佐野量丸

佐野 量丸（さの りょうまる／りょうがん／かずまる、1807年 - 1896年以前）は、淘宮術の2代目の開拓者。諱は正載、通称は清右衛門。淘宮術の創始者・横山丸三の門人で、1855年頃、横山が没した後、2代目の指導者となり、正統を継いだ新家春三とともに淘宮の指導者として並び称された。

経歴

文化4年（1807）11月7日、小石川上餌差町に生れる。

天保元年（1830）3月・24歳のとき、横山に入門。

天保6年（1835）4月、免許皆伝。竹元斎（ちくげんさい）と号した。

嘉永元年（1848）10月に開運陶宮術は幕府によって集会を禁止された。

安政元年（1854）に横山が死去。

明治維新の後、佐野と青木十丸は、内務省の許可を受け、大成教会の管理下で、再び一般に淘宮術の宣伝を行うことができるようになった。

新家とは意見が合わないところがあって別派となった。佐野は2代目の指導者として、新家と並び称された。

のちに神道大成教の開祖となった平山省斎や、丸三の直弟子だった吉川尹哲も佐野の門下だった。

晩年には阿声堂と号し、また今哉庵と称した。

1896年より少し前に没した。没後は妻の佐野陽月が門跡を継承した。

1966年頃、八王子の上野町金剛院に墓碑があった。

付録

参考文献

• 大井 (1868) 大井正元三始氏「淘宮元祖先聖伝記并略年譜」天源淘宮術研究会『天源淘宮術秘訣』松成堂、1909・明42（原著：慶応4・1868）、pp.4-44、NDLJP 2209062/10
• 井上 (1896) 井上円了（講述）『妖怪学講義 合本第3冊 増補再版』哲学館、明治29、pp.225-236、NDLJP 1080793/118
• 西川 (1914) 西川光次郎『神道教祖伝 - 霊験奇瑞』永楽堂、1914・大正3、NDLJP 908681
• 細川 (1922) 細川潤次郎「淘宮術」『梧園随筆 賸編 3』西川忠亮、大正11、NDLJP 985320/7
• 鈴木 (1966) 鈴木龍二「相沢翁と淘宮術」相沢菊太郎ほか『相沢日記・続』相沢栄久、7-9頁、NDLJP 2985880/8