鳥越俊太郎
鳥越 俊太郎(とりごえ しゅんたろう、1940年3月13日 - )は、左翼ジャーナリスト・テレビタレント・民主党のお抱え評論家。福岡県浮羽郡吉井町(現うきは市)出身。
がん患者団体支援機構理事長を経て、現在は一般社団法人CSRプロジェクト会長。
ネット上では「頑張れ!!鳥越俊太郎の癌細胞!!」と応援される。
目次
来歴
久留米大学附設高等学校を経て、京都大学文学部史学科国史学専攻卒業。1965年、毎日新聞社入社。新潟支局が初任地。
その後、同新聞社の週刊誌『サンデー毎日』編集部に異動。在籍時に「イエスの方舟事件」が発生し、当時の編集長・鳥井守幸の方針で主宰者の千石イエスを匿ったため、鳥越を含む編集部全員が犯人隠避で逮捕されそうになる。
外信部テヘラン特派員の時にイラン・イラク戦争の戦場報道を行う。
1988年、サンデー毎日編集長となる。
1989年、毎日新聞社を退職し、同年10月、テレビ朝日系列でスタートした報道ドキュメンタリー番組『ザ・スクープ』の司会に就任。レギュラー放送終了後も、単発となった同番組の司会を務めている。
1999年に埼玉県のJR桶川駅前で発生した「桶川ストーカー殺人事件」におけるマスメディアの報道姿勢(「単なる男女の痴話げんか」など)に疑問を抱き、『ザ・スクープ』で独自取材。その結果、警察の虚偽発表と怠慢が次々と明るみになり、2001年には、日本記者クラブ賞を受賞する。
2005年10月3日、レギュラーアンカー(月 - 水)として務めるテレビ朝日系列の『スーパーモーニング』に本人が電話出演し、直腸癌であることを告白した。3日後に手術を受け、その後復帰。
2006年5月、インターネット新聞『オーマイニュース』日本語版の初代編集長に就任。
2007年2月、民主党が東京都知事候補としての擁立を打診するも、自身が依然として癌療養中であるため、「(任期の)4年間に責任を持てない」として打診を断る。
2007年、不払い事件などで問題視されていた外資系保険会社アフラックのCMに登場。これ以前からいくつかのCMに出演しており、公平性を重視されるジャーナリストが一企業のCMに出演することに対して、神保哲生、浅野健一はじめ、多くの識者から批判が出ていた。
2007年9月17日、『スーパーモーニング』で、癌が肺に転移していたことを明かす。2007年1月に左肺を一部切除、同年8月には右肺も手術していた。2009年2月9日、同番組で癌が肝臓に転移していることを明かした。翌10日に切除手術を受け療養に入る。2009年2月26日に同番組で復帰した。
2009年3月27日、NPO法人『がん患者団体支援機構』の理事長に就任。2010年5月まで約1年2ヶ月務めた。
人物
実家は鳥越製粉の創業者・鳥越彦三郎の親族一族にあたる。
森進一とはサンデー毎日時代の密着取材以来の付き合い。二度の結婚式の両方に呼ばれたが、二度目にしか出席していない。
2005年2月13日にテレビ朝日で放送された『全国一斉常識テスト』の芸能人スペシャルで、都道府県の数を“55”と間違えた。その際、「49はあると思ってもう少し足したら55という数字になった」と弁明した。
2007年、男性向けエステティックサロンのダンディハウスが主催する「第二回『ダンディ大賞2007』」の文化人部門で1位を獲得し、翌2008年の第三回でも、同部門で1位になった。
2008年11月5日、『スーパーモーニング』内での大阪・梅田で発生したひき逃げ事件の報道で、無免許・飲酒運転が発覚するのを恐れて被害者を車に引っ掛けたまま現場から3キロ引きずって死亡させた後、素性を隠してホストに転職するなどして逃亡を続け逮捕された容疑者に対し、「根っからの悪人ではないと思う」と発言した。これは「飲酒や無免許運転で警察に捕まると大変なことになると思い、逃げる心理に人間がなることはあるかもしれない」という趣旨の発言であったが、番組内で他の出演者らから総反発を受けた。
2009年4月23日、SMAPのメンバー・草彅剛が公然わいせつ罪の容疑で逮捕されたことに関し、近隣住民から通報があり、警察官の注意に従わなかったための現行犯逮捕だったが、「午前3時の公園でだれもいないところでしょう。公衆の面前じゃないんだから公然わいせつにはならないと思う。逮捕までしなくてもいいのでは?」という見解を示した。その後、草彅は不起訴処分となり、1ヶ月の活動自粛期間を経て芸能界に復帰した。この自粛期間について鳥越は「妥当だ。人騒がせを反省するのに必要な期間かなと。逮捕、家宅捜索はやりすぎで、犯罪を構成してないと思うので、騒がせたということでね」とコメントした。
2010年8月9日放映のBS朝日鳥越俊太郎 医療の現場!において、ガン手術後に筋トレに励み、結果強靭な肉体を得た上での挑戦したい夢として、「子供を作りたい。孫が生まれたばかりだけど、子供を作りたいね」と発言。
政治的思想
- 2005年4月5日、呼びかけ人の一人として『マスコミ九条の会』を結成。
- 2007年2月27日、中国脅威論を述べた中川昭一衆議院議員(当時)に対して「中国を煽るべきではない」等の発言を繰り返した。
- 2007年9月28日、『報道ステーション』に出演した際に「今の日本は差し迫った防衛上の危機は無い。したがって防衛予算は大幅に削減するべきである。」という主張をした。
【毎日新聞】 鳥越俊太郎「今回の衆院選を見ていてどこかいぶかしい思いが残ったのは私だけではないでしょう。ご用心あれ!」
「民意得ぬ」自民圧勝
今回の衆院選を見ていてどこかいぶかしい思いが残ったのは私だけではないでしょう。民主党が3年3カ月の政権運営で失政を続けたとか評判が悪かったのは確かです。だけどそれに比べ自民党の前評判が特にいいというわけでもありませんでした。「小泉郵政選挙」の時ほど「風」が吹いたわけでもありませんでした。
でも結果は自民党の圧勝に終わりました。これって何だろうな?と疑問を抱いているとき、インターネット上で「ヨミウリ・オンライン」に宮野勝・中央大文学部教授が書かれた「2012年衆院選結果の一つの見方」という文章を見つけました。これは私の抱いた疑問を数字で読み解いたものだったので、ここで大意をご紹介しておきます。
宮野教授によれば、今回の選挙で自民党の議席獲得数は全体で定数480中294(全体の61.3%)。そのうち、小選挙区での議席数は237(全体の79.0%)。
ここまでの分析で分かりますよね。自民党は小選挙区では全体の8割近くを押さえて圧勝の最大要因となったことが……。
これに対し比例代表での議席獲得の割合は31.7%、得票率に至っては27.6%。これは自民党が「大敗」したと言われている2009年の選挙時の比例代表での議席率30.6%、得票率26.7%とほとんど変わらない数字です。比例代表は支持する政党名を書くわけですから、政党支持率がズバリ出るわけです。今回の比例代表の得票率27.6%は、選挙結果の自民圧勝の印象とやはりどこかそぐわない印象を否めませんね。宮野教授も今回の分析の中でこう指摘しています。
「得票率と議席率ともに3分の1にも届いておらず比例では民意を得ていない」
「民意を得ていない」政党が小選挙区制という、ある意味ではマジックを使って圧勝し、自民・公明という従来の連携からいえば衆院の議席の3分の2(320)を超える325議席を確保したことは大きい。
更に言えば憲法改正や集団的自衛権の解釈変更、自衛隊を国防軍に変更という、自民党の長年の政権でなし得なかった「タカ派3原則」が大手を振ってまかり通るイヤな予感がします。公明党が尻込みすれば維新の出番。いずれにしろ次の参院選で大局は決まる。ご用心あれ!
毎日新聞 2013年01月05日 東京朝刊
『スーパーモーニング』における発言
- 2008年7月、頻発する無差別殺傷事件について、「日本の社会格差が広がり、ワーキングプアが増えている。小泉構造改革の名の下に進められた変化が、こういう犯罪を産み出していると思えてならない」という見解を示した。
- 2009年7月1日、民主党・鳩山由紀夫代表(当時)のいわゆる「故人献金」問題の報道において、「秘書の浅知恵でしょう」との見方を示した。
- 2010年1月18日、民主党の支持率低下はマスコミのせいであるとし、小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体を巡って元秘書3人が逮捕された陸山会事件の報道において、小沢批判をするマスコミは小沢に疑惑をかけている検察から情報をリークされており、「私たち世論は操作されている」と主張。また、1月21日の同番組内で、小沢が疑惑を持たれていた土地購入資金の4億円を、「小沢側が3億円は父親の遺産、1億円は妻から借りたもので4億円は自分で持っていたもの」と主張していた件について、鳥越は庶民には4億は高額だが、銀行がつぶれたら1000万円しか返ってこないため、お金持ちはタンス預金をするものであると主張した。
- 2010年4月28日、小沢一郎について、東京第5検察審査会が「起訴相当」の議決を行った事に対して、「今回の議決を読むと、『市民目線』とか『市民感覚』とか書いてあるけど違和感がある」とコメント。
- 2010年11月16日、尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件について、「43歳の海上保安官は愉快犯」との見解を示した。
出演
テレビ
- 現在出演中
- ザ・スクープ(テレビ朝日)
- 報道ステーション(テレビ朝日)金曜コメンテーター(不定期)
- 鳥越俊太郎 医療の現場!(BS朝日)
- スーパーJチャンネル九州・沖縄(九州・沖縄ANN系列)月一回
- KBCニュースピア(九州朝日放送)月一回
- スーパーJチャンネル九州・沖縄及びKBCニュースピアは月一回のスペシャルコメンテーターとして出演。後者では「鳥説」と言うコーナーを担当する。
- 鳥越俊太郎 対×談の時間(2011年4月30日 - 、BS朝日)
- 過去の出演
- スーパーモーニング(2002年10月 - 2011年3月、テレビ朝日)月曜日〜木曜日ニュースナビゲーター(コメンテーター)
- ビートたけしの!こんなはずでは!!(テレビ朝日)
- 僕らの音楽 -OUR MUSIC-(2004年4月~2005年3月、フジテレビ)ナビゲーター
- ミステリー民俗学者 八雲樹(テレビ朝日) - 鳥越教授 役
- 朝まで生テレビ!(テレビ朝日)1992年〜1996年まで代理司会者、パネリストとして出演していた。
- 鳥越道場(テレビ朝日)
- 烏越俊太郎の遺書(2008年12月31日、BS朝日)
- テレビ朝日開局50周年ドラマ 刑事一代 平塚八兵衛の昭和事件史(2009年6月20日・21日、テレビ朝日) - 産政新聞デスク 役
- こだわり人物伝「安藤百福 遅咲きのラーメン王」(2010年5月、NHK教育)語り手
- NHKハイビジョン特集「日本のいちばん長い夏」(2010年7月31日、NHK-BShi) - 池田純久(鈴木貫太郎内閣綜合計画局長官)役
- スーパーJチャンネルながさき(2011年4月14日、NCC)コメンテーター
- 旅のチカラ(2011年9月、NHK BSプレミアム)旅人
- 専業主婦探偵〜私はシャドウ 最終話(2011年12月16日、TBS) - 社長 役
- 西日本8局特番 鳥越俊太郎のがん医療最前線~「生きる」を支える人々~(2012年5月4日、毎日放送)
ラジオ
- 大沢悠里のゆうゆうワイド(TBSラジオ)
- Sunday News Presenter CUBE(TBSラジオ)
- 中西一清スタミナラジオ(RKBラジオ)
- ロンドンブーツ1号2号 田村淳のNewsCLUB(文化放送)ゲスト出演。
CM
- 日本損害保険協会
- 毎日新聞
- アメリカンファミリー生命保険会社
- 英会話学校Gaba
著書
- 『僕らの音楽 対談集1〜4』 ソニー・マガジンズ
- 『桶川女子大生ストーカー事件』烏越俊太郎&取材班 メディアファクトリー 2000年10月 ISBN 4840101590
- 『ニュースの職人』PHP新書 2001年10月 ISBN 9784569618470
- 『報道は欠陥商品と疑え (That's Japan)』 ウェイツ 2002年10月 ISBN 4901391224
- 『あめりか記者修業 増補改訂版』 中公文庫 2003年4月 ISBN 4122041936
- 『歳には、勝てる』 マガジンハウス 2005年12月 ISBN 4838716397
- 『人間力の磨き方』 講談社新書 2006年6月 ISBN 4062723840
- 『鳥越俊太郎のエンディングノート 葬送曲はショパンでよろしく』 泰文堂 2011年3月 ISBN 4803002479
- 『がん患者』 講談社 2011年6月 ISBN 4062169487
脚注
外部リンク
- http://www.shuntorigoe.com
- 鳥越俊太郎(@shuntorigoe)- Twitter
- がん患者団体支援機構公式サイト
- CSRプロジェクト(会長を務める一般社団法人)
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