ベルセルクの登場人物
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ベルセルクの登場人物では漫画『ベルセルク(漫画)』に登場するキャラクターについて説明する。
目次
ガッツ一行
- ガッツ (Guts)
- 本作の主人公。「黒い剣士」の異名を持つ、右目と左腕の無い全身傷だらけの隻眼隻腕の剣士。身長190cmある黒髪黒目の巨漢。首筋に「生贄の烙印」を刻まれており、ゴッドハンドと使徒への復讐の為に各地を放浪している。復讐の為に形振り構わず戦い続けた結果として各地に災厄をもたらしており、法王庁教圏ではお尋ね者である。
- 身の丈よりも長大で分厚い大剣「ドラゴンころし」を佩び、肘から先を失った左腕には大砲を内蔵した鋼鉄の義手を装着し、黒い剣士の異名の元となった黒い甲冑とマントを身に纏う。又、連発式ボウガンや投げナイフ、炸裂弾など、使徒と戦う為の様々な武器を携帯している。肉体は極めて屈強で、ドラゴンころしを片手で振り回し、前述の装備類一式を身につけたまま軽快な身のこなしをする。その他、反射神経や動体視力など、身体能力全般に優れる。その人間離れした身体能力と狂気的な戦い振りから、時に魔の存在からも恐怖を抱かれる事が有る。後に「狂戦士の甲冑」を身に着けて戦った代償として味覚障害、色覚障害や前髪の一部白髪化などが表れている。
- 元々命知らず且つ孤高の性格ではあったが、情に篤い一面も持っていた。しかし、「蝕」以降は復讐を果たす事以外には目もくれず、他者の事情や命を考慮しない無慈悲且つ冷酷な性格となった。性格が変わってしまうほど魔の存在に対する憎悪は凄まじく、心の奥底に憎悪が人格化した「闇の獣」を抱える。その一方で過去のトラウマから魔物であっても子供を斬ることには嘔吐するほどの拒絶反応をみせる。再び仲間が出来てから全体的に幾分丸くなったが、時として過剰に狂気を煽る「闇の獣」の囁きに苦しめられている。
- 戦地で母親の骸の下に産み落とされ、ガンビーノ率いる傭兵団に拾われた。以後、傭兵団の中でガンビーノを養父として過ごし、幼児期から戦場に出る。ガンビーノを親として慕っていたが愛情が与えられる事は無く11歳の時、はずみでガンビーノを殺してからは傭兵団を飛び出して戦地を転々としていた。
- 旅の途中でグリフィス率いる「鷹の団」に出会い入団、グリフィスの右腕のような存在になる。鷹の団切り込み隊長に任命され進んで殿を引き受け切り込み隊員を初め鷹の団からグリフィス同様に絶大な信頼を得ていった。鷹の団で初めて「仲間」と呼べる存在と居場所を得、安らぎすら覚えるようになる。しかし、そんな中でガッツはグリフィスの部下ではなく友である事を望む様になり、自分自身の夢を追うため鷹の団を脱退。刀鍛冶ゴドーとの出会いにより、剣を振るう事に自身のアイデンティティーを見い出す。
- しかし、ガッツの退団が結果的に鷹の団が逆賊として追われる切っ掛けとなり流浪の果てに蝕へと巻き込まれ、グリフィスにゴッドハンド転生の為の生贄として捧げられる。団員は使徒に虐殺され、ガッツも左腕と右眼を失い、目前で恋人のキャスカをグリフィスに凌辱された。「髑髏の騎士」に辛くも救い出されたガッツとキャスカとリッケルトの3人だったが、キャスカは極限の恐怖で発狂し、彼女の胎内に宿っていたガッツの子供は魔に取りつかれ、魔物となって姿を消してしまう。多くのものを失いつつも死の淵から這い上がったガッツは復讐の旅へと出る。鷹の団の壊滅以降、孤独な戦いを続けてきたが、常に危険に身を晒しながらどの様な死中にも活路を見い出す強固な意志に惹かれ、新たな仲間が集まりつつある。
- パック (Puck)
- 妖精郷出身のエルフ。羽精と言う風の精霊の一族。好奇心が強く、エルフヘルムに飽きて1人で世界に飛び出した。旅芸人一座にくっ付いて旅をして回っていたが盗賊に捕まり、ダーツの標的として遊ばれていたところをガッツに助けられ、怪物見たさに行動を共にするようになる。
- ガッツの右腰の鞄を住処にしており、基本的に戦う事は無いが、羽根の鱗粉には強力な治癒作用があり、重傷を負って窮地に陥ったガッツを何度も救った。また、全身を強力に光らせて敵の目を眩ます「パックスパーク」で援護するほか、「エルフ次元流」を自称しどこからか栗のイガで作った「妖刀ざっくり丸」を出して殴る事もある。すらりとした性別不詳の体型だが、口調は少年のようである。全キャラクターの中で最もギャグシーンが多く、ギャグ形態では二頭身で頭部が栗状の「くりパック」になり、よくコスプレをする。イシドロを「ドロピー」、セルピコを「ピコリン」、マニフィコを「マニ彦さん」と呼ぶ。ベヘリットを「ベッチー」と呼び、玩具にしている。
- キャスカ (Casca)
- 鷹の団の千人長の1人。黒髪褐色の女性で、ガッツ、グリフィスに次ぐ鷹の団No.3の剣士。ロングソードを愛用する。かつては貧農の娘で糊口をしのぐため貴族に売られたが、乱暴されかけたところをグリフィスに助けられる。ただ救出するのではなく剣を差し出して自分の手で決着をつけさせたグリフィスに彼女はついていくことを決心し鷹の団に入団した。入団の経緯からグリフィスに対し崇拝に近い多大な信頼を寄せていた。
- ガッツとは頻繁に反発し嫉妬も抱くことがあったが、お互いを知る内に次第に離れがたくなり恋仲となる。しかし「蝕」の狂宴の中で多くの使徒と、フェムトに転生したグリフィスに凌辱された事で精神異常をきたし、記憶喪失と幼児退行に陥ってしまう。現在、彼女の安全と治療のため妖精郷を目指している。世話係のファルネーゼに懐いている一方、ガッツが悪霊に憑依されてキャスカを襲ったことでガッツに対し警戒心と嫌悪感を抱いている。
- ファルネーゼ (Farnese)
- 大富豪の名門「ヴァンディミオン家」の長女。フルネームはファルネーゼ・ド・ヴァンディミオン。物質的には恵まれた身分にあったが親から愛情を向けられずセルピコを従者として持つだけで孤独な幼年時代を送った。それより以前屋敷の前に火刑場があった折に夜な夜な火刑が行われ、それに幾度か関わり幼少期に死と火に魅入られた。そのため非常に屈折した鬱屈な精神を持つ少女へと育つが、己の穢れを哀しむ心根も持ち合わせていた。
- 法王庁大審院の末席に就き、聖鉄鎖騎士団団長に任命され真摯な宗教心に生きるがそのため硬直した思考様式に嵌り、当初は教条的な言動しかできなかったがガッツとの出会いにより無知だった魔の世界を知り、それを切っ掛けに視野を広げ柔和になる。
- 断罪の塔以降、騎士団を抜け僧籍を捨てガッツの従者になりキャスカの世話役を買って出た。旅をする内にシールケ同様ガッツに特別な感情を抱き始めている。イシドロとパックに「ファルネーちゃん」と呼ばれている。武器は魔除けの効果のある銀の鎖帷子とナイフ、敵拘束が出来る棘の蛇。獣鬼退治以降シールケに魔法を教わっており「先生」と呼び慕っている。
- セルピコ (Serpico)
- ファルネーゼに付き従う従者。幼い頃にファルネーゼに拾われ、彼女に仕えている。断罪の塔以降、騎士団を抜けガッツ一行に加わる。実はフェディリコが侍女に産ませたファルネーゼの異母兄だが、その事を口外しない条件に爵位を授かったためファルネーゼはこの事実を知らない。
- ファルネーゼに拾われる前は父が誰かを知らず病に臥せった母を1人で世話しており、自身を貴族の血を引く者として強調する母を疎ましく思っていた。ヴァンディミオン家に仕えて以降は母を遠ざける様にしていたがその母がファルネーゼ指揮の下で邪教徒として目前で火刑に処され以降複雑なトラウマを抱えている。また、この一件から火が苦手。
- 普段は細目で茫漠とした表情を浮かべ韜晦しているが、殺気を帯びるや目を見開き別人のような性格を見せる。ファルネーゼに仕えてから身に付けた処世術や剣技は相当なもので、そのセンスの高さはガッツも認めたほど。聖鉄鎖騎士団に所属していた時は紋章官の職にあった為、世界各国のあらゆる紋章に通じている。家事も一行の中で一番上手。武器はシルフェの剣とフードとレイピア。
- ガッツに対してはファルネーゼの身の安全を考え抹殺しようとする意思と一行に加わってから初めて見せるようになった主人の屈託のない表情を与える存在への思いの間で揺れ動く。その結果、ガッツに二度戦いを挑んでおり、ドラゴン殺しを無効化させる詭計をもって苦しめている。そして「主が突然来たこの黒い嵐に斬り刻まれぬよう護る」と決心し、ガッツに「ファルネーゼを死なせたら殺す」と宣言した。
- イシドロ (Isidro)
- 剣の道を志し家を飛び出した剣士志願の少年。コソ泥を働いていたところをバーキラカに襲撃されガッツに助けられた。以降ガッツの強さに惹かれ剣匠として特訓を要求する。威勢が良く生意気で目立ちたがり且つ挑発的な性格。生真面目な性格の人間とは馬が合わず、シールケ、ミュールとは犬猿の仲。因みに剣の道を志したのは鷹の団切り込み隊長への憧れからだが、その切り込み隊長がガッツだった事には気付いていない。最初こそ経験の無さで未熟であったが、何回もの使徒や魔物との戦いを重ねて現在はガッツ一行でも有力な実力者。しかしまだ人を斬る事に対しては躊躇し、その点をミュールに指摘された。
- 剣の腕は未熟だが投擲は百発百中の腕前を誇る。また、ガッツとの訓練や魔物との戦いの中で低い位置から攻撃する短剣での二刀流等の我流を体得しつつある。武器はサラマンデルの短剣や聖別された木の実、炸裂弾とモーガンから譲り受けた短剣(バデレール)で、子供ゆえの非力さを俊敏性と武器を使って補っている。パックとともにギャグシーンを担当することが多い。また、女性陣からたびたび猿呼ばわりされ、シールケの暗示によって猿に先祖返りしてしまったこともある。
- シールケ (Schierke)
- 霊樹の館の大魔術師フローラの下で修行を積む魔女見習いの少女。イーノック村でのトロール退治を機にガッツ一行に同行する。見習いながら幽界に住む精霊の力を借りて強力な魔術を使う他、呪物や呪文を使った結界、自身の頭髪を使った火矢、念話など多彩な魔術を使いガッツたちを支援する。
- 生真面目で優等生的な所があり、思考が魔術的常識に偏りがち。普段は常に敬語を使い大人びた態度を見せるが一行に加わってから年齢相応の幼さを見せる。衣装は尖がり帽子にローブ、杖と言う魔女を絵に描いたような風貌で魔術を行使する際はこの衣装の方が集中できて都合が良いらしいが、法王庁教圏ではトラブルの元になる。
- 魔道を迫害し、争いも絶えない現世の人間やその社会に軽い嫌悪と違和感を覚えていたが一行との旅を通じ徐々に新たな視点も得ていく。最初は苦手だったガッツに淡い恋心を抱いている様子。イシドロとは何かと言い争いになる事が多い。ヴリタニスで鷹の団の巫女ソーニャと出会い、親近感から親しくなった。
- イバレラ (Ivalera)
- シールケのお目付け役の女性型エルフ。パックと同じく羽精の一族で、羽根に強力な治癒作用のある鱗粉を持つ。生意気で人をちゃかす性格。特にパックとイシドロは小馬鹿にしている。シールケのガッツへの恋心を何度もからかい、赤面させている。
新生鷹の団
- グリフィス (Griffith)
- 「白い鷹」の異名を持つ美貌の貴公子然とした騎士。柄に宝石を埋め込んだ業物のサーベルを愛用する。武技、智謀、容姿等のあらゆる面において、他者が比肩することの出来ない天才である。鷹の団リーダーである。平民出でありながら「国」を持つという巨大な夢を持ち、傭兵団「鷹の団」を結成、兵法と美貌、様々な権謀術数を駆使してあらゆる戦争で常勝無敗を誇り、一介の傭兵団長からミッドランド貴族階級に列されるまでに伸し上がる。百年戦争終結時にはその戦功が讃えられ、将軍の地位を与えられるに至る。
- 傭兵時代のガッツと出会い、決闘に勝利することでガッツを手中に入れる。以後、共に過ごす内に彼に依存するようになり、ガッツの鷹の団脱退の際は殺してでも止めようとしたが決闘に敗れ人生で最初の敗北を味わう。結果グリフィスは自暴自棄に陥り王女と密通しその貞操を奪ってしまう。その罪はすぐに露見し王の逆鱗に触れた事により牢獄に閉じ込められそこで筆舌に尽くしがたい拷問を受け、再起不能となる。
- 後にグリフィスはガッツら鷹の団残党の働きで牢獄から救助されたが、見る影もない姿に変わり果て絶望の淵で嘆くグリフィスの思念に真紅のベヘリットが呼応し紡ぎだされた因果により「蝕」が発現。「降魔の儀」の中で己の夢を実現のため、ガッツごと鷹の団を生贄として「捧げる」ことを承諾し、第5のゴッドハンド「フェムト」に転生した。数年後、彼は受肉し現世に降臨後、使徒を率いて新生鷹の団を結成し戦場を駆け巡っている。使徒から「我等が主」と崇拝されている。
- ゾッド (Zodd)
- 「不死の(ノスフェラトゥ)ゾッド」の異名を持つ新生鷹の団幹部の1人。傭兵の間では軍神とされており、知られる武勇伝の中には100年前のものもあり、死んだと噂されるたびに他の戦場に姿を現す事からその異名がついた。本人も「300年以上に渡り殺戮を重ねてきた」と言う。強者との戦いに最上の喜びを見出し、ガッツや髑髏の騎士を宿敵と認める。髑髏の騎士をよく「宿敵(とも)」と呼ぶ。
- 人間形態は極めて頑健な体格をしたガッツ以上の巨漢で、身幅が広い大振りの刀を好んで使用する。使徒形態は牛の角と後肢、獅子の口と前肢、蝙蝠の翼を持った人型の黒い巨獣という姿である。特殊能力は無いが、使徒の中でも屈指のパワーとタフネスを誇り、出し入れ自在な翼には飛行能力がある。元々は二本で一対の角を持っていたが、夢の中で「光の鷹」に左の角を切り落とされて消失、以来、右の角が肥大化して一本角になった。
- 戦場でガッツとグリフィスの前に姿を現し激戦を繰り広げた後、ガッツに「グリフィスの野望潰えた時、決して逃れられぬ死が訪れる」の予言を残して去るも、予言を破り生きながらえたガッツに一目を置く。使徒の中でも秀でた戦闘狂である一方、忠実なるゴッドハンドの使徒でもあり、グリフィスの受肉にも逸早く駆けつけている。
- グルンベルド (Grunberd)
- 「炎の巨竜」の異名を持つ新生鷹の団幹部の1人。北方民族特有の真紅の頭髪を有し、かつてチューダー帝国の進攻から僅か3000の兵で10年間北の小国を守りぬき、その苛烈な戦い方が異名の由縁となった。戦死したと伝えられていたが使徒に転生していた。
- ガッツやゾッドを遥かに上回る極めて巨大な体躯を誇る使徒。人間形態で既に並の使徒をしのぐ膂力を誇り、巨大な戦槌と刃や大砲が仕込まれた楯を振るう。使徒形態は額に人間形態時の顔がある鋼玉の結晶を鎧う巨大な火竜で、口から灼熱の炎を放つ。武人としての誇りが高く、ゾッドを先輩として尊敬している。また生真面目な性格なのか、ソーニャなどに少々振り回されるような場面も。
- ロクス (Locus)
- 「月光の騎士」の異名を持つ新生鷹の団幹部の1人で戦魔槍騎兵隊隊長。戦場で数々の武勲と御前試合・決闘での無敗ぶりからその異名がついた。主を持たなかったが、受肉後のグリフィスに付き従うようになった。長大なランスと甲冑を装備し、使徒形態はこれらが融合して金属光沢を放つ人馬一体のケンタウロスの如き姿となる。
- アーヴァイン (Arvine)
- 新生鷹の団幹部の1人。
- 卓越した弓の名手。一つ眼のついた奇怪な大弓を引き絞り、同時に5本の矢を射て複数の敵を仕留めることができる。目に瞳孔が無く鍔が長い帽子を深々と被っている。元は狩人だったらしく、普段は単独行動を好みリュートを弾くこともある。
- ラクシャス (Rakshas)
- 新生鷹の団の1人。「夜魔」とも。3つ眼が描かれた奇妙な仮面をかぶり黒いマントで全身を覆っている正体不明の人物。バーキラカ一族から追放された過去を持ち、ターパサの猛攻を軽くかわす体術を持つ。グリフィスの美貌に惹かれ、「グリフィスの首を己の物にする」という野望のもとグリフィスを護衛する。
- ソーニャ (Sonia)
- 新生鷹の団幹部の1人。グリフィスの補佐役。
- クシャーンに占領されたミッドランド都市、シェトで奴隷として連行されていった市民たちの中にいた。両親を焼殺された為気が触れたと思われていたが、千里眼や念話、預言のような特異な能力を持ち、受肉したグリフィス率いる新生鷹の団に入ってからは、「鷹の巫女」としてグリフィスを補佐し、側に仕えている。グリフィスに恋慕の情を抱いているため、シャルロットは面白くない存在でありしばしば拗ねてしまう。
- 可憐な容貌と華奢な身体ながら、狂暴な戦魔兵とも対等以上に付き合い、平然と人の死をも扱う。人間社会の身分や権威、善悪の規範などに縛られておらず、しばしば非常識とも言える言動をする。ヴリタニスでシールケと出会い、意気投合、彼女を仲間に誘おうとするも断られる。
- ボルコフ (Borkoff)
- 鱗を持った怪獣型の使徒。戦魔槍騎兵隊所属。ガニシュカの支配するウィンダムでのシャルロット救出の際は、門を体当たりで破壊した。「蝕」の際ガッツの左腕を奪った使徒である。
- ミュール (Mule)
- ミッドランド南方にあるルミアスの若領主。
- 領民を助けようとクシャーン軍と戦っているところを新生鷹の団に助けられた。剣術は一流。また、ソーニャのお目付け役でもある。真面目な性格で、イシドロとは不仲。
- シャルロット (Charlotte)
- フルネームはシャルロット・ベアトリックス・マリー・ルホディ・ウインダム。ミッドランド王女で第1王位継承者。文字通りの箱入り娘であり、軍人が苦手。夢見がちな性格で王族としての自覚に少々欠ける。国王にとって何物にも替えがたい愛娘であったが彼女自身は父親をうとましく思う。グリフィスに惹かれて密通し、その現場を父王に見咎められて城になかば幽閉される。その後、父親が劣情と屈辱から彼女を襲ったため会うことも拒絶するようになった。
- 国王崩御に乗じてクシャーンが攻め込んだ為生死不明となったがガニシュカによって『再生の塔』に幽閉され婚姻を強要されていた。現在はグリフィスに救出され新生鷹の団に身を寄せている。
- アンナ (Anna)
- シャルロットの侍女。シャルロットの身を案じ、常に側にいる。成り行きでシャルロットと共にグリフィス救出作戦にも加担することになった。シャルロットに故郷の味であるバームクーヘンの作り方を教えた。
ゴッドハンド
- ボイド (Void)
- ゴッドハンドの主導者的存在。「天使長」とも呼ばれる。肥大化した脳髄が露出した頭と、鼻と口周辺の皮膚が剥がされ、目を糸で縫い合わせられた、特異な容貌を持つ。腕は異様に長く、手の指が6本、指の関節が3つ(親指は2つ)ある。降魔の儀は主に彼が取り仕切って行われる。
- 髑髏の騎士はゴッドハンドの中でもとくに彼を宿敵と目している。空間歪曲能力を持ち、髑髏の騎士の剣を空間を捻じ曲げて撥ね返した。
- スラン (Slan)
- 美貌の魔女然としたゴッドハンド。髑髏の騎士から「胎海の娼姫(はらわだのしょうき)」と呼ばれる。コルセット状の外皮を纏う以外は全裸で、触手の様な頭髪と2対の蝙蝠の翼を持つ。ゴッドハンドの中では比較的人間に近い外見をしている。淫魔でもあり、サバトの炎の中に影として現われた。ゴッドハンドで唯一、並み外れた憎悪と執念を抱くガッツを気に入っており、自身が支配する闇の領域を訪れたガッツの前に姿を現し、ガッツの一太刀を受けた後彼に別れのキスをして去る。
- ユービック (Ubik)
- 眼に眼球の変わりに眼鏡のような物を埋め込まれた短躯のゴッドハンド。最も饒舌で常に嘲笑的な態度をとる。両手を祈りのポーズのように組んでいることが多い。時空を操って過去の映像を再現したり、深層意識のビジョンを再現する能力があり、現世の人間に「闇を切り裂く光の鷹」のイメージを送っているのも彼。
- コンラッド (Conrad)
- 甲虫のような背中と畸形の胎児のような奇怪なフォルムを持つゴッドハンド。ユービックと対照的にゴッドハンドの中では最も寡黙。現世には疫病を運ぶドブネズミの集合体として現われたこともある。蝕ではグリフィスが転生を行うための祭壇を作り上げた。ユービックと同じく両手を組んでいることが多い。
- フェムト (Femto)
- グリフィスが鷹の団を贄として奉げることで転生した5人目にして最後のゴッドハンド。「闇の翼」の異名を持つ。人間時代に身につけていた鷹の頭を模した兜をそのままに被り、漆黒の甲冑のような外皮を纏い、マントの様な黒翼を持つ。空間圧縮能力を持ち手をかざした前方の空間に存在する物質を握り潰す様に発動する。蝕の数年後、ガッツとキャスカの間に出来た魔の子を肉体として「受肉」し、ふたたびグリフィスの肉体を纏って現世に降り立つ。
- スランはフェムト誕生以後の世界を「暗黒時代」と称している。この言葉は、グリフィスが彼の目的を果たした暁には人間にとってもっとも厳しい時代が到来すること、それでなお人間が滅びることはないことを示唆している。
使徒
- 盗賊団首領
- コカ城を根城にして盗賊を率い、領主を脅して人質を要求していた。人肉食や虐殺を好む残酷な性格。人間形態は蛇を象った不気味な甲冑を纏い、バルディッシュを武器とする。使徒形態は手足と蛇の頭を持ったコブラに変身する使徒。ガッツのドラゴン殺しで胴体を切り裂かれても生存していた為矢を何本も打ち込まれた挙句、焼殺される。
- 伯爵
- 魔女狩りを繰り広げていた地方領主。愛娘テレジアがいる。人間形態は脂肪の塊のような身体が特徴。元は体格が良く、領民の利益を優先し外敵には冷酷に振る舞う勇敢かつ精悍な地方領主であったが、妻が邪教に染まってサバトの儀式に耽る姿に衝撃を受けサバト参列者を皆殺しにした。この時ベヘリットを所有していたため、深い絶望が引き金となってゴッドハンドを呼び出してしまう。彼は、妻を贄として奉げることで使徒に転生した。
- 使徒形態は巨大なナメクジ状の姿。ガッツとは死闘を繰り広げ追い詰めるが、途中で現れたテレジアを人質に取ったガッツに敗れ、死に瀕するも生への執念により再度ゴッドハンドを呼び出す。しかしながら愛娘への愛が勝った為生贄に奉げることができず、そのまま地獄の虚無に飲み込まれて消滅した。「蝕」の前夜祭でロシーヌと共にリッケルト率いる鷹の団別働隊を襲撃し、「蝕」の際にはピピンの亡骸を咥えていた使徒でもある。
- ワイアルド (Wyald)
- ミッドランド王国黒犬騎士団団長。これは正規軍ではなく囚人部隊である。団長の座を巡って「甲冑千切りのバーボ」と争い瞬殺し団長になる。「エンジョイ&エキサイティング」をモットーとし、その絶大なパワーとカリスマで囚人を恐怖支配した。鷹の団にも劣らぬ活躍を見せたが、領地内外構わず村を襲い掠奪するなど乱暴狼藉を尽したため、ミッドランド軍の恥部と忌み嫌われていた。
- 「死を恐れていたら人生楽しめない」が口癖だったがその自信は使徒としての力への自負からくるものであり、自らが死に瀕したさいには誰よりも死ぬことを恐れ、虚無の渦に引き込まれるのを恐れた。人間形態はゾッドに匹敵する闘士で使徒形態は肩部と胸部に合計3つの眼と1つの口を持った大猿型の怪物に変身する。
- ミッドランドから逆賊として追放された鷹の団を追いつめるが、ガッツとの死闘で重傷を受けて瀕死状態に陥る。生命への執念からグリフィスを人質に取って助かるためにベヘリットを探るもそこに乱入したゾッドによって制裁され胴体を真っ二つに折られた。正体は小柄な老人であった。
- ロシーヌ (Rosine)
- 「霧の谷」に住む使徒。毒蛾の羽根を持つ妖精の姿と巨大な蛾の姿を持つ。飛行能力が高く、巨大な蛾の姿の時は超音速で飛行する事が出来る。人間時代はジルの幼馴染で、妖精の物語を自分の身になぞらえていたが、両親から虐待を受けたため、コレクションの中のベヘリットがそれに呼応し、彼女は両親を生贄に奉げて使徒に転生した。その後は、霧の谷に理想の楽園を作り上げるために街の子供を攫い、繭の中で蜂を基調とした妖精もどきに変身させた。大人は昆虫型の使徒もどきとして使役している。「蝕」の前夜祭では伯爵と共にリッケルト率いる鷹の団別働隊を襲撃した。
- 自分の楽園を破壊したガッツを憎悪し、死闘を繰り広げる。巨大な蛾に変身し、吻を伸ばしたジェット推進による高速飛行で、体当たりや超音速による衝撃波などを駆使してガッツを苦戦させたが、油断した所を大砲を打ち込まれ最後はドラゴン殺しで体を切り裂かれ倒された。
- 完璧な世界の卵
- 一生をほとんど日の当ることのない聖地アルビオンの地下で過ごし、人に知られぬまま死体に埋もれていった者が、このまま消えてしまうことに耐えられず、転生した使徒。その際ゴッドハンドに捧げたのは特定の人間ではなく、「今現在の世界」であった。この事から使徒に転生する際の生贄は人間である必要は無いようである。容姿は卵に奇妙な手足のついた、ベヘリットを擬人化したような姿をしている。自身の戦闘力は低く、素早い動きと「人間を使徒もどきにする能力」以外にこれといった能力は無い。触手で刺すことによって人をその信念に応じた能力を持つ使徒もどきに変身させることができ、山羊頭のサバト主宰者や、モズグスとその弟子を使徒もどきに変えた。
- 「完璧な世界」を孵化させる運命にあり、受肉したグリフィスの憑代として彼を生み出す。
- ガニシュカ(Ganiska)
- クシャーン帝国を参照。
鷹の団(旧)
- ジュドー (Judeau)
- 多才で目端が利き、鷹の団では参謀としての役割を果たしていた。非常に器用で、二刀のカトラスを使いこなす。特に投げナイフを得意とし、百発百中の腕前を誇っていた。ガッツが扱う投げナイフは彼から教わったものである。入団前は旅芸人の一団に属し、旅芸人から妖精の鱗粉を貰っている。その鱗粉によって何度も命を救われており、百人切りによって満身創痍となっていたガッツも世話になった。
- 器用であるが、あらゆる物事において一番にはなれなかったというコンプレックスを持つ。そのために彼は一番になれそうな人物の下に付き、叶わぬ夢を果たそうと決意する。その対象こそがグリフィスであった。
- 密かにキャスカへの恋心を抱きながらもガッツに想いを寄せるキャスカの心情を察し、身を引いた。蝕に際しては最後までキャスカを庇いながら奮闘するが、彼女への告白は果たされぬまま使徒の手にかかって死亡した。
- ピピン (Pippin)
- 鷹の団幹部の1人。鷹の団随一の巨漢で、蒙古系を思わせるような容貌と髪型。寡黙でありながら圧倒的な存在感がある。モーニングスターやウォーハンマーを愛用する。
かつて鉱山で働いていた過去を持ち、グリフィス救出行ではその知識を生かして一行の命を救った。「蝕」の中で、ジュドーとキャスカを庇いつつ「蝕」では複数の使徒の手にかかって倒れる。
- コルカス (Corcus)
- 鷹の団幹部で千人長の1人。かつて10人程度の盗賊団団長であったが、ある日グリフィスに敗れ、鷹の団の傘下に入る。入団前のガッツから金を巻き上げようと襲撃し、結果的にガッツ入団のきっかけを作った。ガッツとは相性が悪く、しばしば突っかかっていた。現実主義者で実現不可な夢や理想を嫌う。故に現実離れした理想を叶えてきたグリフィスを特別視しており、彼に並ぼうとするガッツを最後まで認めようとしなかった。「蝕」では女性型の使徒の手にかかって殺される。この使徒は『ベルセルク』の冒頭でガッツに射殺された。
- リッケルト (Rickert)
- 鷹の団幹部の1人。童顔で小柄な少年。ボウガンの名手でジュドーに劣らぬ器用さを持つ。グリフィスを尊敬し憧れていた。ガッツ入団後はガッツも同様に慕う。グリフィス救出の際、負傷していた為別働隊として宿営地に残り、使徒の襲撃を受けるが、髑髏の騎士に救われ生き残る。最後まで鷹の団にいた団員の中で、唯一「蝕」に遭わずに生き延びた。この際妖精の姿をしたロシーヌを目撃したことで、これがトラウマとなっておりパックに対しても若干の恐怖感を持っている。
- 鷹の団全滅後は身を寄せた鍛冶屋ゴドーのもとに弟子入りし、エリカと共に暮らす。ガッツの左腕の大砲や炸裂弾も彼が製作した。ゴドーの死後、跡を継いで鍛冶屋になる。その後、再び人間に転生したグリフィスと出会い、再会に喜ぶもガッツの告白により鷹の団に降りかかった運命を知る事となる。真実を知ったリッケルトはガッツに付いて行こうとするもエリカとガッツに止められる。
- ガストン (Gaston)
- ガッツの部下で鷹の団切り込み隊副隊長。気さくで人情に厚い一面がある。彼を初め切り込み隊隊員はグリフィスよりもガッツを尊敬し慕っていた。百年戦争終了後仕立て屋を開くが、鷹の団の受難を知り復隊する。「蝕」での混乱の最中ガッツに会い心境を語るが、使徒の手に掛かりガッツの腕の中で息を引き取る。
ミッドランド王国
- 国王
- ミッドランドを統べる国王。家臣と領民を第一とする名君。平民出身のグリフィスら鷹の団を重用する。国王であるという重責を感じており、唯一愛娘シャルロットを心の拠り所としていた。そのため、グリフィスがシャルロットと密通した後は、彼に激しい憎悪をもつようになる。その後、実の娘であるシャルロットを襲い、拒絶されると国軍の半数以上を使い鷹の団を殲滅させようとする。
- 鷹の団によるグリフィス救出の後には、数年に渡り、国軍の6割をもって鷹の団を探索するなどの常軌を逸した行動を行い、これがミッドランド王国衰退に繋がって行った。疫病が蔓延する中で自身も病に倒れ、そのまま崩御する。その直前、グリフィスにシャルロットを連れ去られる夢を見る。国王崩御に伴う混乱の虚を突かれて、クシャーン帝国が侵攻し、王国は崩壊寸前となった。
- 王妃
- 前王妃が亡くなった後に嫁いできた。シャルロットの継母にあたる。国王から愛を向けられず、空閨を慰めるためにユリウスと密通した。フォスからグリフィスが犯人と知り、その怒りから重臣と共にグリフィス暗殺計画を立てる。しかしグリフィスに見破られて返り討ちに遭い、暗殺を企てた重臣共々屋敷ごと焼殺される。
- 前王妃
- 国王の前妻であり、国王が唯一愛した人物であるとされる。シャルロットの実母であり、肖像画からシャルロットは母親似であると考えられる。グリフィスがシャルロットに会った頃には故人であった。
- シャルロット (Charlotte)
- 新生鷹の団参照。
- アンナ (Anna)
- 新生鷹の団参照。
- ユリウス (Julius)
- 国王の弟で第2王位継承者。ミッドランドの二大騎士団の1つである白龍騎士団団長。王妃の愛人。グリフィスを成り上がり者として嫌い、フォスに唆されてグリフィス暗殺計画を首謀したが失敗し、報復としてガッツにアドニスと共に暗殺された。
- アドニス (Adonis)
- ユリウスの息子で国王の甥、第3王位継承者。華奢な美少年である。将来は白龍騎士団団長となる筈であり、シャルロットとの婚姻により王位を継承する可能性もあった。父ユリウスからまっすぐな愛情を受けず、ガッツは幼き日の自分とガンビーノの関係を重ねていた。ガッツのユリウス暗殺を目撃した為、口封じに殺害される。ガッツは殺害後にアドニスであった事に気付き、心に深い傷を負う。ガッツが子供や、子供の姿をした魔物を殺すと嘔吐するようになったのはこのためであると考えられる。
- フォス(Foss)
- ミッドランド王国の宮中で様々な権謀術数を駆使し、宮廷闘争を影で操ってきたミッドランド内務大臣。グリフィスが武功を認められて貴族として列せられた時、旧守派に根回ししてグリフィス暗殺計画を練る方向に誘導していた。しかしそれを看破され、娘のエリーゼを人質に取られた為粛清に荷担させられる。以来グリフィスに対しては畏怖を感じ、萎縮して宮廷闘争からは身を引くようになる。
- 国王が崩御しクシャーンが侵攻してきた後は、ミッドランドの残党を率いて抵抗組織を編成する。その後にやって来たラバンに魔都となった王都ウィンダムの実情を説明する。グリフィスの信望者になっており、前々から帰還を待っていた。
- ガイゼリック (Gaiseric)
- 1000年前、戦乱の下にあった大陸全土を掌握し、一代で大帝国を打ち立てたとされる伝説の大英雄。出自や経歴不明で戦いの時は常に髑髏を模した兜を被っており、「ドクロの王様」というお伽話としても伝わっている。髑髏の騎士との関連が示唆される。「魔王」「死を駆る王」と呼ばれるほどに暴虐の限りを尽したが、天使によって打ち滅ぼされてしまい、「再生の塔」の地下深くには王の統治した古代の帝都が眠っているという。ミッドランド王家は唯一ガイゼリックより連なる血統を持つと言われる。
- ラバン (Raban)
- ミッドランド王国アークロー騎士団団長。他の貴族より堅実で思慮深い。疫病や災害で荒廃した国土を見て回り、国家の行く末を案じている。
- 魔都となった王都ウィンダムに潜入し、フォス率いる抵抗組織と合流して王都の実情を知る。その直後クシャーンに見つかり殺されそうになるところをロクスに助けられる。
- オーウェン (Owen)
- ミッドランド王国トゥーメル騎士団団長。ラバンとは無二の親友で、国の危機に際しても保身に走る諸侯を見て、ラバン同様に国の将来を憂えている。
- ヴリタニスの舞踏会ではミッドランド諸侯同士の諍いを仲裁した。諸侯たちに団結を呼びかけるも、王家なしでは国の存続は不可能と断られる。ラバン同様グリフィスを高く評価しており、舞踏会での騒動の直後ガッツに出会い、グリフィスの居場所を聞き出そうとする。
- ミュール(Mule)
- 新生鷹の団参照。
チューダー帝国
- ゲノン (Genon)
- チューダー帝国北方戦線総司令官。元は一地方貴族に過ぎなかったが、莫大な財力でこの地位にまでのし上がった。百年戦争末期にはチューダー帝国がミッドランドから奪った攻撃拠点、ドルドレイ要塞に総督として赴任する。
- 男色家であり、何人もの美少年を色子として侍らせている。かつてまだ鷹の団が弱小集団に過ぎなかった頃、戦力を増強するために財貨を欲したグリフィスの体を求め、一夜を過ごしたことがあった。しかし、ドルドレイ要塞攻防戦では敵対する立場になり、百年戦争の終結を目指してミッドランドから出撃したグリフィス率いる鷹の団を迎え撃つ。グリフィスのことが忘れられず、身柄に執着しすぎて軍隊の指揮を混乱させたために自滅、最期にはグリフィス自身の手で討たれる。
- ボスコーン(Boscorn)
- チューダー帝国紫犀聖騎士団団長。長大なバルディッシュを操る。最強不敗の英雄として世界中に勇名を馳せていた。ドルドレイ要塞に将軍として駐屯し、ミッドランドの軍勢を迎え撃つ。正攻法で正面から堂々とぶつかる気性で、グリフィスに執着したゲノンは彼を苦々しく思っていた。鷹の団との戦いの中で、ガッツと凄まじい一騎討ちを繰り広げ、一度はガッツの剣を破壊し窮地に追い込むもゾッドの影からの助太刀で敗れた。彼の死でチューダー軍は恐慌に陥り潰走した。
- アドン (Adon)
- チューダー帝国青鯨超重装猛進撃滅騎士団団長。チューダーの名門「コボルイッツ家」の長男。トライデントやコルセスカを愛用する。鷹の団と戦闘を繰り広げ、ガッツの百人斬りの場に居合わせた。何かというとコボルイッツ家に代々何百年伝わるという秘技を使うが全て見掛け倒し。弟サムソンと傭兵100名以上を討ち取られたため、ボスコーンから叱責を受けドルドレイ要塞攻防戦時には要塞の留守居役を命じられていたが、忍び入った鷹の団を迎撃し、そこでキャスカに斬殺される。
- サムソン (Samson)
- 青鯨超重装猛進撃滅騎士団副団長。アドンの弟でチューダーの名門「コボルイッツ家」の次男。巨体を覆う鎧は厚みが通常の3倍あり、水牛の頭蓋骨をも粉砕する鉄球を振り回す。しかし鉄球を破壊され、ガッツに頭を割られ死亡した。
クシャーン帝国
- ガニシュカ(Ganishka)
- 「恐帝」の異名を持つクシャーン帝国に君臨する大帝。使徒であり、グリフィスのもとに馳せ参じるという欲求を自身も感じていたが、それよりも地上を制圧するという欲望の方が強大で、あえてグリフィス達と敵対する道を選んだ。ヴリタニスで諸侯達に対し宣戦布告を行う。ガッツと相対した際は贄となりながらも生き続けるその執念に驚嘆し、配下になることを勧めるが断られた。
- グリフィスと敵対する道を選ぶだけあってその力は強大。使徒形態が霧状の体であり、霧になった体を巨大化して見せたり、雷や濃霧などの天候を操る能力を持つ。霧であるため物理的な攻撃は受け付けず、霊的な力でなければ傷1つ負わせることは出来ない。だが、暴風の中など霧が散ってしまう様な状況では存分に力を振るうことは不可能。直接使徒もどきを生み出す能力があるのかは不明だが、霧状にした自身の一部を人間などに憑依させて操る事が可能な他、自然界の様々な動物を妖獣兵にする事ができる。また使徒の体内を利用した術で人間の胎児を鬼兵に変化させ、人外の兵団を作っている。
- グリフィスと直接対峙した際には、その姿を見ただけで敗北にも等しい屈辱を与えられてしまった。圧倒的な格の差を超えるため、自ら自身を再び転生させる事を試みる。その結果、天を貫くような(遠景では地面から雲の上まで届いてなお天辺が見えない程)巨体と、自身の顔を模したような無数の触手を持つ異形の姿と成った。理性が薄れつつあるのか、自らが何者なのかや配下である人間たちの事も曖昧になりつつある。その姿を見てバーキラカとダイバは「末神」と称し、ソーニャは「世界の理が今終わる」と語った。
- ダイバ (Daiba)
- 妖術師長兼妖獣兵団(ピシャーチャ・ガナ)団長。「仙将(パラマリシャ・センアーンイー)ダイバ」の異名を持つ魔術師。「大魔道帝国」建国を悲願とし、ガニシュカの右腕として活躍する。空中に常時浮遊しながら座している。ヨガを体得しており、水中で長時間にわたり息を止めることも可能。ウリダニス攻撃の際に交戦したガッツを「狂神の戦士」、セルピコを「風神の戦士」と称した。
- 妖獣兵(ピシャーチャ)
- 種族を参照。
- 鬼兵(ダーカ)
- 種族を参照。
バーキラカ
- シラット (Silat)
- 暗殺集団バーキラカ一族首領。ジャマダハルやチャクラムなど何種類もの奇妙な武器を使いこなし、卓越した体術も心得ている。ガッツには2度負けており、復讐を誓っている。ガッツ曰く「剣士にしておくには勿体無い大道芸者」。
- 権力闘争に敗れたため、奴隷の身分に没落した一族の末裔の嫡子である。一族にとって数百年の悲願である帝国への正式な復帰を果たす為ガニシュカに従うも、その異常ぶりに畏怖の念を覚え、現在は新生鷹の団とガニシュカ双方を見極める為に中立の立場をとっている。
- ターパサ (Tapasa)
- バーキラカ一族の頂点とされ、シラットの側近。シラットを「若」と呼ぶ。知られているだけで4人おり、額にそれぞれ意匠の違う紋章のような刺青がある以外はほぼ同じ見た目をしている。いずれも全身の筋肉と節を極限まで鍛え上げた異形の巨漢で、素手で甲冑をひしぎ、一撃で絶命させる闘術を心得ている。ガニシュカに従うことには以前から疑問に思っており、ラクシャスによってシラットと共にガニシュカの正体を知らされて以降その疑問を深めている。
- ラクシャス
- 新生鷹の団参照。
法王庁
- 法王
- 法王庁トップ。名家の生まれで何不自由なく育ち、何の興味も野心も持たず、気が付けば法王になっていたような人物。さしたる業績も失政も無いまま、無難に法王職を務めていた。
- 病の床に臥し、平穏無事な生涯を終えようとしたとき、白い鷹の夢を見る。その直後に現れたミュールとソーニャに自らの運命を直感し、共にグリフィスのもとに赴くことを決意する。
- モズグス (Mozgus)
- 「血の経典」の異名を持ち、その苛烈な審問で恐れられる異端審問官。法王庁から派遣され、異端の徒や異教徒を1000人以上も磔刑、車輪轢きの刑に処してきた。人を撲殺出来るほどの分厚い聖書を所持している。普段は仏のような顔しているが激昂すると顔全体の血管が浮かび上がる。文字通りの狂信者で「信仰とは死ぬことと見つけたり」の信念を持つ。彼に心酔する弟子たちを常に従え、慈愛をもって接している。
- 断罪の塔で完璧な世界の卵の力によって弟子とともに使徒もどきに変貌した。変貌直後の姿はそれまでの姿に鳥の翼が生えただけのものであるが、ガッツとの戦闘中に全身を鱗様の羽根で覆われたグロテスクな天使に変化した。どちらの姿でも、火を吹くことが可能。使徒もどきとはいえ、力は並の使徒以上で表皮も硬く、ドラゴン殺しの一撃すら通用しない強度でガッツを苦戦させるも変身前に負った傷が原因で鱗を割られ、死亡した。
- モズグスの弟子達
- 異端審問官モズグス直属の拷問執行人。異端・魔女とされた者を審問にかけ、モズグスが下した判決に従って処刑するのは彼らである。それぞれの名前は不明。合計で6名おり、美男子だが日光に身をさらすと火ぶくれができる体質の鳥面の男、巨大な鋼鉄の車輪を武器とする筋肉の塊のような童顔の大男、頭と肩甲骨あたりが変形した長身の身体で鎖に鍬鋏がついたような武器を持つ大男、目をくりぬくペンチを武器とする小男、「二児」と呼ばれている鋸を2つ組み合わせたような武器を2人1組で持つ双子、から構成される。
- 彼らはその異形、畸形の容貌によって、世間から迫害されて見世物にされたり、怪物として人里を離れたところに潜み暮らしていたが、モズグスの慈愛の心によって信仰の道に入り、異端審問を神からわが身に与えられた聖なる職務として、真摯に執行している。全員がモズグズ共に使徒もどきとなるが、ガッツ、イシドロ、ジェロームの3人に殺害され、モズグスは血涙を流すほど悲しみ激昂した。
聖鉄鎖騎士団
- ファルネーゼ (Farnese)
- [#ガッツ一行|ガッツ一行]]を参照。
- セルピコ (Serpico)
- ガッツ一行を参照。
- アザン (Azan)
- 聖鉄鎖騎士団副団長。騎士道精神を体現する古風な武人。ファルネーゼを補佐する立場にあるが、部下からの人望が厚く、実質的には騎士団の要といえる。長大な鉄の棍棒を自在に操り、「鉄棍鬼アザン」の異名を持つ。橋に立ち往生していた老人を庇い、強引に橋を渡ろうとした100の騎馬隊相手に渡り合ったと言う逸話から「橋の騎士」の異名も持つ(ガッツ曰く「その老人を橋の袂まで担いで行けば済む話」という笑い話)。
- 元々は世俗の騎士団に所属していたが、「守るべき者に裏切られた」事が切っ掛けで出家し僧侶となる。アルビオン寺院の怪異では崩れた門の下敷きになるが、鉄棍がつっかい棒になり、九死に一生を得る。断罪の塔以降法王庁を追われ、クシャーンと戦うためにヴリタニスに向かうがガッツ一行が帆船に乗り込む為に使った小船で寝ていた為に一緒に船に乗船する事になった。一応正体を隠しているつもりらしく、「黒髭の騎士」と名乗りどんな時でも兜を被っていて暇があればイシドロに剣術の稽古をしている。
- ジェローム (Jerome)
- 聖鉄鎖騎士団に所属する騎士。貴族の放蕩息子でファルネーゼのことを良く思っておらず、任務放棄してはルカのところで遊んでいた。セルピコとは唯一親友関係になる。ルカに頼まれニーナやキャスカの救出の片棒を担ぎ、最後にはルカ達4人の女性を身請けする事になる。
ヴァンディミオン家
- フェディリコ (Federico)
- フルネームはフェディリコ・ド・ヴァンディミオン。「天秤の主」の尊号を持つ、ヴァンディミオン家当主。ヴァンディミオン家の財力を背景に、法王庁教圏において比類なき影響力を持つ。しかし家族に対する情は薄く、ファルネーゼは幼少時代に父から愛情をかけられなかったことが性格を歪ませた一因となった。舞踏会での騒動でうろたえる人々を一喝するほどの度量の持ち主だが、ファルネーゼに関しては少々持て余している。
- ヴァンディミオン夫人
- フェデリコの妻。かなり鋭い洞察眼の持ち主。毒舌家であり、法王庁教圏において比類なき影響力を持つ夫を「世界の奴隷」と言い放ったがその度量は認めている。自身の子を「さん」付けで呼んでいる。
- ジョルジオ
- フェディリコの長男。フルネームはジョルジオ・ド・ヴァンディミオン。ヴァンディミオン家次期当主。フェデリコの片腕で、ヴァンディミオン銀行の共同経営者。
- ポリティアーノ
- フェディリコの次男。法王庁領大総督兼枢機卿。フルネームはポリティアーノ・ド・ヴァンディミオン。次期法王の最有力候補と目される。気前がよいところから人気があり、又あまり健康でないとされるため法王就任期間が長くないと見られていることも大きな要因。
- マニフィコ (Manifico)
- フェディリコの三男。野心家だが小物で常識人。その為ガッツ一行の非常識ぶりに振り回されている。家族愛の無い父を疎ましく思い、境遇の似ている妹ファルネーゼには同情を抱いている。名門一族のはみ出し者同士のロデリックとは親友で、共に外洋に大望を抱く。
ロデリックとファルネーゼとを政略結婚させようと、舞踏会でその発表をしようとするが不発に終わる。その後の虎の妖獣兵の侵入とそれに続くクシャーンの侵攻による混乱の中、ロデリックが妹とその仲間たちを自分の船に乗せて旅立とうとした為、自分一人残っては政略結婚の件で追及されると感じ敢えて同行する。
その他
- ガンビーノ (Gambino)
- 傭兵団長でガッツの育ての親。ガッツに最初に剣を教え鍛え上げた。シスを愛していたが、ガッツを拾ってからシスを病で失い、自身も負傷で片足を失うなど不幸続きであった。その為ガッツが災厄を運んできたと憎悪を向けるようになる。以降ガンビーノは稚児趣味を持つ同僚のドノバンにガッツの貞操をわずか銀貨3枚で売り渡したり、自分に甲斐甲斐しく世話を焼くガッツに厳しく当たるなど荒れていた。とくに片足を失ってからはガッツを「呪われた子」として忌み、遂には殺害しようとするが、逆に刺殺される(このためガッツは傭兵団から脱走することになった)。
- シス (Sis)
- ガンビーノの愛人でガッツの養母。ガンビーノとの子を流産で失ったことで精神が不安定になっていた時、泥の中よりガッツを拾った。それ以後はガッツを養育したが、ガッツが3歳の時にペストに感染し死去。
- バズーソ (Bazuso)
- 「30人斬りのバズーソ」の異名を持つ傭兵。他にも「灰色の騎士」や「熊殺し」の異名も持つ。斧を愛用する。鷹の団入団前のガッツと戦うも舐めて掛かったのが仇となり、頭を叩き割られ死亡する。報奨金は金貨7枚。この一騎打ちでグリフィスはガッツに興味を持つようになる。
- ヴァランシャ (Valencia)
- 「爆殺王」の異名を持つ傭兵。百年戦争ではチューダー側に付きミッドランド兵130人を血祭りに挙げた。戦争終結後、とある武術大会に出場するも決勝戦でシラットに敗れる。
- ゴドー (Godot)
- かつて妖精が棲んでいたという鉱山の中で、鍛冶屋を営んでいる老鍛冶。偏屈な性格で口は悪いが、腕は非常に良く、「ドラゴン殺し」をはじめとする初期のガッツの装備の殆どは彼の作品である。一人娘にエリカがいる。
- かつては名工として華やかな栄誉に包まれ、王侯貴族から注文を受けていたほどであったが貴族たちが実用を無視して華美な武器ばかりを求めるのに嫌気がさして、人里を離れた鉱山にこもり、孤高の鍛冶屋となる。鷹の団を抜けて修行していたガッツは彼のもとに寄宿しており、その縁で、蝕から生き延びたガッツとキャスカ、そしてリッケルトを受け入れた。酷使されボロボロになったドラゴン殺しを鍛え直した後、寿命で死去。
- エリカ (Erica)
- ゴドーのもとに住んでいる天真爛漫な娘。実はゴドーとは血はつながっておらず、かつて戦災で家族を失った戦争孤児で偶然通りかかったゴドーに拾われてそのまま養女となった。養育の中でゴドーの人間性を呼び起こした「娘」となった。修行中のガッツの特訓を手伝ったこともある。ゴドーが死去した後は、リッケルトと2人で暮らしている。
- バルガス (Vargas)
- 伯爵に仕えていた侍医。使徒と化した伯爵の残虐さに恐れを抱き、逃走を試みるも失敗。家族と己の両足片腕を伯爵に喰われるが、脱出に成功する。その際ベヘリットを盗み、潜伏生活をしながら伯爵を倒す機会を狙っていた。ガッツに伯爵殺害を依頼するも捕らわれ処刑される。伯爵の最期の時、伯爵を虚無に引き込んだ亡者達の中にバルガスの姿があった。バルガスが伯爵から奪ったベヘリットはガッツが所有することになる。
- テレジア (Theresia)
- 伯爵の愛娘。使徒と化した父からは変わらず深い愛情を注がれていたが、城の中に半場軟禁されたような暮らしの中、何一つ真実を知らないまま生きていた。ガッツと伯爵の戦いの際に初めて父の変貌を知り、更に残酷な過去の暴露と、父の死を目の当たりにすることになる。衝撃を受けたテレジアは去り行くガッツを激しく憎み罵った。
- ジル (Jill)
- 霧の谷の近くの村に住む少女。ロシーヌとは幼なじみであった。元兵士で飲んだくれの父に嫌気がさして家出をし、ロシーヌのいる霧の谷へと向かったが、妖精もどき同士が殺し合っている光景を見て嫌悪感を持ち、ガッツとロシーヌの戦闘に巻き込まれて恐怖のあまり発狂寸前まで追い込まれる。それでもロシーヌを憎めず動けないロシーヌに止めを刺そうとしたガッツから守ろうとさえした。行動を共にするうちにガッツに好意を抱くようになり旅を同行させてもらおうと頼むも論され、逆に生きる勇気を手に入れる。
- ゼペック (Zepeck)
- ジルの父親。兵士だった過去と酒に逃避する飲んだくれである。常に兜を被っている。霧の谷における聖鉄鎖騎士団のガッツ捜索の道案内をし、娘ごとロシーヌにとどめを刺そうとしたガッツに一矢報いる。その後も騎士団に同行しようとするが、アザンに諭されて村に帰った。
- ルカ (Luca)
- 精神に異常をきたしてガッツのもとから失踪したキャスカを匿った娼婦達のリーダー的存在。収入を公平に分配し、さらにその半分を近所の難民達に配るなど、気前のいい姉御肌の女性。ただし、これは他人からのやっかみを避け、異端審問に訴えられるのを避ける為である。妹分にはペペ、フーケ、リューシー、ニーナがいる。また、キャスカのことを「エレーン」、髑髏の騎士を「死神さん」と呼んでいた。
- 実は完璧な世界の卵の真実の存在を唯一知っている人間。髑髏の騎士とも行動を共にし、この世が変わりつつある事に気がつく。
- ニーナ (Nina)
- ルカの妹分の娼婦。臆病な性格の上、重病に侵されているため邪教に身をやつし、夜な夜なサバトに参加する。自分に好意を抱いているヨアヒムをサバトに誘うが、密告を恐れてヨアヒムを崖から突き落としてしまう。その後、邪教徒として断罪の塔に捕らえられ、怪異に巻き込まれるがルカの指示を守って必死に恐怖に耐えるうちに生きたいという希望と強さに目覚める。最後はルカ達と別れ、ヨアヒムと共に旅立った。
- ヨアヒム (Joachim)
- ニーナに思いを寄せている難民。彼女が邪教に染まっていると知り、密告してしまうが、結局結ばれることになる。
- モーガン (Morgan)
- イーノック村に住む老人。村が獣鬼に襲われた為フローラに助けを求めた。50年前にフローラからもらった薬で母を救ったことがある。当時は閉鎖的な環境に嫌気がさしており、外の世界への冒険を夢見ていたが、後にこれが逃避に過ぎなかったことを悟る。獣鬼を退治し終わった後、イシドロに上記の昔話を聞かせて諭そうとしたが、逆に諭され、感心したモーガンは餞別として彼に短剣を授けた。
- ロデリック (Roderick)
- フルネームはロデリック・オブ・シュタウフェン。マニフィコの親友で、北方の国イースの王位継承権第3位王族にして海軍士官であり艦長職。卓越した指揮力で「航海王子」の異名を持つ。マニフィコが勝手に決めたファルネーゼの婚約者だが、本人は彼女に惚れ込んでいる。マニフィコと共に次の時代を築き上げようとする。かなり豪胆な性格で、旅をしているガッツ一行の為に自分の船を貸したりしている。
- 月下の少年
- ヴリタニスへ向かう途中ガッツ一行が一夜を過ごした砂浜で遭遇した少年。黒髪の長髪で全裸。ガッツ一行が保護したが、クシャーンの妖獣兵との戦いの最中に行方不明になった。彼に見つめられた妖獣兵が退くなど、何か特別な気配を持っている。
幽界に係わる者
- 幼魔
- ガッツの前にしばしば姿を現す畸形の赤子。ガッツとキャスカの間にできた胎児に魔が宿り、現世とは別の次元に住まうようになったもの(身重のキャスカが魔の存在に犯された為という)。蝕から抜け出した直後、キャスカは流産するが、既に胎児はこの世ならぬ存在となっていた。異形の姿ながら、母親であるキャスカを守るために父親のガッツに警告を与えたり、魔の力を使ってキャスカの身を守るなどした。最後に力尽き倒れていたところを完璧な世界の卵に取り込まれ、彼と共に受肉したグリフィスの一部となる。悪霊を呼ぶなどしばしばガッツを困らせることもあったが、髑髏の騎士に言わせると「父親に対する魔物なりの慕い方」らしい。
- 髑髏の騎士 (Skull Knight)
- 1000年の間ゴッドハンドや使徒と敵対している謎の騎士。常に髑髏の面を被り、同じく髑髏を模した仮面を被る黒馬を駆る。又、薔薇をモチーフにした剣と盾を持ち、使徒形態のゾッドと対等以上に渡り合う凄まじい力を有する。体内でベヘリットと剣の刀身を混ぜ合わせ、ゴッドハンドに対しての切り札「喚び水の剣」を作り出すことが出来、これを作るために使徒の所有するベヘリットを集めて体内に溜めている。
- 彼もまた人外の存在である事は明らかだが、「生贄の烙印」が反応を示さない事から、使徒ともまた違った存在。強者を求める使徒「不死のゾッド」とは好敵手の間柄で、魔女のフローラとも旧知の仲。また、ボイドとは浅からぬ因縁があるらしい。未だ正体は明らかではないが、「ドクロの王様」に通ずる点が多々ある事やスランから「王様」と呼ばれていた事から、ガイゼリックのゆかりの人物か、本人であろうと推定されている。
- 何故かガッツの出生を知っており、キャスカとガッツを蝕から救い出したり、異次元へと入り込んだガッツら一行を脱出させるなど陰から様々な助力をなしている。また、「狂戦士の甲冑」の以前の着用者でもあり、甲冑が着用者にもたらす害を熟知し、狂戦士の甲冑を着用するガッツに警告を与えている。
- フローラ (Flora)
- シールケの師匠で大魔術師。非常に高い魔力を備えており、護符や薬草などを作っている。かつてはイーノック村周辺の人里に住み、村々を回って精霊達の声を伝えたり、天候を教えたり、病人を癒して回っていたが法王庁教圏の拡大と共に魔女として排斥され、霊樹の森へと追いやられた。
- 髑髏の騎士とは旧知の仲で深い縁があるらしい。ガッツたちを迎え入れた後ゾッド、グルンベルド率いる戦魔巨人兵隊に急襲され、火を放たれてその中でシールケに後を託しこの世を去る。