「機動戦士ガンダムの登場人物 地球連邦軍」の版間の差分
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2019年11月28日 (木) 11:47時点における最新版
機動戦士ガンダム > 機動戦士ガンダムの登場人物 地球連邦軍 |
機動戦士ガンダムの登場人物 地球連邦軍(きどうせんしガンダムのとうじょうじんぶつ ちきゅうれんぽうぐん)は、テレビアニメ及びアニメーション映画『機動戦士ガンダム』に登場する架空の人物のうち、地球連邦軍に所属している人物を列挙する。
民間人に関しては機動戦士ガンダムの登場人物 民間人を、ジオン公国軍に所属している人物は機動戦士ガンダムの登場人物 ジオン公国軍 (あ行-さ行)と、機動戦士ガンダムの登場人物 ジオン公国軍 (た行-わ行)を、ザビ家の人間に関してはザビ家を、特に説明が必要な人物は各人の項目を参照。
個別記事のある人物[編集]
以下の人物に関しては各人の項目を参照。
- アムロ・レイ
- カイ・シデン
- カツ・ハウィン
- スレッガー・ロウ
- セイラ・マス
- テム・レイ
- ハヤト・コバヤシ
- ハロ
- ブライト・ノア
- フラウ・ボゥ
- マチルダ・アジャン
- ミライ・ヤシマ
- リュウ・ホセイ
- レビル
ア行[編集]
アントニオ・カラス[編集]
Antonio Callas
地球連邦軍ジャブロー基地の防衛司令官。階級は中佐。ジオン軍の襲撃に際して防衛を指揮し、ジャブロー南ブロックに第二戦闘態勢を宣言した後に第一戦闘配置に切り替えさせた。
ウッディ・マルデン[編集]
Woody Malden
声 - 田中秀幸 / 岡部政明(劇場版II) / 稲葉実(特別版) / 松山鷹志(ガンダムさん)
地球連邦軍の軍人でジャブロー所属の技術士官。階級は大尉。29話(及び劇場版『機動戦士ガンダムII 哀 戦士編』)にて、それまでの戦いで損傷を被っているホワイトベースの修理責任者として登場する。
マチルダ・アジャンの婚約者であり、オデッサ作戦が終わったら結婚する予定であった。それを知ったアムロはショックを受けると共に、自分の未熟さのためにマチルダを守りきれなかったことを詫びようとする。ウッディはそんなアムロに対して思い上がりを一喝すると共に、マチルダが身を挺して守ろうとしたホワイトベースに対する特別な愛着を吐露する。
そんな中、シャア率いるマッドアングラー隊と、ジオン軍北米キャリフォルニアベースから発進した援軍がジャブローに対して総攻撃を敢行する。ジオン軍の侵入を知ったウッディは、修理と気密処理の完了したホワイトベースを守るためにファンファンで出撃。下がるよう呼びかけるアムロを無視し、シャアのズゴックとアムロのガンダムによる戦闘の間に割って入る。ミサイルでズゴックのモノアイを破壊するが、直後にズゴックの腕でコクピットを叩き潰され、戦死する。
後年の富野由悠季のインタビューによれば、ウッディがマチルダの婚約者に設定されたのは、マチルダの戦死がファンの間で物議を醸したため、マチルダの再登場の手段として、結婚式のイメージシーンを描くためであったと述べている。また、マチルダにふさわしい男になるよう再設定され、そのことで対するアムロの台詞も自然と生まれたという[1]。
小説版では月のフロントバック基地にてペガサスジュニア(小説版のホワイトベース)を整備する工廠の技術士官として登場。アムロからは一目で「人として男としての格差がある」「歴戦の勇士の風格」と思われた。のちにマチルダに挑発されてマチルダにプロポーズする場面がある。マチルダともども戦死しない。
エルラン[編集]
Elran
地球連邦軍中将。部下のジュダックを通じマ・クベに内通していたジオンのスパイで、オデッサ作戦実施の情報を漏らす。作戦開始と同時に地球連邦軍を裏切る予定であったが、アムロとセイラにジュダックの内通を知られ、報告に赴いたアムロを隠密裏に射殺しようとする。しかし、かねてからエルランの動きに疑念を抱いていたレビル配下の情報将校と兵士らに現場を押さえられ肩を負傷、ジュダックと共に逮捕される。これにより、マ・クベがエルランの裏切りを想定して手薄に配備していたエルラン軍方面の防衛ラインが真っ先に突破され、ジオンのオデッサ戦敗北のきっかけを作った。
劇場版『哀 戦士編』では見せ場のマ・クベとの内通やオデッサ戦が丸々カットされており、ホワイトベースへやたらと肩入れするレビルに些か懐疑的な意見を吐く連邦の一将軍に過ぎない。
漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、ルウム戦役に敗れジオン軍の捕虜となっていたレビルを、特殊部隊を使い救出するという大手柄を挙げている(アニメ版ではキシリア・ザビの手引きによるものとされ、この頃からジオンとの内通が示唆されている)。また、これにより南極条約の交渉が無駄になると愚痴るゴップに対し、休戦条約ではなく戦時条約として締結することを提案するなど、有能な人物として描かれている。なお、オデッサ作戦においてスパイ行為が発覚する展開はテレビ版と少々異なり、レビルと同じビッグ・トレーに乗艦している際に感づかれる流れに変更された。この時、乗艦へのジオンの核攻撃が迫る中「退艦させて下さい」とレビルに涙ながらに懇願する醜態を見せている。なお、オデッサ作戦時の役職は作戦部長となっている。
ゲーム『ギレンの野望シリーズ』では、オデッサ作戦時にエルランがジオンのスパイであるとの情報を入手でき、逮捕するか否かのイベントが発生する。逮捕しなかった場合やそもそも情報を入手できなかった場合はジオンに寝返り、以降、敵キャラクターとして登場する。一方、『ジオン独立戦争記』ではエルランの忠誠値を高く保つことにより、内通で得たマ・クベの核兵器情報を暴露しガンダムとは別に核兵器発射を阻止することもできる。
オスカ・ダブリン[編集]
Oscar Dublin
声 - 鈴木清信(5・6・7・11話及び16話以降) / 鈴木誠一(2話) / 古川登志夫(3・6・7話) / 池田秀一(12話)他 / 島田敏(劇場版I) / 酒井克也(劇場版II) / 村田光広(劇場版III) / 田中一成(特別版) / 江口拓也(THE ORIGIN)
オスカー・ダブリンとも表記する。眼鏡をかけたホワイトベースの正規オペレーター(レーダー手。肩書きはオペレーターだが、実際は索敵・管制担当)。マーカーと共に文字通りホワイトベースの「目」となった。ホワイトベースに迫るシャアのザクを「通常の三倍のスピードで接近」と報告したのはオスカである。
雑誌「SDクラブ」で連載された漫画『機動戦士ガンダム 英雄伝説』では、宇宙世紀0094年頃にサイド1「シャングリラ」の情報局局員として登場する。
漫画『機動戦士Ζガンダム Define』ではカラバ所属の潜水艦「サーベラス」において、引き続きマーカー・クランとオペレーターを務めている。
オムル・ハング[編集]
Omle Fang
声 - 古川登志夫(7・17・24話) / 池田秀一(12話) / 二又一成(25話) / 塩沢兼人(21・26・28・32・38話・劇場版I) / 鈴木清信(31話) / 村田光広(劇場版II) / 高塚正也(特別版)
アフロヘアが特徴的なホワイトベース隊員の一人。17話で脱走を図る捕虜のコズンをバズーカで吹き飛ばす場面では初めて人を殺した体験に戦慄して立ちすくみ、セイラに慰められる。ブライトの台詞によれば、MSパイロットを担当する可能性もあったらしい。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、ホワイトベースの整備部班長をしており階級は兵曹長。MSの整備でパイロットと接する機会も多い。リュウの戦死に際しては「艦長命令」という嘘で丸め込まれ、コア・ファイターの出撃許可を出したことを悔いている。またホワイトベースの搭載機体数が原作の倍以上(ガンキャノンもガンタンクも「部隊」というほどの数。更にスレッガーが小隊として着任したためジム4機、宇宙に出てからは更に増える)であるためとても多忙。
漫画『機動戦士Ζガンダム Define』ではカラバ所属の潜水艦「サーベラス」の艦長を務めている。連邦軍の軍籍も残っており、階級は少尉に昇進している。
カ行[編集]
カミラ[編集]
Camilla
声 - 飯塚昭三
地球連邦軍の軍人で、階級は少尉。リードのサラミス乗組員であり、リードがカプセルで地球へ降下する際に後事を託される。悲観的な上官と対照的に、容貌と万事に楽観的な言動から「楽天家」という印象を持たれており、それで今まで生き残ってきたと自負してもいる。
カル[編集]
Kal
声 - 二又一成(テレビ版) / 鈴木晴久(THE ORIGIN)
ホワイトベースの小柄な少年メカマン。ジョブ・ジョンやフムラウと、脱走したアムロが敵ジオンへ寝返る可能性について噂し合っていた。カイに似た髪色、容貌をしている上、皮肉っぽい言動までよく似ていた。戦場の多忙さとマチルダを失ったクルーたちの心情を表すシーンの後、Gアーマーに馴れるために搭乗したセイラ出撃シーンの台詞を最後に登場しなくなった。
キッカ・キタモト[編集]
Kikka Kitamoto
声 - 井上瑤 / 荘真由美(TV版『Ζ』) / 小松由佳(劇場版『Ζ』) / 広橋涼(ガンダムさん)
ホワイトベースに乗っていた民間人の子供で孤児。元気な女の子でカツ・ハウィン、レツ・コ・ファンとともに殺伐としがちなホワイトベース内を和ませ、大いにやんちゃな個性を発揮する。最大の見せ場は第30話と最終話。30話では、3名ともジャブローの託児施設に預けられそうになるが、嫌がってそこを抜け出しジムの工場に迷い込んだ際、潜入していたジオン軍の工作員たちと遭遇。捕縛されるも脱出に成功し、ジムに仕掛けられた時限爆弾をすべて外しバギーで運び出すまでを3名だけでやってのける大活躍により、ホワイトベース残留が確定する。最終話では、ア・バオア・クーから脱出するアムロのコア・ファイターを3人でテレパシー誘導し、高いニュータイプ能力の片鱗をみせる。
小説版にもやんちゃな少女として登場する。サイド7からの避難民として木馬(ペガサス)へ収容されるまではアニメ版と変わらないが、民間人はルナツーで全員下艦させられてしまう。以後は終戦までフラウ・ボゥやカツ、レツと共にルナツーでひたすら下働きに明け暮れ、木馬のマスコット的な存在となることもなく終わる。
漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の特別編「その前夜」では、原作版の第1話の前日譚に当たるサイド7の様子が描かれているが、キッカはカツに宿題を教えてもらっている。自動車(エレカ)で迎えに来る母親も登場し、不良と言われているレツとは「遊んじゃいけません」と釘を刺されるものの、キッカは「カッコいい」と意に介していない。
一年戦争後、ハヤトとフラウが結婚し、カツ、レツと共に養子となり、キッカ・コバヤシ (Kikka Kobayashi)となる。『機動戦士Ζガンダム』登場時の成長したキッカのビジュアルについては、キャラデザインの安彦良和は『Ζ』の企画自体に乗り気ではなく、サンライズからの要請で渋々引き受けた仕事だけに「メインストーリーにも絡まないサービス出演のキャラをそこまで美化する必要もないし、まあ(ビジュアル的に)こんなものじゃないですかね」と発言している。劇場版『機動戦士ΖガンダムIII 星の鼓動は愛』では、新作カットで登場シーンが増えている。
なお、アーケードゲーム『機動戦士ガンダム スピリッツオブジオン』に、タカシ・キタモト大尉なるサイド7出身の連邦軍パイロットが登場しており、ジオンの軍事活動によってサイド7に住む家族が行方不明になったという設定であるが、キッカの血縁者かどうかは不明。
準備稿段階の早くからカツ、レツとともに決定稿とほぼ同様に描かれているが、上半身の服装は決定稿直前までビキニタイプであった[2]。決定稿ではタンクトップに変更された。
キムラ[編集]
Kimura
劇場版『めぐりあい宇宙編』に名前のみ登場したホワイトベース隊員の一人。ブライトに命じられバギーでテキサスコロニー内をセイラやオムル、ジョブ・ジョン、ロウルらと探索した。
コーリン[編集]
育児担当の女性士官。カツ・レツ・キッカの3人組をジャブロー内の育児センターへ引き取ろうとするが、ホワイトベースへの残留を頑なに希望する3人組に逃げられてしまう。3人組に散々振り回された末、カイやアムロをはじめとするクルーの説得もあり、3人組のホワイトベース残留を認める。
劇場版『哀・戦士編』で初めて名前が付与された。
ゴップ[編集]
Gopp
声 - 永井一郎 / 細井重之(劇場版II) / 楠見尚己(THE ORIGIN)
地球連邦軍参謀本部の所属で階級は大将(提督)。ミライ・ヤシマの父とは個人的な付き合いがあり、ミライの仲人を買って出る発言までしている。レビルと違い終始前線に出ずジャブローの司令部に篭っていたため「ジャブローのモグラ」という不名誉なあだ名を付けられているが、劇中では特に無能という描写は無く[4]、むしろ官僚主義的な人物として描かれている。実際にジャブロー強襲の際には敵部隊の規模から敵軍の狙いを正確に把握しており、ソロモン陥落後はジオンが和平交渉に乗り出してくるとの予想もデギン公王が直々に行動を起こしたことから的外れではない(ただしソーラ・レイによりデギンが暗殺され実現していない)。
尾行されてジャブローの侵入口を露見してしまったホワイトベース隊を「永遠に厄介者」と評す一方、ジオンがホワイトベースに注目し、その戦闘力を高く評価していると判断。ホワイトベースを実質的な囮部隊である第13独立部隊に任命、反攻作戦の陽動に就かせる。この作戦は成功し、ジャブローから発進した連邦軍主力艦隊は無防備な打ち上げ直後を狙える位置にいたシャア・アズナブルの迎撃を受けることなく宇宙への進出を果たしている。なお、ホワイトベース発進時に際しては直々に訓令をしている。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、ジャブロー計画推進司令本部の計画担当部長として登場(当時より大将。またアニメ版では、この頃より連邦軍制服組トップである統合参謀本部議長の職にある)。ジャブロー建設と共にジオンのMS開発に注目してテム・レイに開発を一任し、計画が凍結されたサイド7を開発施設として新たに建設するように秘密裏に斡旋するなど「連邦のMS開発の推進者」として、それを可能とする権力を有する軍人となっている。また、軍政家としての面が強調されており、戦略家のレビルとは色分けされて描かれているが、状況に積極的に介入することは無く、あくまで状況に対応するといったスタンスに留まっている。星一号作戦時には元帥に昇格[5]している。軍の最高責任者としてレビル亡き後に目標をア・バオア・クーに変更、攻撃作戦司令官にワッケインを任命している。自らは連邦政府要人に戦況を説明、五分の勝算で攻撃を続行する方針を追求されるも、ソーラ・レイ照射前後の状況からジオン公国が内部分裂を起こしていると判断しており、状況の推移によっては政治解決もあると匂わせている。また前述のワッケインの抜擢を含めて政治家たちからの反対意見が多い中、冷静に一歩も退くことなく説得するしたたかな面も見せていた。外伝「アルテイシア0083」ではミライの求めに応じて軟禁状態にあるセイラ・マスを訪ねたカイ・シデンに通行許可書を与えており、戦後もミライへは気を遣っている。
漫画『MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』では、宇宙世紀0090年には連邦議会議長に就任している。旧世紀より家名を冠する自然公園を管理する名家の出身で、マ・クベと同様に白磁の愛好家でもある。軍人としては元々技術畑の出身で、一年戦争時は軍政面を担当し前線に出て指揮を執ることはなかった。しかし、レビル更迭論を抑え、V作戦が発動するように工作を行う他、軍の運営資金捻出、物資の確保などで連邦軍の勝利に充分過ぎる貢献をおこなう(実際ヤザンも一年戦争中に物資で困ったことはなかったとゴップの貢献を肯定している)。戦後はヤシマグループのバックアップの下、政治家に転身。グリプス戦役や第一次ネオ・ジオン抗争にかけて、ティターンズやエゥーゴが隆興、崩壊する中、中立を保ち続け、結果として議会における最大派閥となる。思想として自身に豊かな生涯を与え得た人類に対し恩義を感じ、人類内の地位・立場を超えてその存続を追求する。一年戦争でもギレンを人類の敵と規定し、軍人とはまた別に個人として対峙した。
漫画『MSV-R 虹霓のシン・マツナガ』では、宇宙世紀0079年2月、ジオン軍の月から地球へのマス・ドライバー攻撃について、ジャブローからの通信でルナツーのワッケイン司令に連邦軍の健在を示す何らかの戦果を求める。
ゲーム『ギレンの野望』シリーズでは、ダメージを軽減させる耐久のステータスを除き全キャラクター中最低の能力に設定されることが多く、言動も無責任かつ自己中心的なものであり、階級が高いだけ、MSパイロット、艦長としては戦闘に無能、もしくは周囲の他のユニットに悪い補正を与える将官となっている。ただし、『ギレンの野望 ジオン独立戦争記』では、パイロット、艦長以外の要因がシステムとして盛り込まれているため、策略値が高く必要コストは高いが優秀な部下提案を行うことも多い、階級の高さから軍団に多くの機体を配属可能と直接戦闘面以外で優秀なキャラクターという設定になっている。
サ行[編集]
サンマロ[編集]
Sunmalo
声 - 塩沢兼人 / 西川幾雄(劇場版III)
ホワイトベース医療班の看護兵。階級は軍曹。ホワイトベース傷病兵及び救助将兵・民間人の看護に当たる。眼鏡をかけていたり、かけていなかったりする。
ジュダック[編集]
Judock
声 - 二又一成
地球連邦軍の兵士だが、実はジオン公国軍のスパイであり、エルランとマ・クベの間の連絡係を務めていた。黒い三連星が地球へザンジバルで降下したという情報がレビルに伝えられるや、エルランから二重スパイではないかと疑われたりもした。劇中でジオン・連邦の軍服を両方とも着用した唯一のキャラ。
Gアーマーの慣熟飛行中だったアムロとセイラに、ジオン軍の基地から連邦軍所属の小型飛行機(ドラゴン・フライ)で飛び立つのを発見されてしまい、内通が露見してエルラン共々逮捕されてしまう。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では中佐となっており、スレッガー・ロウに「エルランの腰巾着」と揶揄されていた。エルラン逮捕を知り逃亡を図るもアムロのガンダムに捕らえられ、テレビ版においてアムロがエルランを責める台詞は、代わってジュダックが受ける事になった。また以前のレビル将軍ジオン脱出作戦にもエルランの下で関与していた事が示されている。
ジョブ・ジョン[編集]
Job John
声 - 鈴木清信 / 古川登志夫 / 龍田直樹 / 塩沢兼人 / 二又一成 / 三輪禎大(劇場版II) / 小林通孝(劇場版III) / 岸尾大輔(特別版)
髪は金髪。予備パイロットとしてホワイトベースに乗艦したが、ガンペリーやガンタンクのサブパイロット[6]、砲撃手を務めるなど様々な役割を果たし、一年戦争を最後まで生き延びた。コズンを独房へ連行したり、民間のパイロットを装って潜入したブーンとキャリオカの部屋に歩哨で立つなど、パイロット任務以外の仕事もする。ア・バオア・クーから脱出する際には、救命用スペースランチのパイロットを務めた。
『機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのメモリーより―』2巻に登場。宇宙世紀0105年にサナリィの社員として、ジャーナリストのカイ・シデンとサイド3「一年戦争展」プレオープンで再会する[7]。その際に、宇宙世紀0105年までの自身の経歴をカイに語っている。一年戦争戦後は帰郷。故郷の人々からは英雄として持ち上げられ順風満帆の生活を送っていたが、次第に戦時中の細かい情報が広まると「正規軍人だったのにアムロら民間人より活躍できなかった」ことを責められるようになり、耐えられなくなって軍を退役。一時期はホワイトベースのアムロやカイらを恨みながら、スペースデブリの回収作業員をしていた。その後、サナリィの社員としてサイド4で長く生活する。
漫画『機動戦士ガンダムF90』では、第一次オールズモビル戦役時にサナリィの幹部として登場。ガンダムF90の試験の為、アドミラル・ティアンムに乗艦していた。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では兵役義務により正規クルーの生き残り組で専任パイロット。レギュラーの一人として出番も台詞もそれなりに多く、ガンキャノンの正パイロット。またホワイトベース隊のエースは勿論別格のアムロだが準エースという二番手として評価されており、整備兵たちの評判も良い。アムロをガンダムからおろす計画では真っ先に名前が挙がる。アムロ達にルウム戦役時の黒い三連星の活躍を語るなどリュウと共に先輩的立場を務めていたが、スレッガーには新米扱いされていた。ア・バオア・クー攻略戦では、新編成されたジム隊の指揮官となり、ジョブ・ジョンの「お下がり」であるガンキャノンにハヤトが搭乗することになった
主な搭乗機:RX-75 ガンタンク、RX-77-2 ガンキャノン(『THE ORIGIN』)、ガンペリー、ジム(『THE ORIGIN』)
シン[編集]
Shin
声 - 二又一成 / 村山明(劇場版III)
地球連邦軍のMSパイロットで階級は少尉。ソロモンを攻略する第36話において、ジムに搭乗しボール数機の部隊を率いて出撃。ソロモンの表面に着地したものの、ビグ・ザムに遭遇。部下のボール隊は相手の戦力を見極めてからというシンの忠告も聞かずに飛び出してしまい壊滅。シンもビグ・ザムの攻撃で戦死。
「非・安彦デザイン」キャラクターの一人。また、作中で唯一の名前のあるジムパイロットだった関係から、当時発売のプラモデル「1/144 ジム」にて箱絵に書き添えられている。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、ホワイトベース搭乗員でガンキャノン小隊指揮官になっており、テキサスコロニーで迎え撃つブラウ・ブロに乗機を破壊され、命からがら逃げ出している。また、アムロのハンドサインに気付かず、経験のなさに悪態をつかれている。なお、本作では安彦キャラでないキャラクターながら、デザイン変更がなされなかった。
セキ[編集]
Seki
声 - 鈴置洋孝 / 藤本譲(劇場版II)
連邦軍の技術士官で階級は大佐。オデッサに向かうホワイトベースのエンジンを修理すると共に、Gファイター(劇場版ではコア・ブースター)を配備する。階級が下であるマチルダ中尉に対して敬語を使っている。
劇場版『哀 戦士編』ではニュータイプ描写が前倒しで描かれた関係から、セキの台詞も大幅に増えている。アムロをニュータイプの貴重なサンプルと見なし、セイラにもニュータイプの素養を認め、本部ジャブローの指示でコア・ブースターのパイロットに抜擢する。その際アムロとセイラを「実験用モルモット」と言い放つ冷徹さを見せる(劇場版では登場しないモスク・ハンの立ち位置を踏襲している)。マチルダ中尉とは互いに敬語で会話する立場。
小説版にも登場するが、階級は技術大尉となっている。ルナツー所属とされ、最初から正規軍人であったアムロたちとの交流も長い。G-3ガンダムのマグネット・コーティング処理を再チェックする。キャラクター性は映像版とは大幅に異なり、マグネット・コーティングに苦言を呈したり、技術者(モスク・ハン)や上層部が焦りすぎることに皮肉を交えつつアムロと談笑している。
漫画『MSV-R 虹霓のシン・マツナガ』では、宇宙世紀0079年2月、大型レールガン搭載艦「サントメ・プリンシペ」の調整をおこなう。同年9月には、プロトGファイターの開発に携わっている(モスク・ハンの台詞に出てくるのみ)。
タ行[編集]
タムラ[編集]
Tamura
声 - 永井一郎 / 屋良有作(劇場版III)
ホワイトベースのコック長[8]。ホワイトベース艦内における逼迫した食糧事情の中にあって、乗員が活躍できたのはタムラの栄養管理のおかげであるとも言われる[9]。しかし当人だけ恰幅・顔色とも良いと見られ、カイに自分だけ美味いものを食べているのではないかと疑われた事もある。リュウとアムロだけは正規パイロット並の食事を用意するようブライトに指示されていた。また、備蓄の塩が(敵の艦体への攻撃による被害で)底をついているとブライトに訴え、塩湖へ進路を向けさせたこともある。サイド6に立ち寄った際、フラウやアムロとエレカに乗って食料の買出しに出かけ、買い物の袋を大量に抱え店を出る姿が見られた。これ以後は登場しない。劇場版での階級は中尉。
ちなみにホワイトベースでの食事は豚肉の胡麻和え、リンゴ2切れ、サラダ、厚手のパン、タマゴ、蜂蜜入りミルクが基本とされる[9]。
ティアンム[編集]
Tianem
声 - 永井一郎 / 藤城裕士(劇場版III)/ 大山高男(特別版)
初期の資料では「テアンム」と表記されることも多いが、設定画では「ティアンム」[10]。ソロモン攻略戦における階級は中将[10]で、メキシコ系[10]。
一年戦争開戦時、コロニー落としを阻止するべく艦隊を率いて出撃、ジオン軍と交戦。しかし敵の新型兵器「モビルスーツ」の性能、機動力の前に艦隊は苦戦し、コロニーのジャブロー直撃だけは免れたものの大損害を被ってしまう。その直後のルウム戦役の時は予備の戦力と共に後方で待機している。この二つの戦いでほぼ壊滅状態となった連邦軍宇宙艦隊を建て直すため、ビンソン計画を立案しその実現に努力する。この戦力強化が後に、オデッサ作戦・ジャブロー防衛戦後の迅速な反攻と早期のジオン本土防衛線陥落へ繋がる伏線となる。
それから時を経て一年戦争末期、地球連邦軍がチェンバロ作戦を実行、ソロモン攻略戦の際(TV版第35、36話)には第2連合艦隊の指揮官として、マゼラン級戦艦「タイタン」に座乗し、ソーラ・システムの展開作業を指揮。ソロモンに対して大ダメージを与える事に成功する。迎撃に現れたグワラン艦隊を撃破し、それからMS隊を発進させてソロモンへの攻撃に参加する。さらに破損したソーラ・システムを再編集し、折しも集結して突破を図っていたソロモン残存艦隊にもとどめを刺した。しかし、その後特攻をかけたビグ・ザムの大型メガ粒子砲によって乗艦タイタンを撃沈され戦死。
レビルの陰に隠れて目立たないティアンムだが、連邦軍の再建と勝利に貢献したという意味では偉大な提督である。後にその功績を讃えて、ラー・カイラム級戦艦の一つが「アドミラル・ティアンム(ティアンム提督)」と名付けられている。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』でも有能な軍人として描写される。ルウム戦役ではティアンムが率いる艦隊はギレン・ザビからも連邦宇宙軍最強と明言されており、ジオン側にもその名を知られている事が窺える。しかし、同戦闘ではジオン軍の正面艦隊に大打撃を与えるが、レビルの主力艦隊に入り込まれたドズルのジオン艦隊には気づかずに大敗。自身の戦力は無事だが、撤退を余儀なくされる。ソロモン攻略戦の戦闘経緯は映像版と大差がないが、連邦軍艦隊の攻撃が通じないビグ・ザムが急接近した際にはノーマルスーツ着用を薦める兵士に対して「もう、遅い」と返答、原作版と同様に戦死。
漫画『MSV-R 虹霓のシン・マツナガ』では、宇宙世紀0079年2月にはルナツーにおり、ジオン軍の月から地球へのマス・ドライバー攻撃に対し、ジャブローのゴップからルナツーに戦果を求められた際には、将校たちに月面への艦隊特攻をもいとわない考えを示す。
なお漫画『アウターガンダム』では、フルネームをマクファティ・ティアンムとしている。これはあくまでこの漫画独自の設定だが、ゲーム『エンブレム オブ ガンダム』『ガンダムバトルユニバース』で、この名前が使用されている。
ハ行[編集]
パオロ・カシアス[編集]
Paolo Cassius
声 - 政宗一成(TV版・劇場版I) / 中村秀利(SS版)/ 長克巳(特別版)
ホワイトベースの初代艦長で階級は中佐。RX計画のV作戦において製造されたガンダム、ガンキャノン、ガンタンクの3機種のMSを受領するべく、ホワイトベースでジャブローからサイド7へ入港するが、それをゲリラ掃討作戦から帰還途中のシャアのムサイ級戦艦「ファルメル」に後をつけられてしまい、戦闘となる。第2話冒頭でミサイルの爆風により破片が宇宙服に多数突き刺さる重傷を負う。シャアの追撃を必死に振り切りつつルナツーに逃げこむも、融通の利かない生硬な対応しかしないルナツー司令官のワッケインを苦しい息の中で懸命に説得。シャアの罠に掛かったマゼラン艦がゲートを塞いだ形となった際にワッケインがホワイトベース主砲で排除させたが、そのバックファイアの衝撃により息を引き取る。パオロの亡骸はホワイトベースのクルーらによって宇宙葬にされた。
民間人の少年アムロが国家機密であるガンダムを操縦していたことに関しても、「初陣にはやや若すぎるが、古来15、6歳の出陣が無かった訳ではない」と、柔軟な対応を見せている。
劇場版ではルナツー内で治療のために病院へ収容されて下艦した形となっており、その後の消息は描かれていない。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、ワッケインを少将にしパオロよりも階級が上位になったため、パオロをワッケインより目上の立場として描写するための措置として、非常時の任務に駆り出された予備役の老兵であり、兵学校の教官としてワッケインらに教練を施した経験を持つという新たな設定がなされている。サイド7では自らリュウらと共に宇宙雷撃艇でファルメルに攻撃をかけるが被弾、この際に重傷を負う。その後ルナツーの病室でワッケインとの会話中に静かに息を引き取った。
漫画『機動戦士ガンダム MSV-R 宇宙世紀英雄伝説 虹霓のシン・マツナガ』では、ジオンの地球降下作戦前に月面のエアーズ市マスドライバーから地球への攻撃を阻止するための作戦指揮を執っている。
なお、TV版エンディングでは名前ではなく「艦長」としかクレジットされなかった。『劇場版I』では名前でクレジットされている。
バロ[編集]
声 - 塩沢兼人
ソロモン攻略戦のさ中にハヤトが負傷して帰還したとの報告を聞き医療班の手伝いを志願したフラウの代理として、ブライトに命じられオペレーターを務める。
ハワド[編集]
Haward
声 - 塩屋翼(テレビ版) / 志賀克也(THE ORIGIN)
ホワイトベースの少年メカマン。脱走から戻ったアムロに対するブライトの甘過ぎる処置に不満を抱き、当てつけるようにハヤト、カイ、マクシミリアンと共にバギーで脱走。追いかけてきたリュウに説得されて帰還した。この一件で気が合うようになったのか、その後ジャブロー内でもハヤト、カイ、マクシミリアンと共にバギーに乗る姿が見られた。ソロモン攻略戦のさ中に被弾し、ホワイトベースに一時帰艦したスレッガー機の修理を担当。食事に行ったスレッガーの行方をミライ少尉から尋ねられ、場所を教えたのが最後の出番となった。
バンマス[編集]
Vammas
声 - 古川登志夫 / 山田俊司(劇場版III) / 西前忠久(特別版)
地球連邦軍の兵士で、ホワイトベースの乗組員。階級は曹長。第36話にて、スレッガーの身を案じるミライに代わってホワイトベースの操舵を一時的に担当した。通常はホワイトベースの第2ブリッジにいる。38話ではハヤトの看護に当たるフラウの代理でオペレーターを務めた。
「非・安彦デザイン」キャラの一人。
フムラウ[編集]
Humrau
声 - 塩沢兼人
目の小さい地味なホワイトベース隊員の一人。脱走したアムロが敵ジオンへ寝返る可能性を危惧してカルやジョブ・ジョンと噂し合っていた。
マ行[編集]
マーカー・クラン[編集]
Marker Clan
声 - 鈴木清信 / 龍田直樹 / 古川登志夫 / 森功至 / 塩沢兼人 / 塩屋翼(劇場版I) / 船木浩行(劇場版II) / 三輪禎大(劇場版III) / 福山潤(特別版) / 河本啓佑(THE ORIGIN)
ホワイトベースの正規オペレーター(肩書きはオペレーターだが、実際はレーダー手として索敵・管制担当)。眼鏡をかけておらず目が小さい方の少年兵。一年後輩のオスカ・ダブリンと共に文字通りホワイトベースの「目」となった。第23話では不慣れな艦長代理を務めるミライを落ち着かせる的確なアドバイスをしている。交代要員もいない激務を二人でこなすマーカーとオスカに、看護兵のサンマロも感嘆していた。当時17歳[11]。
漫画『機動戦士Ζガンダム Define』ではカラバ所属の潜水艦「サーベラス」において、引き続きオスカ・ダブリンとオペレーターを務めている。
マクシミリアン[編集]
Maximilian
声 - 戸谷公次(テレビ版) / 福田賢二(THE ORIGIN)
小太りのホワイトベース隊員の一人。脱走から戻ったアムロに対するブライトの甘過ぎる処置に不満を抱き、ハヤト、カイ、ハワドと共にバギーで脱走。追いかけてきたリュウに説得されホワイトベースへ戻った。この一件で気が合うようになったのか、その後ジャブロー内でもカイやハヤト、ハワドと共にバギーに乗っている姿が見られる。
マサキ[編集]
Masaki
声 - 朴璐美(特別版)
ホワイトベース医療班の看護兵。階級は軍曹。サンマロと共にホワイトベース負傷兵及び救助将兵・民間人の看護に当たる。設定画ではミライに酷似した容貌(ショートカットのミライといった趣)だが、本編中では横顔と後姿のみの登場である上に無言なのでさほど似ているという印象は無い。一方、美人でホワイトベースの乗員の間でも人気があるとも言われる[12]。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、序盤よりホワイトベースの正規クルーとして登場しており、出番が大幅に増やされている。
モスク・ハン[編集]
Mosk Han
声 - 徳丸完
分厚い唇とオレンジのユニフォームが印象的な地球連邦軍の技師で電磁工学の新鋭。ブラウ・ブロとの戦闘で駆動系がアムロのニュータイプとしての鋭敏な反射神経に追いつかなくなり、オーバーヒートを起こしたガンダムに対して「電磁気で包み込むことによりメカニック間の緩衝を打ち消し、各関節の駆動を理論上無限大まで速くすることができる」という独自の理論に基づくマグネット・コーティングを施した。この処理によってパイロットの操作に対するガンダムの機体反応速度は向上する。TV版『機動戦士ガンダム』ではその向上ぶりが従来の3倍と飛躍的なものであり、アムロはそれを歓迎すると同時にマシンへの負担の増加を懸念している。一方、劇場版『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙』ではモスク・ハンの登場やマグネットコーティングのエピソードがほぼ全てカットされ、アムロが「マグネットコーティングでガンダムの反応速度も少しは高まっているんだが」とモノローグで述べるに留まっており、技術屋としての立場しか頭にないというモスク・ハンの立ち位置は、劇場版で台詞が増えたセキ大佐が受け継いでいる。
これにより、アムロのとびぬけて速い反応にも対応可能となり、それまで強敵だったシャアを完全に圧倒しエルメスとも互角に渡り合えるようになった、という意味で重要なターニング・ポイントとなった。
感謝するアムロへ、今回の処理によって機体が活躍するかどうかよりもデータ取りの方が主目的である旨の本音をつい洩らす根っからの技術屋。
首から下はテム・レイ設定画を流用している。数少ない「非・安彦デザイン」キャラクターの一人。
小説版にもやはり新進気鋭の工学博士として登場し、ガンダムにマグネット・コーティング処理を施す。TV版との違いは「処理以降のガンダムが以前の2倍のスピードとパワーを手に入れた」ということ、「カラーリングもトリコロールから地味なグレー単色へと変化しG-3ガンダムと呼ばれている」ということの2点である。技術屋的な感性の持ち主ということが強調されている。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、外見が一新され、寝癖のついた黒髪をもつ茫洋とした巨漢に描かれている。見た目よりは心遣いは細やかで、父テムを失ったアムロを慰める一方で、巨体ゆえにキッカたちからは怖がられていた(ジオンの新型モビルスーツかと思った、と揶揄される)。その後、戦線から外されたアムロの子供じみた愚痴を罵りながらもガンダムの性能向上に尽力し、AMBACのための検査で過度の電流のフィードバックによる感電と、ガンダムの暴走によるドック破壊で重傷を負いつつも、アムロの満足のゆく性能に完成させた。
漫画『MSV-R 虹霓のシン・マツナガ』では、宇宙世紀0079年2月、セキらとともに大型レールガン搭載艦「サントメ・プリンシペ」の調整をおこなう(セキの名前はモスク・ハンの台詞に出てくるのみ)。同年9月、プロトGファイターの各部アクチュエーターにマグネット・コーティングを施す。容姿はTV版と同様。
「トミノメモ」ではガンダムに施すマグネットコーティングを、ジオンのソフィア(フラナガンの旧名)の理論の応用であり、テムがモスクに横流ししたものと語っている。
ラ行[編集]
リード[編集]
Reed
声 - 玄田哲章 / 石森達幸(劇場版I) / 岸野一彦(特別版)
地球連邦軍所属で階級は中尉。ルウム戦役などで優秀な佐官クラスの人材が大量に失われたためか、中尉のままサラミス級巡洋艦(名称はサラミスあるいはマダガスカルとする説がある)の艦長になった。ルナツーから地球に向かうホワイトベースを護衛。大気圏に突入する際はカプセルに乗り移ってホワイトベースを先導した。しかし途中でシャア率いるジオンのモビルスーツ隊の攻撃を受け、カプセルが被弾、自身も負傷してホワイトベースに収容される。地球降下後は階級の関係で一時的にホワイトベースの艦長代理となるが、敵中に孤立した状況で適切な指揮が執れたとは言えず、ブライトと対立する場面も多々あった。第9話にてマチルダの補給部隊が帰還する際にサラミスのカプセル乗員と共に引き取られ下艦する。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、階級は大尉。中尉のブライトより階級は上ということでホワイトベースの指揮を譲れと迫るが、ブライトに突っぱねられている。TV版よりもヒステリックさが増しており、ストレス性胃炎を患い下艦している。
漫画『MSV-R 虹霓のシン・マツナガ』では、宇宙世紀0079年2月、ジオン軍の月から地球へのマス・ドライバー攻撃に対し、ゴップからのルナツーに何らかの戦果を求める指令に、会議の場で「我々に討ち死にせよというのか」と声を荒らげている。
レツ・コ・ファン[編集]
Letz Cofan
声 - 鵜飼るみ子 / 頓宮恭子(TV版『Ζガンダム』) / 柳井久代(劇場版『Ζガンダム』)
サイド7の戦災孤児として、ホワイトベースに避難。当時5歳。カツやキッカらとトリオとして、ホワイトベース内で可愛がられる。第30話では潜入したジオン軍兵士に捕まり縛りあげられるものの、ロープを強健な歯でかみ切り、三人組だけでジャブロー内GM製造工場に仕掛けられた爆弾を取り外すという離れ業の大活躍を見せる。最終回では3人でア・バオア・クーから脱出するアムロのコア・ファイターを誘導し、高いニュータイプの資質をうかがわせた。子供ながらホワイトベースのクルーとして一年戦争を生き抜いた。
小説版にも腕白な少年として登場する。サイド7からの避難民として木馬(ペガサス)へ収容されるまではアニメ版と変わらないが、民間人はルナツーで全員下艦させられてしまう。以後は終戦までフラウ・ボゥやカツ、キッカと共にルナツーでひたすら下働きに明け暮れ、木馬のマスコット的な存在となることもなく終わる。
漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の特別編「その前夜」では、原作版の第1話の前日譚に当たるサイド7の様子が描かれているが、レツはカツやキッカ同様小学生の扱いであり、不良の不登校児と呼ばれている。母が亡くなったばかりにも関わらず、父も戦死し、その境遇ゆえに父のことはまだ誰も本人に伝えていないようである(フラウ・ボゥは知っている)。年下のキッカに宿題を教えるカツを「ロリコン」と馬鹿にするクラスメイトたちを殴って追い払い、その縁でレツはカツの家に泊まっている。
一年戦争後、ホワイトベースの乗組員だったハヤトとフラウが結婚し、カツ、キッカとともに養子として引き取られ、レツ・コバヤシ(Letz Kobayashi)と改名している。『機動戦士Ζガンダム』では、第13話にてフラウがアムロの元に訪れた際にカツ、キッカと共にフラウに随伴している。リュウと同じく黒人系のキャラクターだが、監督の富野由悠季がTVコードを当時恐れていたため、肌の色は濃く描かれなかった。
ロウル[編集]
劇場版『めぐりあい宇宙編』に名前のみ登場したホワイトベース隊員の一人。ブライトに命じられバギーでテキサスコロニー内をセイラやオムル、ジョブ・ジョン、キムラらと探索した。
ワ行[編集]
ワッケイン[編集]
Watkein
声 - 曽我部和行(TV版・劇場版I) / 木原正二郎(劇場版III) / 稲田徹(特別版)/ 森川智之(THE ORIGIN)
地球連邦軍の宇宙拠点ルナツーの司令で階級は少佐。基地および艦隊の司令官としては階級が低いため、関連書籍ではかなり苦しい解釈がされる場合がある。例えば『一年戦争全史 下』(学習研究社)においては、基地司令ではなく当直司令ないしゲートの司令という解釈がなされている。「トミノメモ」ではワッケインは要塞の全権を掌握する立場にはおらず、上官としてハムスキー提督なる人物の登場が予定されていた。
サイド7から避難してきたホワイトベースを封印し、軍の機密を無断使用した咎によりクルーを拘禁するという、初期の連邦軍の官僚主義的性格を象徴する人物である。シャアの奇襲に際して自らも旗艦マゼランで出撃しようとするが、罠に掛かってゲートを艦で塞ぐ形となった。ホワイトベースで迎撃しようとするクルーへ軍規を盾に銃を突きつけて制止するも、パオロの懸命の説得で出撃を認め、自らの指揮でホワイトベースの主砲によりマゼランを排除する。シャア撃退後はホワイトベースの運用をブライトらに任せることにして地球に向けて出発させる。これに対し、『劇場版I』では重傷のパオロのみ治療のため収容した後、実戦経験があるとしてホワイトベースを門前払いさながらにジャブローへと出発させている。しかし、それも本部の命令でやむなくといった感じでTV版ほど生硬な対応ではなかった。
ホワイトベースを見送る際のワッケインの「寒い時代」という台詞は、TV版ではパオロの死を悼む意味合いだったのに対し、劇場版では素人同然の少年たちまで動員せざるをえない戦況の厳しさに加え、そんなホワイトベースへリードのサラミス1隻しかまともな援護を付けてやれなかった己の立場を自嘲するようなニュアンスへと変化している。ゲーム等では、宇宙で孤立したルナツーの立場的に目立つことはできないという軍事的背景もあり、ホワイトベースを気遣うなどワッケインへのフォローが入っている。
後に大佐に昇進[13]して第3艦隊の司令官に就任し、ソロモン攻略戦に参戦。旗艦マゼラン級レナウンに座乗し、傘下に加えたホワイトベースと共にソーラ・システム発射までの陽動作戦を行なっている。35話では久々に会ったブライトへその成長を喜ぶ台詞を発し、38話ではデラミン艦隊を殲滅したホワイトベースの活躍にたくましくなったと述懐するなど、かつての融通の利かない頑固さは影を潜めている。
ソロモン陥落後は残敵掃討のためと、ホワイトベースの支援のためレナウン一隻でテキサスコロニー空域に向かう。その途上でデラミン艦隊との合流を急ぐバロム大佐の高速重巡洋艦チベを発見し先制攻撃に成功、交戦の末にこれを撃沈。その後、テキサスにてホワイトベースと合流する。しかし、テキサスコロニーを出港するシャアのザンジバルを阻むための戦闘で、レナウンを撃沈され戦死する。劇場版ではソロモン戦とテキサス編の時期が入れ替わったため、ソロモン攻略戦で戦死。集中攻撃を受けるが退かず、ミサイルの全弾発射を敢行してチベ艦を沈めながら艦と運命を共にする。
「トミノメモ」ではシャリア・ブルの駆るゲルググの攻撃により戦死している。
小説版での階級は初登場時から大佐となっている。アムロたちが正規のクルーということもあってアニメ版のような対立は見られない。ペガサス(小説版におけるホワイトベース)を加えた第13独立艦隊を率いて出撃。テキサス・ゾーンでマ・クベ艦隊と交戦し、チベを半壊に追い込むものの乗艦ハルを沈められて戦死する。ぶっきらぼうな印象を与えているが実は詩人でもあり、ルナツー基地のプライベート新聞にて、詩の批評をしていることが描かれた。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』での階級は、基地司令に相応の少将とされた。パオロ艦長の兵学校教官時代の教え子とされ(パオロよりも上の階級になったため、パオロのほうを目上の立場として描くための措置)、パオロによるワッケインの総合評価は「理論・実習共に申し分なし。但し、時として思考に柔軟性を欠く」とされる。また、同作品ではレビル将軍配下の提督としてアニメ版より重要な役割を担っている。ア・バオア・クー攻略前のゴップ元帥と連邦政府要人との会談で「(戦争中期に目立った活躍を見せなかったことから)ワッケインは必ずしも有能な軍人ではない」と連邦政府要人が発言する場面があるが、ソロモン攻略戦では限られた戦力でソロモンに対して苛烈な攻撃を展開。ドズル、ラコックすら「陽動にしては強力すぎる」「本隊に間違いない」と判断させるほどの奮闘を見せ、ティアンムからも「よくやっている」と評されるなど、優れた采配を見せている。序盤におけるルウム戦役では分艦隊を率いるが、シャアの率いるモビルスーツ部隊の待ち伏せにあい艦隊が壊滅、自身の乗る旗艦もシャアによって撃沈される。ストーリー終盤ではソーラ・レイの直撃で戦死したレビル将軍に代わって混乱する連邦軍をまとめ上げ、最終決戦であるア・バオア・クー攻略戦を指揮。攻略時の階級は中将。艦隊司令官として旗艦ルザルで前線に向かうが、増援としてやってきたキシリアの座乗艦ドロスにより艦隊の背後から攻撃を受け、ホワイトベースら上陸部隊に最後の指令を与えようとする中、戦死を遂げる。ブライトは途切れたワッケインの最後の指令を読み取り、ア・バオア・クーへの揚陸を敢行する。
厳格ではあるが部下思いであり、パオロやブライトたちの説得にも耳を貸し、決断すれば旗艦マゼランの破壊も躊躇しないなど柔軟な思考を持つ。ブライトの成長を喜ぶほか、アムロ・レイを「彼は我々とは違う、そう思える」と評価するほどに観察している。そのため、一度拘束されたことがありながらもホワイトベースのクルーからは尊敬され、ワッケインの戦死はアニメ版でもオリジン版でも悼まれている。殊にブライトにとっては上級軍人としての鑑でもあり、ワッケインの死には涙ぐみながら敬礼をする。
漫画『MSV-R 虹霓のシン・マツナガ』では、宇宙世紀0079年2月にはルナツー司令になっているが、制服および階級(襟章による)は『THE ORIGIN』の設定に準じている。ジオン軍の月から地球へのマス・ドライバー攻撃に対し、ジャブローのゴップとの通信ではルナツーの戦力不足を訴え、被害がジャブローにおよぶならルナツーを月にぶつける覚悟を伝えるが諌められ、連邦軍の健在を示す何らかの戦果を求められる。
なお、漫画『アウターガンダム』では、フルネームはヴォルフガング・ワッケインとしている。これはあくまでこの漫画独自の設定だが、ゲーム『ガンダムバトルユニバース』ではこの名で登場しており、ゲーム『エンブレム オブ ガンダム』でもW・ワッケインという名になっている。
脚注[編集]
- ↑ 『別冊GoodsPress 『機動戦士ガンダム』全43話の裏側』徳間書店、2011年3月、43-44頁。
- ↑ 『機動戦士ガンダム ガンダムアーカイブ』メディアワークス、1999年6月、21,84頁。
- ↑ Web現代「ガンダム者」取材班編集「第6章 脚本(チーフシナリオライター) 星山博之 《キャラクターの生命》」『ガンダム者 ガンダムを創った男たち』講談社、2002年10月9日、ISBN 4-06-330181-8、284頁。
- ↑ 劇中で無能と思われる描写は、『THE ORIGIN』でせいぜいミライがゴップの口の軽さによる機密の漏洩に言及している程度である。
- ↑ ただし肩章は大将の三つ星のままで、胸章に元帥章を表すと考えられる四つ星を新たに付けている。
- ↑ 21話で負傷したリュウのかわりに操縦を務めたが、操縦テクニックに馴染めず、ガンタンクにトラブルを起こさせた。
- ↑ 『機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー カイ・シデンのメモリーより』2巻100ページより。
- ↑ 設定画より。『機動戦士ガンダム ガンダムアーカイブ』メディアワークス、1999年6月、235頁で確認。
- ↑ 9.0 9.1 『機動戦士ガンダム超百科』立風書房、1980年3月、213頁。
- ↑ 10.0 10.1 10.2 設定画より。『機動戦士ガンダム ガンダムアーカイブ』メディアワークス、1999年6月、355頁で確認)。
- ↑ 『TVマガジン』1981年3月号付録『機動戦士ガンダム大事典』下巻、講談社、82頁。
- ↑ 『TVマガジン』1981年3月号付録『機動戦士ガンダム大事典』下巻、講談社、85頁。
- ↑ 35話以降、描かれる襟首や肩の階級章の星が三つになっている。