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東京大賞典（とうきょうだいしょうてん）とは特別区競馬組合が大井競馬場のダート2000mで施行する地方競馬の選定馬重賞（GI）レースである。

正式名称は農林水産大臣賞典東京大賞典。

概要[編集]

1955年に秋の鞍として創設され、第1回は大井競馬場のダート2600mで施行された。創設当初は現在の東京ダービーである「春の鞍」と並ぶ大井競馬場の大レースと位置付けられた。

1962年にはダート3000mに延長、1964年に「東京大賞典」と名称を変更、開催日を11月上旬から12月末に変更し1978年に新設された帝王賞と共に地方競馬の2大レースとして、また地方競馬の有馬記念として定着していった。また、ダートグレードレースの整備までは南関東地区からの出走馬については有馬記念同様のファン投票により出走馬を選出していた時代もある。

1989年にはダート2800mに短縮、1995年より中央・地方全国指定交流レースに指定、JRAおよび他地区所属馬に門戸が開かれ1997年にはダートグレードレースのGI（統一GI・南関東G1）に格付けされ、更に翌年には施行コースを近代競馬のスピード化からダートのチャンピオンディスタンスであるダート2000mに短縮された。また翌1999年からは開催日が12月29日に固定され有馬記念よりも後に行われるようになったことから、地方競馬のみならず日本競馬全体の1年を締め括るグランプリレースとして地方競馬のファンに限らず中央競馬のファンにも定着した。

2011年からは地方競馬としては初となる国際レースとして施行され、あわせて格付けも国際GIに変更された^[1]。なお、本レースはダートのチャンピオンディスタンスである2000mで施行される日本唯一の国際GIレースであるという点でも、非常に意義のあるものである。

なお、有馬記念の後にレースが行われる事から「有馬記念で夢破れた負け組ファンが最後の悪あがきをする為に集うレース」としても定着している。

出走条件はサラ系3歳（旧4歳）以上の競走馬で優先出走権の保持馬及び選定された南関東所属馬8頭、南関東以外の地方競馬所属馬3頭、JRA所属馬5頭で、負担重量条件は定重量で3歳は55キロ、4歳以上は57キロで牝馬は年齢条件から2キロ減量と定められている。

また本レースのトライアルレースである浦和記念（統一JpnII・浦和競馬場ダート2000m）を南関東所属馬以外の所属馬が1着・2着に入線し東京大賞典への優先出走権を得た場合、南関東所属馬の出走枠を減らして対応する事が決まっている。

総額賞金は1億3,600万円で1着賞金8,000万円、2着賞金2,800万円、3着賞金1,600万円、4着賞金800万円、5着賞金400万円と定められている。

なお近年の本レースの開催日は年末の12月29日となっているが、当レースを含む開催については「プチ・トゥインクル」と称して17時台までレースを行う薄暮レースが実施されている。これは年末開催の売り上げ増進策としての他、同じくりんかい線沿線に位置する東京ビッグサイトでは同時期にアニメ・コミック・ゲーム系同人の一大イベントであるコミックマーケット（いわゆる「冬コミ」）が開催される為、公共交通機関の混雑対策として競馬の観戦客と冬コミの帰宅客を時間的に分離させる事も大きな目的であると言われている。

歴史[編集]

• 1955年 - 大井競馬場のダート2600mの3歳以上の重賞レース「秋の鞍」として創設。
• 1959年 - この年の9月1日から日本競馬の時計表示が変更になったのに伴い、時計が1/5秒表示から1/10秒表示に変更。
• 1962年 - 施行コースをダート3000mに変更。
• 1964年 - 名称を「東京大賞典」に変更。
• 1972年 - 馬インフルエンザの影響より3月に順延開催。
• 1983年 - 高橋三郎が騎手として史上初の連覇。
• 1989年 - 施行コースをダート2800mに変更。
• 1992年 - 堀千亜樹が騎手として史上2人目の連覇。
• 1995年 - 中央・地方全国指定交流レースに指定。
• 1997年 - ダート競走格付け委員会にGI（統一GI）に格付けされる。
• 1998年 - 施行コースをダート2000mに変更。
• 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件が「4歳以上」から「3歳以上」に変更。
• 2003年
  • 中央競馬の施設で勝馬投票券が発売。
  • 武豊が騎手として史上3人目の連覇。
• 2005年
  • 船橋のアジュディミツオーが史上初の連覇。
  • 川島正行が調教師として史上初の連覇。
  • 内田博幸が騎手として史上4人目の連覇。
• 2007年 - 国際セリ名簿基準委員会（ICSC）の勧告に伴う重賞の格付け表記の変更により統一グレード表記をJpnIに変更。なお、南関東グレードは併記しないことになった。
• 2010年
  • 出走枠がJRA所属馬を5頭から6頭に、南関東所属馬を8頭から7頭に変更。
  • JRAのスマートファルコンがダート2000mの日本レコード2:00.4で優勝。同時に2002年優勝馬ゴールドアリュールとの父子制覇、1999年優勝馬ワールドクリークとの兄弟制覇も達成。
• 2011年
  • 地方競馬では初となる国際レースとして実施され、外国調教馬は8頭まで出走可能となる。国際GIに格付けされる。
  • スマートファルコンが史上2頭目の連覇。
  • 小崎憲が調教師として史上2人目の連覇。
  • 武豊が騎手として史上初の2回目の連覇。
• 2012年 - 藤原英昭が調教師として3人目となる東京大賞典2度目の制覇を飾る。

歴代優勝馬[編集]

※1973年の第19回を制したヒデムサシは中央名・ヒデチカラ。ヒカルイマイが勝った1971年の第31回皐月賞の3着馬。

脚注[編集]

1. ↑ 東京大賞典レースの国際レース化及び国際GI格付け取得について 特別区競馬組合 2010年10月18日

関連項目[編集]

• 有馬記念 - 中央競馬の1年間を締め括るレース
• 大井競馬場
• KEIRINグランプリ - 同レースよりさらに後に開催される（12月30日）公営競技の大レース

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