チャンピオンズカップ (中央競馬)

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ファイル:Kurofune at Japan Cup Dirt.jpg
第2回ジャパンカップダート(2001年11月24日 クロフネ優勝)

チャンピオンズカップChampion's Cup)とは日本中央競馬会(JRA)ジャパンカップウィーク中京競馬場ダート1800mで施行する中央競馬重賞GIレース(国際指定)である。

チャンピオンズカップの1着賞金1億3000万円は日本の全ダートレースの中で最高賞金額を誇る。

外国から当レースに出走する場合には競走馬の輸送費、滞在に要する厩舎や飼料にかかる費用、馬主、調教師、騎手、厩務員(馬主、調教師、騎手についてはその配偶者も含む)の交通費や宿泊費はJRAが全額負担する。このような遠征に要する諸費用の負担を外国からの全出走馬に行うレースは日本ではこのほかにジャパンカップがある。世界ではドバイミーティングドバイワールドカップなど)、香港国際競走がある。なお、外国招待馬は8頭まで出走可能である。2008年からジャパン・オータムインターナショナルに指定されている。

概要

JRAにおける最初のダートGIレースは1997年に昇格したフェブラリーステークスであったが中距離の交流GIである帝王賞東京大賞典での熱戦、ドバイワールドカップブリーダーズカップ・クラシックの隆盛により中央競馬においてもダートレースの主流である2000m級の距離によるダート国際レースを望む声が高まり2000年にジャパンカップダートが創設された。略称はJCD(JはJAPAN、CはCUP、DはDIRTのそれぞれの頭文字)。

しかしながら、世界のダートレースの主流が2000mであるにもかかわらず2100mという半端な距離で(JRAではダート2000mというコースが阪神競馬場以外にない)スタートから第1コーナーまでが短めで競走馬の能力以外の有利不利があることなどがこのレースの欠点となっている。またダートが主流のアメリカでは赤土のようなスピードの出やすいダートが主流だが、日本のダートはスピードが出にくい。2007年に来日したスチューデントカウンシルは時計のかかる馬場向きと見てブリーダーズカップ・クラシックを回避して、このレースに出走した経緯がある[1]。そのため2008年からはジャパンカップの翌週の日曜に移動し、阪神競馬場のダート1800m[2]で施行される(関西初の国際招待GIとなる)。これに伴い、一部のレース日程が変更されている[3]。ちなみに阪神競馬場ではダートのオープン特別は2009年には9レース編成されているが、1800mで施行されるのはこのレースのみである(他は1400mが5レース、2000mが3レース)。

世界各国の一流馬が登録することこそあるものの開催時期が北米勢(およびクールモアグループなど一部の欧州勢)にとっての最大目標であるブリーダーズカップ・クラシックの後ということだけあって、実際に出走することは皆無である。

ただし近年、アメリカのダートコースにも変化が見られるようになりオールウェザーの競馬場も増えたことからスピードの必要なアメリカ特有のダートに適性がない馬がこのレースを選ぶこともある。また1800mという距離で施行されるため、今後は中距離馬とマイル馬の両方が出走し易くなっている。ただし日本馬のレベルの向上とアメリカ勢の惨敗が続いているためアメリカの競馬関係者の中にはチャンピオンズカップに出走すること自体が無謀という考えも多くあるうえに[1]、アメリカの競馬場は全て左回りであることから今後このレースの外国の有力馬が増えるかどうかは微妙である。

なおファンファーレは創設以来テープ演奏であったが2004年から2006年までと2008年からは生演奏で行われている。また2007年まで(ジャパンカップと同日開催となった2004年は除く)平地のGIレースでは数少ない、土曜日に施行されていたレースである[4]

正賞は日本馬主協会連合会会長賞、全国公営競馬馬主連合会会長賞、地方競馬全国協会会長賞、全国公営競馬主催者協議会会長賞。

主な前走

以下はチャンピオンズカップに出走する競走馬の主な前走。

レース名 格付 団体 施行競馬場 施行距離
1 武蔵野ステークス GIII 中央 東京競馬場 ダート1600m
2 JBCクラシック 統一JpnI 地方 持ち回り ダート2000m

歴史

  • 2000年 東京競馬場のダート2100mの国際招待指定レースとして創設。
  • 2001年 日本のクロフネがダート2100mの世界レコード2.05.9で圧勝。
  • 2002年 東京競馬場の改修工事により中山競馬場のダート1800mで施行。
  • 2003年 アメリカのフリートストリートダンサーが外国調教馬として史上初の制覇。
  • 2004年 ゴールデンジュビリーデーに伴い当年に限りジャパンカップと同日開催。
  • 2005年 武豊が騎手として当レース初の連覇。
  • 2006年 外国馬が1頭も参戦しなかった。
  • 2007年 石坂正が調教師として当レース初の連覇。
  • 2008年
  • 2009年 当年のみ、JRAプレミアムの対象レースとなる。
  • 2010年 外国馬が1頭も参戦しなかった(予備登録はあった)。
  • 2011年
    • 2年連続で外国調教馬が1頭も出走せずに実施される(当年も予備登録はあった)。
    • トランセンドが競走馬として初の連覇。
    • 安田隆行が調教師として2人目の連覇。
    • 藤田伸二が騎手として2人目の連覇。
  • 2012年 3年連続で外国調教馬が1頭も出走せずに実施される(当年も予備登録はあった)[5]
  • 2013年 本レースとしては14回目となる当年が最後となる。
  • 2014年
    • 開催場を中京競馬場のダート1800mに移設するとともにレース名称をチャンピオンズカップに変更。
    • 国際招待レースから国際レースに変更。
    • 「JRA60周年記念」の副称を付けて施行。

歴代優勝馬

回数 施行日 優勝馬 性齢 勝時計 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 2000年11月25日 ウイングアロー 牡5 2:07.2 岡部幸雄 南井克巳 池田實
第2回 2001年11月24日 クロフネ 牡3 2:05.9 武豊 松田国英 金子真人
第3回 2002年11月23日 イーグルカフェ 牡5 1:52.2 L.デットーリ 小島太 西川清
第4回 2003年11月29日 フリートストリートダンサー 騸5 2:09.2 J.コート D.オニール T.レザーマン
第5回 2004年11月28日 タイムパラドックス 牡6 2:08.7 武豊 松田博資 (有)社台レースホース
第6回 2005年11月26日 カネヒキリ 牡3 2:08.0 武豊 角居勝彦 金子真人ホールディングス(株)
第7回 2006年11月25日 アロンダイト 牡3 2:08.5 後藤浩輝 石坂正 (有)キャロットファーム
第8回 2007年11月24日 ヴァーミリアン 牡5 2:06.7 武豊 石坂正 (有)サンデーレーシング
第9回 2008年12月7日 カネヒキリ 牡6 1:49.2 C・ルメール 角居勝彦 金子真人ホールディングス(株)
第10回 2009年12月6日 エスポワールシチー 牡4 1:49.9 佐藤哲三 安達昭夫 (株)友駿ホースクラブ
第11回 2010年12月5日 トランセンド 牡4 1:48.9 藤田伸二 安田隆行 前田幸治
第12回 2011年12月4日 トランセンド 牡5 1:50.6 藤田伸二 安田隆行 前田幸治
第13回 2012年12月2日 ニホンピロアワーズ 牡5 1:48.8 酒井学 大橋勇樹 小林百太郎
第14回 2013年12月1日 ベルシャザール 牡5 1:50.4 C.ルメール 松田国英 (有)社台レースホース
第15回 2014年12月7日 ホッコータルマエ 牡5 1:51.0 幸英明 西浦勝一 矢部道晃
第16回 2015年12月6日 サンビスタ 牝6 1:50.4 M.デムーロ 角居勝彦 (株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン

チャンピオンズカップの記録

  • レースレコード
    • 1:48.8(第13回優勝馬ニホンピロアワーズ) - 阪神 ダート1800m
    • 2:05.9(第2回優勝馬クロフネ、2002年の東京競馬場の改修工事前の記録ではあるが日本レコードとして残っている[6]) - 東京 ダート2100m(改修前)
      • 2:06.7(第8回優勝馬ヴァーミリアン) - 東京 ダート2100m(改修後、コースレコード)
  • 2着との最大着差 - 7馬身(第2回優勝馬クロフネ)

注釈

  1. 1.0 1.1 週刊Gallop 2007年11月25日号。
  2. 2007年11月20日のサンケイスポーツによると阪神の2000mダートはスタートが芝コースとなる関係もあり、1800mでの開催になったのではと考えられている。
  3. 阪神ジュベナイルフィリーズが12月第2週目、朝日杯フューチュリティステークスが12月第3週目にそれぞれ変更となった。また、ジャパン・オータムインターナショナルシリーズに指定されることになる。
  4. 例えば2002年NHKマイルカップ5月5日大国魂神社の祭事と重なるため5月4日土曜日に施行されたほか、天皇賞(春)4月29日の固定開催だった1989年に土曜日開催となった。
  5. ジャパンカップダート(GI)外国馬情報 -招待受諾馬なし- JRA公式サイト 2012年11月16日
  6. 中央競馬レコードタイム JRA公式サイト 2012年12月29日

関連項目

中央競馬グレードワンレース
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