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運転免許(うんてんめんきょ)とは、運転に一定の技量が必要な機械装置設備の運転に対する免許のことである。免許の保有を証明して交付される公文書運転免許証という。

概説[編集]

世界の多くの国で法律に基づいた免許制度が実施されており、運転免許は自動車を安全に運行する技量と知識を持つ者に対して付与され、試験によって適性が判断されている。

各国の運転免許[編集]

日本[編集]

日本の制度では、運転免許の制度・規則については、道路交通法及び下位命令により規定されており、その管理は各都道府県公安委員会が行うが、実際の業務は法令の委任により警視庁及び各道府県の警察本部が行っており、運転免許は国家公安委員会警察庁交通局の管理監督を受ける国家資格となっている。

道路における自動車および原動機付自転車の運転を認める許可のことを「運転免許」としている。そして、運転免許は、運転免許証を交付して行なうことになっている(道路交通法第92条)。

日本の運転免許 を参照

アメリカ合衆国[編集]

アメリカ合衆国では道路交通法が連邦法ではなく州法なので、各の担当部署(道路局または自動車局)が発給を担当している。ただし、外交や公用で滞在する外国人(外交官アグレマン・外交や公用ビザの保持者)に対しては、アメリカ合衆国国務省(外務省相当)が運転免許証を発給することができる。

取得年齢は州によって異なる。日本と異なり、助手席に指導者が乗車していれば、全く運転をしたことがない人が「練習中」と表示して路上で練習してよいところもある。実技試験は日本よりかなり簡単である。筆記試験は、多言語での試験問題が用意されており、日本語で受験できる試験場もある。合格に必要な視力(矯正可)は普通車で20/40(日本でいう0.5)以上である。

また二輪車に関しては、免許は多くの州で排気量の区分がない。

ヨーロッパ[編集]

欧州では、助手席に指導員が同乗していれば免許のない者が公道で練習できる国もある。例えばフランスなどがそうである。したがって座学を少しした段階で、いきなり路上(公道)で教習を行う(つまり多くの場合、練習場を備えた教習所で練習するのではない)。練習場を持たず、事務所と教習車だけ所有する教習所が多い。合格に必要な視力は、フランスの場合0.5以上。

メキシコ[編集]

メキシコ国内では、首都のメキシコ市及び州毎に制度が異なるが、メキシコ市の場合は、有権者カードと住所を証明できるもの、手数料があれば無試験で免許が得られる。過去においては試験制度が存在していたが、汚職が横行したため無試験になったという経緯がある[1]

中国[編集]

中国では、中華人民共和国道路交通安全法条例や中華人民共和国機動車運転証管理弁法により定められており、18歳以上(大型客車と無軌道トロリーバスは21歳以上)で取得できるが上限が設けられており取得できるのは60歳まで(大型客車と無軌道トロリーバスは45歳まで、大型貨物は50歳まで)となっている。70歳以上は免許取り消しとなる。

台湾[編集]

道路交通安全規則によって定められており、道路で自動車やオートバイを運転する者は中華民国交通部から運転免許証を交付してもらうこととなっている。

中華民国汽車駕駛執照 を参照

香港[編集]

香港駕駛執照 を参照

韓国[編集]

大韓民国道路交通法によって定められており、道路で自動車や原動機付自転車を運転する者は警察署長(道路交通公団が代行している)から運転免許証を交付して行うことになっている(大韓民国道路交通法第80条)。

韓国の運転免許 を参照

サウディアラビア[編集]

2013年現在、世界で唯一、女性の自動車運転を法律で禁止している国といわれる。 サウディアラビアにおける女性の人権 を参照

発展途上国[編集]

発展途上国にも運転免許の制度があるが、無免許で運転しているケースも地域によっては珍しくない(運転技術自体は習熟で何とかなる)。免許を取得できない理由としては、文盲のため受験できないといったことがあげられる。

国際運転免許[編集]

詳細は 国際運転免許証 を参照

国際運転免許とは、ジュネーヴ条約(日本が批准)またはウィーン条約[2](日本は批准せず)により、条約締結国間で運転を認める免許のことである。新規にそういった免許を取得するのではなく、本国の免許の翻訳証明と言った意味合いである。有効期間は発行後1年間だが、母国の運転免許が失効した場合は当然に無効となる。最高でも180日程度の短期滞在者向けであり、長期滞在の場合にはその国で免許を取る必要がある。

また、ドイツ連邦共和国フランス共和国スイス連邦イタリア共和国ベルギー王国台湾中華民国)の運転免許に関しては、その免許証と翻訳を携帯している限り日本国内での運転が可能である。ただし、日本上陸1年以内であること、当該国の運転免許が有効であること、日本国内に住民票を有するものまたは外国人登録者は日本出国から入国まで3か月以上経過している者であることという制限がある。

なお、日本国はウィーン条約を批准していないため、この条約に基づいた国際運転免許証では、日本国内で運転することができない。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 交通事故多発のメキシコ市、事態改善への長い道のり(AFP.BB.NEWS 2012年2月6日)2012年2月18日閲覧
  2. ウィーン交通条約、または1968年交通条約とも。1968年11月8日作成、1977年5月21日発効。
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