ファイブスター物語
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『ファイブスター物語』(ファイブ・スター・ストーリーズ、英字表記 The Five Star Stories。FSSと略される)は、永野護原作・作画の漫画作品。ジャンルはSFに分類されるが、永野自身は「おとぎ話」であると公言している。角川書店発行のアニメ雑誌『月刊ニュータイプ』1986年4月号から、休載を何度か挟んで連載されている。また、1989年には第1話を基にした劇場用アニメーション映画が作られている。
目次
作品概要
4つの恒星で構成されている「ジョーカー太陽星団」が物語の舞台となっている。科学文明がその頂点を極め緩やかに衰退を始めている世界で、光の神・天照(アマテラス)とその妻である人工生命体ファティマ・ラキシス、そしてファティマと共に最強の戦闘兵器モーターヘッド (MH)を駆る戦闘人間ヘッドライナー(騎士)たちの、数千年に及ぶ光と影の歴史が描かれていく。
本作の特異的な点は、作品の年表が連載開始時以前より公開されていることである。何世代にも渡る人々の歴史が記されたその年表の存在により、読者はどのような出来事が起こるかを予め理解して物語を俯瞰することとなる。本編の展開は第1話から時間の流れに従って進められているが、所々に読者に印象付けるまたは重要な伏線として過去や未来の場面が挿入される。例えば物語は第1部のエンディング部分から始まり、再び第1話の冒頭に戻りエンディングに向かって物語りは進んでいく。
しかし年表(作中では「星団史」「星団歴」と呼ばれる)が明らかになっていても、登場人物がどのように生きたかまでは年表には記述されていない。歴史の表舞台や裏舞台が描かれることにより、歴史の詳細が明らかになっていく(ただし、それまでの年表をはじめとした設定の細部が修正されることは時々行われている)。それらをつまびらかにしながら歴史という物語を動かし、世界の姿を再構築して提示する手法を本作品はとっている。この手法は年表と本編との存在は、『スター・ウォーズ』の先行公開された原作とそれを元に製作される映画と同様の関係であると作者自身が語っている。また、超科学技術と歴史的様式美とが共存する世界観、「フォース」と呼ばれる超能力、ジェダイのような存在の「騎士」、ライトセイバーに似た光剣「スパッド」など、作品の設定の多くにも『スターウォーズ』の影響が見られる。
また、神道や神話的な意味合いでの「神」や「悪魔」が作品に登場している。
作品登場の背景
本作品の著者である永野護は、テレビアニメ『重戦機エルガイム』で主にキャラクターデザイン・メカニックデザインを担当していた。デザインを練る上で永野は、原作者ではないものの作品上には出ない背景となる設定などの創作も行っていた。これらが後に角川書店から出版された重戦機エルガイムのムックにて、登場人物やメカニックの設定として公開したことからこの作品の企画が始まる。ちなみにエルガイムの舞台は、5つの惑星からなる太陽系サンズである。その背景設定「The Five Star Stories」は、歴史年表と数々の設定・多数のイメージボードなどで構成されており、『エルガイム』のファンを大いに喜ばせるとともに、ストーリーテラーとしての永野への期待を高めた。
『エルガイム』の放送は1985年春に終了した。永野と角川書店は「The Five Star Stories」の漫画化を構想したが、永野は漫画家としての技能には精通していなかったことから習作を行うことを決めた。角川書店が創刊したアニメ雑誌『月刊ニュータイプ』の創刊号である1985年3月号から連載された『フール・フォー・ザ・シティ』(「FOOL for THE CITY」、略称「FFC」)である。FFCは永野の趣味のロックを題材とし、自分の中で暖めていた(そして『エルガイム』ファンにも馴染みの)キャラクター群を用い、独特の作画・題材・切り口により人気を博した。FFCの終了とともに次回作として1986年4月号より『ファイブスター物語』の連載が開始された。なお、FFCは『ファイブスター物語』と世界を同じくし、FFCの登場人物がファイブスター物語の年表にも登場し、本編にも登場するかもしれないという期待を読者に与えている。
もともと永野は、音楽のみならずファッション・兵器・自動車・バイクなどの造形やデザイン面など様々な分野に造詣が深く、『エルガイム』放送当時からそのメカニックデザインはファンの注目を集めていた。そして連載第1話において、本作品の魅力の一つである全高十数メートルの巨大なロボット「モーターヘッド (MH)」が対峙する姿をあおりにより見開きページに収めた。これは『ゴジラ』に連なる怪獣映画をオマージュして描かれており、その迫力は読者の目を釘付けにした。また『フール・フォー・ザ・シティ』に引き続き、作者の嗜好によりMHや登場人物の名前はバンド名や音楽機材に由来するものが多い(たとえばMH「サイレン」の名はロキシー・ミュージックの5枚目のアルバムに由来する)。
以来本作品は一部のファンの絶大な支持を集めている。しかし難解な部分もあり、連載途中からの読者をファンとして獲得するのは容易ではないとする意見もある。様々な理由で休載されつつも連載され、現在は作者がアニメーション『GOTHICMADE ゴティックメード-花の詩女-』(略称GTM)を製作するとして2004年12月号をもって休載している。再開時期は未定だが、永野は設定資料集『F.S.S.DESIGNS』第1巻のあとがきで、単行本第20巻に相当する部分までのストーリーとデザインは構想済みで、第4巻の発刊と同時に連載の再開を予告している。単行本は2006年現在で第12巻まで発行されている。
なおGTMの公開されている断片的設定はFSSの設定に似ており、GTMは形式を変えたFSSの一部ではないかとする意見もある。
ストーリー
クラウン大銀河に存在する4つの恒星系(イースター、ウェスタ、サザンド、ノウズ)と長大軌道を持つスタント遊星により構成されるジョーカー太陽星団が、この物語『ファイブスター物語』の主な舞台である。星団には極めて発達しつつも緩やかに衰退を始めている文明が存在している。4つの太陽系の幾つかの惑星に居住している人類は、無数の国家を形成し、国家は互いに勢力拡大を争そっていた。
その国家間紛争の切り札が、「モーターヘッド」(作中ではMHと略して表記することが多い)と呼ばれる人型の巨大ロボットであり、過去の超文明の血を受け継ぐことにより超人的な戦闘能力を持ち、MHを操ることができるヘッドライナーたち(人々には「騎士」と呼ばれる)であり、その両者の仲立ちをする人工生命体が「ファティマ」である。
そのジョーカーにおいて、人類を遥かに凌駕する2つの存在が出会い結ばれる。一人は、惑星デルタ・ベルンの統治者であり、星団随一の美貌と頭脳、そして数々の神技を持つ「光の神」アマテラスのミカド(天照帝)。もう一人は、狂気の天才科学者Dr.バランシェが創造した、アマテラスと同等の力を持つ「超生命体(ダブルイプシロン・ヒューマン)」ラキシスである。やがて彼らは星団全てを戦火に巻き込む大侵攻を開始する。人類の生存と誇りを掛けた神との戦いが展開される。
この物語は、数千年の歴史の中でジョーカー太陽星団において繰り広げられる、騎士・ファティマ・MHを中心とした文明と人々の営みの因果と帰結を描く壮大な叙事詩である。
作品用語
騎士
極めて高い反射速度と筋力と外的要因に対する耐久力を持ち、モーターヘッドを操縦して戦場にて戦うことを生業としている人々を指す。その能力は遺伝により受け継がれ、素質の無い者が騎士となることは無い。ヘッドライナーという別名も存在しているがシリーズが進むにつれ死語化し、主に「騎士」としか呼ばれなくなっている。
ダイバー
ダイバーとは先天的に備わるいわば超能力、ダイバー・フォースを持つ人々を言う。初出時にはサイキという名称だったが、ダイバーに変更された。基本的にダイバーは騎士よりも反応速度が遅く、騎士と正面から戦った場合はまず勝ち目は無い。しかし例外として超帝国の血を引く純血のダイバーは騎士を上回る能力を持つ。ダイバーは、太古のAD世紀と呼ばれる時代に、超帝国の支配者が民衆を支配するために作り出した能力である。
騎士もダイバーと同じ超帝國を源流としているが、騎士はより民衆を支配をする為にダイバー・フォースによって作り出された技術の一つである。本来のダイバーは騎士を制御する必要があり、騎士はダイバーの能力を超えない。それ故に
ダイバー能力を持った超帝國の支配者は引き続き君臨することとなったが、ダイバーの能力は子孫へと遺伝によって継承されるものであることから、血統の断絶と拡散により相対的に支配力は低下した。支配を強固にする為に生み出されたダイバー能力が皮肉にも超帝國滅亡を招いたとも言われている。その血は現在では騎士と同様に広く民間に広まっており、騎士と同様に一般人の中からもその能力は発現する。
現在でも超帝國から純粋な血統を保つ王族などにダイバーの能力を持つ者が多いが、ダイバーの発生は騎士と比べても非常に少なく、一時代に1,000人程度と言われている。ダイバーの多くは天照家が主宰するダイバーズ・パラ・ギルドに所属し、管理と監視が行われているが、それに反発してギルドに所属していない者も少なくない。
騎士とダイバーの両方の能力を併せ持つ可能性はあるが極めて稀な存在である。その者をバイアと呼ぶ。
ダイバー・フォースには「ダイバーパワー」・「パラ・サイマル」・「ハイブレン」・「ルシェミ」の4種がある。しかし、後者の2種は既に失われているとされている。一般的には1人のダイバーに1つの能力が原則だが、非常に稀だが複数の能力を持つ者もいる。ただし4種の能力を持つ者は現在では超帝國からの純粋な血統を持つマグダルとボスヤスフォートのみである。アマテラスは数々のダイバー・フォースを使用するが、それは神の力で似た現象を起こしているだけであり、実際にはダイバーではない。
- ダイバー・パワー
- 物理的に作用する能力。
- 戦闘に参加するダイバーの多くはこれである。ダイバー・フォースで代表的な能力である為、他の3種の能力の持ち主であってもダイバーと称することが多い。
- パラ・サイマル
- 予知や探査など精神的現象を扱う能力。
- 物理的に何かに影響を与える能力ではないため、直接には戦闘に参加はしない。
- ハイブレン
- 生物を制御する能力。
- 超帝國の支配者が持っていた代表的な能力で、ハイブレンで騎士を支配・利用することで民衆をより強固に支配していた。
- ルシェミ
- 物質を変性させる能力。
- 騎士や兵器など技術開発に貢献したが、現在では消失している。しかしファティマやモータヘッドの製作者であるマイトは素質的にこの能力を持っているという。
モーターヘッド
作品の舞台であるジョーカー太陽星団で開発された最強の戦闘兵器である。通常人型をしており、騎士が騎乗して操縦する。超帝國時代のマシン・メサイアを源流としているが、科学文明の衰退や騎士能力の低下により、その戦闘力はマシン・メサイアにはるか及ばない。しかし騎士のMHの操縦を支援するファティマの発明により、MHは新しい時代に入ることとなった。
ファティマ
モーターヘッドの操縦において、騎士との仲立ちをする、高い演算能力などを持った人造人間のこと。MHは超人的な騎士の操作にそのまま追従するため、騎士と同様に強靭な肉体となっている。しかし高い能力と美貌を羨んだ一般民衆のファティマ排斥運動により、様々な規制と皆無に等しい極めて限定的な人権が与えられている。作者や主な読者が男性、パートナーとなる騎士も多くが男性であることからという演出上、ファティマには女性が多いが、生物的優性から決定されたという設定がある。
その他
- AD世紀
- 星団歴の時代より以前を、AD世紀と呼ぶ。「エンシェント・ディメンジョン・センチュリー」の略で星団歴から以前の10,003年間の時期を指す。以前はアモン・デュールやアッセルムラトワ・ディスターブの略という設定だった。AD4000年頃成立したファロスディー・カナーン超帝國の初代皇帝アッセルムラトワ・ディスターブと、第9代皇帝AD9(ナ・イ・ン)の治めていた時期が文明の最盛期だと言われている。現在では既に失われている技術や現在でも利用されている技術の多くはその頃に発明された。しかしナ・イ・ンが突如起こしたスタント遊星遠征を境に、星団の人類文明は次第に衰退していった。
- ナ・イ・ンは光子結晶に魂を移したことで永遠の命を持ったことと、スタント遊星の回帰周期は約1,500年ということから、AD8383年などその後も度々星団に帰還していると考えられる。
- イレーザー・エンジン
- MHのエネルギー源。のみならず宇宙艦船から民生用のディグ(浮上式バイク)にまで装備されている普及したエネルギー源である。AD世紀に開発された技術で、強大なバスター・エネルギーを制御して緩やかに外部に取り出す外燃機関である。光を動力源とし、永久にエネルギーを取り出すことが可能である。しかしその原理は不明(作者は他SFの同様な原理を説明してくれたら説明するとしているが、少なくともエネルギー保存則や熱力学の法則を超越していることは間違い無い)。
- MHに搭載されているものは数m程度のサイズでありながら1兆馬力を超えるものまである。しかし、エネルギー出力は永久に行われる(例外的に超常的な力により出力が低下しまうことはある)が、瞬間的な出力量には限度があり、MHが連続的に最大出力で動作し続けることは出来ない(天候にも稼働率は左右され、晴天になるほど高くなるようだ)。
また内部は凄まじい高温・高圧力となっているためにそれを外部に漏らさない様に強固なシールドが施されており、その為、逆にイレーザーエンジン自身を太陽の中に放り込んでも壊れることは無いとされている
- 現在イレイザー・エンジンの最高権威はアマテラスで、2分割して両足に搭載する「デュアルツイスター・システム」は彼のアイデアである。しかし出力だけでみるとAD世紀のマシン・メサイア焔星のものが史上最大で、そのエンジンはマシン・メサイアAUGEやMHエンプレスなどに現在でも搭載されている。
- 懐園剣(かいえんけん)
- アマテラスとラキシスの娘カレンが作り出したとされ、一振りの光剣と大太刀(実剣)とが対となっている。時や空間など次元を超え数々の強力な騎士に受け継がれたといわれる。「ミスト・ブレーカー」と呼ばれることもあり、単に懐園剣と表記した場合は、大太刀の方を指す事が多い。
- 光剣はジョーカー宇宙でのみ力を発揮し、大太刀はタイカ宇宙でのみ力を発揮するという(ジョーカーでは鞘から抜くこともできない)。しかし、双方が融合し巨大な光剣となっている姿が本来の姿であると思われる。後にマキシが双方を所有するという。
- 本編で確認できる所有者としては、光剣はダグラス・カイエンが所有していたが、3030年のハスハでの戦死の直前ミース・シルバー・バランシェに託され、彼女からファティマ・アウクソーに渡された。大太刀は3030年頃の所有者はアルル・フォルテシモ・メロディ。彼女の祖先にあたるハリコン・ネーデルノイド、ファーンドームの星王となった剣聖マキシが所持しているシーンと、マドラ・モイライがそれを持って戦っているイラストが存在する。
- 旗騎
- 国家を象徴するモーターヘッドの事。軍の中核を為す主力モーターへッドが多数量産配備されているのに対し、殆どの場合一騎のみの存在。ただしフィルモアやクバルカン法国のように量産されたMHである場合、カイエン仕官以降のアトールのようにシュペルターとジ・エンプレスが並存する場合、トラン連邦のように存在していない(事実上はトラン連邦の大統領所有のMHビブロスがそれに該当する)国家もある。それぞれその名に見劣りしない高い性能を持つ。
- スパッド(光剣)・スパイド(実剣)
- 騎士が主に使用する武器。超絶な反射神経と運動能力を持つ彼らに対しては銃などよりもはるかに有用な武器であり、騎士の身分の証明にもなっている。また彼らの駆るモーターヘッドの主武装でもあり、MHを破壊できるのは基本的にMHの剣のみである。
- スパッド(光剣)はレーザー剣であり、柄状の本体の先に光刃が形成される。軽量で携帯が容易で、レーザー銃としても使える利点がある反面、耐レーザーコーティングを施した装甲などには効果が薄い。スタンモードに切り替える事で峰打ちも可能。
- スパイド(実剣)は星団最硬の物質であるメトロ・テカ・クロム鋼を精錬した「玉鋼」を刀鍛冶が昔ながらの手法で鍛え上げる刀剣であり、重くて携帯には不便だがその威力はスパッドの比では無い。
- 初期は『スターウォーズ』や『エルガイム』の世界観に影響され専ら光剣が利用され、実剣は式典用とされていた。しかし連載が進むと共に実剣であるスパイドの出番が増えている。なお、プロローグのレッド・ミラージュ対バッシュ戦では、長時間の戦闘で互いの実剣は損傷してしまった為に光剣に切り替えたと、後から説明が加えられた。
- 星団暦
- 星団共通の暦。本作品の主な時代背景でもある。人類生存4惑星の諸国間で条約(「歴史年表」では「協定法案」と呼ばれる)が締結されたAD世紀10,003年をもって星団暦元年としている。
- 星団法
- 星団の全ての国にまたがる憲法的法律。様々な条項で構成されていると考えられるが、物語には騎士やバスター砲などの規制といった戦時国際法の側面しか現れていない。度々改正などの会議が行われているらしく、2000年代前半にはパトラクシェ島において星団法の会議が行われた。星団暦2310年に発明されたファティマも戦争兵器と見做され、星団法での規制対象となっている。
- 星団法は星団暦2000年代初頭、フィルモアやクバルカンといった当時の列強国にグリース、コーラスなどの新興国、さらに聖宮ラーンが加わって制定したとされている。惑星デルタベルンのグリース王国パトラクシェ島(のちのフロートテンプル)には星団法制定を記念したモニュメントが存在する。
- ドーリー
- MHを運搬する車両。MHの騎体のほか、簡単な修理設備と部品・オプション兵器などを搭載する。搭載MHは1騎で騎士が車長を務め、騎士とファティマや部下や客人などが住まう居住施設も備える長期滞在が可能なものが多い。モータースポーツで各地のサーキットを転戦するトランスポーターを考えると良い。地上走行型をモータードーリー、浮上飛行型をエアドーリーと呼ぶ。
- 『重戦機エルガイム』の企画段階で『リビングクローラー』という類似する車両がデザインされており、これを転用したものと思われる。こちらにはバリエーションとして宇宙用があり、ラフ・スケッチにはドーリーそっくりの車両が直立したまま宇宙空間を移動しつつ、戦闘機のようなものを発進させているという姿が描かれていた。
- ドラゴンドロップ
- ボォス星に生息する5体のドラゴンの分泌物。宝石として星団最高の価値を誇り、所有者はドラゴンにより願いを叶えられると言われている。色はドラゴンにより異なり、これまでサンダードラゴンがファティマ・静に与えた青色の物と、すえぞう(L.E.D.ドラゴンの幼生)がラキシスに贈った赤色の物とが登場している。
- バスター砲
- AD世紀に超帝國が開発したバスター・エネルギーを利用した強大な威力を誇る兵器。国家の主な艦船には装備されており、MHにもオプションとして用意している騎士団も少なくない。ただし、その想像を絶する威力により星団法で全面使用禁止となっている。また、対MH戦において騎士はその弾道を見極めて回避してしまうため、主兵装にはならない。しかし実際には度々使用されており、使用者はいずれも「歴史に名が残る」らしい。
- 構造により3種類ある。しかし種類によっての威力の違いはない。
- バスター・ロック
- 砲身とイレーザー・エンジンが一体となっている形式。巨大になるために艦船などに装備されることが多い。ユーバー・バラダ大公やシーブル国軍が使用したが、前者は発射前にK.O.G.のバスター・ランチャーで逆に撃ち落とされ、後者はシュペルターのバスター・ランチャーにて砲弾を対消滅されている。
- バスター・ファウスト
- 砲身とイレーザー・エンジンが個別に存在する形式。MHが装備するサイズも可能だが、対MHには命中しないので意味がない。
- バスター・ランチャー
- 砲身のみでイレイザー・エンジンは他で用意する形式。エンジンにより威力が変わり、エンジン側の出力制御により威力が変えられるという特徴がある。サイズは最小のA型から最大のE型までが存在する。本来使用できない兵器であるが、MHが装備するのはこの形式がほとんど。固定装備としているMHはミラージュ騎士団のみである。砲身を二つ折りにして携行しやすくしているK.O.G.や、E型のうえエネルギーをカートリッジ化して連射を可能としているヤクト・ミラージュまで様々。
- フェザー(fesor)
- 全星で流通、使用される通貨。価値は1フェザー≒500円と設定されている。通貨や紙幣には高度な偽造防止対策が施されているが、一般にはクレジットカードが普及しており実際の通貨が用いられることは一部地域を除いてほとんどない。また贈答などに用いられる「フェザーゴールド」と呼ばれる高額金貨が登場している。
主要な惑星と主要勢力等
星団歴3000年前後~3100年代、物語冒頭からの主なストーリーに登場する中心的な勢力を挙げる。 物語の主な舞台となるジョーカー太陽星団に存在する。ジョーカー太陽星団には、イースター、ウェスタ、サザンド、ノウスの4つの太陽系があり、その他に移動性太陽系スタント遊星がある。56億7000万年後の変わり果てたジョーカー太陽星団にはフォーチュンという星が存在するらしい。 星団外へ訪問することもあることから、ジョーカー以外の星団あるいはジョーカーの引力圏外も今後物語の舞台として登場する可能性がある。
イースター太陽系
ジョーカー星団の第1太陽系。「東太陽系」とも言う。惑星には太陽に近い軌道順にピョトー、アドラー、デルタ・ベルン、バルーン、シュルース、ラワス、コートがあり、さらに外側に恒衛星シミターがある。人間の居住可能な惑星はアドラーとデルタ・ベルン。
- 惑星デルタ・ベルン
- イースター太陽系第2惑星。隣の惑星アドラーと二重惑星。平均気温は北海道~シベリア並みで赤道直下においても沖縄程度と居住には快適で、人類の歴史は古く、「ジョーカー人類発祥の星」の座を廻ってカラミティ・ゴーダースと争っている。
- 王政を敷く国家が多い。しかし星団暦2899年、グリース王国により惑星全土が統一され、政治的にも経済的にもきわめて安定したA.K.D.という連邦国家となっている。
- 4100年、L.E.D.ドラゴンのクェーサーフレームにより消滅する。
- A.K.D. (“Amaterasu Kingdom Demenses”; アマテラス・キングダム・ディメンス)
- アマテラスのミカド(天照帝)が治める、惑星デルタ・ベルン全土を占める連邦国家。その中心は、アマテラスの出身国であるエイダス大陸のグリース王国で、首都も同国のグリステリアである。A.K.D.を構成する主要邦としては、グリース王国が属するエイダス大陸東部の天照王朝(「東方10ヶ国」ともいう)、フェイツ公国が加入する同大陸西部のエラン連邦、同大陸南部のシルーク合衆国、ナルキア北大陸のルコイン連邦とジルマ連邦、ソドン大陸南部のガス-ガル連邦がある。
- 公式の筆頭騎士団はゴーズ騎士団(命星親王騎士団)だが、アマテラス直属の私設騎士団「ミラージュ騎士団」(東方第一等幻像軍団)が事実上の筆頭騎士団と見なされている。ミラージュ騎士団はアマテラス自身が設計に携わった新型機「レッド・ミラージュ」を初めとする「ミラージュシリーズ」と呼ばれる数十体のMHを保有する。ゴーズ騎士団の主力MHはブラッド・テンプル。筆頭騎士は不明。旗艦はベル・クレール、後にザ・ウィル。
- A.K.D.は、以前はAmaterasu KingDomsの略だった。
- 惑星アドラー
- イースター太陽系の第3惑星。軌道は第2惑星デルタ・ベルンの軌道のすぐ内側であり、二重惑星と言われている。乾燥気候が広がり人間が居住するにはあまり快適でなく、星団では最期に開拓された惑星で、砂漠が多い。そのため人類が移住してからの歴史が浅く、共和制の国家が多い。
- 星団暦3159年にA.K.D.が侵攻し、3162年に属領としてA.K.D.の星団統一戦争の前線基地となる。
- トラン連邦
- アダマス大陸のレント自治連合、シュリーズ共和国、ラ・バカン共和国を中心とした小国や自治区から成る民主制連邦国家。首都はトラン共和国のノーフォート。
- 純血の騎士の家系であるルース家(旧レント王家)の力が強く、同家は少なくとも初代のウゴード・ルース、現職のミッション・ルースの2人を大統領の座に送っている。星団7位の軍備を持つものの筆頭騎士団や筆頭騎士、旗騎は特に置いておらず、連邦公安騎士団(SPI)が筆頭騎士団相当、ルースの私有騎であるクルマルス・ビブロスが旗騎と見做されることが多い。主力MHはヌーベル・イザッド。
- 芸術や工芸が盛ん。ファティマに騎士との相性があることが確認され、星団初の『お披露目』が行われたことでも有名。そのため『お披露目』が開催されることが多い。その関係でファティマ・マイトも多く在住し、4大ファティマ・マイトのクローム・バランシェやモラード・カーバイトが居を構えていたこともある。バランシェのファティマ・ラキシスのお披露目で単行本第1巻の舞台となる。
- バキンラカン帝国
- 大ロマン大陸北部に位置。フィルモアなどの大国から独立した経緯があり、現在でも国内にフィルモア領(エラルド島)が存在し、フィルモア王家の1つダイ・グ・フィルモア家が領主となっている。首都はラッカ。
- 君主である聖帝は、騎士の力量を瞬時に見抜くという特殊な能力を代々受け継いでいる。これにより、騎士に剣聖以下天位の称号を与える権限を与えられた。しかし、天位授与では大国へ配慮が行われていたりと国家の国際的立場は盤石なものではない事がうかがわせる。なお、騎士でもあるフィルモア皇帝やその代理騎士に対して、特別に「ハイランダー」の称号を授与している。
- 星団暦3030年現在の聖帝は前帝ミマス・サオリレナの娘カンパー・ラ=シーラ。筆頭騎士はママドア・ユーゾッタ。旗騎のクルマルス・バイ・オ・ラはトラン・ルース家のクルマルス・ビブロス、フィルモアのアビエン・ヒートサイが有するクルマルス・バイロンと兄弟騎で、超帝國の騎士ナッカンドラ・スバースにゆかり深いMHである。主力MHはフェードラで、筆頭騎士団「ラッカン・フェードラ騎士団」の名はここから採られている。永世筆頭騎士はディモス・ハイアラキ。
- ディ・ヨーグン統一連邦
- ヨーグン大陸の諸国家(ポー・ヨーグン、マブーブ連合、ライ・ヨーグン青民帝国)が連邦を組み、魔導大戦が終結した3075年に誕生した。初代大統領はダジャー・ビームス。
- 初出は「F.S.S.DESIGNS2」で、本編には登場していないが、単行本第12巻においてシステム・カリギュラの契約国の一つとして名前が出たマルフェス国は、「F.S.S. DESIGNS 2」収録のアドラー星地図には「グレート・マルフェス」の名でポー・ヨーグンの一国として明示されている。
- ダスニカ神聖連合
- 大ロマン大陸中部に位置。トラン、バキンラカンと並ぶアドラーの主要国。魔導大戦終結後、北隣のバキンラカンとの関係が悪化する模様。現在の皇帝はアグラハ。首都はダスニカ。
- ディ・ヨーグン同様「F.S.S. DESIGNS 2」で初出。
ウエスタ太陽系
ジョーカー星団の第2太陽系。「西太陽系」とも言う。惑星には太陽に近い軌道順にトゥルス、ボォス、アンスリノ、カーマントー、ステンがある。カーマントーの公転軌道の外側に宇宙都市イズモ・アストロシティが存在する。人間が居住可能な惑星はボォスとカーマントー。ただしカーマントーは人類生存星のカテゴリーに入れない場合が多い。
- 惑星ボォス
- ウェスタ太陽系第2惑星。AD世紀に植民された。惑星全体が比較的乾燥しており、ステップ地帯が広がっている。主な国家はハスハ(アトール)、メヨーヨ、コーネラ、そしてバッハトマ。一部地方には少数民族ミミバ族が住む。
- ナン大陸のカステポー地方は、超帝國時代の人類との契約によりドラゴンの聖域として、いかなる国家の統治も許されない不可侵の土地となっており、ある種の無法地帯となっている。また、当時の人類の環境破壊に対するドラゴンの凄まじい報復の痕跡が、惑星の随所に奇妙な地形として残っている。
- 星団暦3030年に勃発する魔導大戦とそれに関連する主な舞台となる。3199年、A.K.D.の侵略を受け、3204年にA.K.D.に編入されるが、その時点でも魔導大戦による混乱が続いていたため、民衆は生活の安定を求めて支配は歓迎された。ただし天照はドラゴンの警告に従いカステポー地方には全く手を出さず、アトール聖導王朝も従来通りに存続された。
- ハスハ連合共和国(アトール聖導王朝)
- アトール聖導王朝は実権も領土も持たず、象徴としてのみ存在する国家であるが、その実質であるハスハの国民からは絶大な支持を得ている。アトールの皇帝は予言などによりハスハの政治に影響を与えるが、権限ではない。唯一の権限として、皇帝直属騎士「ネードル・シバレース」の任命とアトール皇帝騎「ジ・エンプレス」を運用する権利が与えられている。
- アトール王朝はAD世紀からの超帝國の血統を受け継いでいるが、アトールの皇帝は血縁による世襲制ではなく、全ての民衆の中から前皇帝からの託宣により選ばれ任命される。前皇帝ムグミカがハスハ連合共和国の連合議会の代表議長ラオ・コレット・クルール16世の孫であったのは偶然である。
- ハスハ連合共和国はミノグシア大陸の赤道上に位置し、超帝國の末裔である12ヶ国を束ねた国家連合である。しかし実際にハスハ12ヶ国を纏めているのはアトール皇帝であり、個々の構成国同士に強い繋がりはない。首都はハスハント共和国のベイジ(ハスハントと呼ばれる場合もある)。
- 筆頭騎士団は14の騎士団から構成される「AP騎士団」。旗騎は流動的で、星団暦2997年から魔導大戦勃発まではダグラス・カイエンの私有騎であるシュペルターを旗騎としていた。筆頭騎士であるAP騎士団総団長は2997年まではマイケル・ジョーイ・ギラ、2998年から3030年まではカイエン。ネードル・シバレースは2997年のごく短期間にヤーボ・ビートが就き、ヤーボの死後2998年にカイエンが兼任した。3030年のカイエンの戦死後はAP騎士団総団長、ネードル・シバレースともに空位となっている。主力MHはクルマルスを製作した名工ゼビア・コーターの手になるA-トール。
- 星団歴3030年、魔導大戦がこの地で勃発する理由は、純血の魔道士でないものがのさばっていることをバッハトマの皇帝で超帝國純血の魔道士ボスヤスフォートが面白く思っていないからのようだ。
- バッハトマ魔法帝国
- 元々はシーブルというハツーダン大陸北部の小国であった。シーブルを独裁していたディ・バローに憑依していた超帝國の純血の魔道士ボスヤスフォートが、本来の能力を取り戻したことで興った。ボスヤスフォートを元首とし、ダイバー・パラ・ギルドに反発するダイバーを纏めるビューティ・ペールを魔道士団長、黒騎士デコース・ワイズメルを筆頭騎士とする。首都はバッハトマ。
- 3030年にハスハに宣戦布告を行いハスハの首都ベイジに襲撃して市街を壊滅させ、アトール皇帝ムグミカとアトール皇帝騎士兼AP騎士団総団長ダグラス・カイエンらを殺害、ハスハ代表議長ラオ・コレット・クルールを自決に追い込んだ。しかしハスハ12ヶ国が領土奪還で一体化されるのを避け、かつ更なる混乱を目的に、ハスハを領土として占領はしなかった。
- 筆頭騎士団はバッハトマ黒騎士団。国家騎士団はバッハトマ重剛騎士団で、この他に六宝騎士団(ただしこれは複数の騎士団の総称らしい)が存在する。旗騎はデコースの私有騎でもあるバッシュ・ザ・ブラックナイト。主力MHはアウェケン。
- メヨーヨ四奉開経連合朝
- ハツーダン大陸とナン大陸に挟まったグンガ島にある国家連合。規模はそれほど大きくないが、各地の豪族が大国との対抗で一体化している。しかし政治的には安定しておらず、各構成国が群雄割拠している状態である。その為に軍国主義による集団国家であり、全体での軍備は強大なものとなっている。第3王子であったクラーケンベールが前王を暗殺し王位を簒奪している。クラーケンベール自身が強力な騎士であり、武勇伝に事欠かない。
- メヨーヨが物語に登場するのはカステポーでのアシュラ・テンプルの実戦テスト。そして魔導大戦で王となったクラーケンベール自ら先頭に立ってのハスハへの進軍であるが、後のA.K.D.によるボォス侵攻においては最大の難敵となり、天照がL.E.D.ミラージュの投入を決定したのは、対メヨーヨ戦を考慮したためだとされる。
- 筆頭騎士団は108人の騎士から成るメヨーヨ108金剛遊撃騎士団(通称「ランナバウト騎士団」)。旗騎は筆頭騎士でもあるクラーケンベールの姫沁金剛(フランベルジュ・テンプル)。主力MHはアシュラ・テンプル。
- 惑星カーマントー
- ウェスタ太陽系第4惑星。メトロ・テカ・クロムを始めとする希少なレアメタルが豊富に産出される惑星で、各国の鉱山が存在する。しかし、惑星全体が濃密な有毒ガスに覆われている為、人々はドーム都市の中での生活を強いられている。
- シージラック王国
- 「王国」の名を冠しているが、実際はドーム都市の一つを領土としているに過ぎない。もともとはジュノーの一国家であったが、戦争で領土が壊滅した為、将来の再起を賭けてカーマントーに亡命政権として移転してきた。星団会議にも一応名を連ねているが、他国よりも格下に見なされている。ミラージュ騎士団のプリンセス・オリビー・タイトネイブの出身地。A.K.D.の星団侵攻の際は、タイトネイブの件や天照の公明正大な施策により支持を表明している。
- イズモ・アストロシティ
- カーマントーに程近い宙域にある宇宙都市。現在の市長は泰千錫華。メトロ・テカ・クロム鋼を良質な「玉鋼」に加工する技術を持ち、その能力で自治権を獲得、他の植民地も含めた宇宙居住民のリーダー格としてその地位向上に努めている。近年ではDr.ダイヤモンド・ニュートラル主導で独自のMHを開発し、各国に売り込んでいる。
- 僻地にある為か傭兵が職を求めてやってくる事が多い。
サザンド太陽系
ジョーカー星団の第3太陽系。「南太陽系」とも言う。惑星には太陽に近い軌道順にアトス、オハマ、ジュノー、ソード、スーロウサ、グラシャン、ペントリ、オテットがある。人間が居住可能な惑星はジュノー。
- 惑星ジュノー
- サザンド太陽系第3惑星。惑星改造をほとんど行われず入植が行われた惑星で、惑星固有の自然が多数残されている。惑星全体が温暖で、赤道付近は亜熱帯のジャングルが広がっている。惑星そのものも比較的若く、南半球では岩盤が安定していないため、人類は居住していない。
- A.K.D.が最後に侵攻した惑星となった。星団歴18097年では星団唯一の人類生存星となっている。
- コーラス王朝
- ロンド大陸南東部に位置するジュノーの大国。3つの王家コーラス、バランカ、マイスナー家が協力して政治を行っている。国土はそれぞれの3家の領土とコーラス20世の代から分家したメロディ公領で成り立ち、星団歴3089年にハグーダ共和国を併合している。首都はコーラス領のヤース。
- 2989年、隣国ハグーダ帝国からの侵攻を撃退したが、筆頭騎士でもある国王コーラス23世(実際は10の桁は省略し単に3世と呼ばれている)と3世のパートナーであるファティマ・ウリクル、そして旗騎ジュノーン(エンゲージSR.3)を失う。他国不可侵を国是としているが、星団中で軍事技術が発達するであろう魔導大戦は無視できず、大義を設けて参戦する。
- コーラス王家の長子は必ず騎士の力を持って生まれること、純血の騎士の家系でないにもかかわらず剣聖ハリコン・ネーデルノイドを出したメロディ家の存在など、マイトでない3世が優れたMHジュノーンを開発するなど、コーラス王家には謎が多い。
- 筆頭騎士団の「トリオ騎士団」は、その名の通りは3国の騎士団の連合体である。その内首都ヤースのコーラス城を守る12名の最精鋭騎士は「トリオ・デ・トリオ」と呼ばれる。3030年現在の筆頭騎士はセイレイ・コーラス王女。旗騎はダイアモンド・ニュートラルがジュノーンを解析して作り上げたジェイド・テンプル(エンゲージSR.3レプリカ)。主力MHはベルリン。
- ハグーダ帝国
- コーラス王朝の隣国で、王は女帝アルメメイオス。
- 星団歴2989年、フィルモア、ハスハ、クバルカンという大国の支援をよりどころにコーラスに侵攻する。コーラスは小国と見て長期の消耗戦に持ち込んだが、物資支援でそれもしのぎ、ブーレイ傭兵騎士団の友軍としての参戦でコーラス23世を討ち取るなどコーラスを苦しめた。しかしA.K.D.のミラージュ騎士団、トラン連邦、さらに黒騎士ロードス・ドラグーンのコーラスへの加担によりパワーバランスは崩れ敗戦。民衆の蜂起により帝制は打倒され共和制に移行した。それによりアルメメイオスを操っていた大国は引き上げた。3089年にハグーダ領としてコーラスに編入される。主力MHは大国の技術と資金の援助により開発したマグロウ。
ノウズ太陽系
ジョーカー星団の第4太陽系。「北太陽系」とも言う。惑星には太陽に近い軌道順にハリトン、カラミティ・ゴーダース、クラサ、ピョイト、ペスタコ、ムーパン、カナリがある。人間が居住可能な惑星はカラミティ・ゴーダースとペスタコ。ただしペスタコは人類生存星のカテゴリーに入れない場合が多い。
- 惑星カラミティ・ゴーダース
- ノウズ太陽系第2惑星。人類発祥の地とされている、星団で最も古い惑星(全て同じ時期にできたはずのジョーカー星団の星において、なぜかこの星だけ他の星より歳をとっている)。そのためか古い歴史を持った君主制国家が多い。
- 寒冷地の多い気候であり、衛星軌道上に太陽光増幅装置を設置することで人工的に人類が居住できる環境を維持している。
- 超帝國時代に無茶な惑星改造を行った影響で、惑星そのものの寿命が尽きかけている。そのため、魔導大戦時の混乱を利用しボォス星への移民が計画されたが、途中で頓挫したらしく星団歴3234年にA.K.D.が侵攻してきた時はほとんどの国家が残っていた。「ジョーカー人類発祥の星」の座などをめぐってデルタ・ベルン諸国と長年に渡る抗争の歴史があり、A.K.D.への恭順も頑なに拒否したため激しい戦乱が続くこととなる。だが、スタント遊星の接近により惑星が不安定となり、3239年の2騎のヤクト・ミラージュの衛星軌道からの砲撃により消滅した。
- 大フィルモア帝国
- 大ショルティ大陸中部の過半部を占める、星団で最も歴史が古い国の一つ。王家は超帝國より続く血筋を誇り、国民はそれを誇りとしている。首都はデュアンス。アドラーのバキンラカンやボォスのカステポーにも領土を持っている。
- 星団最大の軍事力を背景に、他国に強い影響力を持ち、他国の内乱や紛争に度々介入している。
- 皇帝は代々レーダー王家かフィルモア王家から選ばれるしきたりで、魔導大戦前に「太陽王」を名乗るドル・パーマネント・レーダー8世が退位しエラニユース・ダイ・グ・フィルモア5世が即位した。
- 筆頭騎士団は多くの騎士を擁する「ノイエ・シルチス」。これとは別に筆頭騎士である皇帝代理騎士「ハイランダー」、4名の皇帝直属騎士「アルカナナイツ」などが存在する。主力MHは星団三大MHの一つサイレンで、旗騎のプロミネンスとネプチューンはそのエボリューション・モデルである。3031年現在のハイランダーは皇帝エラニユース・ダイ・グ・フィルモア5世とクリスティン・V。旗艦はダランス。
- クバルカン法国
- 大ショルティ大陸西部に位置。厳格な戒律によって治められている宗教国家で国民からの信頼が厚く、有数の軍事力を保有するものの軍事国家との印象は薄い。首都はルナモア。
- ルーン騎士団を擁し、旗騎は星団三大MHのバング(以前はS.S.I.クバルカンが正式名称だったが、現在は通称と正式名称が入れ替わっている)。主力騎はスチルコア。
- 惑星ペスタコ
- 太陽からかなり離れている上に、有毒ガスを含む大気により本来は居住には不適だったものの惑星改造により生存が可能となった。カラミティへの供給を目的とした工業星である。
- A.K.D.の星団統一で侵攻されなかった唯一の惑星。崩壊したカラミティの住人が移住し、反アマテラス活動の拠点となっていく。
スタント遊星
ジョーカー星団5番目の太陽。約1,500年周期で星団内に巡ってくる。紫外線が放射される独特の恒星で、肉眼では黒い太陽にしか見えない。 惑星には太陽に近い軌道順に「緩(カー)」、「令(ヒョウ)」、太陽惑星「無(ナイン)」、「列(フー)」、「枝(シー)」、「膨(ホウ)」、「超(バスター)」があり、ナインとフー、シーとホウの間には小惑星帯が存在する。これらの惑星や、その周りを回る衛星は超帝國の技術でもテラ・フォーミングが出来なかった。 最外縁に位置するバスターについては、衛星の数が113個という以外の一切のデータが消失しており、ジョーカー星団全てを支配する者のみがその正体を知りうるとされている。また、星団に巡ってくる度に星団に何らかの影響を与えると言われている。
フォーチュン
「緑の星」と呼ばれ、ザ・ウィル星団暦7777年に天照とラキシスが再会、結婚し、2人の娘カレンが誕生するとされている星。詳細不明。
その他の作品舞台
ジョーカー太陽星団とは別の宇宙である「タイカ」世界や、地球も作品の舞台として描かれている。ちなみに、すべての世界にF.U.ログナーが存在する。
主要登場キャラクター
物語の主人公はアマテラスのミカドであるが、劇中には多くの騎士やファティマ、人間、人間以上の存在(ドラゴン、神、悪魔など)が登場する。
その他設定
- ジョーカーの軍隊は地上軍と宇宙軍、そしてMHが所属する騎士団とに分かれている。地上兵器である戦車などに飛行能力が備わるようになったため、空軍は存在しない。ただし空中で狙撃されると避けられないことから、戦闘地域で戦車やMHがおおっぴらに空を飛ぶことは少ない。戦闘は地上で行われ、輸送等は大気圏外を通して行い制圧部隊も同様に大気圏外から降下する形になるため海軍は存在しない。
- 星団の全ての恒星と人の住んでいる惑星は、不自然だが全て同じ公転周期と公転速度を持つ。人類生存惑星の公転周期は365日である。
- 単位は国際単位系と同じものが用いられている。
- ジョーカー太陽系の人類には既に薬物耐性が出来上がっており、自白剤など現実世界にある薬物は効かない。しかし、薬物中毒症状を利用する戦闘薬や、同じく薬物中毒状態を利用する飲酒や喫煙の文化の存在とは矛盾がある。
- ジョーカーの世界には宗教と呼べるものは登場しない。これは、ファイブスター物語自体がアマテラスという神の物語、つまり神話である為で、神話に異教の神が登場しないことと同じである、と作者は説明している。
- 星団には人種差別は存在しないが、騎士やファティマなどの異なる人々への嫌がらせは存在する。
- アマテラスのMHには漢字が書かれているが、星団には漢字というものが存在せず人々には模様として認識されている。(名前に漢字が入っている人はいるが、その点の矛盾は説明されていない。)
- AD世紀の世界の会話の文字や擬音は中国語(第9巻奥付によれば北京語)である。
各話あらすじ
プロローグ
リトル・ガール・オブ・スリープ(単行本第1巻)
星団暦3960年、惑星ジュノーのコーラス王朝が滅ぼされ1週間が経ち、各地では残党狩りが行われていた。そんな中、MHブラック・グラード(バッシュ)とL.E.D.ミラージュが対峙し一騎打ちを演じていた。バッシュを駆るはコーラス王家王室軍団長グラード・シドミアンとファティマ・エスト。対するL.E.D.ミラージュは若きミラージュ騎士のカーレル・クリサリスとファティマ・ティータ。65時間に及ぶ長く激しい闘いは、捨て身の一撃によりカーレルが辛勝を得た。この戦いでジョーカー星団は名実ともにアマテラスの下に統一された。
第1話
運命の3人の女神パート1・ラキシス(単行本第1巻)
星団暦2988年、天才ファティマ・マイトであるクローム・バランシェの12年ぶりの新作ファティマが発表される「お披露目」が惑星アドラーの自由都市バストーニュにて開催されようとしていた。お披露目とは、ファティマ自身が自分の主を決定するという数少ないファティマに与えられた権利の一つを行使する機会として、主の候補の国王や騎士が一堂に会して開催されるイベントである。お披露目を5日後に控えたバストーニュ郊外に1機の乗り物が墜落した。パイロットの名はレディオス・ソープ。電気騎士・モーターヘッドのメンテナンスを手がける「マイスター」である。やむなくバストーニュまでヒッチハイクするハメになったソープは、偶然通りかかったボード・ヴュラードと名乗る騎士と出会う。
ボードのドーリー(MHキャリア)でバストーニュに到着したソープは、バストーニュ郊外のバランシェ邸を訪れる。そこでソープは、友人であるバランシェから、新作ファティマの「ラキシス」と「クローソー」が領主のユーバー・バラダに連行されたと告げられ、救出を依頼される。この2体のファティマには、法律で定められたダムドゲート・コントロールが施されていないことも告げられた。ソープはバストーニュの実力者であるユーバーに面会を求め、MHマイスターとしての腕を買われて雇われることとなった。
各国の王たちが続々と集まるバストーニュの午餐会でソープはボードと再会する。ボードはお披露目の検め役として、バストーニュに隣接するトラン連邦から派遣されていたのだった。しかしボードは、王家などに関する知識は豊富なものの目の前で起きた王たちの一触即発の事態を収拾できず、とにかく頼りなかった。そこに現われた惑星デルタ・ベルンの大国A.K.D.元首であるアマテラスの帝は、自らのカリスマにより事態を収拾してのけ、ボード自身苦笑する。
ボードは自分のMHをソープに見せ、その素性を言い当てたことに驚いていた。そのときクローソーはダムドゲート・コントロールが施されたファティマでは有り得ない脱走をした。クローソーは姉のラキシスにバランシェの友人モラード・カーバイトの下へ逃げる様に諭されていたのだ。クローソーはならず者に捕らえられたが、そこに現われた惑星ジュノーのコーラス王朝の武帝の異名をとるコーラス23世に救出される。クローソーに追いついたソープとボードに対しクローソーは、コーラス23世をマスターに指名した。そこに4名のミラージュ騎士も居合わせ、クローソーのお披露目は、略式ながら公式なものとして成立し、ユーバーはクローソーに対し手が出せなくなった。
翌日、お披露目の参加者らを前にユーバーは私有の3騎もの重MHを公開し、自らの実力を見せ付けた。その晩、ソープはラキシスに自分専用の黄金のモーターヘッドをおねだりされた事を思い出していた。しかしソープは迷っていた。一方、ユーバーの元に残ったラキシスに対しユーバーは、自分のものにならなければバランシェの身に良くないことが起こると忠告した。
間もなくお披露目が開催される。迷えるソープはラキシスを救えるのか? バランシェ公の運命は?
第2話
運命の3人の女神パート2・クローソー(単行本第2巻~第3巻)
星団暦2989年、ジュノー星の小国ハグーダが、隣接する大国コーラス王朝に侵攻を開始した。ハグーダは小国でありながら思わぬ軍事力を示し、コーラスの仕掛けた持久戦をも凌ぐ。コーラスは徐々にハグーダに圧されていった。ハグーダの背後には謎の傭兵組織「虹のブーレイ」の暗躍があった。
コーラスの王コーラス23世は、自ら製作していたMH「ジュノーン」の試運転を兼ねて出撃し、ハグーダの主力MHマグロウを次々撃破するもののブーレイと遭遇し、未完成のジュノーンは小破し、23世も重傷を負う。潜入していたミラージュ騎士F.U.ログナーによって23世は救出されるも、23世のファティマ「ウリクル」は23世を庇って戦死してしまう。
コーラス23世の祖国の危機を訴えに国内の士気は高揚し、国内外から義勇兵・志願兵が続々と駆けつけた。コーラス軍指南役黒騎士ロードス・ドラグーン、トランの騎士ボード・ヴュラード、クローム・バランシェと並ぶ名ファティマ・マイトのモラード・カーバイト、A.K.D.からはかねてから噂されていた新型MH「L.E.D.ミラージュ」を引っさげたミラージュ騎士、そして天才MHマイスター、レディオス・ソープ……。エンジンのパワー不足により自壊してブーレイに敗れたジュノーンだったが、強大な出力を誇るL.E.D.ミラージュのエンジンに換装されたことで、ソープの手で星団最強のMHとして遂に完成した。
長引く戦局を打破するため、コーラス軍は決戦に打って出た。23世は兵士の士気を高揚すべく自ら傷をおしてジュノーンで陣を構える。だが、コーラス本陣にブーレイと共にテレポートしてきたのは、MHサイレン。サイレンは三大MHの一つで北の巨人と異名をとるカラミティ・ゴーダーズ星の大国にして最強の軍事帝国フィルモアが誇るMHである。ハグーダによる侵攻は大国の策謀だったのだ。サイレンの不意打ちで再び損傷を受けたジュノーンの中で、ウリクルに代わって搭乗したファティマ・クローソーは、バランシェから自分に与えられた最強の能力と、そして自身の運命を呪う。そして……。
ジュノーンとコーラス23世の命運は? クローソーの選択は? コーラス王朝は滅びてしまうのか?
第3話
トラフィックス1(単行本第4巻~第5巻)
星団暦2989年。惑星ボォスの無法地帯カステポーの荒野で、MHの残骸を前に一人の騎士が佇んでいた。彼の名はミューズ・バン・レイバック。惑星カラミティ・ゴーダースのクバルカン法国のルーン騎士団の団員のミューズは、法王スパンダから情報収集の任務を命じられカステポーに赴いていた。通常のMH戦では滅多に出ない騎士やファティマの遺骸を眼にし、惨状を嘆くミューズとパートナー・静。その前に一頭のドラゴンが現れた。
カステポーの中立自由都市ヴァキシティ。土地柄、この街には多くの騎士が集まってくる。A.K.D.ミラージュ騎士団のアイシャ・コーダンテ、ハスハAP騎士団のヤーボ・ビート、フィルモア「ノイエ・シルチス」のバーバリュース・V、そして星団最大の賞金首「シルバーナイト」こと剣聖ダグラス・カイエン……身分と目的を隠して、彼らはその日その日を過ごしていた。
トランの騎士ボード・ヴュラードから紹介された「WAX TRAX」というバーへ向かうミューズは、その途中で買い物帰りのアイシャに出くわし、その美しさに魅了される。そのアイシャには同じミラージュ騎士であるティンからMHの首狩りを行う騎士の存在を告げられる。メヨーヨ朝廷の騎士イラー・ザ・ビショップと女忍者・泉興京巴が、メヨーヨの新型MH「アシュラ・テンプル」の、次なる手合いの相手を探していた。
正体を見抜いてクバルカンの機密を手に入れようとミューズの近付いたカイエンだったが、逆にミューズと親交を交わす。国家の枠を超えた騎士たちの友情のドラマが繰り広げられる。年表に載っていないストーリー「トラフィックス」の最初のエピソードである。
第4話
運命の3人の女神 放浪のアトロポス(単行本第6巻~第8巻)
星団暦2992年、最強の生命体ドラゴンの長「L.E.D.ドラゴン(レッド・ドラゴン)」が転生した。ソープはドラゴンの幼生を保護すべく、ボォス星のカステポーに向かう。一方でドラゴンの持つ「命の水」を求める魔導師バローも、シーブル軍を率いて幼生の捕獲に乗り込んできた。ソープが乗っていた民間バスは超低空飛行をしていたシーブルのエアドーリーに接触、情報漏洩を嫌ったシーブルは乗員乗客を皆殺しする為にバスを爆破、爆発に乗じて逃げ出せたソープだったが、傭兵アーレン・ブラフォードの目からは逃れられず殺害されてしまった。
折り悪く「表の」ミラージュ騎士たちは不在で、ソープの本性を恐れて服従していただけの「裏の」ミラージュ騎士たちが、ソープの力の喪失を機にA.K.D.の浮遊城フロート・テンプルで反乱を起こす。裏のミラージュたちはファティマでありながらA.K.D.の玉座に就いているラキシスの命を狙って玉座に集結しようとしていた。さらにこの世のものではない数々の凶悪な生命体にまでもフロート・テンプルは襲撃された。ボォス星に滞在していたティンもまた裏のミラージュの一人として叛旗を翻し、アイシャを暗黒街ザンダ・シティに呼び出して襲い掛かる。バイアであるティンとの生身での一騎打ちで、アイシャは重傷を負ってしまう。
L.E.D.ドラゴンの幼生と遭遇したソープは、ドラゴンの命の水で生き返る。ソープはL.E.D.ドラゴンの残留思念に幼生と命の水を託され、ソープはその幼生にすえぞうと名付けた。ソープはこの地を訪れていたファティマ・アトロポスと合流したが、策士であるメイユ・スカ、野性的な能力を持つ傭兵騎士アーレン・ブラフォード、そして、青騎士と700年もの昔から受け継がれる名騎クルマルス「バイ・オ・ラ」を擁するパイドパイパー傭兵騎士団を指揮下に置くシーブル軍の包囲網を突破する事はできなかった。
騒乱をラキシスらの超人的能力で鎮められたフロート・テンプルでは、ソープの保護を目的としてボォス星にA.K.D.軍の緊急派遣を開始。到着と同時に地上部隊を展開したA.K.D.軍はシーブル軍と激突。A.K.D.はMHを投入できる状態ではなく、シーブル軍も敵MH戦力を推定できずにMHの投入ができず、両軍互いに一歩も引けぬ膠着状態に陥った。最前線では目的を知らされぬまま一般兵たちが次々と命を散らしていく。
A.K.D.軍は近隣に駐留するMHブラッド・テンプルが到着し、MHを投入する。シーブル軍もまたMHを投入し戦局は一変MH戦になる。しかし名実共に一線級の騎士らを擁するシーブル軍にA.K.D.軍はたちどころに劣勢に陥る。A.K.D.軍を劣勢から救ったのは、アイシャのテロル・ミラージュの参戦だった。そしてカイエンより貸与されたMHシュペルターの準備も整い、ルンも加勢した。2騎のミラージュはソープの居場所が確認できるまでは全力での戦闘が出来ずにいたが、ソープを発見し一気に劣勢からの巻き返しに成功するかに見えた。しかしソープの居場所はシーブル軍にも知られ、A.K.D.軍の目的をメイユ・スカに悟られてしまった。その時、そこに衛星軌道上から恐るべき緑の悪魔が落下してきて戦場は大混乱に陥る。
ソープとアトロポス、そしてすえぞうの運命は?「命の水」の行方は?
第5話
ザ・シバレース(単行本第9巻~第10巻) 古のファロスディー・カナーン超帝国が開発した戦闘人種「シバレース」の、過去・現在・未来の物語。
- エピソード1
- ビルトの右脚 ジュノー18097(単行本第9巻)
- 1万5千年後の星団暦18097年のジョーカー星団。星団の中で人類が生息する星はジュノーだけになっていた。
- 念導士プラバ・クルガは、王国の要人や国民たち100人を拉致したり殺したりしていた。ブラバに捕らえられた許婚を救うべく乗り込んできた太陽王国ルールの竜騎士モンド・ホータスは、ボリショイ王国の天馬騎士バナロッテ王女と出会い行動を共にする。ブラバがいる古城に向かう途中で2人は2本のシッポを持つ「きれいな生き物」を連れた醜い老婆に出会う。ホータスらは老婆の下を発ったが、老婆はホータスに出会えたことを喜ぶ。
- 古城に乗り込んだ2人は、醜い生命体たちに苦戦する。そこにプラバが現れ、ブラバはその醜い生命体たちを「ファティマ」と呼んだ。ブラバは伝説の中に埋もれた真実、失われた科学技術の研究をしていると語る。
- モンドとバナロッテは、プラバを倒す事ができるのか?
- エピソード2
- デルタ・ベルン2995
- 星団暦2995年。コーラス-ハグーダ戦役の後、6年間のコーラス大使の任を終えたシャーリィ・ランダースはA.K.D.に帰国し、フロート・テンプルでの王宮ミラージュ・パレスでアマテラスに謁見していた。コーラスの騎士だった弟をハグーダ戦で失ったシャーリィは、弟に信を寄せていたコーラスのトラーオ・バランカ王子と恋に落ちたことがアマテラスと国民への忠義の裏切りだとして、自害して償おうとしていた。冷徹な表情で太刀をシャーリィに渡すアマテラス。それを察知していたアイシャは、シャーリィを止めんとする。しかしシャーリィは、まず「騎士の証」として自らの右腕を切り落とし、次に自らの首に太刀を押し付けた……。
- 同刻。パレスの中庭では、2人のミラージュ騎士が対峙していた。ミシャル・ハ・ルンと「パイソン」ことエイドリアン・ターク。3年前の裏のミラージュ反乱で、ルンはレフトの一員パイソンに左手を切り落とされ完敗していた。決闘は、手が完治したルンが申し込んだものだったのだ。過去の剣聖ビザンチンは言った。騎士は増えることが無い。騎士を一人育てるには騎士一人の血が必要だと。決闘のその行方を窓から見守るミラージュの騎士たち……。
- エピソード3
- 炎の女皇帝
- AD世紀8383年。カラミティー星の重産業都市国家スパチュラは、総統ヨー・タイインの圧制下にあった。抑圧された民衆の為に青年ネッド・スバースは人造人間バーシャと共に戦っていた。が、公安警察の一級戦闘兵器に追い詰められてしまう。窮地から事も無く救ったのは、ナインと名のる女性だった。スバースは何故か彼女を「かあさん」と呼んだ。
- ナインをアジトに招くスバース。だが、再び公安警察の襲撃を受け、バーシャは火炎放射器に焼かれてしまった。それにより冷静さを失いそれまで抑えていた本当の力で応戦しスバース状況は好転した。公安警察はスバースを「シバレース」と呼び、慌てふためき戦艦の出動要請を出す。今まで彼が守っていた市民もスバースを「悪魔」と呼び、ナインを残して全員逃げ出してしまった。
- ネッド・スバース。彼は何者なのか? シバレースとは?
- エピソード4
- 皇帝たちの操り人形
- 星団暦2997年。デルタ・ベルンからハスハ本国に帰還中の戦艦から騎士ワンダン・ハレーがMHで脱走した。アドラーのトラン連邦領に逃げ込んだハレーを追討するべく、ハスハのAP騎士団は、死神と恐れられている公安騎士隊「スクリティ」を派遣する。ハスハの精神的な統治者である巫女ムグミカ王女は、ハレーの行動を察していた。事態の収拾を図るムグミカは、不祥事から騎士権を剥奪され育児に専念していた元AP騎士団スバーズ隊副隊長ヤーボ・ビートをアトールの皇帝騎士「ネードル・シバレース」として復帰させ、ハレーの保護を命じた。
- トランに到着したヤーボは、空港でトラン大統領の使者ボード・ヴュラードと出会う。いきなりスカートに突撃されたヤーボだったが、なぜか彼に安心感を覚えた。一方、ハレーはトラン北部のアミュラでファティマ・マイトのモラード・カーバイトと接触するも、スクリティ隊に発見されてしまいMH戦に突入してしまう。スクリティ隊隊長のロータス・バルンガは演算戦を仕掛ける。バルンガのファティマは、演算能力に長けるバランシェ・ファティマ「スパリチューダ」。それに対しハーレーのファティマは銘無しの戦時緊急量産品「ハルペル」。だがハルペルはスパリチューダが得意とする演算戦でスパリチューダを出し抜いて退ける。驚愕するスパリチューダだったが、その直後、ハルペルは動作停止に陥いってしまう。スクリティ隊は活動を停止したハーレー騎に止めを刺そうとするが、そこにヴュラードのMH「クルマルス・ビブロス」と見たこともない真っ赤な美しいMHが現れた。
- ハレーの脱走の真意は? ムグミカの察した事情とは? 事件は領土侵犯したトランとの国際問題に発展してしまうのか? そしてモラードの告げた哀しい真実……
- エピソード5
- 二つの遺作
- 星団暦2997年。ハスハの皇帝騎士ヤーボ・ビートは、ボォス星カステポーのヴァキシティを訪れていた。騎士たちの溜まり場であるバー"WAX TRAX"で、ヤーボとバーのマスターは、このところの不穏な動きがあることについて話し合っていた。ヤーボは主である王女ムグミカの預言の魔導士ボスヤスフォートの暗躍を指摘する。その後ヤーボと入れ違いにWAX TRAXを訪れたのは、流浪中の少年騎士ヨーン・バインツェルだった。
- ヤーボは違和感から頭痛を覚え、それを紛らわすべく街に出たが、そこでは騎士の中でも最強の声も高いA.K.D.のミラージュ騎士とファティマが何者かに襲撃され倒れている現場に遭遇する。そこへあの頭痛と共にテレパシーが届く。「ママ逃げて!!」。
- 数日後。ハスハの王宮を訪れた不審者を迎え撃つべくAP騎士団が出動した。だがムグミカは不審者が剣聖ダグラス・カイエンであることを告げ、騎士たちを制する。姉とムグミカを守らんと体を張ってデプレはカエインと対峙していた。ヤーボの死を悔いていたカイエンはある決断をムグミカに、そして実の娘マグダルと息子デプレに伝えた。
- カイエンの放浪の人生の旅は終わりを告げた。そして二人の子供へ…こうして歴史は紡がれていく。
- エピソード6
- 孔雀色の宝石(単行本第10巻)
- 星団暦2998年、いかなる国家権力も及ばないボォス星カステポーでは日常的にモータヘッドの「手合い」(模擬戦)が行われていた。相手の出方を待っていたMHルビゴン。だがそこに現れたのはフィルモア帝国の主力騎で星団三大モータヘッドに数えられるサイレン。ルビゴンは恐れをなして逃げてしまった。サイレンを駆っていたのはイアン・ケーニヒだった。イアンは出戻りの自分が皇帝騎士に任命され専用騎を与えられたことに疑問を呈したが、ファティマ・オキストロは数々の戦歴と数少ない対ミラージュ戦の生き残りだからだと指摘した。
- イアンに同伴してきていたブルーノ・カンツィアンは急遽帰国する。フィルモアの騎士団の青グループ筆頭騎士バーバリュース・ヴィの娘、クリスティン・ヴィが同級生を撲殺したのだという。クリスティンは学校で1年以上にわたり複数の上級生からイジメに遭っていたという事情を考慮しても、騎士による一般人への暴行は重罪であり、帝国騎士議会は彼女に即日で死刑を求刑した。クリスティンの父バーバリュースは、娘の不祥事とその原因となった自らの汚名を償うために、レーダー王の前で自害する。
- 世論を恐れ上院はクリスティンの処刑を強行する為に公安騎士をヴィ邸に派遣する。ヴィ邸に現れた皇帝警護騎士ビオレート・トライトンはクリスティンを剣で殴打し気絶させプロトン城に連行したが、クリスティンは隙を見て逃亡する。即刻処刑の指示が城内に響き渡る。赤グループ筆頭騎士ブラウマ・イクの一派はクリスティンを救出すべく城内捜索に乗り出す。
- 城の地下に逃げ込んだクリスティンは謎の老人たちと出会う。老人たちはクリスティンに騎士の道を諭し、法の裁きを受けるか、それとももっと辛い呪われた騎士「シバレース」として国と国民に忠誠を誓い、誰にも顧みられることのない贖罪に一生を捧げるかを問う。
- そこに現れたトライトンは老人たちにクリスティンを要求する。騎士らも大勢駆けつけ、トライトンと老人のひとり強天位騎士アビエン・疋棟斎は剣に手を掛けた。
- 3者がクリスティンの身柄を争う中、クリスティンの口からある言葉が漏れ、そこに閃光が放たれた。
- エピソード7
- ファースト・ブロー
- 星団暦2999年、国家権力の及ばないボォス星カステポーで各国の領事らが集まる街サッシャタウン。領事がバッハトマ帝国の使者に殺害された。居合わせた年端もいかない少年は犯人を追う。バッハトマの忍者である刺客は居合わせた眼鏡の少女を人質に取るが、少年は歳に見合わずデタラメながら天才的な技で応戦する。
- そこに、少女を「お嬢様」と呼ぶ老人、オルカオン・ハリスが駆けつける。また、バッハトマの「雲竜のケサギ」と「泉興京巴」も駆けつけた。ハリスとケサギは対峙するが、生きては帰さないと逃げる少女を泉興京巴率いる忍者軍団は追い、それを少年が追う。
- 多勢に無勢で少年は圧され気味となり少女には多数の手裏剣が投げられたが、それに高みの見物を決めこんでいる者たちが居た。
- エピソード8
- トラフィックス2
- =黒き死の女神=
- 星団暦3001年、カステポーのノーキシティで、はぐれファティマとなっていたパルスェットはチンピラらに乱暴されていた。放浪中の少年ヨーン・バインツェルはパルスェットを助けようとする。騎士の一般人への暴力行為は違法だとのチンピラの指摘にヨーンは、自身が騎士である事を否定する。チンピラたちを殴ろうとしたヨーンを止めたのはアイシャだった。アイシャは一睨みでチンピラを追い払う。
- ヨーンをマスターに選ぼうするパルスェット。しかし、ヨーンはなおも騎士ではないとして彼女を拒否する。アイシャは騎士でありながら騎士ではないと頑ななヨーンを殴りつけたが、アイシャと同行していた新たなミラージュ騎士キュキィはヨーンを知っていた。立ち去るヨーンを前にキュキィは語り始める。ファティマと少年の物語を…
- 星団暦2995年、騎士登録を心待ちにしていた少年騎士ヨーンは、はぐれファティマのバーシャを拾う。ヨーンはバーシャから「マスター」と呼んで貰いたかったが、壊れていたバーシャはヨーンをマスターとは認めることが出来なかった。ヨーンはいつの日かバーシャを直すことを決意した。まだマスターとは認めらていれないヨーンだったが、バーシャから様々な剣技を教えてもらうのだった。
- 2人は行く先々でジャスタカーク騎士団長アイオ・レーン、ファティマ・マイトのナトリウム・星(シング)・桜子、そしてクバルカン次期法王ミューズとそのファティマ、静らに助けられた。そして2人は彼らから何度となくふさわしい地位を用意されたてスカウトされたが、2人はそのまま去って行った。バーシャは「黒き死の女神」として知られるファティマだった。カステポーに度々現れては見込みのある騎士を手ほどきするが、その多くは命を落としているという。ファティマ・静は言う。そう、彼女こそが自分のマスターを捜し求め旅をする黒騎士の女神、ファティマ・エストだという。
- 騎士相手のストリートファイターとして成長していくヨーン。しかしヴァキ・シティーでヨーンが仕掛けたのは最悪の相手デコース・ワイズメル。ヨーンを助ける為にバーシャはある決意をするのだった…
- エピソード9
- イペル・シュバリエ~剣聖来訪~
- 星団暦3007年、成長したフィルモアの騎士クリスティン・ヴィは、バキン・ラカンのカンパー・ラ・シーラ聖帝から、騎士最高の名誉称号「ハイランダー」を与えられた。臣下の少女騎士ユーゾッタの天位授与は拒否されているのに民間人殺しの凶状持ちのクリスティンには騎士最高の称号授与の申請が行われる事が面白くなかったラ・シーラは、ユーゾッタにクリスティンと剣を交える事を命じたのだが、クリスティンが自らの凶状を省みて神妙に応えたからである。
- 無事に称号を受け取ったクリスティンだったが、自分には騎士としての人生しか無いことに悲しみを感じていた。それを高みから見守る少年。そして、クリスティンは謎の4人の夫人たちと出会う。そして、そこに式典で剣を交えそうになった少女騎士も現れた。彼女は以前ジャコーに助けられた眼鏡の少女、ママドア・ユーゾッタだった。式典での非礼を詫びるユーゾッタだが、クリスティンもユーゾッタもそれぞれ相手の言うことが癪に触り喧嘩になってしまう。
- バキンラカンとフィルモアそれぞれ有望な少女騎士の喧嘩に周辺は騒然となってしまった。少女たちの喧嘩に割って入ったのは、ヒッター子爵だった。ヒッターはその場を逃げ出すが喧嘩に割り込まれた少女たちはヒッターを追いかける。人目に付かない港に逃げ込んだヒッターは、自分が剣聖ダグラス・カイエンであると名乗る。身の程を知らずに公共の場で剣を抜いた彼女たちに「オシオキ」するのだと言う。正体を明かした4人の婦人達。バキンラカン先帝ミマス、ファティマスーツ・マイスターのシアン、フィルモア皇帝騎士ニオ・ハスラー。そして前剣聖で元フィルモア皇后のエナ・ダイ・グ・フィルモアは、クリスティンとユーゾッタに全力で目の前の男に立ち向かう様に諭す。
- 力を合わせてカイエンに挑んだ二人だったが…。そして先ほどのクリスティンを見守っていた少年も現れる。
- エピソード10
- ブラック3
- =AD世紀の亡霊=
- 星団暦3010年秋、アマテラスはカラミティでの星団会議に出席して不在だった。フロートテンプルで一人退屈するラキシスにスペクターは「かくれんボ」を勧める。
- 以前に眼鏡の少女を助けたイオタ騎士団長の少年ジャコーは、ミラージュ騎士である母イマラと再会した。ジャコーはイズモの錫華御前に会いに行く途中、コーラス王朝のセイレイ王女と出会うのであった。
- フロート・テンプルに突如として3人の侵入者が現れ、全ミラージュ騎士に緊急出動が発令された。3人はバッハトマ魔道帝國の黒騎士デコース・ワイズメル、魔導士ビューティー・ペール、そして、皇帝ボスヤスフォートであった。アマテラスの不在の隙を突いてラキシスとサリオン王子を殺害すべく乗り込んできたのである。星団でも超一流と思われていたミラージュ騎士だったが、3人の前では赤子同然に次々倒されていく。ラキシスは行方知らず。サリオン王子はミラージュ騎士団団長であるF. U.ログナーがその命と引き換えに守り抜き、3人をやっとの思いで撃退するのであった。
- カステポーに続き今回の襲撃でミラージュ騎士団は壊滅状態になってしまった。サリオンは戻ってきたアマテラスに、部下らの弔いとしてバッハトマへの報復を進言するが…
- エンディング エピローグ
- ザ・シバレース エンディング・エピローグ1
- =蜃気楼の使者=
- 星団暦3010年、ソープはラキシスに死んでいった者たちへの想いを語る。そしてフェザー・ドラゴンの死を知ったソープは、ハスハの巫女マグダルに会いに自分のエイリアス(分身)を送り込む。
- ハスハは戦争準備で慌しくなっていた。バランシェ家の跡を継いだミースは入城したがカイエンはミースを避けていた。イズモから帰国したバルンガはコーラスを出奔していたアルル王女を連れており、アルルの白い剣で黒い剣から守ってくれるようマグダルはアルルを雇い入れる。
- ミラージュ騎士団が壊滅してしまったアマテラス家の王朝院は、「時の止まる場所」ファンタスマゴリアに篭っていたグリース王家の「聖院」ことグリーン・ネイパーを呼び戻すのであった。
- ザ・シバレース エンディング・エピローグ2?(単行本第10巻に書き下ろし掲載)
- 星団暦3015年、Dr.ダイアモンドの設計の売り込みに、フロートテンプルを訪れていたイズモの峡楼姫は、サリオン王子と親しくなる。
- 峡楼姫からの手紙でフロートテンプルを訪れた錫華御前とDr.ダイアモンドは、MHマイスターとしてのアマテラスの姿に触れて、MHマイティ・シリーズの完成の為に、アマテラスに取り入る事を決意するのであった。
第6話
マジェスティック・スタンド(単行本第11巻~)
神々の領域――ファーンドームの星王は、ジョーカー太陽星団にいた頃の心残りを清算したい旨を、神々に告げていた。それは、神が人間たちの世界に干渉することを意味する。だが星団を作りし天照大神は、44分間の時間制限を設けて、星王の行動を許す。実行時期は――星団歴3075年。
星団歴3030年のある日の未明。ハスハ連合共和国の首都ハスハント(=ベイジ)は緊迫した空気に満ちていた。シーブルを母体に興った新興国家・バッハトマ魔法帝国が宣戦を布告し、夜明けと共にハスハントを制圧すると通告してきたのだ。バッハトマの皇帝ディス・ボスヤスフォートの煽動策もあり、ハスハ上空には、派兵していない国を数えた方が易しいほどの星団中の国々の艦隊が、何らかの思惑を秘めて集結していた。ハスハはどの国が友軍となってくれるかかさえ推測できず、騎士団を広大な国土に分散させざるを得なかった。
最高首脳陣のみが残るハスハ王宮。AP騎士団総団長にしてアトールの皇帝騎士ダグラス・カイエンは、彼のパートナーであるアウクソーを傍らに呼び「次の主を探せ」と告げる。動揺するアウクソー。その行動を非難するミース・シルバー・バランシェを振り切るように、カイエンはアトール皇帝ムグミカに騎士団の出動を上奏する。カイエンの真意を悟ったのか、その先に待つ何かを予知したのか、出動の勅命を発するムグミカの眼には涙が溢れていた。
そしてハスハント上空に輝く、衛星軌道上からの艦砲射撃を示す光――ジョーカー星団を巻き込む永きに渡る戦乱「魔導大戦」の火蓋は切って落とされた。
戦争の行方は? 抗うことを許されない時代の流れに翻弄される人々の運命は?
第7話
3100:フル・フラジャイル(まだ仮称)
この節を書こうとした人は途中で寝てしまいました。後は適当に頑張って下さい。 |
第8話
3159:モナーク・セイクレッド(単行本第10巻にプロローグを掲載)
星団歴3007年、アマテラス家の私的行事が星団にテレビ中継された。式典では、ミラージュ騎士団とともにナイト・オブ・ゴールド、LEDミラージュ、ヤクト・ミラージュが初めて正式に公開された。ミラージュ騎士団は星団中の耳目を集めた。移動宇宙都市国家イズモ・アストロ・シティで、自分自身もMHマイトであるDr.ダイアモンドもテレビ中継を観ており、従来とは異なるアマテラスの新型MHからその製作意図を察し、パートナーとなっていたファティマ・クーンに来たるべき未来を見てみたいと語る。また、コーラス王朝を出奔してイズモの客人となっていたアルル王女、その弟子のマヨール・レーベンハイトは、イズモから旅立つのであった。
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サイドストーリー
『ファイブスター物語』は、プロローグを除けば、基本的に星団暦2988年から時系列にストーリーが展開されている。しかし、回想や伝説、予知・予言等の形で、過去や未来の様々なストーリーが割り込んでいる。これらに関しては、神の視点から描かれる場合もあり、作品に登場する順序としては必然である事を、作者自身が述べている。第3話・第5話の一部のエピソードがそうであるが、他にも多数存在する。
- プロムナード
- 単行本では11巻巻末に掲載されているストーリーで、実家を離れアルバイトをしながら学校生活を送っている女子高生ちゃあ・てぃを主人公にしたストーリーである。連載時はFSS本編の休載期間の代稿漫画の代稿を休載中の永野自身の漫画で補われたと奇妙な説明がなされていた。作者は「FSSとは無関係」としていたが、読者からは類似性が指摘されていた。
- プリマクラッセ・ヒュートラン
- 単行本では12巻の巻末に掲載されているストーリーで、『プロムナード』の続編にあたる。名家の館でメイドのバイトしていたちゃあが、同じくメイドをしていた超美少女のエミリィに異様なくらいに懐かれてしまった。エミリィこそが世界中から探し求められていたバランシェの最高傑作ファティマのヒュートランだった。天然のちゃあはエミリィがファティマであることに気付かず、なし崩し的にパートナーとなった。ちゃあの騎士としての実力は最低ながらも名を上げ没落寸前の家を建て直す為に魔導大戦に参戦したが、この戦場では桁外れに強いメヨーヨの天位騎士と対戦することとなってしまった。
この節を書こうとした人は途中で寝てしまいました。後は適当に頑張って下さい。 |
公式関連書籍
角川書店発行
- 月刊ニュータイプ
- 角川書店発行。毎月10日発売。ファイブスター物語の本編が連載されている。現在は、作者がアニメーション『GOTHICMADE ゴティックメード-花の詩女-』(略称GTM)の製作につき休載中。関連の広告は毎月掲載されているが、本編の再開時期は未定。
- 単行本
- 角川書店より発行され、現在12巻(ニュータイプ100%コミックス)まで刊行されている。なお、連載に削除や加筆がされている部分が数多くある。第1巻および第2巻は、それぞれ1998 EDITION、2005 EDITIONとして増補改訂され、(作画はそのまま)再発売されている。
- F.S.S.DESIGNS
- 連載開始から20年が経ち、最新の設定資料集として刊行された。当初の構想の後に創作した部分に従来の設定と矛盾する点が多々発生しているが、デザインズの設定が優先される。合計4巻が刊行される予定だが、現在発売されているのは第2巻まで。
- F.S.S. DESIGNS 1 EASTER;A.K.D.
- 第1巻。当物語の最大の主人公らの所属する惑星デルタ・ベルン=A.K.D.に関連した部分を収録。作中に登場する神々についても触れている。表紙はアマテラス。定価2,940円。
- F.S.S. DESIGNS 2 ADDLER:JUNO
- 第2巻。2007年7月10日発売。内容はアドラーとジュノーの2つの惑星に関連した部分。星団内全人類生存星の地理的解説、バランシェ・ファティマの全プロフィール、モーターヘッドの構造解説なども収録されている。当初はF.S.S. DESIGNS 2 ADDLER:JUNO:KALAMITY GODDERS(仮)というタイトルだったが、内容が当初の予定から増えたことでカラミティ・ゴーダーズに関しては第3巻に移された。表紙はクローソー。定価2,940円。
- F.S.S. DESIGNS 3 KALLAMITY GORDERS;BOTH
- 第3巻。2008年9月発売予定。カラミティ星とボォス星の物語に登場するほぼ全ての国家を収録。表紙はクリスティン。
- 第4巻タイトル未発表
- 連載再開と同時の発行で、今後の物語の設定の事前公開とのこと。発売時期は未定。
- F.S.S. SCHOOL DESIGNS
- 本編に登場する女性キャラクターの学校の制服のイラストと設定が収録された冊子に2007年度のカレンダーが付録する手帳セット。2006年9月から注文受付開始され、2007年2月に発売された。表紙はパナール。定価1,500円。通販専用で別途手数料が必要。
- ファイブスター物語 EPISODE GUIDE 1986-1997
- 「トラン連邦大統領ミッション・ルースの知るところを余すことなく記録した」がコンセプト。1997年までの既出の資料を掲載したもの。しかし内容は浅く広くという初心者向け的内容。1997年12月25日初版発行。定価1,500円。
- The Five Star Stories ISSUE
- ファイブスター物語連載15周年を記念して発行されたニュータイプ2001年6月号の増刊号。今までのニュータイプ誌に掲載された永野護に関するページを集めたもの。幻とまで言われるようになった月刊ニュータイプ1986年9月号付録『THE OFFICIAL ART OF The Five Star Stories』を復刻した別冊が付録される。定価750円。
- The Five Star Storie OUTLINE
- 先に発行されたた『The Five Star Stories ISSUE』の再販の要望があり、発行された。ISSUEに40ページを追加して再編集したムック。ISSUEから一部の内容が除かれたことで不評だが、幻の「ワイツミラージュ」や永野版ZZなどの没イラスト、富野由悠季との対談などが追加されている。2001年12月25日付初版発行。定価1,200円。
トイズプレス発行
トイズプレス社は、ニュータイプ元編集長の佐藤良悦が北原照久と共同で1986年に設立した企業である。永野護は1987年より同社の副社長を務める。
- テールズ・オブ・ジョーカー
- アルファベット表記はTales of Joker。略称はTOJ。
- 本編の再収録が主たる内容となった中綴じ形式の冊子。1冊の中では収録されているエピソードは連続性があるものの、他のTOJとは順不同。年4回の発行だったが、収録が本編に追いつきつつあるためか、第35号より年2回となり、本編の休載もあって第38号をもって休刊となっている。
- 表紙は、第1号から第10号までシル・ヴィス・レス・ヴィーナス。第11号以降は登場人物もしくはMHの設定カラーイラスト。表紙イラストのイメージカラーで枠取りがされていたが、第20号からは無くなった。定価は第9号まで1,200円、以降1,500円。第22号は表紙キャラクターの違いで3種類発売されたが、不評だったからかその後はこのようなことは行われていない。
- ISBN 4-924930-71-7 1994年3月10日発行。表紙:シル・ヴィス
- ISBN 4-924930-72-5 1994年7月10日発行。表紙:シル・ヴィス
- ISBN 4-924930-73-3 1994年11月10日発行。表紙:シル・ヴィス
- ISBN 4-924930-74-1 1995年3月25日発行。表紙:シル・ヴィス
- ISBN 4-924930-75-X 1995年7月25日発行。表紙:シル・ヴィス
- ISBN 4-924930-76-8 1995年12月20日発行。表紙:シル・ヴィス
- ISBN 4-924930-77-6 1995年5月20日発行。表紙:シル・ヴィス
- 1996年9月20日発行。表紙:シル・ヴィス
- ISBN 4-924930-79-2 1996年12月31日発行。表紙:シル・ヴィス
- ISBN 4-924930-80-6 1997年6月20日発行。表紙:シル・ヴィス
- ISBN 4-924930-81-4 1997年11月20日発行。表紙:クリスティン・V(幼少時と成人時)
- ISBN 4-924930-82-2 1998年3月20日発行。表紙:イ・ヤーン・バッシュ
- ISBN 4-924930-83-0 1998年8月28日発行。表紙:アサラム・スキーンズ
- ISBN 4-924930-84-9 1998年11月28日発行。表紙:コンコード(エンプレス搭乗時のファティマスーツ)
- ISBN 4-924930-85-7 1999年2月28日発行。表紙:サイレンF型(赤カラーリング)
- ISBN 4-924930-86-5 1999年5月28日発行。表紙:ファティマ・バーシャ
- ISBN 4-924930-87-3 1999年8月28日発行。表紙:峡楼姫
- ISBN 4-924930-88-1 1999年11月28日発行。表紙:ファティマ・チャンダナ(デカダン・スタイル)
- ISBN 4-924930-89-X 2000年2月28日発行。表紙:ファティマ・チャンダナ(プラスティック・スタイル)
- ISBN 4-88775-120-6 2000年5月28日発行。表紙:エンゲージ・オクターバーSR1
- ISBN 4-88775-121-4 2000年8月28日発行。表紙:レッド・ミラージュV3 インフェルノ・ナパーム
- ISBN 4-88775-122-2 2000年11月28日発行。表紙:AUGE or フランベルジュ・テンプル or アルカナ・サイレン
- ISBN 4-88775-123-2 2001年2月28日発行。表紙:アンカー・クイーン
- ISBN 4-88775-124-9 2001年5月28日発行。表紙:クロス・ミラージュ雄型
- ISBN 4-88775-129-X 2001年8月28日発行。表紙:ファティマ・ヴィン・ティン(プラスティック・スタイル)
- ISBN 4-88775-126-5 2001年11月28日発行。表紙:アルル・フォルティシモ・メロディ4
- ISBN 4-88775-127-3 2002年2月28日発行。表紙:ファティマ・コロナ(プラスティック・スタイル)
- ISBN 4-88775-128-1 2002年5月28日発行。表紙アイシャ・ルーマー
- ISBN 4-88775-129-X 2002年8月28日発行。表紙:ファティマ・霧姫(プラスティック・スタイル)
- ISBN 4-88775-130-3 2002年11月28日発行。表紙:ファティマ・ベルクト(プラスティック・スタイル)
- ISBN 4-88775-131-1 2003年2月28日発行。表紙:ミューズ・バン・レイバック
- ISBN 4-88775-132-X 2003年5月28日発行。表紙:ワスチャ・コーダンテ
- ISBN 4-88775-133-8 2003年8月28日発行。表紙:エンゲージ・オクターバーSR3
- ISBN 4-88775-134-6 2003年11月28日発行。表紙:マロリー・ハイアラキ
- ISBN 4-88775-135-4 2004年2月28日発行。表紙:ノンナ・ストラウス
- ISBN 4-88775-136-2 2004年11月20日発行。表紙:ブーレイT-233
- ISBN 4-88775-137-0 2005年6月20日発行。表紙:ダイ・グ・フィルモア5
- ISBN 4-88775-138-9 2005年11月28日発行。表紙:ファティマ・ヒュートラン(デカダン・スタイルとプラスティック・スタイル)
- テールズ・オブ・ジョーカー・エクストラ
- アルファベット表記はTales of Joker #EXTRA。TOJの特別版。ワンダーフェスティバルで配布されたエクストラと一般販売されたエクストラ・エクストラとがある。内容は一部違う。現在のところ1種のみ。表紙はアウクソー。エクストラ・エクストラの表紙背景色はTOJシリーズ唯一の赤。定価1,000円。
- Tales of Joker#EXTRA ISBN 4-88775-119-2 2002年2月3日発行。表紙:アウクソー
- Tales of Joker#EXTRA:EXTRA ISBN 4-88775-119-2 2002年2月28日発行。表紙:アウクソー
- キャラクターズ
- 設定資料と設定画集。キャラクターズプラスは設定画集。
- CHARACTERS #1 MIRAGE
- 第1話の内容を主とした設定資料集。
- CHARACTERS #2 COLUS
- 第2話の内容を主とした設定資料集。
- CHARACTERS #3 WATER DRAGON
- 事典。これを拡充して再編集したものがクロニクル・ファーストエディションである。現在絶版のため、若干のプレミアが付いている。ただし内容的にはかなり古いため、コレクターズアイテムと割り切ってよい。
- CHARACTERS #4 FATIMA
- ミラージュとミラージュファティマの設定集。
- JOKER 3100
- 設定画と設定資料集。
- CHARACTERS #5 3159
- 付録を除き、内容は本編とほぼ無関係。
- CHARACTERS #6 TWIN TOWER
- ヤクト・ミラージュ・グリーン・レフトの詳細な設定を主とした設定集。
- CHARACTERS #7 DRAGON KLEIN
- キャラクターズ・プラス全4冊の内容を再収録したもの。
- CHARACTERS #8 A.K.D.
- ミラージュ騎士団ではなく、陸軍や宇宙軍といったA.K.D.軍の設定集。
- CHARACTERS #9 PLASTICS STYLE
- ファティマファッションであるデカダン・スタイルが他のアニメや漫画で真似されたことへの反発で行われたプラスティック・スタイルの発表より、ファティマを主とした設定資料集。
- CHARACTERS #10 KNIGHT FLAGS
- 第5話後半から第6話への設定資料集。
- CHARACTERS #11 SMOKE WALLS
- 新しい設定画を集めた画集。
- CHARACTERS PLUS 1
- CHARACTERS PLUS 2
- CHARACTERS PLUS 3
- CHARACTERS PLUS 4
- クロニクル
- ファイブスター物語の事典。キャラクターズ第3号に掲載された事典を別シリーズとして独立させたもの。
- クロニクル・ファーストエディション1990
- キャラクターズ#3の続巻。永野による以前の設定に永野の校正を経ていないと思われる第三者執筆の設定を追加したもの。本編に関係がなかったり冗長な項目も多く、事典として内容の信憑性に疑問がある。
- クロニクル・ファーストエディション1990・ライト
- ファーストエディションを製本仕様の軽装化と一部内容削除により価格を下げたもの。
- クロニクル2
- 電子ブック。事典は電子化に向く書籍だが、使い勝手が良くない。
- クロニクル・ファーストエディション1993プラス
- クロニクル・ライトの未収録集。ライトでファーストエディションから削除した部分を収録。双方でクロニクル2相当になる。
- クロニクル3
- EPWING形式の電子ブック。パソコン用の検索プログラムが同梱されるようになったが、同梱の閲覧ソフトの使い勝手が良くない。
- クロニクル2005
- 本編に設定の変更が度々行われているにも拘らず、最新の設定に合わせた再執筆がされておらず、内容の矛盾が多々ある。発刊された書籍などで少しずつ設定を公開していくことから設定を1冊にまとめた事典としては意味があるが、内容に問題がある。
- クロニクル2007
- 最新版。単行本12巻までの内容を反映させた内容だが、やや遅れて刊行されたF.S.S.DESIGNS 2とは若干異同がある。
- BEST OF FSS
- コミックスの名場面集。定価2,000円。
劇場用アニメーション
第1話(単行本第1巻)のストーリーを元にアニメ化。1989年3月公開。
制作・スタッフ
- 制作:角川書店
- 制作協力:サンライズ
- プロデューサー:植田益朗
- 企画:田宮武
- 監督:やまざきかずお
- 脚本:遠藤明範
- キャラクターデザイン・作画監督:結城信輝
- 美術監督:金子英俊
- 撮影監督:三沢勝治・小林一太
- 音楽監督:浦上靖夫
- 音楽:朝川朋之
主題歌
「瞳の中のファーラウェイ」 歌:長山洋子 作詞:川村真澄 作曲:石田正人 編曲:西平 彰
(ビクターエンタテインメント 1989年2月21日発売)
声優
- レディオス・ソープ(アマテラスのミカド):堀川亮
- ファティマ・ラキシス:川村万梨阿
- ボード・ヴュラード:若本規夫
- クローム・バランシェ:田中秀幸
- コーラスIII世:井上和彦
- ファティマ・アトロポス:横尾まり
- ファティマ・クローソー:佐久間レイ
- アイシャ・コーダンテ:佐々木るん
- ランドアンド・スパコーン:中田和宏
- リィ・エックス:鷹森淑乃
- ポエシェ・ノーミン:速水奨
- ヌーソード・グラファイト:広瀬正志
- ファティマ・メガエラ:横尾まり
- ユーバー大公:永井一郎
- ピョイト:田原アルノ
- デコース・ワイズメル:中尾隆聖
- トローラ:二又一成
- メル・クール・リトラー:鵜飼るみ子
- ナレーション:中西妙子
関連項目
外部リンク
- Five Star Stories(TOYSPRESSサイト内)
- Five Star Stories(永野護公式サイト内)
- Zukachan(ファンによるデータベースサイト)