日本文化チャンネル桜
日本文化チャンネル桜(にっぽんぶんかチャンネルさくら)とは、日本のテレビ番組制作・動画配信サイト運営会社で元衛星役務利用放送事業者、または同社がかつてスカパー!において放送を行っていた専門チャンネルおよび現在他のチャンネルで放送中の番組群の総称。
略称・通称はチャンネル桜。なお同チャンネルはあくまで制作会社や番組群の通称であり、いわゆる「放送局」ではない。
目次
概要[編集]
保守系とされるテレビ番組制作プロダクション。スローガン(社是)は「草莽崛起(そうもうくっき)」と「敬天愛人(けいてんあいじん)」。
“日本の伝統文化の復興と保持を目指し日本人本来の「心」を取り戻す”ために設立された、と称する。
放送内容はかつては社名・チャンネル名の示すとおり落語・詩吟・講談・浪曲・民謡など日本の文化や伝統芸能に関する番組もあったが、現在は放送時間の制約(一日1時間半から2時間の枠のみ)から看板番組である報道・オピニオン番組が中心となっている(ちなみに放送法は第1条第2項で放送局の自律・不偏不党を謳っており、全ての論評は発言者個人の見解という建前)。
番組の始めと終わりには日章旗の掲揚と君が代演奏の映像が放映されている。
政治的スタンス[編集]
開局以来保守の立場を堅持しており、保守派とされる人物が多数出演しているほか、保守系とされるシンポジウムや講演会、市民運動を多く取り上げており、元社長(2014年現在は取締役)の水島総が幹事長を務める頑張れ日本!全国行動委員会の定期的な尖閣諸島漁業活動や市民集会、デモ行進を取り上げることも多い。頑張れ日本の活動においては、視聴者などの有志に呼びかけ、米連邦議会下院における「従軍慰安婦問題の対日謝罪要求決議」や、NHKの番組『NHKスペシャル シリーズ「JAPANデビュー」第1回「アジアの“一等国”」』における偏向・歪曲的とされる問題に対する抗議活動(訴訟も起こされたが2012年12月請求棄却)、尖閣諸島での集団漁業活動と上陸(日本人活動家尖閣諸島上陸事件)を行っており、これらの活動は番組内で詳しく紹介されている[1]。
過去には日本共産党に関する番組もあり、2004年8月21日に志位和夫委員長が出演するなど、共産党議員も出演したことがある。また、進歩主義を標榜する雑誌『週刊金曜日』の北村肇編集長もゲスト出演したことがある。
公明党とその支持母体である創価学会について、公明党の中国問題や尖閣諸島問題への対応姿勢・外国人地方参政権賛成や人権擁護法案賛成の姿勢などを取り上げ批判的な報道が繰り返し行われている。統一教会およびこれから政治的影響力を受けている自民党や民主党の党内勢力、加えて同教会やパチンコ業界が北朝鮮を経済的に支援している事について批判的な報道が度々行われている。幸福の科学を支持母体とする幸福実現党の党員が出演しての討論と、同党の政治活動についての批判的な論評も行われている。北海道におけるアレフの急速な勢力拡大について、割れ窓理論・檀家制度・統一教会・立正佼成会・北海道における社民党の強さなどに触れつつ批判的な立場から論評が行われている。
国際的な人権問題も扱っており、北朝鮮による拉致被害者家族やチベット人、ウイグル人などを多数出演させている。
小泉内閣の構造改革路線や郵政民営化には否定的であり、TPPについては「亡国」として反対するなどしている。安倍晋三については基本的に応援するスタンスを取っているが、彼の掲げる新自由主義政策については批判的である。
前述のようにいわゆる「特定アジア」(中国・北朝鮮・韓国の3ヶ国)やそれらに好意的な論調であると主張しているマスメディア(新聞では朝日新聞・毎日新聞・中日新聞・北海道新聞・日経新聞・沖縄タイムス・琉球新報など)の他、人権擁護法案や外国人参政権、選択的夫婦別姓、女系天皇即位を可能にする皇室典範改定などをはじめとする政策やそれらに賛同的な諸団体・人物に対しては概して批判的である。最も批判が多いのは中華人民共和国であり、中国共産党に批判的な著名人が討論会を行った事がある。歴史認識問題では、南京大虐殺論争を積極的に扱っている。番組では上海社会科学院研究員の程兆奇と南京師範大学の張連紅教授へのインタビューがあり、さらに南京大虐殺紀念館へ訪問を行っている。また、靖国神社問題では、A級戦犯の分祀を主張する古賀誠を批判している。
この他、内閣総理大臣及び全閣僚の靖国神社公式参拝の推進や北朝鮮による拉致被害者全員の帰国を求める活動をしている。
他局への評価[編集]
既存のテレビ局、マスメディア(特にNHKと、テレビ朝日・TBSといった在京民放キー局などの地上波テレビ)を「反日思考外国人TVマスメディア」であるとし、それらが「封殺」していると見なした情報や議論を取り上げている。2008年にはYouTubeとニコニコ動画に公式チャンネルを開設した。
国家よりの表彰[編集]
2012年9月27日、東日本大震災に際し災害派遣等の活動に従事している自衛隊へチャンネル桜が行ってきた支援活動に対し、チャンネル桜宛に森本敏防衛大臣(当時)から感謝状が贈られた。
他のメディアでの扱い[編集]
国内の英字紙や外国メディアにおいて、靖国神社関連の問題や水島が監督を務める南京大虐殺否定論を扱った映画『南京の真実』が取り上げられ、論争を呼んだ。アルジャジーラ(カタール)、米国エンタテイメント誌『ハリウッドレポーター』、国内英字紙『ジャパンタイムズ』、台湾(中華民国)英字紙『Taipei Times』。
放送形態[編集]
放送形態の変遷[編集]
- 2004年8月15日~2007年3月31日
- 独立したチャンネルとしてスカパー!Ch.767・一部のCATVにおいて24時間有料放送を行っていた。
- 2007年4月1日~2008年9月30日
- 「ハッピー241」(スカパー!Ch.241)の一部の放送枠で放送を行っていた。
- 2008年10月1日~10月31日
- この間はスカパー!での放送は行わず、「So-TV」での番組配信のみになった。
- 2008年11月1日~2009年5月31日
- 「ベターライフチャンネル」(スカパー!Ch.216、スタイルキャスト運営)の一部の放送枠で放送を行っていた。
- 2009年6月1日~8月31日
- 2009年9月1日以降
- 「セレクトショッピング Ch.217」(スカパー!Ch.217、スタイルキャスト運営)の一部の放送枠で放送を行っている。
現在の放送時間[編集]
セレクトショッピング Ch.217(スカパー! Ch.217)において、以下の時間帯での無料放送。番組については、主な番組を参照。
- 平日:20:00 - 21:30(22:00までの延長あり)
- 土曜:20:00 - 22:00
日曜は放送休止。
沿革[編集]
- 2004年
- 2005年
- 2006年
- 2007年
- 2008年
- 4月1日 - 開局以来の看板番組『報道ワイド日本』をリニューアルし、平日分を『桜プロジェクト』に改称。放送時間短縮。
- 8月7日 - チャンネル桜が制作に関与する「ハッピー241」の新番組『ガンバレ自衛隊! 安全保障アワー』の制作発表会および披露パーティーが開催され、林芳正、小池百合子、高市早苗など自民党防衛族の政治家などが出席、産経新聞に報道される。
- 9月11日 - 更なる経営難を公表し、視聴者からの支援を呼びかける「チャンネル桜二千人委員会」の発足を発表。
- 9月30日 - 「ハッピー241」が親会社トランスデジタルの倒産により閉局したため、スカパー!の放送から一時完全撤退。前述の『ガンバレ自衛隊! 安全保障アワー』も制作中止となる。なお、番組制作とSo-TVでの配信は継続。
- 11月1日 - 「ベターライフチャンネル」(スカパー!Ch.216、スタイルキャスト運営)の一部放送枠で放送を再開。
- 12月1日 - 放送時間の一部変更。
- 2009年
- 2014年
- 1月 - 水島総が2014年東京都知事選挙に出馬する田母神俊雄の選挙対策本部長を務めるために社長を辞任。プロデューサーの井上敏治が社長に就任した。
主な番組[編集]
番組名 - キャスター・司会・出演者または概要の順で記述し、一部を除き50音順に列挙する。
現在放送中の番組[編集]
- 「桜プロジェクト・報道ワイド日本 Weekend」
- 「防人の道 今日の自衛隊」
- 「青山繁晴が答えて、答えて、答える!」 - 青山繁晴
- 「アジア・アップトゥデート」 - 丹羽文生ほか、ゲスト
- 「頑張れ!地方議員」 - 松浦芳子、松浦威明、ゲスト
- 「さくらじ」 - 古谷経衡、saya、ゲスト
- 「GHQ焚書図書開封」 - 西尾幹二
- 「自衛隊スペシャル」
- 「田母神塾」 - 田母神俊雄、saya、ゲスト
- 日本よ、今…… 「闘論! 倒論! 討論! 2009」 - 水島総、パネリスト(主に上記の各番組のキャスターなど)
- 「日いづる国より」 - 中山恭子、すぎやまこういち、ゲスト(かつては国を想う在野議員を招いていたが、第46回衆議院議員総選挙以降、ゲストとして招いていた在野議員の多くが国政に復帰したため国を想う政治家をゲストとして招くよう方針が変更された。この為、総選挙以前は番組に出演していなかったゲストも招かれるようになった)
- 中山が司会を務め、毎回ゲストが一名招かれる自由対談番組。この番組を支援するすぎやまもレギュラー出演するようになった。
過去に放送された主な番組[編集]
- 明日への選択 - 伊藤哲夫
- アニメンタリー 決断 - タツノコプロ製作。開局より1年間、繰り返し放映されていた
- 英霊の言乃葉 - 烏丸せつこ
- 小山・厳喜のがちんこ政経塾 - 小山和伸、藤井厳喜
- ゴー宣・チェリ*ブロ - 小林よしのり、笹幸恵
- 教育最前線 - 小林正、小川義男
- 金美齢と素敵な仲間たち - 金美齢
- 心の日本 民謡の魂
- 子ども寺子屋 桜 -日本の頭脳と背骨を創った偉人たち- - 荒川春代
- 古美術アワー「骨董魂伝」
- 魁! 武道通信TV - 杉山ひでお、扇さや
- 桜講談劇場
- 桜 詩吟の魂 - 主に詩吟朗詠錦城流の大会の模様を中継する
- 桜ジャーナル「解体新書21」 - 遠藤浩一
- 桜塾講座
- 桜戦略研究所 - 潮匡人
- 桜寄席
- 桜らぷそでぃ - 山口裕美、扇さや、ゲスト
- 桜浪曲劇場
- 佐藤勝巳の「現代コリア研究」 - 佐藤勝巳、花岡信昭、丹羽文生
- 週刊どこんぜう - 小澤いずみ、小山和伸
- 週刊ほめ殺し - さかもと未明、小山和伸
- 新・アジアの息吹 - 児玉千洋
- 政党は主張する!
- 世界の眼 日本の眼 - 英国『エコノミスト誌』から - 中村晃生、杉山慎策
- 装道アワー - 山中典士
- 草莽崛起 - 局の主張・方針に賛同する各界の名士らが日替わりでアピールする番組
- 草奔崛起SP
- 起ちあがれ!地方議員 - 土屋たかゆき、児玉千洋
- 探訪 SP盤の世界 - 郡修彦
- 中国ロビイストの研究 - 水島総、青木直人
- 西村眞悟の「眞悟十番勝負!」 - 西村眞悟
- 日本共産党と戦後史 - 兵本達吉
- 日本航空学園アワー
- 日本の息吹 - 水島総、崎山茂子
- 日本よ、今... 「テレビ掲示板討論会」 - ハンドルネーム「河内屋蒼湖堂」、「啓蒙主義者」、「いちのへ」、「しおつき」、「原風景」、「Doronpa」、「みや東亞」他
- 人間の杜 - 水島総
- 爆弾! - 水島総、ゲスト
- フィリピンスペシャル
- ふるさとから日本へ! - 松浦芳子ほか地方議会議員
- 暴走246 Part2 - 大高未貴、金森由利子、早瀬史麻
- 民謡 日本の祭り
- リアルジャパンプロレス - 第1回~13回大会まで特番として録画中継
- 良書紹介
- スカイアイチャンネルの番組
など
脚注[編集]
関連項目[編集]
- 産経新聞
- アサヒる問題
- 頑張れ日本!全国行動委員会 - 社長の水島が幹事長を務める
- 在日特権を許さない市民の会 - 長らく共闘を組んでいた市民団体。
- 日本会議
- 新しい歴史教科書をつくる会
- 行動する保守
- ネット右翼
- トランスデジタル - 出資者
外部リンク[編集]
- 公式サイト
- SakuraSoTV(YouTubeの公式チャンネル)
- チャンネル桜の公式ニコニコミュニティ(ニコニコ動画)
- 国防・防人チャンネル(ニコニコ動画)
- So-TV(有料会員制動画配信サイト)