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− | + | 「アハ」 (aha) は英語の間投詞で、「ああ、なるほど」といった意味に相当する(なお、a-ha experience という英語表現は、[[ドイツ]]の[[心理学]]者ビューラー (Karl Bühler) が [[Eureka]](「見つけた」)と言うときのような現象をさして Aha-Erlebnis と呼んだものの英訳である。茂木の独創ではない)。人はアハ体験の瞬間に、わずか0.1秒の間に脳内の[[神経細胞]]が一斉に活性化するという。「誤解を恐れずに言えば」という前提ではあるが、アハ体験とは、分かった瞬間に頭がよくなる体験であるともしている。 | |
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− | + | アハ体験をするための[[PlayStation Portable]]向け[[ゲームソフト]]『ソニーコンピュータサイエンス研究所 茂木健一郎博士監修 脳に快感 アハ体験』(茂木が監修)が2006年6月22日にセガ(後の[[セガゲームス]])から発売され、同年11月30日には続編の『ソニーコンピュータサイエンス研究所 茂木健一郎博士監修 脳に快感 みんなでアハ体験!』も発売された。 | |
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− | + | 茂木は、著書『プロフェッショナルたちの脳活用法 (生活人新書)』において、[[日本放送協会|NHK]] のテレビ番組『[[プロフェッショナル 仕事の流儀]]』などにおける多くのプロフェッショナルとの対話から、彼らの成功の一因として「セキュア・ベース」を紹介している。日本語に訳せば「[[安全基地]]」となり、悩んだり迷ったりしたときに避難できる場所という意味であり、これが人間のやる気と深く関わっているという。 | |
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− | == | + | === 「仮面のヒーロー」と「地上波の世界」 === |
− | + | [[2007年]](平成19年)、[[横浜美術館]]で行われた[[森村泰昌]]の個展「美の教室、静聴せよ Bi-Class Be Quiet」展に連動した同館での講演のなかで「自分たちの姿形に自信を持てないできたんですよ。日本人は。僕はね[[ウルトラマン]]とか[[仮面ライダー]]とかいう、要するに[[ヒーロー]]もので、なんでああいう仮面のヒーローが発明されたのかと言うと、日本人が自分たちをヒーローだと思えなかったからだと思っています。」と語っている。 | |
− | + | また、同講演の中では「日本にいると見えるのは地上波の世界で、それが文化だと思っているところがある。(中略)[[九州]]行くとおっさんたちとかが会話しているのは、日本の[[地上波テレビ]]の中にある世界なんだよね。日本にいると、見える世界ってなんか地上波の世界で、それが文化だって思ってしまっている。でも、全然違う文化の基準っていうのがあって、それはむしろ地上波テレビとは相性が悪い。だから『[[たけしの誰でもピカソ]]』みたいな番組になっちゃうんだよ。あるいは『[[日曜美術館]]』みたいな番組になっちゃうわけだよ」と述べた。 | |
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− | + | ;福田和也 | |
− | + | :[[福田和也]]は、茂木の若いころから面識があり、当時の茂木について「若い頃はけっこうかわいかったんです」と述べている。また、茂木の美点として「ほぼ完全に、仕事を選んでないところ」を挙げており、「どうしちゃったの? っていうような、くだらない本も、たくさん出してる」と指摘しつつもその仕事ぶりを肯定的に評価している。また、茂木が東京大学法学部に入学した経緯については、茂木に関する逸話の中でも最も好きな話題の一つであるとしている。 | |
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− | + | :[[坪内祐三]]は、茂木の所得無申告騒動を知り大いに驚き「モギケン、シブいと思った」と語っている。自身や福田和也らは常識に囚われないと主張しつつも結局は社会の規範に従って生きていると指摘したうえで、このような騒動を起こした茂木をそれと対比する形で再評価する発言を行った。 | |
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− | + | :『[[Qさま!!]]』でたびたび共演している[[さまぁ〜ず]]([[三村マサカズ]]・[[大竹一樹]])と[[優香]]は、番組内で茂木が出す問題が好きであると口をそろえており、理由として「知識問題ではないから」(優香)「歴史などの知識問題はいくら考えても知らなければそれまでだから」(大竹)「発想そのものを試される」(三村)と述べている。 | |
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− | + | ;瀬名秀明 | |
− | + | :[[瀬名秀明]]は自身の公式ブログ上にて「『[[クオリア]]』『アハ体験』『1回性の人生』などは、別に茂木さんがつくった言葉ではないし、茂木さんが初めて言い出したことでもない。でもあたかもそれらを自分で考えたかのように語ることで、茂木さんはポピュラリティを獲得した」と述べている。瀬名は「自分をうまく欺ける人の方が成功する」としたうえで、茂木が自分を欺いているかどうかについては「それはわからない」と留保しつつ、茂木について「茂木さんはペルソナを使い分けていると思う。そして少なくとも一部の読者を誤解させているとは思う」と評している。 | |
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− | + | ;斎藤環 | |
− | + | :[[2007年]]の6月から、出版社。最初の書簡において斎藤は、思考の前提に「欠如した主体」を据える[[ジャック・ラカン|ラカン]]の発想こそが思想史的な意味でも後戻り不可能な切断線だと確信しているがゆえに自身はラカンに依拠していると述べたうえで、クオリアと「認識の主体」に関して、「クオリアについて考えることが可能であるためには、認識の主体である『この私』の肯定、すなわち実体化が前提となるのではないか」とし、「『欠如した主体』をすべての出発点とする思想は、クオリアという否定しようのない実感についても、いったんは幻想として受けとめる」がゆえに斎藤はクオリアという概念を素直に受け止められないのだと述べた。 | |
− | + | :また斎藤は、懐疑する能力こそが[[倫理]]の前提であるとする自身の考えのもとでは、クオリアの全面肯定は「懐疑する心」と対立するとした。クオリアを価値判断の根拠に据えたそうな身振りが茂木に垣間見られることに斎藤は懸念を示し、世間が茂木を「新しい価値を説く人」と見ているように斎藤には思われるがゆえに、茂木の言説が危ういものに見えると述べた。そして、人間の脳に倫理や美を感知する中枢があらかじめ存在すると考えているのかどうか、脳を価値判断の中枢として位置づけうると考えているのかどうか、という問いを茂木に投げかけるなどした。 | |
− | + | :当初、この往復書簡は両者の間で2ヶ月ごとに1往復させ計5往復する予定であったが、斎藤の第1信から1年近く経っても茂木からの返信がなされなかった。これについて斎藤は「書簡が返ってこないところをみると、痛いところを衝かれたのだろう」と述べている。茂木は、返信の遅れについて「[[精神分析]]と脳科学ではクオリアに対するアプローチの仕方が異なるため、熟考するためのまとまった時間が必要だ」と述べた。斎藤による第1信から約2年半後の[[2010年]](平成22年)1月に、茂木からの返信が行われた。 | |
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− | + | ;大槻義彦 | |
− | + | :[[大槻義彦]]は、茂木が[[スピリチュアリティ|スピリチュアル]]カウンセラーの[[江原啓之]]と2006年に『[[新潮45]]』別冊『ANOYO』で「脳とスピリチュアリズム」と題した対談を行ったことことについて、「これは江原のイカサマに免罪符を与えているだけでなく積極的に江原イタコを科学的に保障する役割を果たしていることになる」と述べ、「茂木氏はオカルトを信じたり、サポートしたりしているが、科学者としてはあるまじきこと」、「脳科学者の肩書を返上すべき」と批判した。これらに対して茂木は、江原のような人物や現象に対する茂木の態度は大槻と異なっていても、科学者という基本的な立場は同じであると述べている。 | |
− | + | :クオリアについても大槻は「脳科学の分野の一つではない。なぜなら定義されていないからだ。質量、温度、長さなどの単位を持たず、測定ができない」と述べている。大槻は「科学は物質・物体の存在、つまり実在と不可分」であるとし、「実在でないもの、つまり仮想的なものを研究するのは科学者ではない。茂木はこの意味で科学者ではなく、文芸評論家、宗教評論家、よく言えば心理学者である」と評しているほか、茂木が創価学会の池田大作と往復書簡を交わして同学会や池田を「もちあげている」件について[[週刊文春]]記者が大槻に「このような茂木は科学者なのか」と問うたのに対して、「彼は科学者ではない」と答えている。茂木は、クオリアは測定できないことを認めつつも、欧米の科学専門誌にも論文が掲載されるなど、確立した概念であるとしている。 | |
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− | + | ;高橋悠治 | |
− | + | :[[NTT ICC]]での公開トーク『他者の痛みを感じられるか』で、[[作曲家]]の[[高橋悠治]]から批判を受けている。 | |
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− | + | ;野口悠紀雄 | |
− | + | :経済学者の[[野口悠紀雄]]は後述の[[#脱税|脱税騒動]]について「格別強い怒りを覚えた」「税理士に依頼しなかったとすれば、その時点で脱税の意図があったと考えざるを得ない」と批判している。 | |
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− | + | ;福田和也・坪内祐三 | |
− | + | :茂木の若いころから面識がある[[福田和也]]が[[坪内祐三]]と対談した際に、後述の[[#脱税|脱税騒動]]がテーマとして取り上げられた。対談の中で、坪内は「[[脱税]]ってのは、[[税金]]をある程度払って、ある程度隠匿する行為」と述べたうえで、今回の茂木の行動については「茂木さんは、ものすごい収入がありながら、隠すどころか、一銭も申告してない」と指摘しその問題点を論じている。その点を踏まえて、坪内は「茂木さんのは脱税とか過少申告というレベルじゃない」と述べ、[[2009年]](平成21年)11月のニュースの中で「一番のヒットは茂木健一郎の『所得無申告事件』」だったと語っている。 | |
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− | + | == 所得の申告漏れ == | |
− | + | ;所得の「無申告」と追徴課税 | |
− | + | :[[東京国税局]]の税務調査を受け、[[2008年]](平成20年)までの3年間で約4億円の所得の申告漏れを指摘されたことが2009年11月に報じられた。茂木は、給与所得と雑所得を合算して納税額を確定させ、居住地の税務署に確定申告する必要があったが、2006年から2008年まで全く申告を行わず、源泉徴収分を除いた所得税を納税していなかった。2、3年前に税務署から申告を求められたが申告をせず、[[税理士]]に税務処理を依頼することもなかったという。所得税の追徴税額は1億数千万円に上る。 | |
− | + | :読売新聞の取材に対し茂木は、確定申告をしなかった理由を「2、3年前に本や講演などの雑所得が自分で申告するスケールを超えてしまった。地元の税務署の人には早くした方がいいと言われて、『します』と答えていたが、仕事に追われて、全然、書類の整理ができずに、申告する暇がなかった」と説明し、「その意味では申し訳ない」と述べている。知り合いの税理士はおらず、税理士に依頼する暇もなかったとしている。申告に必要な年収額が、普通預金の預け入れ残高という形でしか把握されておらず、経費計上用の領収書が一部しか保管されていなかったという。公式ブログでは11月11日に「今後はきちんと処理をして参ります」と謝罪している。 | |
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2016年10月8日 (土) 11:30時点における最新版
茂木 健一郎(もぎ けんいちろう、1962年(昭和37年)10月20日 - )は、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員。東アジア共同体研究所理事。
好きなものは韓流・SEALDs・日本共産党・朝日新聞。日本に対するヘイトスピーチを得意とする。
学位は博士(理学)(東京大学・1992年(平成4年))。身長171cm。血液型O型。既婚。
目次
茂木健一郎「そろそろノーベル賞思考停止で有り難がるの、やめたら。田舎くせえよ。」(2016年10月)[編集]
茂木健一郎 @kenichiromogi
- 日本のマスコミも、そろそろノーベル賞思考停止で有り難がるの、やめたら。田舎くせえよ。
https://twitter.com/kenichiromogi/status/388596777680506880
ネット反応
- 自分が貰ってから言おうねー
- イライラしてて笑った
- アホかこいつ
- 韓国人が取れなくてイライラしてんの?
- まぁ、モジャモジャ脱税野郎には一生関係ないだろうよ
- 似非脳科学者の脱税炎上芸人はすっこんでろ
- 自分が取れないからって悪口言うなよ
- うさんくさい脳科学者には眩し過ぎるんだろw
- 誰かこいつに「茂木先生も将来の受賞有力候補らしいですよ」って吹き込んでやれよ。大急ぎで前言撤回するからw
- ノーベル賞が田舎くせえとか意味分からんわ。こいつ頭悪そうだ
- 自分がとれないものは価値がないと
- すごい悔しそう
- 茂木は自称科学者だから絶対もらえないもんなwww
- なぜ同じ研究者として、おめでとうって言えないのか。自称だから余裕ないんですかww
- 嫉妬みっともない。マスコミだけじゃなくて普通の一般の日本人がめでたいといってるんだが
- 別に思考停止などしていない。人類の科学への大きな功労者に当然に敬意を持っているだけだ
- このオッサンひがみ根性丸出しで田舎くせえ!
- 韓国の掲示板に書いてありそうな意見だな
- この人日本嫌いなんだ。やっぱしそうなんだ
- ひがみかよと思ったけど学者の格が違いすぎるし何なんだろな
- とりあえずまわりと逆のことを言って注目を受けて高尚にみせる計画
- 茂木先生の酸っぱいブドウ
- 思考停止ってどういうこと?受賞という結果だけを求めているお隣さんのほうが思考停止していると思うけどw
- 悔しくて悔しくてタマラナイんだろうな・・・
- 何でこいつ悔しそうなの?
- 毎年こいつ言ってるけど何がそこまで悔しいのだろうか?
概要[編集]
東京都中野区に生まれ、生後まもなく転居した埼玉県春日部市で中学時代まで育つ。東京学芸大学教育学部附属高等学校、東京大学理学部卒業。博士論文は『Mathematical Model of Muscle Contraction(筋収縮の数理的モデル)』(東京大学より学位取得)。
クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係(心脳問題)についての研究を行っている。また、脳と神経に関する一般読者向けの解説書を多く執筆し、テレビ番組や雑誌、週刊誌などマスメディアで積極的に活動している。テレビ番組の出演などで一般に名が広く知られる。
幼少期から蝶が好きで、小学生の頃に日本鱗翅学会に入った。日本国外では、自身を“Ken”という英語名で名乗っている。髪は自分で切っている。
平成23年から平成27年までかすかべ親善大使を務めた。
略歴[編集]
- 1975年(昭和50年):春日部市立八木崎小学校卒業
- 1978年(昭和53年):春日部市立春日部中学校卒業
- 1981年(昭和56年):東京学芸大学教育学部附属高等学校卒業
- 1985年(昭和60年):東京大学理学部物理学科卒業
- 1987年(昭和62年):東京大学法学部卒業
- 1992年(平成4年):東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了、博士(理学)
- 1992年(平成4年):理化学研究所国際フロンティア研究システム研究員
- ケンブリッジ大学生理学研究所研究員
- 1997年(平成9年)12月:ソニーコンピュータサイエンス研究所リサーチャー
- 1998年(平成10年):ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチー
- 東京工業大学大学院客員助教授、東京藝術大学非常勤講師
- 東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻連携教授(脳科学、認知科学)
- 早稲田大学国際教養学部非常勤講師 (Brain and Cognition)
- 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特別招聘教授
- 出井伸之の提唱するソニーのQUALIAプロジェクト・コンセプター
研究[編集]
博士論文は、「グラフ変換法」によって、反応ネットワークの性質を解析したもの。その後、グラフ変換法は非対称結合神経回路網の解析に応用される。クオリアも含んだすべての現象を扱いうる「拡張された物理学」を志向している。著書『クオリア入門』は「心も自然法則の一部である」という表題から始められており、「意識のほんとうの科学を目指す」という自身の方向性を示している。
また茂木は「脳内でのニューロンの時空間的な発火パターンに対応してクオリアが生起している」という作業仮説を採り、そこからクオリアが持つ(であろう)何らかの数学的構造を見つけることができるのではないか、として研究を行っている。神経科学における事実上の「セントラル・ドグマ」である「反応選択性」の概念では心脳問題を解決するには不十分だと主張し、「認識におけるマッハの原理」や「相互作用同時性」といった概念を提案している。両眼視野闘争、マガーク効果、神経細胞の自発的活動についてのモデル、身体イメージ、不確実性の存在下での選択などに関する論文を発表している。(著書-学術論文の節を参照)
発言[編集]
アハ体験[編集]
茂木はテレビ番組や雑誌で、ひらめきや気づきの瞬間に「あっ!」と感じる体験を「アハ体験」として紹介している。アハ体験は、脳を活性化するという。
「アハ」 (aha) は英語の間投詞で、「ああ、なるほど」といった意味に相当する(なお、a-ha experience という英語表現は、ドイツの心理学者ビューラー (Karl Bühler) が Eureka(「見つけた」)と言うときのような現象をさして Aha-Erlebnis と呼んだものの英訳である。茂木の独創ではない)。人はアハ体験の瞬間に、わずか0.1秒の間に脳内の神経細胞が一斉に活性化するという。「誤解を恐れずに言えば」という前提ではあるが、アハ体験とは、分かった瞬間に頭がよくなる体験であるともしている。
アハ体験をするためのPlayStation Portable向けゲームソフト『ソニーコンピュータサイエンス研究所 茂木健一郎博士監修 脳に快感 アハ体験』(茂木が監修)が2006年6月22日にセガ(後のセガゲームス)から発売され、同年11月30日には続編の『ソニーコンピュータサイエンス研究所 茂木健一郎博士監修 脳に快感 みんなでアハ体験!』も発売された。
セキュア・ベース[編集]
茂木は、著書『プロフェッショナルたちの脳活用法 (生活人新書)』において、NHK のテレビ番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』などにおける多くのプロフェッショナルとの対話から、彼らの成功の一因として「セキュア・ベース」を紹介している。日本語に訳せば「安全基地」となり、悩んだり迷ったりしたときに避難できる場所という意味であり、これが人間のやる気と深く関わっているという。
「仮面のヒーロー」と「地上波の世界」[編集]
2007年(平成19年)、横浜美術館で行われた森村泰昌の個展「美の教室、静聴せよ Bi-Class Be Quiet」展に連動した同館での講演のなかで「自分たちの姿形に自信を持てないできたんですよ。日本人は。僕はねウルトラマンとか仮面ライダーとかいう、要するにヒーローもので、なんでああいう仮面のヒーローが発明されたのかと言うと、日本人が自分たちをヒーローだと思えなかったからだと思っています。」と語っている。
また、同講演の中では「日本にいると見えるのは地上波の世界で、それが文化だと思っているところがある。(中略)九州行くとおっさんたちとかが会話しているのは、日本の地上波テレビの中にある世界なんだよね。日本にいると、見える世界ってなんか地上波の世界で、それが文化だって思ってしまっている。でも、全然違う文化の基準っていうのがあって、それはむしろ地上波テレビとは相性が悪い。だから『たけしの誰でもピカソ』みたいな番組になっちゃうんだよ。あるいは『日曜美術館』みたいな番組になっちゃうわけだよ」と述べた。
評価[編集]
肯定的[編集]
- 福田和也
- 福田和也は、茂木の若いころから面識があり、当時の茂木について「若い頃はけっこうかわいかったんです」と述べている。また、茂木の美点として「ほぼ完全に、仕事を選んでないところ」を挙げており、「どうしちゃったの? っていうような、くだらない本も、たくさん出してる」と指摘しつつもその仕事ぶりを肯定的に評価している。また、茂木が東京大学法学部に入学した経緯については、茂木に関する逸話の中でも最も好きな話題の一つであるとしている。
- 坪内祐三
- 坪内祐三は、茂木の所得無申告騒動を知り大いに驚き「モギケン、シブいと思った」と語っている。自身や福田和也らは常識に囚われないと主張しつつも結局は社会の規範に従って生きていると指摘したうえで、このような騒動を起こした茂木をそれと対比する形で再評価する発言を行った。
- 三村マサカズ・大竹一樹・優香
- 『Qさま!!』でたびたび共演しているさまぁ〜ず(三村マサカズ・大竹一樹)と優香は、番組内で茂木が出す問題が好きであると口をそろえており、理由として「知識問題ではないから」(優香)「歴史などの知識問題はいくら考えても知らなければそれまでだから」(大竹)「発想そのものを試される」(三村)と述べている。
否定的[編集]
- 瀬名秀明
- 瀬名秀明は自身の公式ブログ上にて「『クオリア』『アハ体験』『1回性の人生』などは、別に茂木さんがつくった言葉ではないし、茂木さんが初めて言い出したことでもない。でもあたかもそれらを自分で考えたかのように語ることで、茂木さんはポピュラリティを獲得した」と述べている。瀬名は「自分をうまく欺ける人の方が成功する」としたうえで、茂木が自分を欺いているかどうかについては「それはわからない」と留保しつつ、茂木について「茂木さんはペルソナを使い分けていると思う。そして少なくとも一部の読者を誤解させているとは思う」と評している。
- 斎藤環
- 2007年の6月から、出版社。最初の書簡において斎藤は、思考の前提に「欠如した主体」を据えるラカンの発想こそが思想史的な意味でも後戻り不可能な切断線だと確信しているがゆえに自身はラカンに依拠していると述べたうえで、クオリアと「認識の主体」に関して、「クオリアについて考えることが可能であるためには、認識の主体である『この私』の肯定、すなわち実体化が前提となるのではないか」とし、「『欠如した主体』をすべての出発点とする思想は、クオリアという否定しようのない実感についても、いったんは幻想として受けとめる」がゆえに斎藤はクオリアという概念を素直に受け止められないのだと述べた。
- また斎藤は、懐疑する能力こそが倫理の前提であるとする自身の考えのもとでは、クオリアの全面肯定は「懐疑する心」と対立するとした。クオリアを価値判断の根拠に据えたそうな身振りが茂木に垣間見られることに斎藤は懸念を示し、世間が茂木を「新しい価値を説く人」と見ているように斎藤には思われるがゆえに、茂木の言説が危ういものに見えると述べた。そして、人間の脳に倫理や美を感知する中枢があらかじめ存在すると考えているのかどうか、脳を価値判断の中枢として位置づけうると考えているのかどうか、という問いを茂木に投げかけるなどした。
- 当初、この往復書簡は両者の間で2ヶ月ごとに1往復させ計5往復する予定であったが、斎藤の第1信から1年近く経っても茂木からの返信がなされなかった。これについて斎藤は「書簡が返ってこないところをみると、痛いところを衝かれたのだろう」と述べている。茂木は、返信の遅れについて「精神分析と脳科学ではクオリアに対するアプローチの仕方が異なるため、熟考するためのまとまった時間が必要だ」と述べた。斎藤による第1信から約2年半後の2010年(平成22年)1月に、茂木からの返信が行われた。
- 大槻義彦
- 大槻義彦は、茂木がスピリチュアルカウンセラーの江原啓之と2006年に『新潮45』別冊『ANOYO』で「脳とスピリチュアリズム」と題した対談を行ったことことについて、「これは江原のイカサマに免罪符を与えているだけでなく積極的に江原イタコを科学的に保障する役割を果たしていることになる」と述べ、「茂木氏はオカルトを信じたり、サポートしたりしているが、科学者としてはあるまじきこと」、「脳科学者の肩書を返上すべき」と批判した。これらに対して茂木は、江原のような人物や現象に対する茂木の態度は大槻と異なっていても、科学者という基本的な立場は同じであると述べている。
- クオリアについても大槻は「脳科学の分野の一つではない。なぜなら定義されていないからだ。質量、温度、長さなどの単位を持たず、測定ができない」と述べている。大槻は「科学は物質・物体の存在、つまり実在と不可分」であるとし、「実在でないもの、つまり仮想的なものを研究するのは科学者ではない。茂木はこの意味で科学者ではなく、文芸評論家、宗教評論家、よく言えば心理学者である」と評しているほか、茂木が創価学会の池田大作と往復書簡を交わして同学会や池田を「もちあげている」件について週刊文春記者が大槻に「このような茂木は科学者なのか」と問うたのに対して、「彼は科学者ではない」と答えている。茂木は、クオリアは測定できないことを認めつつも、欧米の科学専門誌にも論文が掲載されるなど、確立した概念であるとしている。
- 福田和也・坪内祐三
- 茂木の若いころから面識がある福田和也が坪内祐三と対談した際に、後述の脱税騒動がテーマとして取り上げられた。対談の中で、坪内は「脱税ってのは、税金をある程度払って、ある程度隠匿する行為」と述べたうえで、今回の茂木の行動については「茂木さんは、ものすごい収入がありながら、隠すどころか、一銭も申告してない」と指摘しその問題点を論じている。その点を踏まえて、坪内は「茂木さんのは脱税とか過少申告というレベルじゃない」と述べ、2009年(平成21年)11月のニュースの中で「一番のヒットは茂木健一郎の『所得無申告事件』」だったと語っている。
所得の申告漏れ[編集]
- 所得の「無申告」と追徴課税
- 東京国税局の税務調査を受け、2008年(平成20年)までの3年間で約4億円の所得の申告漏れを指摘されたことが2009年11月に報じられた。茂木は、給与所得と雑所得を合算して納税額を確定させ、居住地の税務署に確定申告する必要があったが、2006年から2008年まで全く申告を行わず、源泉徴収分を除いた所得税を納税していなかった。2、3年前に税務署から申告を求められたが申告をせず、税理士に税務処理を依頼することもなかったという。所得税の追徴税額は1億数千万円に上る。
- 読売新聞の取材に対し茂木は、確定申告をしなかった理由を「2、3年前に本や講演などの雑所得が自分で申告するスケールを超えてしまった。地元の税務署の人には早くした方がいいと言われて、『します』と答えていたが、仕事に追われて、全然、書類の整理ができずに、申告する暇がなかった」と説明し、「その意味では申し訳ない」と述べている。知り合いの税理士はおらず、税理士に依頼する暇もなかったとしている。申告に必要な年収額が、普通預金の預け入れ残高という形でしか把握されておらず、経費計上用の領収書が一部しか保管されていなかったという。公式ブログでは11月11日に「今後はきちんと処理をして参ります」と謝罪している。