での視聴率は前年より上回ったが、関東地区では第二部の視聴率が前年を下回り、歴代ワースト2位となった。なお、紅白歌合戦としては2004年以来3年ぶりとなる年間視聴率トップとなった。

関東地区における歌手別瞬間最高視聴率は、白組としてはSMAP「弾丸ファイター紅白SP」の43.9%(午後11時10分)、紅組としては和田アキ子「あの鐘を鳴らすのはあなた」の42.2%(午後11時17分)で、番組全体としてはフィナーレにおける合唱「世界に一つだけの花」の46.1%(午後11時40分)であった。

視聴率発表後の報道については、ワースト2位を強調されたり、「現状維持」と好意的に評価されたりと、マスメディア各社によりさまざまであった。

主だった裏番組の視聴率はTBS系「K-1 PREMIUM 2007 Dynamite!!」(第2部)が一番高く14.7%。日本テレビ系「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!スペシャル」が10.0%、フジテレビ系「ジャンクSPORTSスペシャル」(第1部)とテレビ朝日系「よゐこ無人島0円生活」が共に10.0%、テレビ東京系「第40回年忘れにっぽんの歌」が9.3%、「大みそかハッスル祭り2007」が4.0%。一番低かったのはフジテレビ系「1億分の1の男」で3.2%だった。

関連項目[編集]