熊野本宮大社

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熊野本宮大社鳥居

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概要

上四社南にある拝殿

1871年明治4年)に熊野坐神社(くまのにますじんじゃ)として国幣中社に列格し、1915年官幣大社に昇格した。

現在の社地は山の上にあるが、1889年(明治22年)の大洪水で流されるまで、社地は熊野川中州にあった。明治以後、山林の伐採が急激に行われたことにより山林の保水力が失われ、大規模な洪水が引き起こされ、旧社地の社殿は破損した。現在、旧社地の中州は「大斎原」(おおゆのはら)と呼ばれ、日本一高い大鳥居(高さ33.9m、横42m、鉄筋コンクリート造、平成12年完成)が建っている。

熊野権現垂迹縁起」によると、熊野坐大神は天台山から飛来したとされている。熊野坐大神(家都美御子大神)は、須佐之男命とされるが、その素性は不明である。太陽の使いとされる八咫烏を神使とすることから太陽神であるという説や、中州に鎮座していたことから水神とする説、または木の神とする説などがある。

家都美御子大神について他にも五十猛神伊邪那美神とする説があり、菊理媛神とも関係する説もあるがやはりその素性は不詳とされる。

祭神

表 熊野本宮大社の社殿・祭神・本地仏
社殿 祭神 本地仏
上四社 第一殿 西御前 熊野牟須美大神・事解之男神 千手観音
第二殿 中御前 速玉之男神 薬師如来
第三殿 證証殿 家都美御子大神 阿弥陀如来
第四殿 若宮 天照大神 十一面観音
中四社 第五殿 禅児宮 忍穂耳命 地蔵菩薩
第六殿 聖宮 瓊々杵尊 龍樹菩薩
第七殿 児宮 彦火火出見尊 如意輪観音
第八殿 子守宮 鵜葺草葺不合命 聖観音
下四社 第九殿 一万十万 軻遇突智命 文殊菩薩普賢菩薩
第十殿 米持金剛 埴山姫命 毘沙門天
第十一殿 飛行夜叉 弥都波能売命 不動明王
第十二殿 勧請十五所 稚産霊命 釈迦如来

前述の通り、1889年(明治22年)の熊野川水害により熊野川中洲にあった旧社殿は破損し、上四社のみが現社地に再建された。中四社および下四社の社殿は再建されず、旧社地に2基の石祠が建てられた。

※なお神域内の上四社・大斎原とも基本的に撮影禁止であり、撮影を希望する場合は社務所にて許可が必要。

文化財

重要文化財(建造物)

  • 熊野本宮大社 - 重要文化財(建造物、1995年〈平成7年〉12月26日指定)
    • 熊野本宮大社第一殿・第二殿(西御前・中御前)
    • 熊野本宮大社第三殿(証誠殿)
    • 熊野本宮大社第四殿(若一王子)

上記3棟が国の重要文化財に指定されている(第一・二殿は建物としては1棟)。棟札により、第一・二殿と第四殿は享和2年(1802年)、第三殿は文化7年(1810年)の建立と判明する。第一・二殿は入母屋造平入り、桁行5間、梁間4間で、正面に庇を付し、正面の2箇所に木階を設ける。内部は桁行3間、梁間1間の内陣とし、3室に分け、左右の室に熊野牟須美大神と速玉之男神をそれぞれ祀る。第一・二殿の向かって右に建つ第三殿と第四殿は同規模・同形式で、妻入り、正面は切妻造庇付き、背面は入母屋造の特異な形式とする。柱間は桁行(本建物の場合は側面)2間、梁間は正面は1間、背面は中央に柱が立ち2間とする。これらの社殿は明治22年(1889年)の洪水では流出をまぬがれ、現社地に移築されたものである。各建物は入母屋造屋根を用いる点、木割が太く、装飾の少ない簡素な構成とする点に特色があり、床下に連子窓を設けるなど、細部形式にも特色がある。社殿の形式や配置は中世の絵画資料にみられるものと一致し、古くからの形式を保持していることがわかる。

重要文化財(美術工芸品)

  • 木造家津御子大神坐像、木造速玉大神坐像 、木造夫須美大神坐像、附 木造天照大神坐像(1966年〈昭和41年〉6月11日・4躯一括指定)。
  • 鉄湯釜(1983年〈昭和58年〉6月6日指定) - 湯立ての神事に用いる湯釜で、建久9年(1198年)の銘がある。鉄製の湯船としては建久8年在銘の東大寺大湯屋のものが最古であるが、湯釜としては本品が在銘最古の遺品である。

史跡

  • 熊野三山 - 熊野本宮大社境内は史跡「熊野三山」の一部である。当初、本宮大社社地は大斎原(本宮大社旧社地)のみが史跡「熊野参詣道」の一部として史跡として指定を受けていたが、2002年(平成14年)12月19日、熊野三山が熊野参詣道から分離・名称変更された際に、現社地が追加指定された。

交通

関連項目

外部リンク

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