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2020年1月17日 (金) 22:11時点における最新版
槇原 敬之(まきはら のりゆき、1969年5月18日 - )は、日本のシンガーソングライター・作詞家・作曲家・編曲家。現在の所属レコード会社(レコードレーベル)はBuppuレーベル。公式ファンクラブは「Smile Dog」である。
目次
人物[編集]
- 1969年、大阪府高槻市で電器店を経営する夫妻のもとに生まれる。兄弟はおらず、一人っ子。愛称「マッキー」。
- 一族には、同じくミュージシャンのROLLY(従兄、すかんちのローリー寺西)、日産の元レーシングドライバー寺西孝利がいる。槇原・ローリー共に、実家は地元・大阪府高槻市の電器店経営(槇原家が支店)。
- 大阪府立春日丘高等学校卒業後、青山学院大学文学部第二部(夜間部)英文学科中退。
- 本人曰く、犬が好きで、2008年10月現在はフレンチ・ブルドッグを9匹飼っている。
- オリジナル曲に関しては、ほぼ全曲の作詞、作曲、編曲を槇原本人がこなす。
- 楽曲制作については、「詞先(しせん)」と呼ばれる、詞を先に作る方法を多用する[1]。
作詞の題材は、主に日常の生活に起こる出来事や恋愛模様であり、現実感のある言葉を用いた表現が選ばれることが多い。反対に観念的表現が直接的に用いられることは少ない[1]。
- 楽曲の作風について、特に初期の作品では、恋愛における男性の幼さ、弱さをアイロニックに表現するような歌詞に独自の特色が見られた。近年では、SMAPに提供した「世界に一つだけの花」や「僕が一番欲しかったもの」など、生きることや人のアイデンティティについて深く掘り下げた作品(本人が言うところの「ライフソング」)を発表している。
来歴[編集]
- 1984年、当時坂本龍一が担当していたNHKのFMラジオ番組『サウンド・ストリート』のデモテープコーナーに、アーティスト名「C・M・C」(コンプレッサーズ・ミュージック・カンパニー)で「HALF」という楽曲を応募する。楽曲を聴いた坂本から「良いバランスで仕上がっている。言う事なし」と絶賛を得て、番組では異例のフルコーラスが放送された。同曲は、その後、同企画での優秀作品をまとめたコンピレーション・アルバム]『Demo Tape-1』(MIDI)に収録された[1]。
- 1990年3月 「AXIA MUSIC AUDITION '89」で、グランプリを獲得。デモテープを聴いた一般の音楽ファンからの投票で選ばれる「一万人審査員賞」とのダブル受賞であった。応募曲は後にデビューシングルとなる『NG』で、サポートギタリストは寺西一雄(ローリー)。
- 1990年10月25日 シングル「NG」とアルバム『君が笑うとき君の胸が痛まないように』でWEAミュージック(後にワーナーミュージック・ジャパンに併合)よりデビュー。
- 1991年6月10日 3枚目のシングル「どんなときも。」発売。同曲は、映画『就職戦線異状なし』主題歌、ケンタッキーフライドチキンのCFソングに選ばれるなど話題となり、シングル、アルバム通じて自身初のミリオンセラーとなった。これは現時点におけるシングルの自己最高売上記録でもある。これらの活躍により、同年の第42回NHK紅白歌合戦に初出場を果たした。また、同曲は翌1992年の春の選抜高校野球入場行進曲にも選ばれた。
- 1996年 全曲ネイティブ・スピーカーによる英語詞のアルバムをリリース。同アルバムからシングルカットされた楽曲のPVはイギリスのデザイン集団Me Companyが制作、CGを駆使したアニメーション作品が話題を呼ぶ。
- 1997年 ソニー・ミュージックエンタテインメントに移籍。
- 1999年8月 覚せい剤取締法違反で逮捕される[2]。本人は300万円の保釈金によって保釈[3]、その後に執行猶予付きの有罪判決を受けた(懲役1年6月、執行猶予3年)。このときCDが発売元のレコード会社によって店頭から回収される動きがあり[4]、ファンが買いに走ったために、過去の作品の売上が伸びるという現象が起こった[5]。
- 2000年 以前所属していたワーナーミュージック・ジャパンに復帰移籍し、11月にアルバム『太陽』で活動再開。
- 2003年 自身が作詞・作曲し、SMAPに提供した「世界に一つだけの花」がダブルミリオンを記録。
- 2004年 レコード会社をEMIミュージック・ジャパンに移籍。
- 2004年 前年のヒットを受け、「世界に一つだけの花」が春の選抜高校野球入場行進曲に選ばれる。
- 2004年8月 13枚目のオリジナルアルバム『EXPLORER』とベストアルバム『Complete Recorded』が発売され、翌月にはアルバム総売上枚数が1,000万枚を突破。男性ソロ歌手としては井上陽水、長渕剛に次いで3人目であり、初チャートインから13年2ヶ月での達成は史上最速記録となった。
- 2006年3月 14枚目のオリジナルアルバム『LIFE IN DOWNTOWN』で、アルバム総売上枚数が井上陽水を抜き、男性ソロ歴代1位となる。
- 2007年 レコード会社をエイベックス(レーベルはJ-more)に移籍。
- 2007年12月31日、36枚目のシングル「GREEN DAYS」で16年ぶりに第58回NHK紅白歌合戦に出場。
※ ヒットチャートに関する数字はすべてオリコン調べ
エピソード[編集]
- 自らの音楽のルーツについて本人が語るところに寄れば、ピアノを習い始めたきっかけは保育園の保育士がピアノで弾いた「エリーゼのために」に感銘を受けたから、とのことである。
- 中学2年頃から友人と共に楽曲制作を開始。この頃聴いたイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)のアルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』に大きな衝撃を受け、「体の中が全部YMOだった」と語るほど夢中になったと語っている。YMOは、以降の槇原オリジナルの楽曲(特に音作りの部分)に多大なる影響を与える。
- 当時、制作した楽曲入りのカセットテープを近所のレコード店にたびたび持ち込み、そうした作品が「close to you」という2曲入り300円のテープとして発売された事がある。これが槇原にとって人生で初めて市販された音楽となった。
- ボーカルは、当初は作曲機材の少なさを埋める程度のものと考え、本人は現在のように本格的に人前で唄う仕事よりも作曲家などの裏方仕事を目指していたようである。しかし、後にカーペンターズに影響を受けてボーカルの楽しさにも目覚めた。
- 大学受験浪人中も音楽活動を続けていた。三浪して当時憧れの存在だった桑田佳祐もかつて在籍していた青山学院大学文学部英文学科の第二部(夜間部)入学したが、のちに芸能活動が忙しくなりやむなく中退した。ラジオ番組において、番組のスポンサーであった駿台予備校を読み上げた際には、「僕、予備校時代には駿台予備校に通っていたんですよ」と語ったこともある。
- 1991年の「どんなときも。」ヒット当時、内村光良(ウッチャンナンチャン)はバラエティ番組ウッチャンナンチャンのやるならやらねばにおいて、槇原をデフォルメした「ドンナトキモ槇原」というキャラクターを演じていたことがある。
- 出身校である高槻市立柳川中学校の先輩には京本政樹、大阪府立春日丘高等学校の先輩に嘉門達夫がいる。嘉門と槇原はどちらが先に年末のNHK紅白歌合戦に出場するかを競い合っていたが、勝負の結果は槇原が1991年初出場、一方の嘉門は翌1992年初出場となり、後輩の槇原が辛くも勝利を納めることになった。
- フジテレビ「僕らの音楽2」で美輪明宏と競演した際、覚せい剤事件での謹慎中に美輪の著書『紫の履歴書』を読んで感銘を受けたことを涙ながらに語っている。美輪との関係では、事件以降にリリースしたカバーアルバム『Listen To The Music 2』において、美輪の「ヨイトマケの唄」をカバーしている。
- 槇原と同じく歌手のaiko共々お互いがファンで、2008年2月放送のHEY!HEY!HEY!にてお互いのメールアドレスを交換したりもしている。
- 本人は出演のラジオ番組にて麻薬事件を、「常に音楽性の変化(チャレンジ)を求める自分と、ヒット楽曲をコンスタントに求めるレコード会社(世間)とのギャップに悩んだ弱さの結果だ」と語っている。
- 容姿が漫画家のみずしな孝之とよく似ている。みずしなによれば以前あるテレビ局の局内で二人がばったり出会ったことがあり、その際に「よく似てますね」と槇原からお墨付きをもらったという。
ディスコグラフィ[編集]
詳細は 槇原敬之のディスコグラフィ を参照
出演番組[編集]
レギュラー出演[編集]
- 探偵!ナイトスクープ(顧問)
過去に出演した番組[編集]
- 槇原敬之とキタモンダ (FM大阪、1990年~1991年)
- 槇原敬之のオールナイトニッポン (ニッポン放送毎週火曜第2部、1991年~1992年)
- MUSIC GUMBO (FM802、1991年~1994年、KANと隔週で日曜を担当)
- 槇原敬之のHITACHI CLOSE TO YOU (TOKYO FM系列毎週日曜13:00~13:30、1993年~1999年)
- 21ヶ月 ~シンガーソングライター槇原敬之の時間が止まった時 (TOKYO FM、2001年5月30日放送)
- 槇原が前述の逮捕後、はじめて公の場でその前後の事を自らの口で語った。放送後、賛否両論が起きた。
- 深夜帯かつ地域の限定された放送にもかかわらず、同時間帯ではTBSラジオ『コサキンDEワァオ!』(当時はこの時間帯に放送)に次ぐ、高い聴取率を記録。平成13年度日本民間放送連盟賞参加作品・優秀賞受賞。
- 出演:坂上みき、大橋俊夫、槇原敬之。
- FNS地球特捜隊ダイバスター第63話~67話(フジテレビ、2007年放送)
- 新隊員「M.ノリユキ」役で声の出演。
- ミュージックラバーズ(日本テレビ、2007年11月4日、2008年11月16日放送)
- SONGS(NHK、2007年11月7日、2008年11月19日放送)
他アーティストへの主な楽曲提供作品[編集]
提供作品 | 唄 | 作詞 | 作曲 | 編曲 | セルフカバー (収録アルバム) |
---|---|---|---|---|---|
ほんとは、ね… | 松下里美 | 木下鉄丸[6] | 木下鉄丸 | 門倉聡 | × |
Name Of Love | 寺西一雄(ローリー寺西) | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | ○(Cicada) |
待ってたぜBABY![7] | Thunder Babies | 槇原敬之&Thunder Babies | 槇原敬之 | 槇原敬之 | × |
15分 | 坂本美雨 | 坂本美雨 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | × |
世界に一つだけの花 | SMAP | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 門倉聡(Single ver. ストリングスアレンジ) 上杉洋史(organ ver.) |
○(EXPLORER) |
さよなら小さな街 | 野宮真貴 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | コモエスタ八重樫×パラダイス山元 | ○(本日ハ晴天ナリ) |
THE GIFT(ギフト) | Blue | 槇原敬之 | ○(EXPLORERなど) (邦題:「僕が一番欲しかったもの」) | ||
Boy,I'm gonna try so hard. | 鈴木雅之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | ○(EXPLORER) |
Gazer | 鈴木雅之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | ○(Single「ほんの少しだけ」C/W) |
ハトマメ ~Say Hello To The World.~ |
The Students | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | ○(EXPLORER) |
チキンライス | 浜田雅功と槇原敬之 | 松本人志 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | ○(LIFE IN DOWNTOWN) |
HAHAHA~エルモのテーマ~ | エルモ(声:松本健太) | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | × |
トマト | 渡辺美里 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 有賀啓雄 | × |
約束の場所[8] | CHEMISTRY | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 村田陽一(吹奏楽アレンジ) |
○(テレビのみ) CHEMISTRYとフジテレビ番組で歌唱 |
フルサト | 夏川りみ | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | × |
LAUGH!LAUGH!LAUGH! | LIVE STAND 07公式テーマソング | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | × |
悲しみの帳 | 小林幸子 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | × |
僕の今いる夜は | M &THE RADIODOGS | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | ○(Personal Soundtracks) |
Chocolats et Sweets | クレモンティーヌ | 槇原敬之(フランス語詩:クレモンティーヌ) | 槇原敬之 | ○(Personal Soundtracks) | |
着メロ | 藤井フミヤ | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 佐橋佳幸 | × |
主な他アーティストの作品への編曲・コーラス参加・その他[編集]
アーティスト | 曲名 | 作詞/作曲 | 収録アルバム | 参加形態 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
川崎真理子 | 失恋はつかれる | 川崎真理子 | GIRL'S TALK | 編曲 | 木下鉄丸 名義 |
カズン | 冬のファンタジー | カズン、小林和子 | ラブ&スマイル | コーラス | クレジットなし |
川崎真理子 | がんばってたりしてて Driving Lazy Lady キスをしなくてよかった"I've been loving you" すきになっただけ"Love is Simple" もっと落ちついて OK "ピースサインができればOK" |
川崎真理子 | oK | 編曲 | |
矢野顕子 | クリームシチュー[9] | 糸井重里/矢野顕子 | OUI OUI | 編曲 | |
大貫妙子 | Wonderland 虹 |
大貫妙子 | note | コーラス | |
吉田美奈子 | ENCOUNTER | 吉田美奈子 | Stable | コーラス | |
矢野顕子&坂本美雨 | くまんばちがとんできた | 糸井重里/矢野顕子 | シングル | 編曲 | クレジットなし |
鈴木雅之 | ランナウェイ(Brand New Soul Version) | 湯川れい子/井上大輔 | Martini Blend | 編曲 | |
HOME MADE 家族 | You'll be alright with 槇原敬之 | クロ,MICRO,U-ICHI/クロ,MICRO | サルビアのつぼみ C/W | コーラス |
主な他アーティストによるカバー作品[編集]
曲名 | アーティスト | 編曲 | オリジナル収録アルバム | 備考 |
---|---|---|---|---|
SPY | 寺西一雄(ローリー寺西) | 槇原敬之 | PHARMACY | |
雷が鳴る前に | 矢野顕子 | 矢野顕子 | 君は僕の宝物 | |
どんなときも。 | 綾戸智絵 | 綾戸智絵 | 君は誰と幸せなあくびをしますか。 | 英語歌詞でのカバー |
今年の冬 | 松本英子 | 武部聡志 | PHARMACY | 槇原本人がコーラスで参加 |
花水木 | A・cappellers | 小倉博和 | PHARMACY | 槇原本人がコーラス、シンセ・ベースで参加 |
もう恋なんてしない | SMOOTH ACE | TEAM SMOOTH ACE | 君は僕の宝物 | |
遠く遠く | Soma | Soma | 君は僕の宝物 | 『Essence of life "love" 』に収録 |
今年の冬 | 岩崎宏美 | 青柳誠 | PHARMACY | |
もう恋なんてしない | AAA | 華原大輔 | 君は僕の宝物 | |
冬がはじまるよ | Every Little Thing | Masafumi“Massy”Hayashi(林真史)& Every Little Thing | 君は僕の宝物 | 槇原本人がコーラスで参加 |
LOVE LETTER | 河口恭吾 | 佐橋佳幸 | UNDERWEAR | |
どんなときも。 | 加藤いづみ | 君は誰と幸せなあくびをしますか。 | ||
僕の今いる夜は with 槇原敬之 | 秦基博 | 武部聡志 | Personal Soundtracks | 槇原本人がコーラスで参加 |
雪に願いを〜トゥインクル・トゥインクル | クレモンティーヌ | SELF PORTRAIT | フランス語詞 |
他に、『Noriyuki Makihara Songs from L.A.』『Noriyuki Makihara Songs from N.Y.』で「ANSWER」など多数の曲が英語でカバーされている。
主なサポートミュージシャン(レコーディングを含む)[編集]
脚注[編集]
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- ↑ 1.0 1.1 1.2 別冊宝島1186号 『音楽誌が書かないJポップ批評38~槇原敬之 マジカル・ヒストリー探検!』(宝島社 2005年8月26日) ISBN 978-4796647861
- ↑ 逮捕当時に所属していたソニー・ミュージックエンタテインメントのHPに掲載されている謝罪文
- ↑ 日刊スポーツ 1999年9月25日 『覚せい剤取締法違反容疑の罪で起訴されている槙原敬之被告 300万円で保釈』
- ↑ CD全商品回収についてのコメント
- ↑ 『産経新聞』 1999年9月9日 東京朝刊 「『槙原ソング』駆け込み人気 覚せい剤で逮捕でCD生産中止に」
- ↑ 木下鉄丸は槇原の別名である。
- ↑ アルバム『Cicada』初回限定盤付属の8cmシングルCDに収録。
- ↑ この曲について松本零士との間で意見の対立する騒動があり、そのためCMソングの放送中止などを受けてしまった。2007年、槇原は松本に対し、著作権侵害不存在確認等請求訴訟を提起し、盗作の証拠が示されなければ、2200万円の損害賠償請求をするとしている。
- ↑ JFN『槇原敬之のClose to you』にて一度だけ槇原の歌唱版が流れるが未発売。