野田内閣

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野田内閣

民主党と国民新党の連立政権を形成する。

概要

2011年(平成23年)8月30日、前任の菅再改造内閣内閣総辞職したため、国会内閣総理大臣指名選挙が行われた。衆議院は野田を1回目の投票で指名。参議院では過半数の票を得た者がいなかったため、1位の野田と2位の谷垣禎一自由民主党総裁による決選投票が行われた結果、野田が内閣総理大臣に指名された。同年9月2日、内閣総理大臣の親任式及び国務大臣の認証式が皇居で行われ、正式に野田内閣が発足。鳩山由紀夫内閣菅内閣(菅内閣、1次改造2次改造)に次ぐ3代目の民主党中心の内閣となった。

通称・ニックネーム

野田首相が民主党代表選挙の演説において引用した相田みつをの詩の一節から、「どじょう内閣」という通称が一部の報道では使用されている。

しかし野田は就任会見で内閣の通称について問われると、「キャッチフレーズ、スローガン、これは私あえて言いません。(中略)ドジョウだナマズだという話はしません。これは我々が黙々と仕事をした中で、泥くさく仕事をした中で、政治を前進させた中で、国民の皆さんがどういう評価をするか、そこから出てくる言葉が本物だと思いますので、これはむしろ国民の皆様にいずれ名付けていただくような内閣という位置付けにしたいと思います」と述べ、命名を避けた。

この他、野田内閣で防衛大臣に起用された一川保夫は「あぜ道内閣」、コピーライターの岩永嘉弘は「どんぐりころころ内閣」、政治評論家の小林吉弥は「どじょう鍋内閣」、漫画家の弘兼憲史は「これでいいノダ内閣」、教育評論家の尾木直樹は「課題乗り越え内閣」、漫画家の倉田真由美は「花より団子内閣」、愛知県知事の大村秀章は「超地味内閣」、佐賀県知事の古川康は「実務堅実内閣」、民主党政調会長の前原誠司は「ドジョウ宰相公約実現内閣」、民主党最高顧問の渡部恒三は「民主党最後の内閣」、自由民主党副総裁の大島理森は「グループ均衡内向き内閣」、政治アナリストの伊藤惇夫は「掃除機内閣」、みんなの党代表の渡辺喜美は「増税一直線の論功行賞内閣」と、日本共産党書記局長市田忠義は「財界直結内閣」、新党改革代表の舛添要一は「党内向けの気遣い内閣」と呼んだ。

閣僚

出身党派:       民主党       国民新党 (発足時:民主党16、国民新党1)

職名 氏名 出身等 臨時代理
順位
在職期間 備考
内閣総理大臣 95 野田佳彦 80px 衆議院
民主党代表
野田グループ
- 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
総務大臣 15 川端達夫[A 1] Replace this image JA.svg 衆議院
民主党
川端グループ
鳩山グループ
3 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
法務大臣 88 平岡秀夫 Replace this image JA.svg 衆議院
民主党
菅グループ)(近藤・平岡グループ
- 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
外務大臣 145 玄葉光一郎[A 2]  80px 衆議院
民主党
玄葉グループ
- 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
財務大臣 15 安住淳 80px 衆議院
民主党
前原グループ
- 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
文部科学大臣 15 中川正春 80px 衆議院
民主党
(羽田グループ)
- 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
国立国会図書館連絡調整委員会委員
厚生労働大臣 14 小宮山洋子 Replace this image JA.svg 衆議院
民主党
(前原グループ)
- 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
農林水産大臣 53 鹿野道彦[A 3] Replace this image JA.svg 衆議院
民主党
鹿野グループ
2 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
経済産業大臣 15 鉢呂吉雄 Replace this image JA.svg 衆議院
民主党
(横路グループ)
- 2011年(平成23年)9月2日
- 2011年(平成23年)9月11日
原子力経済被害担当
藤村修 80px 衆議院
民主党
(野田グループ)
- 2011年(平成23年)9月11日
- 2011年(平成23年)9月12日
原子力経済被害担当
臨時代理
16 枝野幸男 80px 衆議院
民主党
(前原グループ)
(菅グループ)
- 2011年(平成23年)9月12日
- 2012年(平成24年)1月13日
原子力経済被害担当
国土交通大臣 16 前田武志 Replace this image JA.svg 参議院
民主党
(鹿野グループ)
5 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
海洋政策担当
環境大臣 17 細野豪志 Replace this image JA.svg 衆議院
民主党
(前原グループ)
- 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
原発事故の収束及び再発防止
防衛大臣 9 一川保夫 80px 参議院
民主党
小沢グループ
(鳩山グループ)
- 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
内閣官房長官 80 藤村修 80px 衆議院
民主党
(野田グループ)
1 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
国家公安委員会委員長 85 山岡賢次 Replace this image JA.svg 衆議院
民主党
(小沢グループ)
原口グループ
4 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
拉致問題担当
内閣府特命担当大臣
沖縄及び北方対策担当)
15 川端達夫[A 1] Replace this image JA.svg 衆議院
民主党
(川端グループ)
(鳩山グループ)
3 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
内閣府特命担当大臣
防災担当)
17 平野達男 80px 参議院
民主党
(玄葉グループ)
(小沢グループ)
- 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
東日本大震災復興対策担当
内閣府特命担当大臣
金融担当)
15 自見庄三郎[A 3] Replace this image JA.svg 参議院
国民新党
- 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
郵政改革担当
内閣府特命担当大臣
消費者及び食品安全担当)
6 山岡賢次 Replace this image JA.svg 衆議院
民主党
(小沢グループ)
(原口グループ)
4 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
内閣府特命担当大臣
行政刷新担当)
5 村田蓮舫 80px 参議院
民主党
(野田グループ)
- 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
公務員制度改革担当
内閣府特命担当大臣
「新しい公共」担当)
3 村田蓮舫 80px 参議院
民主党
(野田グループ)
- 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
内閣府特命担当大臣
少子化対策担当)
9 村田蓮舫 80px 参議院
民主党
(野田グループ)
- 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
内閣府特命担当大臣
男女共同参画担当)
13 村田蓮舫 80px 参議院
民主党
(野田グループ)
- 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
内閣府特命担当大臣
経済財政政策担当)
17 古川元久 80px 衆議院
民主党
(前原グループ)
- 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
国家戦略担当
社会保障・税一体改革担当
内閣府特命担当大臣
地域主権推進担当)
4 川端達夫[A 1] Replace this image JA.svg 衆議院
民主党
(川端グループ)
(鳩山グループ)
3 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日
地域活性化担当
内閣府特命担当大臣
科学技術政策担当)
16 古川元久 80px 衆議院
民主党
(前原グループ)
- 2011年(平成23年)9月2日
- 2012年(平成24年)1月13日

宇宙開発担当
内閣府特命担当大臣
原子力損害賠償支援機構担当)
2 細野豪志 Replace this image JA.svg 衆議院
民主党
(前原グループ)
- 2011年(平成23年)9月2日
- 2011年(平成23年)10月3日
3 枝野幸男 80px 衆議院
民主党
(前原グループ)
(菅グループ)
- 2011年(平成23年)10月3日
- 2012年(平成24年)1月13日
内閣府特命担当大臣
原子力行政担当)
1 細野豪志 Replace this image JA.svg 衆議院
民主党
(前原グループ)
- 2011年(平成23年)10月3日
- 2012年(平成24年)1月13日
  1. 1.0 1.1 1.2 総務大臣、内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策担当、地域主権推進担当)を兼任。
  2. 閣内横滑りで再任
  3. 3.0 3.1 菅第2次改造内閣からの再任。
  • 2011年(平成23年)9月2日任命。
    • 組閣時の平均年齢 : 58.3歳
    • 最高齢:前田武志(73歳)
    • 最年少:細野豪志(40歳)

内閣官房副長官・内閣法制局長官

職名 氏名 担当 所属等 備考
内閣官房副長官 斎藤勁 政務担当 衆議院、民主党(近藤・平岡グループ)
長浜博行 参議院、民主党(野田グループ)
竹歳誠 事務担当 国土交通事務次官  
内閣法制局長官 梶田信一郎 前内閣法制次長、自治省出身 2011年12月22日退任
山本庸幸 前内閣法制次長、通商産業省出身 2011年12月22日任命
  • 2011年(平成23年)9月2日任命。

内閣総理大臣補佐官

職名 氏名 担当 所属など 備考
内閣総理大臣補佐官 末松義規 東日本大震災復興対策、少子化対策及び自殺対策担当 衆議院、民主党(菅グループ
手塚仁雄 政治主導による政策運営及び国会対策担当 衆議院、民主党(野田グループ)
長島昭久 外交及び安全保障担当 衆議院、民主党(野田グループ)
本多平直 内政の重要政策に関する省庁間調整担当 衆議院、民主党(菅グループ)
水岡俊一 政治主導による政策運営及び国会対策担当 参議院、民主党(横路グループ)
  • 2011年(平成23年)9月5日任命。

副大臣

職名 氏名 所属など 備考
内閣府副大臣 石田勝之 衆議院、民主党(鹿野グループ)
後藤斎 衆議院、民主党(羽田グループ)
中塚一宏 衆議院、民主党(小沢グループ)
総務副大臣 黄川田徹 衆議院、民主党(小沢グループ)
松崎公昭 衆議院、民主党(鹿野グループ)
法務副大臣 滝実 衆議院、民主党(無派閥)
外務副大臣 山口壮 衆議院、民主党(玄葉グループ)
山根隆治 参議院、民主党(川端グループ)
財務副大臣 五十嵐文彦 衆議院、民主党(小沢鋭仁グループ 再任
藤田幸久 参議院、民主党(鳩山グループ
文部科学副大臣 奥村展三 衆議院、民主党(小沢グループ)
森裕子 参議院、民主党(小沢グループ)
厚生労働副大臣 牧義夫 衆議院、民主党(鳩山グループ)
辻泰弘 参議院、民主党(鳩山グループ)
農林水産副大臣 筒井信隆 衆議院、民主党(横路グループ) 再任
岩本司 参議院、民主党(川端グループ)
経済産業副大臣 牧野聖修 衆議院、民主党(鳩山グループ)
松下忠洋 衆議院、国民新党 再任
国土交通副大臣 奥田建 衆議院、民主党(羽田グループ)
松原仁 衆議院、民主党(鳩山グループ)
環境副大臣 横光克彦 衆議院、民主党(横路グループ)
防衛副大臣 渡辺周 衆議院、民主党(前原グループ)
  • 2011年(平成23年)9月5日任命。

大臣政務官

職名 氏名 所属など 備考
内閣府大臣政務官 阿久津幸彦 衆議院、民主党(菅グループ) 再任
2011年9月7日退任
郡和子 衆議院、民主党(横路グループ) 2011年9月7日任命
大串博志 衆議院、民主党(野田グループ)
園田康博 衆議院、民主党(羽田グループ) 再任
総務大臣政務官 福田昭夫 衆議院、民主党(鳩山グループ)
主濱了 参議院、民主党(小沢グループ)
森田高 参議院、国民新党 再任
法務大臣政務官 谷博之 参議院、民主党(横路グループ)
外務大臣政務官 中野譲 衆議院、民主党
加藤敏幸 参議院、民主党
浜田和幸 参議院、無所属→国民新党
財務大臣政務官 三谷光男 衆議院、民主党(野田グループ)
吉田泉 衆議院、民主党(鳩山グループ) 再任
文部科学大臣政務官 城井崇 衆議院、民主党(前原グループ)
神本美恵子 参議院、民主党(横路グループ)
厚生労働大臣政務官 藤田一枝 衆議院、民主党(近藤・平岡グループ)
津田弥太郎 参議院、民主党(横路グループ)
農林水産大臣政務官 仲野博子 衆議院、民主党(小沢グループ)
森本哲生 衆議院、民主党(鳩山グループ)
経済産業大臣政務官 北神圭朗 衆議院、民主党(前原グループ)
柳澤光美 参議院、民主党(川端グループ)
国土交通大臣政務官 津川祥吾 衆議院、民主党(無派閥) 再任
津島恭一 衆議院、民主党(小沢グループ)
室井邦彦 参議院、民主党(小沢グループ)
環境大臣政務官 高山智司 衆議院、民主党(小沢グループ)
防衛大臣政務官 下条みつ 衆議院、民主党(羽田グループ)
神風英男 衆議院、民主党(小沢グループ)
  • 阿久津幸彦内閣府大臣政務官のみ2011年(平成23年)9月2日任命。それ以外は2011年(平成23年)9月5日任命。

人事

国務大臣

副大臣・大臣政務官・内閣総理大臣補佐官

基本方針

2011年(平成23年)9月2日、初閣議において、内閣の基本方針を決定し、併せて第三次補正予算及び円高への対応策にかかる内閣総理大臣指示が行われた。

基本方針
各閣僚を始めとする政務三役は、次の方針に基づき、職務に専念するものとする。

一、 一昨年の政権交代の原点に立ち返り、「国民の生活が第一」との理念にのっとって、政権交代の意義を実感してもらえるよう、国民目線に立った政治の実現にまい進する。
一、 各閣僚は、省益にとらわれることなく相互に密接に連携して、野田総理の下で一体となって、内外の政策課題に取り組む。また、国民の皆様からの声に素直に耳を傾け、丁寧に説明する姿勢を持つとともに、与野党協力を推進して、「対話の政治」を実践する。
一、 「行政の無駄遣い」を根絶すべく、既得権の打破を図るため、行政刷新の取組を継続・強化する。
一、 東日本大震災の被災地域における早期の社会経済の再生及び生活再建を図るため、「東日本大震災からの復興の基本方針」に基づく復旧・復興の取組を加速させるとともに、エネルギー制約を早期に克服する。また、「福島の再生なくして、元気な日本の再生なし」の考えの下、原発事故を速やかに収束させるとともに、被害者への賠償や「除染」の実現に全力を注ぐ。その際、未来を担う子どもや妊婦への対応を優先的に実施し、「チルドレン・ファースト」を実践する。
一、 大胆な円高対策など国内産業の空洞化対策を講ずるとともに、国際的な信用不安に適切に対処し、経済成長と財政健全化の取組を両立させる。
一、 必要な社会保障の機能強化を確実に実施し、同時に社会保障全体の持続可能性の確保を図るため、社会保障・税一体改革成案を早急に具体化する。
一、 「希望と誇りある日本」をつくるため、新たなフロンティア開拓や中長期的な経済成長の実現、持続可能な地域発展モデルの創造、世界に雄飛する人材の育成等の政策を進める。
一、 日米同盟を基軸とした外交を更に深化させるとともに、多極化する世界に対応したアジア諸国等との多角的な結びつきを高める取組を進める。また、高いレベルでの経済連携、エネルギー資源の確保などの経済外交を推進する。
一、 本格的な「政治主導」の確立に向けて、政務三役と官僚は、それぞれの役割分担と責任を明確にし、相互に緊密な情報共有と意思疎通を図りつつ、それぞれが持てる力を最大限に発揮し、政府全体が一体となって政策運営に取り組む。
2011年(平成23年)9月2日閣議決定

内閣の動静

2011年

2012年

関連項目

  • 日本再生の基本戦略 - 2011年12月24日に閣議決定された国家基本戦略。東日本大震災からの復興やアジアの成長取込みなどを目指し、当面重点的に取り組む施策を整理。
  • 2011年の政治

外部リンク

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