八神はやて
八神はやて(やがみ はやて)は、テレビアニメ作品『魔法少女リリカルなのは』シリーズに登場する架空の人物であり、同作の主人公の一人である[1]。担当声優は植田佳奈。
人物像
A's時
『A's』から登場する主人公の一人。魔導師ランクは、この時点での主要登場人物中最高位のSクラス。とある偶然からなのは、フェイトの親友である月村すずかと知り合い、意気投合して親しい友人となる。
幼い頃に身寄りを無くし、足に原因不明の障害を抱えながらも「父の友人」を名乗る人物の庇護を受け一人で生活していた。不遇な境遇に置かれながらも前向きで、優しい心を持った強い少女。しかし、なのはやフェイト同様、辛い事や悲しい事を一人で抱え込む癖があり、シャマルがそれを心配する場面もあった。関西生まれなので関西弁で話す[2]。
魔道騎士としてのはやては、遠距離攻撃、遠隔発生、広域攻撃などを得意とし、支援攻撃に特化した指揮官タイプ。ミッド式とベルカ式の両方の魔法を使う事が出来る上、リインフォースの遺した「蒐集行使」というレアスキルを持っている。これは「夜天の書(闇の書)」が保有・蒐集した膨大な数の魔法の使用方法をマニュアル化し、はやてが利用できるようにしたものである。ただし、彼女が新たな魔法を習得する場合は、普通の人と同じように学習する必要があり、応用はあまりきかない。
使用デバイスは、『闇の書事件』における最終戦ではユニゾンデバイス「夜天の書(闇の書)」。管制人格リインフォースとともに主の初陣をサポートした。リインフォース亡き後は、管理局が製作した特注デバイスを使用。それらのデバイスは、彼女の桁外れに大きい魔力を考慮して製作されたものだったが、それでも、その内何機かは、はやての強大な魔力に耐え切れずに破損している。
闇の書事件から2年、はやてが11歳のときに、自らのリンカーコアを体内でコピー。そのコピーされたリンカーコアを本体にして、独立行動、単独魔法使用が可能なユニゾンデバイス「リインフォースⅡ」を生み出す。この結果はやては、魔力を出力する砲身としての役目等、ごく簡単な機能しか持たない非人格型アームドデバイス「”騎士杖”シュベルトクロイツ(剣十字)」と、管制を担当するユニゾンデバイス「リインフォースⅡ」、さらにリインフォースⅡが手にする魔道書型ストレージデバイス「蒼天の書」という3つのデバイスを使用する事となる。この3つのデバイスは、機能としてはインテリジェントデバイスが1機で行える事を分担している。本来1機で行える機能を分割した理由は、繊細な機構を持つインテリジェントデバイスとの相性が悪かった為である。
StrikerS時
19歳。魔法術式・古代ベルカ式/魔導師ランク・総合SS。
時空管理局遺失物管理部機動六課の課長・本部隊舎総部隊長・中枢司令部(後方支援部隊)「ロングアーチ」のトップ。普段は単に部隊長と呼ばれる事が多い。魔導師ランクは、なのはやフェイトをも上回るSSランクを誇るが、一部隊における魔導師ランクの総計規模の規制をクリアする為、「能力限定」によって魔力の出力リミッターを掛けており、4ランクダウンであるAクラスにまで力を制限している。彼女のリミッターを解除出来るのは、はやての直接の上司であるカリムか部隊の監査役であるクロノのみで、一度限定解除を行なうと承認許諾の取り直しをしなければならない(リミッター解除のランク数によって、多少は期間が異なる模様)。尚、はやては、同様に「能力限定」を受けている隊長クラス(なのは、フェイト、ヴィータ、シグナム)のリミッター解除を許可出来る権限を持っているが、リミッター解除の許可は滅多な事では出せない。
「闇の書事件」終結後、ヴォルケンリッターを伴って管理局に特別捜査官候補生として入局。事件の翌年には特別捜査官(士官級)として正式採用され、以後、ロストロギア関連の事件捜査に才覚を発揮する。15歳当時は時空管理局本局特別捜査官。一方で上級キャリア試験にも合格しており、上級幹部候補として指揮官研修の最中でもあった。空港火災当時は陸士104部隊、その後は陸士108部隊等複数の部隊で研修していた模様。
尚、上級キャリア試験には、13歳のときに、稀少技能(レアスキル)持ちの特例措置もあって一発合格。中学卒業後、ヴォルケンリッター共々海鳴市を離れ、ミッドチルダに引っ越している。以降も順調にキャリアを重ね、同期の中では一番の出世頭となる。
15歳当時の階級は、一等陸尉。StrikerS本編時点の階級は二等陸佐。
尚、彼女の出自やその能力、守護騎士達の正体、さらにはリインフォースⅡがデバイスである事すら「特秘事項」とされており、一般の局員は彼女達の正体を知らない。個人情報や能力の詳細が「特秘事項」となるのは、レアスキル保持者すべてに共通する措置のようだ。
A'sにおけるはやて
彼女の9歳の誕生日である6月4日の午前0時、突如自宅に飾られていた書物(闇の書)が光を発して、闇の書の守護騎士プログラムが起動。守護騎士「ヴォルケンリッター」のシグナム、シャマル、ヴィータ、ザフィーラの4人が姿を現す。彼らが出現した時は驚きのあまり気絶してしまったものの、守護騎士達から話を聞き、詳しい事情を知ったはやては、魔法の存在や闇の書と守護騎士の主に選ばれた事実を受け入れ、闇の書の主として守護騎士達の衣食住の面倒をみる責任があると解釈する。はやての、この微妙にズレた認識は、守護騎士達を戸惑わせるが、闇の書の長い歴史の中で自分達を大事にしてくれる初めての主に次第に愛情を抱くようになる。また、はやても孤独だった自分に突然できた「家族」の存在を喜んだ。はやては騎士達に「家族」として仲良く暮らすことを望み、闇の書がもたらすとされる強大な力を理解した上でその完成を望まず、守護騎士リーダーのシグナムと「闇の書の頁蒐集は行わない」との約束を交わす。
しかし、はやての主治医である海鳴大学病院の石田医師からシグナムとシャマルにある事実が告げられる。はやての麻痺は徐々に上に進行しており、命の危険があると。守護騎士達はすぐに、その原因が、はやてが生まれた時から既にあった闇の書が、主であるはやてと深く結びついており、成長途上にある彼女のリンカーコアの魔力を侵食していた事にあった事を悟る。以降、彼女を助けたいと願う騎士達によって、はやての知らないままに約束は破られ、「闇の書の頁蒐集(魔導師襲撃事件)」が行われていく。
中盤、症状の悪化で病院に入院。すずかと共にお見舞いにやって来た、なのは、フェイト、アリサらと知り合い、彼女らと友達になる。
終盤、闇の書の永久封印を狙うグレアムの策略により、完成し、暴走した「闇の書」に飲み込まれてしまう。しかし、闇の書の完成によって、闇の書に保存されていた莫大な知識を得た彼女は、闇の書の見せる「幸せな夢」よりも「現実に立ち向かう」ことを選び、「闇の書の意思」を説得。闇の書の意思に、新たなる名「リインフォース」を授けることでその真の主となり魔導騎士として覚醒する。そして、闇の書の暗部たる防衛プログラム(闇の書の闇)から自らと闇の書の本体(リインフォース)を切り離し、さらに、闇の書に全魔力を吸収されて消滅した守護騎士達を自らの魔力によって復活させた。最終決戦では、闇の書の闇本体への攻撃を担当する。
事件解決後はリインフォースとの悲しい別れを経て、ヴォルケンリッターと共に贖罪を兼ねて管理局の任務に従事、なのは達の後輩となる。足の障害も回復に向かい、事件の6年後には完治している(漫画版最終話である事件の半年後の時点では、まだ完治していない)。
StrikerSにおけるはやて
空港火災の後、管理局の対応の遅さを嘆き、周りの協力を得て本局遺失物管理部「機動六課」を4年がかりで設立[3]。機動六課の課長、機動六課本部隊舎の総部隊長、後方支援部隊「ロングアーチ」の指揮官を勤める。魔道書型ストレージデバイスは、かつてのものと同名・同デザインで新規に作成した「夜天の書」へと変わっており、共用デバイスであった「蒼天の書」はリインフォースIIへと譲っている。欠点も多く、長距離と精密なコントロールは原則的にリィンフォースIIのサポートが必要となるが、任務などで常に一緒ではない事も多いためオペレータ側がサポートを担当する事もある。
陸士108部隊のゲンヤ・ナカジマ三佐(スバルの父)は、指揮官研修時代の上官。現在は階級が逆転してしまったが、はやて自身は彼を「今も昔も私が尊敬する上官」と呼び、慕っている。
親しい同性間での彼女の独特なコミュ二ケーション手段として、胸部へのマッサージ(いわゆる「胸もみ」)がみられる。その行為は9歳時の就寝中のシグナムを皮切りに、幼馴染のなのは、フェイト、アリサ、すずか達にもおよび、さらに現在の職場である六課職員にも及んでいる。一見セクハラにも思えるが、親しい間柄でのスキンシップであり、あくまで許してくれた相手にしか行われない。結果として彼女は周囲から「揉み魔」及び「おっぱいマニア」とも呼ばれている。[4]。
余談だがかなりの小柄で、劇中に登場する同年代の中では一番背が低い。
脚注
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