「打ち切り (アニメ・特撮番組)」の版間の差分
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アニメ・特撮番組における'''打ち切り'''(うちきり)とは、視聴率至上主義の弊害であると同時に、その業界全体が直面している危機である。 | アニメ・特撮番組における'''打ち切り'''(うちきり)とは、視聴率至上主義の弊害であると同時に、その業界全体が直面している危機である。 | ||
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2020年1月8日 (水) 04:46時点における版
rxy=森谷辰也=LTA:ASPE、 LTA:DCHANCE、LTA:SASHOという動かせない事実。アニメ・特撮番組における打ち切り(うちきり)とは、視聴率至上主義の弊害であると同時に、その業界全体が直面している危機である。
(注)作品名の後ろに「※」がある場合は特撮番組。
目次
概要
現在のテレビ番組は高い視聴率を記録してスポンサー料を上げたり、番組関連のグッズ収入を獲得するなど要するに金につながる番組が重宝される。これは一般番組と同じだ。まずは従来の法則が適用される子供向けアニメの事例をみていこう。アニメの場合は高視聴率でも関連グッズが売れないという理由で打ち切られることがあり、よりシビアになっている。
主な例
一旦終了した例
今となっては誰もが知る人気アニメや特撮でも放送当時は時代が早すぎたり、グッズが売れなかったりで苦戦した過去があったりする。
- ウルトラセブン※
- 当初は全39話の予定だったが、視聴率が良かったため10話が追加された。しかし前半の話に予算を使いすぎたのか、後半の話では大怪獣が出てこなくなったりした。それが原因で視聴者離れを招き、視聴率は大幅に低下した。
- ただし、その後再放送が何度も行われた結果、現在の人気を得るに至った(注:第12話の件もあるが)。
- ルパン三世(初代)
- 「大人向けアニメ」と喧伝したことが仇となり、親が「あんなもの、子供が見るんじゃありません!!」と子供を叱り付ける状態を招き、一桁台の視聴率が続いた。
- 後半の宮崎駿・高畑勲らの演出回は対象年齢を下げたこともあってやや上昇したものの、23話で打ち切りとなった。
- 宇宙戦艦ヤマト
- 裏番組が『アルプスの少女ハイジ』や『猿の軍団』であったことによる「低視聴率」「後半の人気の低下」「製作体制の破綻」「赤字の累積」により、39話の予定が13話削減されて26話になった。
- その後、本作品のシリーズは「劇場版の大ヒット」→「テレビ番組の不振」のパターンを繰り返す事になったため、リメイク作品の『宇宙戦艦ヤマト2199』では、テレビの視聴率がコケても大丈夫な万全の体制が構築された。
- バロンシリーズ※
- 1973年7月から開始された1作目の『スーパーロボット レッドバロン』は大人気を記録したが、スポンサー会社の経営破綻により3クールで打ち切り。
- それから半年のブランクをおいて再開した2作目『スーパーロボット マッハバロン』も関連グッズの売り上げ・視聴率ともに好調だったが、放送局側の都合でストーリーが未完のまま、アニメ枠に戻って半年打ち切り。
- その2年後、今度は日曜夕方に路線をややファミリー向けに転向した3作目『小さなスーパーマン ガンバロン』を放送し、某国民的長寿アニメを相手に善戦したが、ウルトラシリーズの商品を出していたスポンサーの玩具メーカーが経営破綻し、放送枠も土曜朝に左遷され、なんとか制作費を節約して続けたものの、「来週も見よう!」と呼びかけたまま打ち切られた。[1]
完全に失敗した例
上と違って、それっきりで終わってしまった例。
- 宇宙Gメン(日本テレビ)※
- 特撮番組初のスペースオペラとして注目され、1クール分(約13話)が制作されたが、あまりの不人気のために8話で撃沈。現在は未放送になった回も映像ソフトで視聴できるが、その未放送の回も1回分が欠落している。
- また当時実際に放送された回にも1回分が欠落しており、現在は11話となっている。
- スカイヤーズ5(モノクロ版)(TBSテレビ)
- TCJ御大の黒歴史。
- 子供たちにウケることが全くできず、たった1クールで撃沈。しかし、3年9か月後にカラーリメイク版として半年間放送された。
- 風雲ライオン丸(フジテレビ)※
- 鬣を隠したデザインや前作『快傑ライオン丸』よりハードな展開がぴーにより受け入れられなかったために25話で打ち切った。
- 後番組は現代劇となる『鉄人タイガーセブン』へと路線転換したが、これもまた打ち切りの道を辿っている(後述)。
- 明日のナージャ(朝日放送)
- 前シリーズ作品から大胆な路線転換を図ったが、既存の日曜8時半枠の視聴者からはこの方針が受け入れられなかったようで、同時間枠の史上最低平均視聴率を記録した。その上、メインスポンサーの業績にも悪影響を及ぼす等散々な結果に終わり、シリーズ化されることもなく撃沈。正直、1年持っただけでも儲けものである。
- しかし終了7年後、ナージャはシルヴィーと共に同時間枠に再登板を果たし、前述の汚名を敵に対する憤りを表す象徴的な台詞として逆用するなど見事なまでのカウンターアタックを展開。きちんと結果を残した上で次回作へとバトンを渡し、汚名は返上された形となっている。しかし今度は別の人が…。(ry
- 巨獣特捜ジャスピオン(テレビ朝日)※
- 前作から一転、メタルヒーローに怪獣映画の要素を取り入れて高視聴率を図ったが、視聴者からは全く受け入れず、テレビ朝日が1985年のエクストリーム・謝罪最終ラウンド進出を果たしてからは視聴率がほぼ暴落してしまう。
- おまけに1986年1月に月曜19時枠へ移動するも、視聴率はうまく取ることができず、3月いっぱいで撃沈。事実、この作品の次回作『時空戦士スピルバン』が宇宙刑事シリーズの実質上最終作になってしまった。[2]
裏番組に押された例
- 突撃!ヒューマン!!※
- 当時、ヒーロー番組の帝王に君臨し始めた『仮面ライダー』の裏番組として「ステージショーを録画した異色のヒーロー番組」を放送したが、あえなく1クールで撃沈。またこの番組の主演俳優はこの番組の終了から約3年後、仮面ライダー2号の中の人と別の特撮番組で兄弟ヒーロー役になり名誉挽回し、その数年後には特撮OBだらけの刑事ドラマで仮面ライダー1号の中の人ともレギュラー刑事として共演している。
- ちなみに、同名の漫画版は最終話が「わずか2ページ」という大記録を残している。
- 鉄人タイガーセブン※
- 『変身忍者 嵐』の打ち切りから半年後に、同じ主演俳優が演じた「鬱展開満載」の特撮変身ヒーロー。
- あまりの鬱展開(平成仮面ライダー第1作『仮面ライダークウガ』より四半世紀も前にこれをやった)に当然子供は引いてしまい、裏にまたまた「A」が入る円谷プロ制作の巨大ロボットヒーローものと東京ムービー制作の平面ガエルの出てくる漫画原作のアニメを迎えたことで視聴率面でも苦戦した結果、半年で打ち切り。
- 円盤戦争バンキッド※
- 戦隊シリーズの
パクリ東宝&日テレ版。 - 某国民的長寿アニメの裏番組に来たため、半年で撃沈[3]。
話数を削減した例
臭い記事に注意!! この記事は臭くてたまりません。筆者自身がそれを認めます。 |
開始当初に予定していた話数を終盤で減らして、残りの回に終盤の展開を詰め込むパターン。
- 魔神バンダー(フジテレビ)※
- かつて同局で放送された日本初の怪獣テレビ特撮番組『怪獣マリンコング』を手がけたニッサンプロがNMCに改名した時に制作された特撮作品。
- 1966年に全26話の予定で制作されていたが、13話に短縮された上お蔵入りしていた。不遇の極みだが、制作体制も内容もそれなりのものらしい。
- 超時空騎団サザンクロス(毎日放送)
- 超時空シリーズの黒歴史。前々作が大ヒットし、前作もそれなりにヒットしたものの、本作は完全にコケてしまい、39話の予定が23話に縮小され打ち切り。
- 他メディアでの復活の機会も与えられず、放映終了から30年経った現在も物語の核心は不明なままである。
- 超人機メタルダー(テレビ朝日)※
- 視聴率が強力な裏番組のために振るわなかったため、メタルヒーローはゴールデンタイムから完全に撤退。
- しかも37話で終了するはずだったのに、後番組『世界忍者戦ジライヤ』が間に合わず、2話分延長されるという、打ち切りだか延長だか訳のわからん結末だった。
- スイートプリキュア♪(朝日放送)
- 全49話の予定で制作されていたが、東日本大震災の影響で第6話の放送が同月に公開された『映画プリキュアオールスターズDX3 未来に届け!世界をつなぐ虹色の花』公開日の翌日に延期され、結果として48話になった。
- 不可抗力的な事態とはいえこのパターンでは珍しく、序盤で話数が減らされた。
辞め時を間違えた例
- 流星人間ゾーン(日本テレビ)※
- 東宝の誇る世界的怪獣王の黒歴史。
- キングギドラやガイガンといったゴジラ映画登場の大怪獣も登場したが、即刻打ち切りが決まったため、ガロガバラン星人との決着がつかないまま未完に終わってしまった。
- 忍者キャプター(東京12チャンネル)※
- 戦隊シリーズの黒歴史。撮影中に突然「後番組『快傑ズバット』の制作決定による打ち切り」の報告が下されたため、最終話は一部に未放映作品のシナリオを流用することになった。
- かつて戦隊シリーズ扱いされていた時期もあったが、現在では放送局が違う関係上、戦隊シリーズから除外されている。
方向転換が失敗した例
- ジャッカー電撃隊(テレビ朝日)※
- ゴレンジャーとは打って変わったシリアス志向が受け入れられなかったため、テコ入れとして『ゴレンジャー』ではアオレンジャー役だった日本一のヒーロー俳優を新ヒーローとして投入するも、3クールで撃沈。
- 以後1年間戦隊シリーズは中断となり、後番組も女の子向けの特撮番組となった[4]。また前作と本作の両作品は、原作者が石ノ森章太郎御大ということもあってか、一時期シリーズから除外されていた。
- ふたりはプリキュア Splash Star(朝日放送)
- プリキュアシリーズの黒歴史。
- 前々作が好評のために続編が制作されて結果2年続けることに成功、続編も決定していたというのに、主人公キャラが完全変更となった上途中で強化された以外全部なかったことで前2作とは異なるプリキュアとなってしまった挙句に視聴率も前作を下回る結果になり、おまけに裏番組にほとんど視聴率を奪われてしまった。当然、続編は制作されてもらえず1年で打ち切りに。[5]
- スペース1999※
- イギリス製の特撮番組。
- 「宇宙…それは最後のフロンティア」などとぬかすアメリカ製SFドラマの制作以前の宇宙ネタSFとしては好調だった。
- ところが、シーズン1の打ち上げパーティーでプロデューサーの夫と脚本の妻が離婚を宣言。すると妻と一緒にスタッフや出演者の一部も出て行ってしまった[6]ので、シーズン1とシーズン2で登場人物からBGM、衣装やセットの色調、果ては話の筋までほとんど違う代物(それも一切説明無し)になってしまった。もちろん視聴率は急降下し、結果としてシーズン2で打ち切られてしまった。
大人の事情で終了した例
- 超人バロム・1※
- 2人の少年が合体変身する異色のヒーローものだったが、敵の首領と同じ名前のドイツ人少年が日本の学校でいじめられた事件がきっかけで打ち切られた。
- UFO大戦争 戦え!レッドタイガー※
- 1クールごとに放送枠を移動させられた結果、3クールで打ち切り。今も「映像ソフト化が全くされていない不遇の特撮ヒーロー」として有名な作品。
- 大好き!ハローキティ
- 制作会社が企画途中で中断したため2クールで撃沈。
- ハーメルンのバイオリン弾き
- 「ギャグ要素を全面カット」「展開ぶつ切り」「絵は紙芝居状態」と原作レイプが満載だった挙句、1年の予定も半年終了によってネタを詰め込みまくった悲劇。
- ついでにとんちんかん
- 昭和天皇の吐血、入院で作品の存在そのものが不謹慎とみなされ打ち切られる。[7]
- ジバクくん
- フォルツァ!ひでまる
- 上記2作品はテレビ局が企画を途中でやめたために2クールで撃沈。
短期で打ち切られた例
多くのアニメ・特撮番組には、短期(主に3~9回)で打ち切られた例が多いこともある。
- アゴン ~AGON~※
- 日本電波映画が1964年に制作したものの、4年の間お蔵入りになっていた作品で「打ち切りの一種」に入っている。
- 同社の特撮作品では『ジャングルプリンス』も同じような目に合っていたらしい。
- SF西遊記スタージンガーⅡ
- 前作の続編として放映されたが、「主人公が巨大化」等の設定がとどめになり9回で撃沈。[8]
- ドン・ドラキュラ
- 制作会社が金を払えず4回で終了。[9]
- ウルトラマンネオス※
- 1995年に登場しながらも、5年間にわたってパイロットフィルムやイベント、雑誌展開のみに終わっていた幻のウルトラヒーローをオリジナルビデオとして2000年に映像化したものを、『ウルトラマンコスモス』の放送中止による穴埋め番組としてテレビ放映していたが、『コスモス』の放送再開によって、わずか2回で撃沈。しかし地方局では全話放送されている。
- RGBアドベンチャー
- 制作会社の諸事情により6回で撃沈。
誰もが納得できない打ち切り
- ゲゲゲの鬼太郎
- 1968年~2009年まで何度か間を空けつつも続いていた長寿かつ人気アニメ。だが第5期がこいつのせいで中途半端なところで打ち切られた。
- 第6期を制作する見込みはあったはずだが、主要キャラの担当声優がこの間に死去したため、未だに再開の見込みは立っていない。おい、この責任をどう取るつもりだ?
- 時空探偵ゲンシクン(テレビ東京)
- 視聴率は好調だったが、CGの使いすぎの挙げ句に内容がややこしくなってしまったために3クールで撃沈。
- 釣りバカ日誌(テレビ朝日)
- 上記『時空探偵ゲンシクン』と同様に視聴率は好調だったが、より視聴率が取れる作品をという事により某少年誌に枠を強奪され終了。
- しかし、期待された後番組が色々な面で撃沈してローカル枠に降格している。
脚注
- ↑ つくづくこの番組の放送局は特撮番組を冷遇していることが分かる。
- ↑ その後、地球の裏側であるブラジルで放送され大ヒットとなる。日本人のあだ名がみんな「ジャスピオン」になったり、何のつながりもないスピルバンが勝手に“Juspion2”に改名されて放送されるという、日本での不人気が何だったのかと言わんばかりの流行ぶりだった。
- ↑ ただし怪人の名前が全員アルファベットのもじりだったため、最初から全26話の予定だった可能性も否定できない。
- ↑ だが女の子向けの特撮番組も半年で打ち切られ、後番組は東映のSF超大作のテレビ向けバージョンとなる。しかしこれもまた半年で打ち切られ、それ以後、東映はこの時間の特撮番組枠から撤退した。
- ↑ 次回作『Yes!プリキュア5』は2年も続けていたが、その教訓を生かして5名の主要キャラクターは固定されている。
- ↑ かろうじて主人公とヒロインだけ残った。ちなみに主人公とヒロインを演じた役者も夫婦だが、こちらも後に離婚している。SFドラマって、作るのにそんなにストレスが溜まるのだろうか?
- ↑ 後番組はスポ根ものの『名門!第三野球部』になったがこれも打ち切りの運命に逢ってしまい、その後番組が『らんま1/2』となってしまう…。
- ↑ むしろ前作の人気が高かったことによる短期延長の説もある。
- ↑ 一部の地域では8話まで放映していたらしい。