「アサヒる問題」の版間の差分
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2007年11月23日 (金) 13:32時点における版
「アサヒる」問題(アサヒるもんだい)とは、2007年に発生した、朝日新聞による流行語の捏造が行われた問題である。
経緯
- 2007年9月12日 - 自民党の安倍晋三総理が所信表明演説直後に辞任を表明。翌日慶應義塾大学病院へ入院。
- 2007年9月24日 - 安倍晋三は慶應義塾大学病院で記者会見を行い、自身の健康状態を理由に退陣した経緯を説明、政府・国会関係者・日本国民に対して謝罪した。
- 2007年9月25日 - 朝日新聞の会見記事の中でコラムニスト石原壮一郎の談として「『アタシ、もうアベしちゃおうかな』という言葉があちこちで聞こえる。仕事も責任も放り投げてしまいたい心情の吐露だ。そんな大人げない流行語を首相が作ってしまったのがカナシイ」 という内容が紹介された[1]。また、チャンネル桜にてキャスターが上記の記事を取り上げ、「アサヒしちゃってるんですよ」と発言。[2]
- 2007年9月下旬 - ネット上の掲示板/ブログで「Googleで検索したが『アベする』という流行語はヒットしない」「『アベする』は捏造ではないのか?」「安倍・阿部等の姓をもった人に対していじめなどが起きかねない」との疑問が提示され、批判が続出した。逆に事実を捏造し、流布した疑惑が強いとして「アサヒる:捏造すること。事実でないことを事実のようにこしらえていうこと」という言葉が発生し、以後主に2ちゃんねるをはじめとして「アサヒる」という言葉が流行する[4]。
- 2007年10月5日 - この日発売された週刊新潮の10月11日号に本件がネットで話題となっている旨の記事が掲載される。
- 2007年10月31日 - 中日新聞(東京新聞)のコラム「一筆両談」において、中日新聞論説部員の川北隆雄が「アベするという語句は捏造だとネットで指摘されたが、コラムニストが紹介する以前から公の場で使用されていたことは明らかであり、捏造疑惑のほうが捏造である。この語は流行語大賞に推薦したい」という趣旨の記事を執筆した[5]。
- 2007年11月上旬 - 中日新聞(東京新聞)のコラムについて、ネット上で「論拠が示されていない」「論理の飛躍も甚だしい」といった批判が続出し「捏造語大賞に推薦したい」という皮肉も出た。この件について論説委員に論拠を尋ねたところ、「(回答は)勘弁して欲しい」旨の返答がよせられたとする出来事があった。[6]
- 2007年11月15日 - 日本テレビの情報番組において「アサヒる」が紹介された。番組の中では、「朝日新聞の政治などに対する厳しい論調から、『執拗に責め立てる』という意味で使われる」と説明されたが、これは先述の発生時の意味とは異なる解釈であった。その一方で「アベする」については石原の用例に沿った解釈で説明された。なお、この番組が参考とした「現代用語の基礎知識2008」に掲載予定のはてなダイアリーキーワードの「アサヒる」には、「捏造する」という意味のみが記述されおり、由来の解説にも「朝日新聞社が『アベする』なる語句を創出し、『この言葉が流行している』と捏造としか考えられない記事を書いてまで、自らの論調に相容れない安倍首相(当時)を執拗に攻撃したことから。」[7]とあり、文全体としては日本テレビの報じた「厳しい論調で執拗に責め立てている」というよりも「捏造してまで執拗に攻撃した」という意味合いになっていた。
背景
本件の前後には、次の事象が生じていた。
- 直前の第21回参議院議員通常選挙の報道で、朝日新聞が反安倍一色の報道に終始したとの指摘がなされたこと。[8]
- 直後の9月29日に沖縄県宜野湾市で開かれた教科書検定意見への反対集会で実際には18,179人~20,000人程度(警備会社「テイケイ」の調査による[9])の参加者数を朝日新聞が「11万人」と伝え[10]、政府が訂正申請に応じる騒ぎが生じたため[11]、「11万人」という数字は虚偽報道ではないかと各方面から疑問が提示されたこと[12][13][14]。
今回の「捏造疑惑」はこれらの事象とともに、本来の報道機関としてあるべき「事実を正確に伝える」という原則から逸脱しているのではないか、或いは「世論誘導」をしようとしているのではないか、と議論となったものである。
アサヒる
捏造する。でっちあげる。執拗にいじめる。自らの論調に相容れない者を執拗に攻撃する。(はてなダイアリーより)
アサヒ-るという形をとるラ行の五段動詞とされる。当初は上記の「捏造すること。事実でないことを事実のようにこしらえていうこと」という意味であるとされたが、朝日新聞がかつて行ったとされる虚報・誤報・世論誘導等の不祥事・疑惑(伊藤律会見報道事件・朝日珊瑚事件など)に関連し、「珊瑚に傷をつける」「独善的な報道を行う」「言論人としてあるまじき犯罪行為を行う」などといった意味も派生して生まれた。 (参考リンクasahiru辞書)
関連項目
- 朝日新聞
- 石原壮一郎
- 第21回参議院議員通常選挙
- 江川卓 - 人名に「る」を付与して造語を行った先例。強引に意見を押し通す「エガワる」なる語が生まれたことがある。
- チャンネル桜 - 「アサヒる」の語句を作った保守系テレビ局
- 報道ワイド日本 - アサヒる発祥の報道番組
- 桜林美佐 - キャスター、アサヒる産みの親
- 三輪和雄 - キャスター、アサヒる産みの親
- 現代用語
参考文献
- 週刊新潮 7月26日号・10月11日号・11月1日号他
- 【産経抄】10月3日
- 11月3日付・読売社説
- WILL 12月号
脚注
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- ↑ (2007-09-25) 青白い顔、張りない声 おわびで幕 安倍首相会見 朝日新聞 2007-09-25 [ arch. ] 9月25日
- ↑ ニコニコ動画 チャンネル桜『朝日新聞 - 新流行語「アサヒる」』
- ↑ 3.0 3.1 (2007-09-28) J-CASTニュース:「アベする」は流行語?騒動 コラムニストブログ「炎上」 J-CAST 2007-09-28 [ arch. ] 10月8日
- ↑ 「[클릭, 도쿄N‘아베’ 하니 ‘아사히’ 하네]」。2007年10月1日、京郷新聞(韓国語)。参考翻訳:「【ネット】 日本ネチズンの間で「アベする」「アサヒる」が話題~ハングル表記も[10/01]」。2007年10月2日、2ちゃんねる東アジアニュース速報+板。
- ↑ 川北隆雄『「流行語大賞」はこれだ』。2007年10月30日、中日新聞 夕刊、p.11(E版 愛知・岐阜・三重版)。
- ↑ (2007-11-01) 「アベする」捏造疑惑こそ捏造? 東京新聞コラムの説明責任 J-CAST 2007-11-01 [ arch. ] 11月17日
- ↑ 「はてなダイアリーキーワード「アサヒる」」。2007年11月17日閲覧。
- ↑ http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/books/breview/69489/ 産経新聞社 iZa!【花田紀凱の週刊誌ウォッチング】朝日の反安倍偏向報道、目に余る(公式メディアで安倍バッシングを問題視した意見が語られた例)
- ↑ (2007-10-17) テイケイが証明した沖縄集会のウソ nikaidou.com 2007-10-17 [ arch. ] 11月17日
- ↑ (2007-10-02) 集団自決「強制」削除/沖縄11万人の抗議 朝日新聞 2007-10-02 [ arch. ] 11月17日
- ↑ (2007-10-01) 「集団自決」検定、文科省が対応検討 沖縄県民大会受け 朝日新聞 2007-10-01 [ arch. ] 11月17日
- ↑ 「産経抄」。2007年10月3日、産経新聞 朝刊。
- ↑ (2007-11-09) 誤報を正す会 報道各社に質問状 沖縄県民大会「11万人」 産経新聞 2007-11-09 [ arch. ] 11月17日
- ↑ (2007-11-03) 沖縄集団自決 禍根を残しかねない政治的訂正(11月3日付・読売社説) 読売新聞 2007-11-03 [ arch. ] 11月8日
外部リンク
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