2007年F1日本グランプリ
2007年F1日本グランプリ(2007 Japanese Grand Prix)は、2007年のF1世界選手権の第15戦として9月28日から30日にかけて富士スピードウェイで開催された。
トイレなし、交通手段なし、食事なし、本選は濃霧で大雨。通称、「地獄のグランプリ」と呼ばれる。
目次
概要
1987年から20年に亘って鈴鹿サーキットで開催された日本GPが、この年から富士スピードウェイで行われることとなった。その準備のため、2003年から2005年にかけ、コースレイアウト変更を含む大改装を行った。富士スピードウェイで行われるF1グランプリは、1977年以来30年ぶり3回目となったが、例年にない多数のトラブル(後述)を抱えた大会になった。
レースウィークは秋の行楽シーズンの週末にあたり、周辺道路の混雑が予想されたため、かつてTIサーキット英田(現岡山国際サーキット)開催されたパシフィックグランプリのような「チケット&ライド方式」が採用された。観戦希望者はチケット購入時に「指定駅からのシャトルバス輸送」「場外駐車場からのシャトルバス輸送」「ツアーバス」の中からアクセス方法を選択する。マイカーや徒歩で直接来場することは禁止された(タクシーの利用は可能)。開催概要では3日間で延べ28万人、日曜日の決勝は14万人の来場を予測し、最大3000台の専用バスで輸送すると説明された。
予選
金曜日のフリー走行はドライコンディションで行われたが、土曜日は朝から雨に見舞われ、濃い霧も発生した。午前のフリー走行3回目は開始が30分遅れた上に、4分ほどで赤旗が出て実質的なキャンセルとなった。
午後2時からの予選もウェットコンディションで行われた。Q1では日本人選手の佐藤琢磨と山本左近が脱落。ラルフ・シューマッハはQ1で14番手タイムを出しながら、山本と接触してQ2を走行できなくなった。Q2ではルノーの2台が脱落する一方、セバスチャン・ベッテルがトロ・ロッソチーム初のQ3進出を決めた。
Q3ではラストアタックでルイス・ハミルトンがフェルナンド・アロンソのトップタイムを上回り、今季5回目のポールポジションを獲得した。マクラーレン勢のフロントロー独占は今季6回目となり、2列目にフェラーリ勢が続いた。6番手タイムのニコ・ロズベルグはエンジン交換のため10グリッド降格ペナルティを受け、16番グリッドからのスタートとなる。
予選結果
順位 | No | ドライバー | チーム | マシン | Q1 | Q2 | Q3 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | ルイス・ハミルトン | マクラーレン | MP4-22 | 1'25.489 | 1'24.753 | 1'25.368 |
2 | 1 | フェルナンド・アロンソ | マクラーレン | MP4-22 | 1'25.379 | 1'24.806 | 1'25.438 |
3 | 6 | キミ・ライコネン | フェラーリ | F2007 | 1'25.390 | 1'24.988 | 1'25.516 |
4 | 5 | フェリペ・マッサ | フェラーリ | F2007 | 1'25.359 | 1'25.049 | 1'25.765 |
5 | 9 | ニック・ハイドフェルド | BMWザウバー | F1.07 | 1'25.971 | 1'25.248 | 1'26.505 |
6 | 16 | ニコ・ロズベルグ | ウィリアムズ | FW29 | 1'26.579 | 1'25.816 | 1'26.728 |
7 | 7 | ジェンソン・バトン | ホンダ | RA107 | 1'26.614 | 1'25.454 | 1'26.913 |
8 | 15 | マーク・ウェバー | レッドブル・レーシング | RB3 | 1'25.970 | 1'25.535 | 1'26.914 |
9 | 19 | セバスチャン・ベッテル | スクーデリア・トロ・ロッソ | STR2 | 1'26.025 | 1'25.909 | 1'26.973 |
10 | 10 | ロバート・クビサ | BMWザウバー | F1.07 | 1'26.300 | 1'25.530 | 1'27.225 |
11 | 3 | ジャンカルロ・フィジケラ | ルノー | R27 | 1'26.909 | 1'26.033 | |
12 | 4 | ヘイキ・コバライネン | ルノー | R27 | 1'27.223 | 1'26.232 | |
13 | 14 | デビッド・クルサード | レッドブル・レーシング | RB3 | 1'26.904 | 1'26.247 | |
14 | 12 | ヤルノ・トゥルーリ | トヨタ | TF107 | 1'26.711 | 1'26.253 | |
15 | 18 | ヴィタントニオ・リウッツィ | スクーデリア・トロ・ロッソ | STR2 | 1'27.234 | 1'26.948 | |
16 | 11 | ラルフ・シューマッハ | トヨタ | TF107 | 1'27.191 | No time | |
17 | 8 | ルーベンス・バリチェロ | ホンダ | RA107 | 1'27.323 | ||
18 | 17 | アレクサンダー・ヴルツ | ウィリアムズ | FW29 | 1'27.454 | ||
19 | 23 | アンソニー・デビッドソン | スーパーアグリ | SA07 | 1'27.564 | ||
20 | 20 | エイドリアン・スーティル | スパイカー | F8-VII | 1'28.628 | ||
21 | 22 | 佐藤琢磨 | スーパーアグリ | SA07 | 1'28.792 | ||
22 | 21 | 山本左近 | スパイカー | F8-VII | 1'29.668 |
- コンディション:雨/ウェット、気温14℃、路面温度20℃
- Car No.16はエンジン交換により10グリッド降格ペナルティ
決勝
決勝展開
決勝当日も前日と同じ悪天候となった。コース上はフルウェット状態で、レーススチュワードは安全のためセーフティカー先導によるスタートを宣言し、全車に対してエクストリーム・ウェット・タイヤの装着を義務づけた。しかし、フェラーリの2台だけは伝達ミスからスタンダード・ウェット・タイヤを装着しており、ライコネンが2周目に、マッサが3周目にピットインしてタイヤの交換を行い、順位を大きく下げることになった。
路面状況は改善されず、67周レースの19周目までセーフティカー走行が続いた。激しい水煙の中でレースが開始されると、1コーナーでは3位ハイドフェルドと4位バトンが接触して順位を落とした。マッサはヴルツと接触した上に、セーフティカー走行中の追い越しによりドライブスルーペナルティーも科せられた。その後はマクラーレンのハミルトンとアロンソが3位以下を引き離し、ベッテル、ウェバー、フィジケラ、コバライネン、クビサ、クルサードと続いた。
スローペースでの隊列走行が長く続いたため、ピット戦略は2ストップよりも1ストップの方が優位になり、最初から1ストップを狙っていた下位チームにもチャンスが回ってくる事になった。マクラーレンは戦略を1ストップに切り替え、27周目にアロンソ、28周目にピットインさせる。フェラーリはセーフティカー先導中の14-15周目に2台のマシンを再びピットインさせるも、給油量が少なくレース後半にもう一度ピットに入る事を余儀なくされた。普段ポイント圏内やそれより下を争うチームが上位に進出し、29-31周目にはベッテル、31-36周目まではウェバーがラップリーダーを勤めた。
アロンソはピットイン後に単独スピンし、35周目にはベッテルに追突され再びスピンし、リアボディを損傷した。ハミルトンもクビサと接触し、クビサにはドライブスルーペナルティーが科された。41周目、4位走行中のアロンソが5コーナー(100Rの2つ目)出口でハイドロプレーニングによりスピンし、6コーナーのヘアピン手前のタイヤバリアに激突。チャンピオン争いにおいて痛手となるノーポイントを喫した。
アロンソのマシンはコース上で大破したため、再びセーフティカーが導入された。この時点での順位はハミルトン、ウェバー、ベッテル、コバライネン、マッサ、クルサード、フィジケラ、ハイドフェルド。しかし、セーフティカー走行中の45周目、14コーナー(ネッツコーナー)で2位のウェバーが減速したところ、3位のベッテルが誤って追突。レッドブル傘下のチームの2台が同士討ちにより表彰台に昇る機会を失ってしまった。
49周目にレースが再開されると、ライコネンが激しい追い上げを見せる。57周目に100Rをワイドラインで通過し、ヘアピンでクルサードをかわして4位に浮上。マッサのピットインで3位に上がり、最終ラップには再びヘアピンでコバライネンのインを突いたが、コバライネンが抜き返して2位を死守した。マッサとクビサもテクニカルセクションで抜きつ抜かれつのバトルを演じ、マッサが6位をもぎ取った。
このレースで唯一何のミスもなかったルイス・ハミルトンはポール・トゥ・フィニッシュでチェッカーフラッグを受けた。ハミルトンはドライバーズポイントでアロンソとの差を12点、ライコネンとの差を17点に拡げ、選手権上の大きなアドバンテージを得た。
ハミルトンが記録したファステストラップは通常時と比べて3秒近く遅い1分28秒台であった。長い周回セーフティカーが先導したこともあり、スタートから2時間経過したらレースを終了するとするレギュレーション(2時間ルール)が適用される可能性があった。しかし、ラップリーダーのハミルトンが2時間を経過する直前にファイナルラップに入ったため、2時間ルールの適用は回避された。
8位フィニッシュしたリウッツィは黄旗区間での追い越しペナルティーとして、レースタイムに25秒が加算された。この結果、スーティルが8位に繰り上がり、F1初ポイントを獲得した。
セーフティカー走行中に起きたベッテルの追突事故に関しては、次戦中国GP予選でベッテルに対して10グリッド降格ペナルティが科されると発表された。しかし、その後観客が撮影した動画がYouTubeに投稿され、先頭のハミルトンが急に速度を落としたことが原因ではないかと疑われた。FIAは調査の結果、ベッテルのペナルティを取り消し、ハミルトンにも過失はないと判断した。
決勝結果
- コンディション:雨/ウェット 気温17℃、路面温度22℃
- ファステストラップ:ルイス・ハミルトン 1'28.193(Lap 27)(平均車速186.259km/h)
- Car No.18は、ピットレーンスタートを選択
- Car No.18は、55周目のイエロー・フラッグエリアにおいて、Car No.20を追い越したとして、レースタイムに25秒加算のペナルティ
- Car No.19とCar No.15の交錯について審議され、一旦はCar No.19に対して次戦中国GPにおける10グリッド降格のペナルティが決定したが、後に訓告処分に変更された
問題点
競技面
悪天候下でのレース決行
日本GPの週末は、富士F1初開催の1976年を思わせる大雨と濃霧にたたられた。土曜午前のフリー走行は濃霧のためドクターヘリが飛行できず、セッション開始が30分遅らされた(競技規約上、ヘリが飛べない場合はレースが行えない)。予選と日曜の決勝では、少し山を下った視界のいい場所にヘリを待機させた。
レースは定刻通りにスタートしたが、総周回数の3割近くにあたる19周(40分間以上)に渡ってセーフティカー先導の低速走行が続いた。再開後も水煙により前方視界はほとんどない状態で、山本は「リスタートした瞬間のストレートは恐かった。前の車が見え始めるのは10m手前まで近づいてから」、トゥルーリは「レース中の視界は本当にゼロだった。自分の目で確認できるコーナー手前の表示や広告看板を頼りに走っていた」と語っている。レース中にはスピンや接触が続発したが、規定周回数の75%(50周)を超えてレースが成立しても赤旗打ち切りにはならなかった。優勝したハミルトンは「レース中、もう中断しなければならないのではないかという考えが、何度もドライバー全員の脳裏をよぎったと思う」とコメントした。次戦中国GPのドライバーズミーティングにおいて、ドライバー達からFIAのレースディレクターであるチャーリー・ホワイティングに対して「レース開始を遅らせることも、レースを短縮することも必要だった」というクレームが寄せられた。
決勝スタート1時間前、レーススチュワードは深溝のエクストリーム・ウェット・タイヤの装着を義務付けることを、指示書ではなく電子メールにて各チームに通知していた。ところがフェラーリにはこの通達が伝わらず、スタンダード・ウェット・タイヤで出走してしまった。スタート7分後にこの指示を知ったフェラーリは失格を避けるため、2周目にライコネン、3周目にマッサをピットインさせてタイヤ交換を行い、優勝争いから脱落した。電子メールによる通達はピットレーン上の位置関係によって通達を受ける時間に差が出ることを避けるために2006年12月のF1競技作業部会で採用され、2007年の日本GPまでは問題なく利用されてきた。この事態を受けて、FIAは電子メールによる方法に旧来の文書による通達を併用することとなった。
国歌斉唱中のエンジン始動
決勝レーススタート前のセレモニーの際、河村隆一が国歌を斉唱している最中に、トヨタチームが車両のエンジンを二台とも始動させ爆音を響かせた。
運営面
シャトルバスの混乱
しかし、運営側の見込みの甘さから、会場へ続く道路に多くのバスが集中した上、誘導などを行うスタッフの人員不足や不慣れなども相まって、予選の29日(土曜日)・決勝の30日(日曜日)とも会場周辺は最長6時間待ちの渋滞となり、耐えきれずバスを強行降車し徒歩で目的地まで向かう客も現れた。さらに悪天候による道路状況の悪化が追い討ちをかけ、雨の中で長時間の順番待ちを強いられた観客が体調を崩してしまう例も多く見られた。
29日の予選では、終了直前に会場と場外駐車場などを結ぶ構内道路において3カ所、約50メートル間隔・最大直径約1メートルの陥没が発生。シャトルバスが走行不能となり、公式発表では2万人の観客が会場付近で足止めを受けるというトラブルが発生した。
30日の決勝では、陥没の補修工事などの影響で渋滞がさらに酷くなり、一部の観客がレースのスタート時間に間に合わないという事態が起きた。シャトルバスに乗っていて1時30分の決勝開始に間に合わなかった観客85人については、チケット代、交通費、宿泊費を返還する措置が取られることになった。
未舗装の東富士駐車場では、雨でぬかるんだ路面にはまり、動けなくなる車が見られた。
施設の不足
バリアフリー化などが図られた一方、トイレや救護施設等の不足や不備が指摘された。特にトイレの不足は深刻で、トイレに入るまで数時間を要するような状況が続いたため、止む無く衆目監視の中、野外で排泄をする者が大勢現れるという事態となり、雨という天候もあって歩行者の足元に汚物が流れ出すなど、周辺は極めて不衛生な状態となった。更に救護施設等は、たくさんの人間が外に溢れていたにもかかわらず、定時で閉め切られた。
観客席の構造
1コーナー付近の常設スタンドの後方に作られた仮設スタンドの一部(C指定席)からレース中のF1マシンがほとんど見えなかった事が観客からの苦情により判明した。これは常設スタンドに比べ仮設スタンドのこう配が小さく、設営後の確認を怠ったことが原因と発表された。そのため主催者はチケット代金の内、指定席料金にあたる金額を払い戻すと発表した。払い戻し額は1枚あたり5万円、総額は3億5000万円ともいわれる。
応援旗の禁止
ドライバーやチームの応援フラッグや横断幕の掲示が禁止されたが、その告知は徹底されていなかった。これに対しては、評論家等からも批判が出た。熱心なファン達の持ち込んだフラッグなどは、その場で没収される事態となった。にもかかわらず、トヨタのものだけは堂々と掲げられていた。
コース見えず、トイレやバスは大渋滞。30年ぶりF1に課題
世界最高峰の自動車レース「F1」が開かれた名門サーキット富士スピードウェイ(静岡県小山町、1周=4.563キロ)で30日、30年ぶりとなる「日本グランプリ」の決勝レースが行われた。
レースは、ルイス・ハミルトン選手(イギリス、マクラーレン)が今季4勝目を挙げ、年間王者に王手をかけたが、2位のフェルナンド・アロンソ選手(スペイン、同)はクラッシュする波乱も。さらには、仮設スタンドから一部のコースが見えず、払い戻しをする事態も発生、悪天候やアクセスの混乱など課題も浮き彫りになった日本GP。
予選が行われた9月29日から、悪天候が続き、決勝でも、セーフティーカーが先導する中でレースがスタート。マシンが水しぶきで消えてしまうほどの悪条件でクラッシュやスピンが相次ぎ、22台中7台がレース途中で姿を消した。
しかし、最大の波乱は、メーン直線の最終部分にある常設席上に作られた仮設スタンド「指定席C」だった。観客から「勾配がゆる過ぎ、手前側を走る車が見えない」との苦情が寄せられ、同スピードウェイでは自由席との差額分5万円を払い戻すこと決めるという事態となった。
さらに、指定席と自由席の区別もはっきりせず、仮設トイレも共用で数カ所しか設置されず、常に大渋滞。ヘアピン・100R方面に抜ける地下道が閉鎖され、通常10分程度で行けるところも30分以上かかり、場内に一つだけのレストランも一般客は使用できず、多くの客は、雨の中売店の軒先で、800円もする焼きそばなどを立ち食いという状態だった。
もう一つの問題はアクセスだ。渋滞緩和のため、サーキットへの一般車両を制限し、場外駐車場からシャトルバスが運行されたが、予選日には、シャトルバスの通路(サーキット内)が陥没して4時間半運行できず、2万人に影響した。決勝当日も、レースが終わってからはバス待ちの列が延々と続き、比較的早めに並んだ私も3時間以上待たされた。列の中では、「何時にバスに乗れるのか」「帰れなかった場合はどうする」などと係員に詰め寄る客もいた。
地元小山町も、「F1開催の町 おやま」というのぼりが立てられていたたものの、一般客はほとんどシャトルバスで駐車場や駅などに運ばれるため、多くが素通りで、鈴鹿サーキットの地元・三重県鈴鹿市に比べて盛り上がりもいま一つ。雨にぬれたのぼりが寂しげで、「鈴鹿での開催に戻して欲しい」というファンの声も上がっていた。
富士スピードウェイは1966年に開設され、市販車改造レース「スーパーGT」や日本最高峰の自動車レース「フォーミュラ・ニッポン」などが開かれ、数々の伝説を生んだ名門サーキット。来年も日本GPが開かれ、その後は鈴鹿と交互開催となる。世界有数の長さ1.5キロの直線をF1マシンが爆走する迫力のレースをじっくりと楽しめる体制をぜひ作って欲しいものだ。
観客からマスコミへの投書
2007年日本GPについて
報道各社殿
私は9月27日~9月30日の4日間日本GPを観戦した一人です。今年FSWで開催された日本GP、過去のGPの中で最悪の物だったと実感しておりますが 一部公表されている内容及び、報道されている内容が随分トヨタ贔屓的内容が多いのではないかと感じております。
まず、決勝日は14万人の入場者と発表されておりますが、それだけの入場者があったのでしょうか?
バス乗り場に2万人が足止めとありますが、東側・西側合わせるとそんな人数じゃないと思うのですが。
すべての入場がバスのみのアクセスしか出来なかったのに、土曜日の予選終了後2万人しか足止めされなかったと言う事は考え難いと思います。
バスの運行については道路の陥没が原因とされておりますが、現場に居た多くの観客はそう思ってないと思います。あれはFSWの安易なプランによる怠慢であり人災です。
報道されて入る中には2時間から3時間の足止めと発表されているものもありますが、2時間でバスに乗車出来たのはほんの一部の地域だけで、実際に移動数が多かった東ゲートの新松田山中湖、新富士、西ゲートの御殿場行き、須走駐車場行き等はレースを途中で諦めて帰った方で3時間、時間差で遅く帰った方は5時間から6時間と言う方もいらっしゃいました。
理由は沢山ありますが、各地域ごとにバスの台数が決められており一定の台数がサーキットを発車するとそのバスがサーキットに戻って 来るまでバスが無い、そのバスも関係者が最優先に扱われていた西ゲートで足止めされて出るバスも、来るバスも動けない状態が続いたのです。
私は須走Aという駐車場を利用しておりましたがバスの運転手さんがそのように仰ってました。また、そのバスは通常路線で使用されるタイプのバスで座席数は少ないのですが、係員の指示で座席が埋まると出発させる運転手さんがバスの台数に限りがあるのだからもっといっぱい乗車するようにしてほしいと訴えても現地係員は詰め込まずにバスを発車させる。
客が急いでるから乗りたいと訴えればやっと乗車させてもらえると言う状況でしたのでバスが回転する訳がありません。
これは私がバス待ちの間、周辺で起こったことなのですが周辺は暗くなりかなり冷え込んできてトイレも近くなるしかし、トイレがバス乗り場周辺になく 我慢出来ずに漏らしてしまった方や、女性一人で観戦に来て列に並んで居る為周辺の方に場所を頼んでトイレに駆け込んだけど戻ってくるのに時間が掛かってしまい場所を頼んでいた列を見失って並びなおした方、そんな被害に遭われたのは少ない数ではないと思います。
2時間と言う待ち時間は行列の常識範囲だと思われがちですが、それが3時間~5時間・6時間となるとどうでしょう。
そこに暖も無ければ 食糧も飲料も無い、トイレも無いそんな場所に3時間~5時間6時間、多少の変動があるとは思いますが数万人の観客が立たされっぱなしなのです。
そして、そのバス乗り場周辺に責任者と呼べる関係者が居ない、問合せしても対応できるスタッフが居ない、スタッフの大半がアルバイトでバスを潤滑にコントロールして誘導するプロフェッショナルも居ない。
中には逆切れして、行き先のプレートを並んでる列に放り投げて業務放棄して苦情を言った客に殴りかかろうとするスタッフ。
現場で説明を求めてもそれを何処に上げて確認すれば良いか解からないスタッフ。
何処にも責任者と呼べる関係者が居ないのです。あれだけの人、あれだけのバスの台数を素人同然のアルバイトスタッフにコントロール出来るとおもいますか?
チケットの払い戻しの件でもそうです。
表面的F1に関心が無い多くの視聴者向けには座席に不備があってFSWは即座に一人50,000円も7,000人に返金したスタートに間に合わなかった人に対して、チケット代とその損害を賠償すると素晴しい対応のように聞えるでしょうが、現場の声はどうでしょう。
苦労して押さえたC席、本当にモータースポーツが好きだったりF1が好きな方にとって喉から手が出るほど好まれるC席の61,000円レースが見えないという苦情から、代替の指定席が無いので自由席でも同じような視界で見えるからとそのままC席で見るか泥沼と化して先客に荒らされた見たくも無い自由席へと移動させられ、レースは見たんだから自由席分の11,000円を差し引いた50,000円は返金する。
そんな事で遠くから高い交通費や宿泊費掛けてやってきた熱狂的ファンは納得できるのでしょうか?
バスの遅れによりスタートまでに入場できなかった方への損害補償もそうです。
12:30のスタート時点で入場ゲートを越えていたか超えてなかったかで証明書が発行されたらしいのですが、ギリギリにバスで到着時間が無いから走ってゲートを越えて座席へ急いだ方、諦めてのんびりゲートに到着した方、12:30少し前にゲートを越えてもご自身の席でスタートを見れた方などチケットゲートから一番近い自由席まで走っても10分以上掛かる訳ですから相当数の被害者が居ると思うのです。
他にも、レースを楽しみにして早めに出発、バスがFSWに向かう途中渋滞で運転手がレースに間に合わないと判断、その乗客らはバスを降ろされ、富士裾野の山道を2時間近く歩かされFSWに入場、ギリギリスタートに間に合った方だって死ぬ思いしてドロドロになり、息を切らしスタートが見たいからと必死に歩いてFSWへ入場した方も多数いらっしゃいます。
土曜日のバスの状況から何ら改善策も発表が無いまま不安を抱えた観客、前日のような事になると二次交通手段が間に合わないと、レースを泣く泣く途中で諦めて帰る判断をしなければならなかった方。
その方々と12:30の時点で入場ゲートを越えなかった、超えてなかった方と何の差があるのでしょうか?
来年へ向けての改善の参考などどうでも良いです。即座に対応した返金対象者と、返金されない上記のような被害に遭った方、どれだけの差があるのか責任説明を求めて頂きたいと思います。
殺風景なスタンド・横断幕禁止の件
私はFSWへ日本GPの舞台が替わって色々な批判がある中、そんなにひどい所ではないと多くの方に伝えて来ました。
それは、過去に鈴鹿開催が20年間行われて来てる実績参考と最新の設備が整ったFSWの環境、トヨタと言う日本が世界に誇る大企業のバックアップがあると思ったからです。
私自身、日本GPは大好きなドライバーを横断幕等で応援する事が楽しく毎年正月を迎える気分で楽しく過しておりましたが、木曜日に行われたピットウォークで発見した来場者への注意。
「応援幕や旗を取り付けはご遠慮下さい」
すぐにFSWへ電話して「応援幕と旗の件でお解りになる方」と担当部署へ電話をつないで頂くよう頼み、FSWの職員と思われるイケヤ氏へこの件について抗議しました。
私は、この時点ですべての横断幕や旗を振る行為も禁止だと勘違いしておりましたので、最初の抗議内容が私の勘違いから始まったものです。
以下、D:=私 F:=FSWイケヤ氏
D:横断幕・旗が禁止と言う話を聞きましたが、どう言った理由から禁止なのでしょうか?
F:横断幕や旗は周囲の方にとても迷惑となる為禁止とさせて頂きました。
D:何処のサーキットでも横断幕や旗はGPの演出的にも必要な物だと思いますが、F1GPが鈴鹿開催からFSW開催に替わって禁止と言う事になったのであればチケット発売前に告知する必要があったのでは?
F:そのような告知までは行いません。横断幕や旗については、すべて禁止とお願い申し上げております。
D:私は横断幕を揚げてドライバーを応援する事が楽しみでF1GPを観戦しに行ってるのですが、事前に禁止と言う告知があったのであれば高額のチケットを購入して観に来る必要が無かったのですが、そんな風にGPを楽しんで居る方も少なくないですよ。
F:こちらでは、そのようには考えておりません。横断幕や旗は、周囲のお客様に対して大変迷惑となりますので禁止とさせて頂きました。
D:しかし、各メーカーやチームが、日本GPで○○を応援しようと来場者へ応援フラッグを配布するとチームのHP等で予告してますし、今日からスピードウェイビレッジにOPENしておられるグッズショップでも販売してありましたが、FSWさんは禁止されている物を場内で販売したり配布したりさせてるのですか?
F:その確認はしておりませんが、すべて禁止とさせて頂いております。
D:では、各チームやメーカー各社にフラッグの配布禁止を伝えなければなりませんよね。多くの来場者は、フラッグがチームやメーカーから配布されれば応援の時、必ずその旗を振って好みのドライバーやチームを応援しますよ。
F:そのような話は聞いておりません。
D:チーム名は控えますが応援フラッグを配布すると各HPで公表してるチームもありますよ。明日開幕と言うこの時期に禁止と言うのも変じゃないでしょうか?
F:申し訳ありませんが横断幕や旗は禁止となっておりますのでご理解下さい。
D:そんな話は理解出来ないですよ。各チームのフラッグが配布されれば色々な方が観客席でその旗を振るのは止める事が出来ないでしょうから、私は自身で作製した旗を揚げさせて頂きますのでご了承下さい。
F:いえ、それは困ります。揚げられた横断幕や旗はすべて排除させて頂く事になりますのでお揚げにならないようご協力下さい。
D:では、各チームやメーカーにもその事を通達して配布されないよう連絡して下さい。そうでなければ、私は日本GPに行く意味がないので私が購入させて頂いたチケットすべて払い戻しして下さい。一番の楽しみを奪われた日本GPへ行く意味がなくなったので・・・
F:それは出来ません。
D:では、横断幕や旗を認めて下さい。
F:横断幕や旗の禁止は既に決定事項ですので変更出来かねます。
D:事前告知も無いのに、決定事項だから変更出来ないっておかしくありませんか?話は少し替わりますが、FSWさん=トヨタと言う認識があります。過去に鈴鹿サーキットで行われた日本GPでは、毎年指定席全体を覆う程大きな応援旗が広げられますがあれは迷惑ではないのですか?禁止と言う事であれば、今年はあの旗も禁止される訳ですよね?トヨタ応援団が手に持って振る小旗も行われない訳ですよね。
※しばらく沈黙(電話の脇でゴソゴソ話をしている様子)
F:えーっとですねー、チームやメーカーで配布する小旗に関しては周囲の方に迷惑を掛けないのでOKと言う事でトヨタの大きな旗に関しましては、トヨタ応援席の中で行われるものとしてFSW側では関知しておりません
D:はぁー???かなりおかしくないですか?と言う事は、最上段の手摺の上に固定される旗や観客の視界を邪魔しない場所に取り付ける横断幕は禁止で、目の前をチラチラ振られ、隣の方の目や顔に旗棒が突き刺さる危険がある小旗はOKと言う事ですか?私の認識では、旗や横断幕を固定して応援する方はかなり周囲を気にして、大勢の方に迷惑にならないようにかなり気を使って固定してると思いますし、絶対危険じゃないとは言い切れないけど比較的危険性は少ないと認識しております。でも、FSWの考えとは正反対に席でパタパタ振られる小旗に関しては否定はしないけど、隣の方の楽しみ方によってはかなり迷惑なもので周囲の方の目を突いたり、顔を突いたりというトラブルは何度も見ておりますし、FSW側が仰ってる意味がサッパリ解かりません。冷静に発言されてますか?それがFSW側の公式な発表と受け止めて良いのですね。
F:ハイ、これはFSWの決定事項であり、FSW側では座席で振られる小旗は危険性が無い物と判断しております。
D:そのように言われると 笑うしかないですね。では、今年各メーカー・チームの応援席はFSWとの調整が出来ず設けられ無かったと噂で聞いております。現に佐藤琢磨選手の応援席やSAF1、HONDAのFAN応援席が設けられてないのは事実です。それなのにTOYOTA応援席はあるのですか?まぁ、それはそうだろうと思っておりましたので良いですけど(笑)しかし、トヨタ応援団・応援席はOK、他の席は駄目。そこまでやっちゃって良いんですか?
F:それはトヨタの方でやることですから
D:では、客が勝手にやる事も良い訳じゃないですか?トヨタの客と一般客で差別する訳にはいかんでしょー(笑)
F:横断幕や旗の設置はご遠慮頂いております。
D:いえ、私は絶対に横断幕を揚げさせて頂きます。また、トヨタ応援席ではそれが許されて、私が揚げる横断幕や旗が撤去させるような事があれば、横断幕や旗の製作費用・入場料・その他、経費や交通費等を含め損害賠償をFSW様に請求させて頂きます。それで宜しいですよね。
F:禁止事項でありますのでご理解頂くようご協力下さい。
D:色々な意味でFSWで開催される日本GPを盛り上げようと協力してるつもりで、FSWで行われる事に批判的な方へもそんな事無いから観に行こうよと伝えて来ましたが、それだけは絶対譲れません。
F:禁止事項でありますのでご理解頂くようご協力下さい。
D:申し上げたとおりで、私の横断幕と旗が撤去された場合、一方的に楽しみを奪われたものとして損害賠償を請求する気持ちは変わりません。
F:禁止事項でありますのでご理解頂くようご協力下さい。
D:それしか言えないのかボンクラ
F:はい、これはFSWとしての決定事項でございますので、ご協力をお願いするしかありません。
D:こちらこそ日本GPが盛り上るように、楽しめるように何ヶ月も前から準備してるので、横断幕や旗の禁止についてチケット発売前の準備期間中に何の告知も無かった訳ですから、今更そんな禁止事項を発表されても困りますので
F:禁止事項でありますのでご理解頂くようご協力下さい。
D:では、そういう事で宜しくお願いします。
F:禁止事項でありますのでご理解頂くようご協力下さい。
そして決勝を迎えたのですが、私の近くに座っていた親子、お子様が琢磨選手のファンと言う事で お母様に縫って頂いた大きな布に
友達数人と集まって作った琢磨選手への応援メッセージ。指定席最前列の手摺の下、足元からその応援旗をお父様が下げて上げた直後
警備員がやって来て「横断幕は禁止されております。外して下さい」と指導。
そのお父様も子供達が一生懸命手作りで作ったものなんです。迷惑にならないよう貼りますから認めて頂けないかとかなりお願いされていましたが、規則だからとその願い叶わず、その父親は息子さんに「貼ってはいけないルールなんだって、ルールだからしかたないよね」と説得。
しばらくレースが始まるのを親子待っていらしたのですが、正面のモニターに映し出されたTOYOTAの巨大フラッグ。
それを見たその子は「お父さん、大きな旗揚がってるよ、TOYOTAのは良いのかな?」そう言われた父親は拳を握り締め目を吊り上げてモニターを睨んで子供さんに謝っていました。
一般観客は駄目なのにTOYOTA応援団は良い。そんな理不尽な事が許されて良いのでしょうか?FSWが横断幕や旗を禁止と発表したのであればTOYOTA応援団は、その手本となるべきではないのでしょうか?
そのような表面に出てこない本当の日本GPをトヨタの圧力を恐れず、真実の日本GPを報道していただける所はないのでしょうか?
国民に大きな夢を与えなければならないTOYOTAが、小さな子供達の夢を打ち砕くようなこの現実を報道関係者は見過ごして良いのですか?
訴訟
これら諸問題については、「被害者の会」が設立されたほか、翌2008年5月には一部の観客が富士スピードウェイを提訴することを決定、翌6月にはうち109人が、チケット代全額や慰謝料など総額約3200万円の損害賠償を求める共同訴訟を東京地方裁判所に申し立てた。これに対して富士スピードウェイは、「想定を超える悪天候に見舞われた特殊事情である」として、請求の棄却を求めた。
主催者の過失認める。東京地裁が判決
2007年に富士スピードウェイ(FSW、静岡県小山町)で開かれたF1日本グランプリで、シャトルバスの運行がずさんでレースを観戦できなかったり、体調を崩したりしたとして観戦者67人がFSWを相手取り、チケット代の返還と慰謝料など約1950万円の賠償を求めた訴訟の判決が2013年1月24日、東京地裁であった。本多知成(ともなり)裁判長はFSWの過失を認め、53人に計約80万円の支払いを命じた。
判決によると、同グランプリは30年ぶりにFSWで開催。車での来場は禁止で、観戦者はシャトルバスを利用した。ところが道路が陥没したり、駐車場が雨でぬかるんだりして、運行が遅れた。
判決は「大規模イベントの主催者に期待される調査、管理を怠った」と指摘し、バスを3時間以上待ったり、終電に乗り遅れホテルに宿泊したりした観戦者らへの賠償を認めた。一方、観戦者側が訴えていた会場内の誘導の不十分さや観客席の視界の悪さなどについては「国際的な大規模な大会で一定の混雑が生じることは容易に想像できる」と過失を認めなかった。
FSWは「判決を尊重したい」とコメントした。
その他
テレビ中継
フジテレビの地上波放送は、土曜日の予選 (13:15〜15:26)・日曜日の決勝 (13:10〜15:15) とも生放送、CS放送はフジテレビ721でフリー走行から決勝まで全セッションを生放送する予定だった。
『SUPER KEIBA』(東日本)及び『DREAM競馬』(西日本)において放送された競馬のGIレース・スプリンターズステークスが、同じ9月30日開催(発走時刻15:40)となっていたため、地上波での扱いが注目されていた。レギュラーの競馬中継時間と15分重なることになるが、F1・競馬両レースを生中継するにはほぼ問題ないスケジュールだった。
しかし、実際には降雨のため日本GPのスタート時間が13:30に遅れ、レース自体もセーフティカー走行などで長引いたため、延長予定枠いっぱいの15:35まで放送した。これにより地上波放送ではトップ3記者会見が中継できなかったほか、スプリンターズステークスもレース実況のみとなった。
サポートイベント
サポートレースは、「ネッツカップ・ヴィッツレース」(決勝8周)と「ポルシェ・カレラカップ・ジャパン」(決勝10周)。フリー走行は金曜日、予選は土曜日、決勝は日曜日に行われた。
天候が晴れであったらブルーインパルスの展示飛行も行われる予定であったが、雨のために中止された。