バックベアード
バックベアードは妖怪の一種。水木しげるによる創作で、アメリカの妖怪とされ、黒い太陽に目が付いた姿をしている。その巨大な一つ目は魔眼であり見合わせた者を言いなりにしたり、眩暈を起こさせたりする。夕方に現われて人の目をくらまして交通事故を起こさせたりもする。その正体は光化学スモッグであるという。
出自
実際の所アメリカにはこのバックベアードやその元となった様な伝承は見られない。この妖怪は実は水木しげるによる創作である。バックベアードの名前はイギリスに伝わる子供の躾のために考え出された妖精バグベアからの着想であると考えられている。
この妖怪の初出は1966年に『ガロ』にて発表の『妖怪マチコミ』。この作品で後に白いバックベアードと呼ばれる形で登場させた。その後漫画『ゲゲゲの鬼太郎』にも「バックベアード」ないし「ベアード」という名で登場し、アメリカ合衆国妖怪大統領という肩書きで西洋妖怪の親玉として鬼太郎たちと敵対し有名になった。この作品は幾度に渡りアニメ化され、同じく東映作品である特撮『変身忍者 嵐』と『超神ビビューン』にも登場している。その後も妖怪や悪魔として、創作されたものである事も知られずに漫画やゲームなど日本国内の様々な創作メディアで大よそ類似したデザインで登場し続けている。
盗作疑惑
バックベアードのその黒く丸い体に一つ目があり、そこから放射状に多数の黒い枝が延びたデザインは剽窃であるという主張が写真家の内藤正敏によってなされた。彼は1989年発行の雑誌『日本学』の「表紙のことば」において自身が『アサヒカメラ』1964年4月号にて発表した「新宿幻景・キメラ」というコラージュ作品が水木しげるによって盗作されたと述べた。
黒い毛むくじゃらの一つ目のデザイン自体は19世紀末フランスの画家オディロン・ルドンの作品に見られる。
ネットにおけるバックベアード
インターネット上の電子掲示板サイトふたば☆ちゃんねるの「二次裏」において『ゲゲゲの鬼太郎』のバックベアードの1コマに「このロリコンどもめ!!」という台詞をつけたコラージュが投稿された。妖怪バックベアードがロリータコンプレックス達を一喝するという設定は定着し、少女のポルノイラストのスレッドが立つたびにそのコラージュや派生作品を貼る習慣が生まれた。貼られていくうちに設定が増え、「ショタは全く禁止しない」等の性格付けがなされている。更にこのバックベアードは萌え擬人化されて、バックベアードの娘「ベア子」が誕生している。*http://blog8.fc2.com/t/torotei/file/backbeard.htm