「Skype」の版間の差分
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2020年1月12日 (日) 21:37時点における最新版
Skype(スカイプ)は、マイクロソフト社が提供するP2P技術を利用したインターネット電話サービス。KaZaAの共同開発者であるニコラス・センストロムとヤヌス・フリスが開発者であり、タリンで開発された。
Skypeスカイプは、「Sky peer-to-peer」の略である。当初は Skyper(スカイパー)とする予定だったが、ドメインがすでに取得されていたので、Skype に変更した。
目次
- 1 概要
- 2 旧スカイプ・テクノロジーズ社
- 3 機能
- 4 必要環境
- 5 対応言語
- 6 Skypeの有料製品
- 7 技術
- 8 利用者の統計
- 9 Wi-Fi Phone for Skype
- 10 SkypePhone
- 11 Skypeを規制する国々
- 12 トラフィック増大に対する懸念・批判
- 13 歴史
- 14 関連項目
- 15 脚注
- 16 外部リンク
概要[編集]
P2P技術を利用したコミュニケーション・ソフトウェアであり、比較的低速な回線やファイアーウォールの内側でも高音質の安定した通話を実現できることが特徴。一般の電話との相互通話を実現する機能(国によって制限がある)や、ビデオ通話機能も備えている。
Windows XP、Vista、7、8、Mobile、Phone、Linux、OS X、PSP、PS Vita、iPhone、iPod touch、iPad、Android、Symbian用のソフトウェアが同社から無料で提供される。Linux においてはディストリビューションごとに対応が異なり、現在でも公式リポジトリに含めているものも存在すれば、マイクロソフトによる買収後に公式リポジトリからは除去され、有志のPPAによる配布のみのものもある。日本語版のソフトウェアは Skype の公式サイトのほか、提携先(後述)からも入手可能。
日本国内においては、バッファロー、エキサイト、フュージョン・コミュニケーションズの各社と提携しており、サイト上でのソフトウェアの配布やインフラの提供とともに、独自の関連商品を発売している。かつては、ライブドアと提携して2004年10月26日からソフトウェアを配布していたが、2008年1月8日の業務提携満了に先立って、2007年11月14日に配布を終了した。
2010年にはパナソニックの薄型テレビ「VIERA」において、Skypeによるテレビ電話機能を搭載した機種が発売された。
ラジオ番組の中では、遠隔地にいるラジオパーソナリティやリスナーとを放送中にスカイプでつなぎ、電話中継に似た形で通話をそのまま放送することがある。とくにアマチュアが趣味で放送しているインターネットラジオで比較的多く見られる。
旧スカイプ・テクノロジーズ社[編集]
2011年にマイクロソフトに買収されるまではルクセンブルクに籍を置くスカイプ・テクノロジーズ社(以下「スカイプ社」)による運営だった。
2005年10月、イーベイに約26億ドルで買収され子会社となった後、2009年には投資家グループに株式の65%が約20億ドルで売却された。その後、2011年5月、マイクロソフトが85億ドルでスカイプ社を買収することで合意、10月に買収手続きが完了し、マイクロソフトのスカイプ部門となって現在に至っている。
マイクロソフトに買収されたことで Windows 系以外のプラットフォームへの影響も懸念されたが、マイクロソフトは買収後もマルチプラットフォームを維持するとしている。
機能[編集]
- Skype ユーザー間で、無料音声通信が可能。
- 複雑な設定無しに、一般的なファイアーウォールやNAT内からでも通信が可能。
- エンド・ツー・エンドのセキュアな暗号化通信が可能。アクセス毎に認証キーが変わる。
- 高音質な通信も可能。
- APIが公開されている。
- 世界の誰からでも通話・チャットを受け付ける「Skype Me」機能(バージョン4以降、廃止)
相手がオンラインかどうか確かめる機能や、最大25人までの同時通話が出来る電話会議機能も実装されている。また、インスタントメッセンジャーやファイル転送の機能もある。
必要環境[編集]
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Windows[編集]
- インターネット接続 :ブロードバンド接続を推奨(GPRSの音声通話はサポート保障外)。
- OS: Windows XP ・ Vista ・ 7 ・ 8
- CPU:1GHz以上のCPU
- グループビデオ通話の場合
- 5人以下(最高品質の通話をする場合)
- インターネット回線:高速ブロードバンド接続推奨(持続的な512Kbps以上の回線速度が必要)
- CPU: 1GHz 以上のプロセッサもしくはCore 2 Duo 1.8GHz
OS X[編集]
- インターネット接続:ブロードバンド接続を推奨。GPRSは音声通話に対応していない。
- OS:OS X v10.5.8 Leopard以降
- CPU:1GHzのIntelプロセッサ
- ハードディスク:100MB以上の空き容量のあるハードディスクドライブ
- ソフトウェアの要件
- QuickTime 7以降
Linux[編集]
- インターネット接続:ブロードバンド接続を推奨。GPRSは音声通話に対応していない。
- CPU:1GHz以上のCPU
- システムメモリ:256MB以上のRAM
- ハードディスク:100MB以上の空き容量のあるハードディスクドライブ
- Xv対応のビデオカードドライバ
- ソフトウェアの要件
- Qt 4.4.0
- D-Bus 1.0.0
- libasound2 1.0.18
- PulseAudio 0.9.16(オプション)
- BlueZ 4.0.0(オプション)
Skype for Android[編集]
- Android 2.1以降(IS01に限り1.6にも対応)
- 日本においては当初、Skype auとしてau IS03、IS01にのみ対応していたが、現在はどのキャリアの端末でも使用できる(Google Playからダウンロード可能)。
- Skype auはauの携帯電話回線を利用するためau以外は利用できない。2011年夏のモデルよりauのフィーチャー・フォン一部機種でもSkype auを利用できるようになった。なお、Skype auを利用したSkype同士の通話は2011年11月まで無料だが、同年12月からは、スマートフォンはau 4G LTEではLTEフラット、ISシリーズの場合、基本料金プランにかかわらずISフラットを契約していること、フィーチャー・フォンの場合は、基本料金プランがタイプM以上のプランに加入していること(パケットのプランについては特に問わない)が条件となり、条件を満たさない場合は、利用月については、利用回数・分にかかわらず980円がかかる。
Skype for Symbian[編集]
日本で発売された端末では、現時点ではNokia N82とSoftBank X02NKがサポート対象。前身のSkype for Your Mobile(Lite版)同様、2010年9月時点では英語版のみとなっている。
iPhone / iPod touch / iPad[編集]
- iOS 4.3以降のiPhone / iPod touch / iPad
- 無線LANでのインターネット接続環境(2010年5月30日のアップデートにより携帯電話回線でも利用可能)
- Apple ID(アプリがApp Storeで配布されるため)
- 第3世代のiPod touchの場合、音声送話には対応マイクロホンが必要(第4世代以降はスピーカーフォン形式ながら単体での通話が可能)
- iPhone 4以降、第4世代以降のiPod touch、iPad 2以降の場合、本体の前面と背面のカメラを使ってビデオの送受信が可能。
- iPhone 3GSの場合、背面のカメラを使ってビデオの送受信が可能。
- 第1世代のiPadおよび第3世代のiPod touchでは、ビデオの受信のみ可能。
- H264対応デバイスが必要。
PlayStation Portable / PlayStation Vita[編集]
- PSP (PSP-2000, PSP-3000, PSP go)
- システムソフトウェア Ver3.93以上
- メモリースティック Duo(必要空き容量 1MB以上)
- 無線LANでのインターネット接続環境
- PSPのSkype に対応した音声入出力機器(マイクロホン、リモコン付きヘッドホン)PSP-3000・PSP goでは、マイクが本体に内蔵されているので音声入力機器は不要
- PS Vita
- メモリーカード(必要空き容量 60MB以上)
- 無線LANでのインターネット接続環境(3G接続は各3G回線提供元によって異なる)
- ビデオ通話は可能
Xbox 360 / Xbox One[編集]
薄型テレビ、BDレコーダー[編集]
無線LAN対応ヘッドセット[編集]
- SONY mylo (販売終了)
- BUFFALO Wi-Fiフォン for Skype WSKP2-G/BK(販売終了)
- Logitec Skype専用 無線LAN携帯端末 LAN-WSPH01WH
- パナソニック システムネットワークス Skype対応Wi-Fiフォンセット KX-WP800
全プラットフォーム共通事項[編集]
Skypeを利用するためのヘッドセット、USB接続のハンドセットやスピーカー、Bluetooth用のコードレスハンドセットがSkype認定製品としてサードパーティーから発売されている。
なお、機種によってはマイクロフォンを接続していなくても通話の接続自体やプッシュトーン(DTMF信号)の送出はできる場合がある。DTMFによる自動音声応答式のテレホンサービスなど、通話者の肉声等を送出する必要のない通話先であれば利用に支障はない。
開発停止[編集]
Skype for Your Mobile(Lite版)[編集]
現在は、サポートを取り止め、後継としてfor Symbianとfor iPhoneとして提供されている。公式版のAndroid向けソフトウェアについては、近日ベータ版の提供を予定しているとしていたが、Windows Mobile版同様、Sony Ericsson向けのごく一部を除き、サポートを停止している。
- 正式には、Skype for Your MobileのLite版。なお、Skype for Your Mobileの名称は、Windows Mobile版にも用いられる。
- 指定のLG、Motorola、Nokia、Samsung、Sony Ericsson製の携帯電話に対応。日本国内で発売された機種では、Nokia E61、SoftBank 705NK、SoftBank X01NK、SoftBank X02NK、Nokia N82(ソフトバンクモデル)が該当する。
- Windows Phoneで利用する場合とは異なり、無線LAN対応の機種であっても無線LANを用いず、3G/2Gの音声帯域ないしはパケット網を利用。従って、SoftBank X01NK、SoftBank X02NK、Nokia N82の利用時は、「パケット定額フル」がほぼ必須だが、音声帯域を使う通信が多い場合は、ドコモ契約ないしはソフトバンクモバイル契約でブループランなどを利用し、無料通話で対応するなどしなければ高額になる恐れが極めて高い。
- プリモバイルUSIMカード利用時のSkype利用可否は不明。
- 現状では日本語版がないため、英語版などを利用する形となる。
- ログイン時に、利用している携帯電話(SkypeInの番号ではなく、SIMカード・UIMカードの番号。日本国内の契約の場合は、「+8190xxxxxxxx」の形式)の番号の入力も必要。
- ベータ版ではあるが、Android端末である、T-Mobile USAからリリースされたG1にも対応している。今後の端末増加により、対応機種やOSバージョンなどが増加・追加される可能性がある。
ノキア端末向けには、Skype for Symbianの提供が開始されたが、従来のSkype for Your Mobileでサポートしていた端末の一部 (Nokia E61) では、利用できない機種もある。
通話・通信料[編集]
Lite版利用時は、他のハードウェア・ソフトウェア利用時に比べて特殊であるため、別途記述する。
- 海外の固定電話や携帯に通話発信 - 携帯電話の市内/国内標準通話料金(通信オペレータへの支払)と、固定電話・携帯電話への標準通話料金(Skypeアカウントからの引落)を足した額
- Skypeコンタクトへの通話発信 - 携帯電話の市内/国内標準通話料金(通信オペレータへの支払)
- インスタントメッセージとオンライン - 電話会社の標準データ料金(通信オペレータへの支払)。ソフトバンクモバイルの端末の場合は、Xシリーズ(SBM扱いのNokia N82を含む)は「パケット定額フル」の対象だが、SoftBank 705NKのみ(およびSIMロックのない端末)、SoftBankアクセスインターネットが適用されるため、「パケットし放題」の上限が無いことになる。なお、ドコモのFOMAカードを利用して、Nokia E61等を利用する場合は、mopera Uの通信体系となる。従って、パケ・ホーダイダブルまたはBiz・ホーダイダブル利用時は、PC接続時の上限額扱いとなる。
- Skypeコンタクトからの通話着信・オンライン番号への通話着信 - 国内の携帯電話に発信する標準Skype通話料金は、アカウントのSkypeクレジット残高より引落(上述の通話料ないしは通信料に併せて、Skypeアカウントからの引落)
なお、携帯電話会社の「3」との提携サービス「3 Skypephone」もある。ただし、「3」が日本でMVNOを含めた事業を行っていないため、日本向けのサービスは現時点では行っていない。
Windows Mobile[編集]
2010年初頭に、サポートを停止している。
- OS: Windows Mobile ProfessionalまたはWindows Mobile Standardに対応した通信デバイス本体
- 3G/2Gまたは、無線LANでのインターネット接続環境(ウィルコム端末での利用は、現状無線LANの利用に限定)
対応言語[編集]
2007年2月現在の対応言語。この一覧はアプリケーションの表示に対応している言語である。電話での会話はどんな言語でも相手が理解してくれれば通話可能である。
Skypeの有料製品[編集]
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Skypeからの通話料金[編集]
- Skypeユーザー
- Skypeへの通話 0円/時間無制限
- 月間契約
- 1ヶ国限定プラン 月額 695円
- 世界中どこでもプラン 月額 1,495円
技術[編集]
音声符号化にGIPSを使用し、バッファの最適化による高音質化が図られている。
通話の流れは次のようになる。
- Skypeをダウンロードすると、Skypeサーバに登録され、デジタル証明書が発行される。
- 次にログインしたときには、ログインしているノードのリストのサーバであるスーパーノードに接続される。
- ノードのIPアドレスをスーパーノードから取得し、ノード同士で直接通信が可能となる。
- ファイアウォールの内側からの通信の場合、常にパケットを送信している。また、両方がファイアウォールの内側にいるときは、グローバルIPアドレスを持つ第三者のマシンで中継する。
このことにより、複雑な設定無しの通信を可能にしている。
スーパーノードには、第三者のパーソナルコンピュータを利用している。ログインしているノードのリストを常に更新するために、次のようなものの中から自動で選ばれる。
スーパーノードに割り当てられるパーソナルコンピュータは随時変更されていき、スーパーノードの負荷が高まった場合は新たに他のコンピュータに対してもスーパーノードが追加割り当てされる仕組みになっている。
このような仕組みでサーバ機能を分散化し、段階的なネットワークの拡張、障害の局在化が図られている。Skype社にとっては低コスト化の意味もあり、自社で持っているサーバはソフトウェア配布用の数台のみである要出典。
利用者の統計[編集]
2005年10月にユーザー有志による調査グループSRコンサルティングによりSkypeユーザーおよそ400万人分のユーザープロファイルの解析調査が行われた。これらの調査結果はMathaba.netとSkype Journalに掲載されており、以下のようになっている。
- 平均年齢: 29.7歳
- 全ユーザーの46%はヨーロッパに住んでいる。しかし、最も多くのSkypeユーザーを抱えている国はブラジルと中国(台湾を除く)であり、全Skypeユーザーの内の8.1%をそれぞれ占めている。国別のユーザー数は上位から、アメリカ合衆国 (7.0%)、台湾 (5.8%)、フランス (5.3%)、ドイツ (5.0%)、ポーランド (4.5%) 、日本 (4.3%) となっている。
- 半数以上のユーザーはプロフィール内で性別を明らかにしていないため、性別の内訳などについては判然としない。
Wi-Fi Phone for Skype[編集]
Skypeを利用するにあたって携帯端末向けのシステムが幾つか発表されている。モトローラは初期からSkype社といわゆる「Skype携帯」の共同開発にあたっており、Wi-Fiを利用したSkype携帯電話CN620 Wi-Fiを発売すると発表されている。時期は未定。日本でも、ウィルコムが開発したスマートフォン、W-ZERO3にSkypeがインストール可能であることが注目を集めた。
2006年9月には日本でSkype専用携帯端末がロジテックより販売された。
米国ではパナソニック(旧九州松下系)が、Wi-Fiフォンとトラベルルーターをキャリングケースに入れて持ち運びできる製品「Wi-Fi Phone for Skype Executive Travel Set(品番:KX-WP1050)」を2007年1月に発売した。これは有線ブロードバンドが使えるホテルやオフィスなどでの利用を想定したものである。なお、日本でも2008年3月にFONネットワークへの接続機能を搭載したモデルKX-WP800が同社直販サイトでモニター販売された。
今後も各社からさまざまなSkypeフォンがリリースされることが期待される。
SkypePhone[編集]
2007年10月29日、ルクセンブルクのSkype Technologies社とイギリスの携帯電話通信事業者3(スリー)とアメリカの半導体、コンピュータソフトウェアメーカークアルコムの3社が3 Skypephoneを共同開発。プラットフォームにクアルコムの「BREW」を採用した。
Skypeを規制する国々[編集]
国によっては、様々な事情により、Skypeの利用に幾つかの制限を設ける動きがある。これらは、主に経済的な事情や国家・企業の防衛的な目的によるものである。
アメリカ合衆国[編集]
2007年現在まで、規制などは特に行われていない。しかし、Skypeを含めIP電話は通信傍受法 (CALEA) で対象とされている「コンピュータ通信」に該当し得ると推測されるが、盗聴が困難であるため、犯罪者、特にテロリストなどの通信手段として利用されることに懸念がもたれており、今後、なんらかの対策が施される可能性が示唆されている。
日本[編集]
日本では、2011年現在、Skypeに対する法的規制は特に実施されておらず、また日本国政府レベルでも活発な議論はされていない。NTTドコモのFOMAを利用する場合、Skypeが「ご利用できない通信」として挙げられており、パケット定額の対象外となったり、ポートの規制が行われる可能性が示唆されている。
- 無料で利用できる機能 - Skypeのダウンロードと世界中のユーザとの通話。Skype間の通話、1対1のビデオ通話、インスタントメッセージ、画面の共有。
- 有料で利用できる機能 - 固定電話や携帯電話との通話。
中国[編集]
中国では中国政府に悪意となる海外からの情報を厳しく制限している(中国のネット検閲および金盾を参照)。中国本土、とりわけ深圳において、SkypeOutの利用が制限されており、違反者には罰金が課される。また中国国内版Skype(TOM Skype)には検閲機能が内蔵されていることが明らかになっている。
フランス[編集]
2005年9月、フランスの研究省は同国国防省の要請を受け入れ、国内の公共の研究機関及び高等教育機関におけるSkypeの使用を禁止する旨の通達を発した。幾つかの機関はこれを公式な禁止令と受け取っている。詳細な理由については明かされていないが、コンピュータセキュリティの専門家らは以下のような見解を述べている。
- Skypeのソースコードは明らかにされておらず、また法律によりリバースエンジニアリングが禁止されているため、安全性を確認することができない。
- SkypeのP2Pシステムは、より速いシステムにスーパーノードという負荷の高い役目を割り当てる仕組みとなっている。各研究施設は非常に速い回線と高性能なコンピュータ複数台を有しているのが常であり、それらの研究所がSkypeを利用することは、すなわち負荷の高いスーパーノードの役目を割り振られる確率が高く、ひいてはネットワークやコンピュータの処理速度に大きな負荷を背負うリスクが高い。実際、いくつかの研究機関のネットワークシステムはSkypeを利用していたことによってダウン寸前まで追いつめられたことがある。
- Skypeが実装している情報伝達の仕組みには未知の部分が多く、暗号化はされているにしても、トラフィックがどういう経路を通るかは不明であり、無用のリスクを生じさせる恐れが少なくない。
つまるところ、Skypeは研究機関にとってセキュリティホールとなる恐れがあると見なされたのではないか、というものである。しかし、真相は定かではない。
その他の国々[編集]
メキシコ、パナマで国営の電話事業者への収入を阻害するとして、Skype公式サイトへの接続がブロックされている。ソフトウェアとIDさえあればSkype自体の利用は可能であるため、海外からソフトウェアとIDをメールを通じて「密輸」するビジネスも存在する。このほか、コスタリカでも同様の理由からSkypeを規制する動きがある。
その他の地域では、アラブ首長国連邦がSkype公式サイトへの接続をブロック、ミャンマーではソフトウェアに規制がかかりログインが不可能となり、バーレーン、カタールなど他の国々でもSkypeの使用が制限、もしくは将来的に制限する動きがある。これらの国々の多くは電話会社が国営であり、理由はその減収が国庫に与える損失を嫌ったものである。多くのケースでは最も普及しているSkypeにさしあたりの規制の網がかけられているが、Skype以外のIP電話に対して同様の規制をかけるケースもある。
トラフィック増大に対する懸念・批判[編集]
Skypeは、YouTubeなどの動画共有サービスとあわせ、インフラに対して対価を支払うことなくインターネット上でトラフィック(帯域)を占有し事業を展開していることをインフラ事業者から問題視されており、インフラ事業者に対して対価を支払うべきではないか、と、批判を浴びている。特にSkypeについては、2006年1月にNTTの社長が特に名を挙げて懸念を示している。
批判がある一方で反論も多く、この「インフラただ乗り論争」全般についての結論は出ていない。
Skypeについては、同様に批判が行われている動画配信などの数十Mbpsから数Mbps単位で帯域を使用するサービスに比べ、少なくとも現状のプログラムでは、ビデオ通話機能を利用した場合の通話時でも一時的に数百Kbps単位で帯域を使用するサービスに過ぎず、利用者数の差を勘案してなお、通信量は微々たるものであり、批判するに値しないのではないか、という声も少なくない。
歴史[編集]
各Skypeは特に注意がない限り、Windows版である。特に重要と思われる版については太字となっている。
- 2003年
- ニコラス・センストロムとヤヌス・フリスにより、"グローバル P2P テレフォニー カンパニー(世界規模のP2P電話事業者)"としてSkype社設立。
- 4月 skype.com と skype.net がレジストラに登録された。
- 8月29日 Skype 初のパブリックβ版がリリースされた。
- 2004年
- 2005年
- 1月 日本国内においてバッファローにより「BUFFALO-Skype for Windows」ソフトウェアが配布開始された。
- 1月 Skype 1.1 (1.1.0.61) を正式リリース。50人までのテキストチャットに対応。 5日
- 2月14日 「オンラインのユーザー」の数が初めて瞬間的に200万人を超えた。
- 3月18日 「オンラインのユーザー」の数が初めて瞬間的に300万人を超えた。
- 3月23日 Skype 1.2 (1.2.0.37) を正式リリース。SkypeInとボイスメールに対応した(SkypeInは3月よりパブリックβテスト開始)。
- 6月13日 Skype 1.3 (1.3.0.45) を正式リリース。UIの改善の他、アニメーションエモーティコンが導入された。
- 9月12日 eBayがSkypeの買収を発表(同年10月にeBayによる買収が完了)。
- 9月28日 Skype 1.4 (1.4.0.71) を正式リリース。音質や応答品質がさらに改善された。
- 10月20日 「オンラインのユーザー」の数が初めて瞬間的に400万人を超えた。
- 11月 NECが2006年夏以降に日本国内で出荷する全ての個人向けPCにSkypeを標準搭載することを発表した。
- 2006年
- 1月 Skype 2.0 (ver.2.0.0.69) を正式リリース。ビデオチャットに対応した。 5日
- 1月20日 「オンラインのユーザー」の数が初めて瞬間的に500万人を超えた。
- 2月 フュージョンがSkypeで「050」着信を可能にする「SkypeIn」を日本国内提供を開始。
- 3月27日 「オンラインのユーザー」の数が初めて瞬間的に600万人を超えた。
- Skypeパートナーズ・コミュニティー日本を設立。 5月
- 6月14日 Skype 2.5 (ver.2.5.0.113) を正式リリース。Skypecastに対応した。
- 8月29日 「オンラインのユーザー」の数が初めて瞬間的に700万人を超えた。
- 10月 Skype for Pocket PC 2.1 (ver.2.1.0.65) を正式リリース。マルチチャット、SkypeIn、ボイスメールに対応。また、日本国内での使用者が多い 5日W-ZERO3シリーズが初めてサポートされた。
- 10月23日 Skype for Mac 2.0 (ver.2.0.0.6) を正式リリース。Mac版として初めてビデオチャットに対応した。
- 11月 「オンラインのユーザー」の数が初めて瞬間的に800万人を超えた。 8日
- 12月13日 Skype 3.0 (ver.3.0.0.190) を正式リリース。オープンチャット機能や Click to call 機能に対応したほか、Extraマネージャを追加。また、UIが一新された。
- 2007年
- 1月 フュージョンがSkypeで「050」発信を可能にする「フュージョンでSkype」(SkypeOUTとは異なる)を日本国内提供を開始。
- 1月18日 Skypeoutでの通話発信時に、1通話ごとに4.9円の接続手数料を徴収するとの発表をした。
- 1月29日 「オンラインのユーザー」の数が初めて瞬間的に900万人を超えた。
- 2月 Skype for Mac 2.5 (ver.2.5.0.85) を正式リリース。ビデオ画質を向上。 1日
- 3月14日 Skype 3.1 (ver.3.1.0.144) を正式リリース。SkypeFind機能が追加されたほか、チャット中のタイプ通知に対応。
- 5月16日 Skype 3.2 (ver.3.2.0.148) を正式リリース。PayPal送金機能、HotmailやGmailなどからのアドレス帳インポートに対応。
- 5月16日 Skype for Mac 2.6 (ver.2.6.0.137) を正式リリース。通話転送機能をWindows版よりも先行して提供。
- 6月11日 Skype for Windows Mobile 2.2 (ver.2.2.0.36) を正式リリース。「TIOMAP 850」CPUをサポートすることで、サポート機種が大幅に増加した。他に、イベント通知機能などを追加。
- 8月 Skype 3.5 (ver.3.5.0.202) を正式リリース。ムードとして動画演出の強化を提供。 8日
- 8月16日 大多数のユーザーが正常にログインできない、大規模な障害が発生。完全な復旧までには24時間以上を要した。Skype始まって以来最大の障害発生と報じられる。
- 8月23日 8月16日の障害を受け、有料サービスを契約中のユーザーについては、契約期間を7日間延長すると発表。
- 10月 巨額損失の責任を取るかたちで、Skypeの 1日CEOニコラス・センストロムが退任。eBayはSkypeの損失9億ドルを含めた計約14億3000万ドル(1647億円)を2007年第三四半期の減損損失として計上する予定。
- 10月18日 「オンラインのユーザー」の数が初めて瞬間的に1000万人を超えた。
- 11月14日 ライブドアとの業務提携を2008年1月8日をもって終了すると発表。それにともない「livedoor & Skype」のソフトウェア提供が終了された。
- 11月15日 日本国内においてエキサイトとの業務提携により「エキサイト-Skype for Windows」ソフトウェアが配布開始された。また12月7日よりMac OS X対応の「エキサイト-Skype for Mac OS X」が公開されている。
- 11月16日 Skype 3.6 (ver.3.6.0.216) を正式リリース。高品質のテレビ電話機能に対応。
- 12月12日 Skype3.6.0.244よりWindows Vistaに正式に対応。
- 2008年
- 1月 「オンラインのユーザー」の数が初めて瞬間的に1100万人を超えた。 8日
- 2月13日 Skype for Mac 2.7 (ver.2.7.0.257) を正式リリース。高品質のテレビ電話、グループコンタクト機能などに対応。
- 2月18日「オンラインのユーザー」の数が1200万人を超えている事を確認した。
- 3月13日 Skype for Linux 2.0 (ver.2.0.0.63) を正式リリース。ビデオ通話、日本語に対応など。
- 3月24日 暫定CEO Michael van Swaaijが退任。Josh SilvermanがCEOに就任。
- 4月22日 1ヶ国限定プラン、世界中どこでもプラン、 アジア限定プラン200(廃止)が開始された。
- 4月29日 Skype 3.8 (ver.3.8.0.115) を正式リリース。全体的に音質を向上、コンタクト追加前のプロフィール画像表示を廃止。
- 9月 Skypecast機能が停止。 1日
- 9月15日「オンラインのユーザー」の数が瞬間的に1300万人を超えた。
- 10月20日 Skypeクレジットの支払い方法に、ファミリーマート店頭での現金決済追加。Skypeでクレジットカード以外の決済方法としては初となる。
- 10月20日「オンラインのユーザー」の数が瞬間的に1400万人を超えた。
- 12月 Skypeクレジットの支払い方法に、 2日電子マネーであるWebMoney、BitCash、ネットキャッシュでの決済追加。但し、スカイプ公式サイトからは不可能で、Excite & Skypeのサイトからの支払いとなる。
- 2009年
- 1月12日「オンラインのユーザー」の数が瞬間的に1500万人を超えた。
- 2月「オンラインのユーザー」の数が瞬間的に1600万人を超えた。 2日
- 2月 Skype 4.0 (ver. 4.0.0.206) を正式リリース。オープンチャットの作成、参加機能廃止。 3日
- 2月16日 Skype for Windows Mobile 2.5 (ver.2.5.0.170) を正式リリース。通話音質の向上など。
- 3月30日 Skype for iPhone 1.0 (ver.1.0.0.63) を正式リリース。
- 6月30日 Skype 4.1 (ver. 4.1.0.136) を正式リリース。画面共有機能の追加、音質・画質の向上など。
- 6月30日 Skype for iPhone 1.1 (ver.1.1.0) を正式リリース。日本語を含む多言語対応、ボイスメールに対応など。
- 7月20日 Skype for Mac 2.8 (ver.2.8.0.659) を正式リリース。画面共有機能など。
- 2010年
- 2月25日 Skype 4.2 (ver. 4.2.0.152) を正式リリース。Skypeアクセスの追加、着信転送機能の追加など。
- 2月25日 Skype for Windows Mobile の提供を停止。
- 6月 Skype for iPhone 2.0 (ver.2.0.0) を正式リリース。3G回線の利用に対応、通話音質の改善など。 1日
- 8月 Skype for iPad 1.0 (ver.1.0.1273) を正式リリース。 2日
- 10月 Skype for Android 1.0 をAndroid Marketを通じて正式リリース。米GoogleのモバイルプラットフォームAndroid OS 2.1以降を搭載した端末に対応。 5日
- 10月14日 Skype 5.0 (Ver.5.0.0.152) を正式リリース。Facebookとの連携、グループビデオベータ版、不意の回線切断の自動回復機能、UIの一新など。
- 10月18日 Skype社がKDDIとの戦略的かつ包括的な提携を発表。11月以降のauAndroidスマートフォンやBREW搭載機に導入予定。
- 12月23日 スーパーノードを保持するパソコンが、Skypeのソフトウェアの不具合により一斉にオフラインになり、ユーザーの間を仲介できなくなる。エンジニアが新しい「メガ・スーパーノード」を作成している最中。[1]
- 12月30日 Skype for iPhone 3.0 (ver.3.0.0) を正式リリース。ビデオ通話に対応。
- 2011年
- 1月27日 Skype for Mac 5.0 (ver.5.0.0.7980) を正式リリース。グループビデオ通話の追加、ユーザーインターフェース一新など。
- 4月 Skype 5.3 (Ver.5.3.0.108) を正式リリース。携帯版とのビデオ通話の画質向上など。 7日
- 5月10日 マイクロソフトが Skype 社を 85 億ドルで買収することに合意したと発表した。
- 6月30日 Skype for Android 2.0 (ver.2.0.0.45) を正式リリース。ビデオ通話に対応、ユーザーインターフェースの改良など。
- 7月 Skype for Mac 5.2 (ver.5.2.0.1523) を正式リリース。グループビデオ通話時の画面共有に対応、マルチタスクの改善など。 5日
- 7月27日 Skype 5.5(Ver.5.5.0.112) を正式リリース。Facebookとの連携の強化、エモーティコンのデザイン一新、ビデオ通話の安定性向上など。
- 8月 Skype for Android 2.1 (ver.2.1.0.46) を正式リリース。ビデオ通話をサポートする端末の拡充など。 4日
- 8月 Skype for Mac 5.3 (ver.5.3.0.1074) を正式リリース。HD画質でのビデオ通話に対応、 8日Mac OS X Lionへの正式対応など。
- 9月28日 Skype for iPhone & iPad 3.5 (ver.3.5.84) を正式リリース。このバージョンから、iPhone用とiPad用は共通のバージョン番号を使うようになった。Bluetooth機器での通話に対応、ビデオ通話時の手ブレ補正など。
- 9月28日 Skype for Android 2.5 を正式リリース。ビデオ通話をサポートする端末の拡充、ビデオ通話中に可能な操作の追加など。
- 10月13日 マイクロソフトが Skype 社の買収を完了。
- 12月14日 Skype for Android 2.6 を正式リリース。ファイルの送受信に対応、自動サインイン機能、ユーザーインタフェースの改善など。
- 12月15日 Skype for iPhone & iPad 3.6 (ver.3.6.97) を正式リリース。チャットメッセージのコピー&ペースト、URLの自動リンクなどに対応。
- 2012年
- 2月 Skype for Mac 5.5 (ver.5.5.0.2340) を正式リリース。Facebookとの連携、ビデオ通話のUIの改善など。 2日
- 2月 Skype 5.8 (Ver.5.8.0.154) を正式リリース。Facebookとの連携強化、Full HDビデオ通話など。 3日
- 3月 Skype for Mac 5.6 (ver.5.6.0.143) を正式リリース。自動アップデート、グループビデオのUI改善、 7日Lionのフルスクリーンモード対応、会話削除機能など。
- 10月25日 Skype 6.0(Ver6.0)を正式リリース。FacebookとMicrosoftのアカウントでサインインが可能に。
- 11月 マイクロソフトが、中国本土を除く全世界で「 6日Windows Live Messenger」の提供を、数カ月以内に終了することを発表。
- 11月12日 Skype for Windows Phone 8 プレビュー版を正式リリース。
- 11月21日 Skype for Android 3.0を正式リリース。
- 11月30日 Skype for iPhone・iPad 4.2.1を正式リリース。iPhoneのスクリーンサイズに対応、直接アカウント作成可能に。メッセージの直接修正、Skypeアイコンが使用可能に。
- 2013年
- 2月13日 Skype 6.1(Ver.6.1.0.129)を正式リリース。Outlook 2010以降との連携を強化。
- 2月13日 Skype 6.2(Ver.6.2.0.106)を正式リリース。eギフト対応、ツールバー変更。Mac版も同時リリース。
- 3月11日 Skypeの月額プランを改訂。
- 3月14日 Skype 6.3を正式リリース。
- 4月 Skype for Windows 8 1.6.0.114を正式リリース。 1日
- 4月 1日20億分の通話を達成。 3日
- 4月 Windows Live MessengerをSkypeに統合。 8日
- 5月23日 Skype for Xbox Oneを正式リリース。
- 5月29日 SkypeとLyncの相互接続を開始。
- 5月30日 プロモーションサイト『Skype on msn』をリニューアル。
- 6月 Skype 6.5(Ver.6.5.0.158)を正式リリース。ビデオメッセージ機能をプレビュー実装。 6日
- 6月17日 ビデオメッセージ機能を正式実装。
- 7月 Skype for Android 4.0を正式リリース。デザイン変更、パフォーマンスおよび品質の向上。 1日
- 7月 Skype 6.6(Ver.6.6.0.106)を正式リリース。ビデオメッセージ機能関連のUI変更。 4日
- 8月 Skype 6.7(Ver.6.7.59.102)を正式リリース。ハイコントラスト環境への対応。 6日
- 8月15日 SkypeがWindows 8.1へプリインストールされることを発表。
関連項目[編集]
脚注[編集]
外部リンク[編集]
- 公式サイト
- Skype
- Skype サポート
- Skype 日本語ブログ
- Skype Japan(@skypejapan)- Twitter
- Skype 日本語フォーラム
- 日本での提携企業サイト
- その他