阮咸

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阮咸(げんかん)は中国の文人で竹林七賢の一人である。陳留(河南省)の人で字は仲容。晋の琵琶の名手である。転じて楽器の名、明楽及清楽に用いる絃楽器の名となった。もとは琵琶から変形したものであり、月琴の一種と見ることが出来る。

概要

阮咸は晋の初め世を避けて清談に耽ったが、仕えて散騎侍郎となる。音律に巧であり、琵琶に長じていた。山濤に挙げられ吏部郎となった。

==奇行 「晋書」の伝によれば奇行が多かったと言われる。

七月七日北阮盛曬衣服。皆錦綺粲目。咸以竿挂大布犢鼻於庭北阮盛曬衣服。皆錦綺粲目。咸以竿挂大布犢鼻於庭。

という。七月七日は、衣服を曝す日である。隣の金持ちの阮家では錦を晒し目に鮮やかであった。そこで阮咸も、竿に大きな犢鼻褌(ふんどし)を掛けて日に曝したという。そうした奇行は他の七賢たちも同様である。目的は政治や世俗への批判や嘲笑であり、それを酒に求めた。当時の政治的な危険から逃避する目的もあった[1]

  1. 辰巳 正明(2016)「奈良朝の文学思想 : 旅人と憶良をめぐって」東アジア文化研究(East Asia culture studies) (1), pp.5-17,