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国道4号(こくどう4ごう)は、東京都中央区から栃木県宇都宮市福島県福島市宮城県仙台市岩手県盛岡市を経て、青森県青森市へ至る一般国道である。

概要[編集]

日本国道路元標があることでも知られる東京都中央区の日本橋を起点に、埼玉県北関東東北地方を縦貫する栃木県、福島県、宮城県、岩手県の各県庁所在地を経て、本州最北県である青森県で県庁がある青森市長島2丁目の青い森公園前交差点とを結ぶ、延長約855 kmの一般国道で、主な通過地は、埼玉県草加市越谷市春日部市、茨城県古河市、栃木県小山市、宇都宮市、さくら市矢板市那須塩原市、福島県白河市須賀川市郡山市二本松市福島市、宮城県白石市岩沼市、仙台市、大崎市栗原市、岩手県一関市奥州市水沢、北上市花巻市盛岡市二戸市、青森県十和田市上北郡野辺地町である。2015年4月1日現在、総延長は国道58号に次ぐ第2位、実延長および現道区間の延長が日本一長い国道である[PR 1]

江戸時代五街道のひとつである日光街道奥州街道を踏襲する道筋で、高速道路では東北自動車道、鉄道では東北新幹線東北本線とおおむね並行する経路をとる。埼玉県越谷市から栃木県宇都宮市にかけて、現道の東側で並行するバイパス道路である新4号国道があり、大規模なバイパス整備が進められている[1]

路線データ[編集]

歴史[編集]

国道4号は、日光街道奥州街道道中奉行管轄)およびその延長区間の白河から函館間(日光街道を除く3街道は1873年、陸羽街道に改称)を継承している。

一級国道の時代で道路が改良される以前までは、悪路が続いていたという。『空旅・船旅・汽車の旅』〈中公文庫〉に収録された作家阿川弘之著「一級国道をゆく」の記事によれば、1958年(昭和33年)に一級国道4号をトヨペット・クラウンで走行して東京 - 花巻間を旅行したときには、舗装された箇所はごくわずかで泥濘んだ悪路が続き、強行軍で丸2日を要したとされている[2]。その後、昭和時代の後半には急激に道路改良がなされて、バイパスも数多く作られていった [4]

年表[編集]

  • 1885年明治18年):内務省告示第6号「國道表」では、函館までの道がほぼそのまま国道6号「東京より函館港に達する路線」に指定された(当初、氏家 - 白河間は国道293号・国道294号などの旧陸羽街道経由であった)。正確には、松前道は津軽半島の突端の三厩から北海道渡島半島へ渡っていたが、国道6号は青森から直接航路で函館に達していたという点が異なる。
  • 1920年大正9年):施行の旧道路法に基づく路線認定では、国道4号「東京都より北海道庁所在地に達する路線」(現在の国道4号・国道5号)となった。
  • 1952年(昭和27年)12月4日:新道路法に基づく路線指定で、旧国道4号のうちの青森市まで(東京都中央区 - 青森県青森市)が一級国道4号となった。
  • 1965年(昭和40年)4月1日道路法改正によって一級・二級の区別がなくなり、一般国道4号となった。
  • 2011年(平成23年)3月11日:東北地方太平洋沖地震東日本大震災)により、福島市伏拝で土砂崩れおよび道路の崩落が発生し現場付近は7日間の通行止めおよび40日間の片側一車対面通行(現場付近は片側二車線で中央分離帯がある)となったほか、栗原市でも崩落が発生した[PR 4][5][6]

旧国道4号[編集]

(※以下は旧国道4号の路線の一部を記載する。)

旧陸羽街道(旧奥州街道)[編集]

路線状況[編集]

都内の区間は、都内で震度6弱以上を観測する地震が発生した場合の緊急自動車専用路および緊急交通路に指定されている[PR 9]

通称[編集]

バイパス[編集]

※が付いているものは、それ以前の旧道が他の国道・都県道・市町村道等に降格され現道となっているバイパスである。

重複区間[編集]

  • 東京都
    • 国道17号:中央区日本橋 - 中央区日本橋室町(室町3丁目交差点)
    • 国道6号国道14号:中央区日本橋 - 中央区日本橋本町(本町3丁目交差点)
  • 埼玉県・茨城県
    • 国道125号:久喜市(栗橋交差点) - 古河市(三杉町交差点)
  • 栃木県
    • 国道293号:さくら市氏家(川岸交差点) - さくら市馬場(馬場南交差点)
    • 国道461号:矢板市(中交差点) - 大田原市薄葉
  • 福島県
    • 国道294号:白河市薄葉(薄葉交差点) - 白河市女石(女石交差点)
    • 国道459号:二本松市羽石(羽石IC) - 二本松市冠木(冠木ミニIC)
    • 国道115号:福島市鳥谷野(鳥谷野交差点) - 福島市五十辺(岩谷下交差点)
  • 宮城県
    • 国道6号:岩沼市(藤浪交差点) - 仙台市宮城野区(苦竹IC
    • 国道47号:仙台市宮城野区(苦竹IC) - 大崎市(上古川交差点)
  • 岩手県
    • 国道342号:一関市山目十二神(十二神交差点) - 一関市山目大槻
    • 国道282号:盛岡市(NHK前交差点) - 滝沢市(分れ南交差点)
    • 国道281号:盛岡市(NHK前交差点) - 岩手郡岩手町(沼宮内北口交差点)
  • 青森県
    • 国道104号:三戸郡三戸町川守田 - 三戸郡南部町(剣吉交差点)
    • 国道454号:三戸郡五戸町扇田 - 三戸郡五戸町中ノ沢
    • 国道45号:十和田市三本木 - 青森市(青い森公園前)
    • 国道394号:上北郡七戸町影津内 - 上北郡七戸町上町野

道路施設[編集]

トンネル[編集]

日本一長い国道であるが、トンネルは4か所しかない。国道4号は、各県の県庁所在地など都市部を多くを通り、平地が多く山岳地をあまり通らないことから、起点・日本橋から約590 km離れた岩手県一戸町に位置する小繋トンネルが最初のトンネルとなる[7]

橋梁[編集]

道の駅[編集]

地理[編集]

国道4号は、国道1号と並び日本一多くの都道府県をつなぐ国道の一つで、東京都 - 埼玉県 - 茨城県 - 栃木県 - 福島県 - 宮城県 - 岩手県 - 青森県の8都県を通過する[8]新4号国道が茨城県から栃木県に入った後、もう一度茨城県の結城市をかすめて再び栃木県に入るため、県境を越える数は国道1号よりも多い[8][注釈 4]

東北自動車道とは滝沢市までの区間にわたってほぼ並走する。また鉄道路線ではほぼ全区間に亘り東北新幹線東北本線IGRいわて銀河鉄道線青い森鉄道線と並走する(なお東京都内の日本橋駅から三越前駅過ぎにかけては東京メトロ銀座線秋葉原駅から北千住駅付近にかけては東京メトロ日比谷線、東京都足立区から埼玉県久喜市にかけては東武伊勢崎線および東武日光線、青森県上北郡七戸町から野辺地町にかけては旧南部縦貫鉄道線廃線跡と各々並走する。

通過する自治体[編集]

※バイパスのうち越谷市 - 宇都宮市間の新4号国道および埼玉県内の東埼玉道路を除く。それぞれの通過市町村については各記事を参照。また、仙台市太白区 - 青葉区間の、仙台バイパスではない国道4号(旧道)[注釈 3]も同様に当項目から除く。

交差する道路[編集]

主な峠[編集]

  • 国見峠(標高185 m) - 宮城県・福島県県境
  • 十三本木峠(標高459 m) - 岩手県二戸郡一戸町(最高地点)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 2015年4月1日現在
  2. 盛岡市高松二丁目(黒石野口)十字路 - 緑が丘一丁目(岩手県営野球場西口)T字路間は日祝を除く毎朝7時 - 9時まで「中央線変移規制」と「バス専用レーン規制」が実施されている(通常時間帯は南北両方向片側2車線だが、規制時間帯は北行き1車線・南行き3車線。バス専用レーン規制区間は高松四丁目Y字路 - 東黒石野十字路間の南行き)。同様の規制は仙台市太白区の国道4号現道「広瀬河畔通り」でも実施。
  3. 3.0 3.1 仙台市都心部を通る国道4号(旧道)は、名取市より仙台市太白区長町副都心、青葉区五橋などを経由し、国道45号と国道48号の起点である勾当台公園前に至るが、勾当台公園前から二日町までの区間は国道48号単独区間へ移管、二日町から泉区将監までの区間は宮城県道22号仙台泉線に降格され、勾当台公園前が終点の盲腸支線となっている。このため、仙台バイパスが国道4号の本線(現道)扱いとなっている。2015年4月1日より名取市のバイパス分岐点から仙台市太白区の八本松一丁目にかけての部分が宮城県道273号仙台名取線へ降格され、旧道はその後、八本松一丁目から勾当台公園前にかけてが国道4号として飛び地のようになっていたが、後の2016年4月1日よりこの区間は国道286号へ変更されたため、国道4号としては仙台バイパスが本線となった。
  4. 県境を越える国道としては国道371号のように県境に沿って通る国道があり、国道4号が最多ではない。
  5. 国道4号・国道17号の重複区間の案内標識は存在しない。
  6. 国道4号・国道6号・国道14号の重複区間の案内標識は存在しない。
  7. 国道4号・国道459号の重複区間の案内標識は存在しない。
  8. 国道4号・国道115号の重複区間の案内標識は存在しない。
  9. 国道4号・国道6号の重複区間の案内標識は存在しない。
  10. 国道4号・国道47号の重複区間の案内標識は存在しない。
  11. 国道4号・国道282号の重複区間の案内標識は存在しない。
  12. 国道4号・国道281号の重複区間の案内標識は存在しない。
  13. 国道4号・国道104号の重複区間の案内標識は存在しない。
  14. 国道4号・国道45号の重複区間の案内標識は存在しない。

出典[編集]

  1. 松波成行 2008 100、「いちばん長い国道」より。
  2. 佐藤健太郎 2015 23–24
  3. 佐藤健太郎 2015 24
  4. 阿川が22年後の1980年(昭和55年)に再びほぼ同じコースのドライブ出たときには、東京 - 花巻間を9時間半で辿りついたと伝えている[3]
  5. (2012-11-12) 地震発生時 福島市 国道4号線 FNN東日本大震災アーカイブ公式YouTube 2012-11-12 2015-11-06
  6. 村井貞規(東北工業大学工学部都市マネジメント学科教授) () 村井貞規(東北工業大学工学部都市マネジメント学科教授) 東日本大震災における国道・高速道路の被害 PDF 東北工業大学工学部都市マネジメント学科 [ arch. ] 2015-11-06
  7. 佐藤健太郎 2014 135
  8. 8.0 8.1 佐藤健太郎 2014 152-153、「最も多くの県・県境を通過する国道」より。

一次資料[編集]

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 () 表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況 PDF 道路統計年報2016 国土交通省道路局 1 [ arch. ] 2017-04-01
  2. 2.0 2.1 2.2 () 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号) e-Gov法令検索 総務省行政管理局 [ arch. ] 2016-08-05
  3. () 一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号) e-Gov法令検索 総務省行政管理局 [ arch. ] 2016-10-15
  4. () 一般国道13号 福島西道路(Ⅱ期)に係る新規事業採択時評価 PDF 国土交通省東北地方整備局 [ arch. ] 2015-11-05
  5. 5.0 5.1 5.2 5.3 (2015-10-07) 国道4号郡山バイパスに並行する現道区間の移行について PDF 福島県土木部 [ arch. ]
  6. (2015-03-26) 国道4号仙台バイパスに並行する現道の一部(仙台市太白区八本松〜名取市飯野坂)が国の管理から宮城県、仙台市の管理になります。 PDF 国土交通省東北地方整備局 仙台河川国道事務所 [ arch. ]
  7. () 平成20年4月1日から国道4号・国道286号のルートが変更になりました 仙台市 arch. 2009-09-07 2008-06-20
  8. (2016-03-30) 国道4号仙台バイパスに並行する現道区間及び国道48号仙台西道路に並行する現道区間が、国の管理から仙台市の管理になります。 PDF 国土交通省東北地方整備局 仙台河川国道事務所・仙台市 [ arch. ]
  9. () 大震災(震度6弱以上)発生時における交通規制 PDF 警視庁 [ arch. ] 2015-11-05
  10. 10.0 10.1 10.2 10.3 () 東京都通称道路名一覧表 PDF 東京都建設局 arch. 2016-03-05 2015-11-05
  11. 11.0 11.1 11.2 11.3 () 東京都通称道路名地図(区部拡大版) PDF 東京都建設局 arch. 2016-03-05 2015-11-05

参考文献[編集]

  • 佐藤健太郎 (2014-10-20) 佐藤健太郎 [ ふしぎな国道 ] 講談社現代新書 講談社 2014-10-20 978-4-06-288282-8
  • 佐藤健太郎 (2015-11-25) 佐藤健太郎 [ 国道者 ] 新潮社 2015-11-25 978-4-10-339731-1
  • 松波成行 (2008-03-20) 松波成行 [ おもしろ国道ア・ラ・カルト ] 酷道をゆく イカロス出版 2008-03-20 100

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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