「オペラグローブ」の版間の差分
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2015年3月23日 (月) 22:43時点における版
この項目では、グローブや手袋全体について説明しています。そのほかのグローブについては「グローブ」をご覧ください。 |
オペラグローブとは、西洋文化における高貴な白人女性のエレガンスを象徴するファッションアイテムである。
概要
西洋文化における上流階級の白人淑女の夜の正装といえばイブニングドレスだが、その中でも最も正式なのはローブ・デコルテである。ローブとはドレスのことで、デコルテとは胸元が大きく開いたラインのことである。肩や背中が出ることもある。
この肩を出したドレスには肘上まである長い丈の手袋をつける慣習がある。その手袋はKid(子山羊)などの皮製が正式とされるが、ドレスに合わせてサテンやオーガンジー、レースなどもある。この正装用の手袋を英語でOpere Gloves(オペラグローブ)・・・つまり正装してオペラや音楽会の劇場又は舞踏会へ行く時の長手袋という。芝居やオペラは夜に開演するので夜用のドレスであり、オペラグローブはその長さによって女性の品位が誇示されると同時に魅力が演出される服飾小物である。
オーストリアのウィーン国立歌劇場で行われるオーパンバルという舞踏会では、女性は白のイブニングドレスに白のオペラ・グローブの着用が義務付けられている。また、ウェディングドレスに附属する装飾品(ベール、グローブ、靴、アクセサリーなど)として用いられることも多く、その場合も清純さを表すために白色を基調(ホワイト、シャンパンカラー、オフホワイトなど)とする。そのため、オペラグローブは白人女性に最も良く似合う。
歴史
ファッション、儀式、それに宗教のために手袋は用いられる。13世紀ごろからヨーロッパでは女性の間でファッションとして手袋を着用するようになった。リネンや絹でできており、時には肘まである手袋が広まっていた。16世紀にエリザベス1世が宝石や刺繍、レースで豪華に装飾されたものを着用した時に手袋の流行は頂点に達した。
刺繍と宝石で装飾された手袋は皇帝や王の徽章の一部となっている。1189年にヘンリー2世が埋葬された時には、戴冠式のときに着用したローブと王冠、それに手袋とも共に埋められたと、マシュー・ペリーは記録している。1797年にイングランド王のジョンの墓を開いた時、それに1774年にエドワード1世の墓を開いた時にも、手袋が発見されている。
祭服としての手袋は、主に教皇や枢機卿、僧侶たちが着用している。教義によりミサを祝う時にのみ着用を許されている。手袋はこの習慣は10世紀に遡り、儀式の際に手をきれいにしておきたいという単純な欲求が始まりかもしれないが、特権階級として豊かになった聖職者たちが己の身を飾るためにつけたものが始まりかもしれない。フランク王国からローマにこの習慣は広まり、11世紀の前半にはローマでも一般的になった。
女性皇族は常に白の手袋を携帯しているが、これは帽子と共にその貴族性を象徴する為の物である。
日本では皇室の晩餐会や儀式、又は一般の結婚式の花嫁で馴染みがある。
礼装用手袋(ドレスグローブ)
モーニングコート等の礼服に用いられたり、警備員が手旗の代わりに用いたり、タクシー等の運転手が礼装をアピールしたり手やハンドルを汚さない為に用いる。なお、礼服ではドレスグローブという言い方をし、ボタンかスナップで留めるのが特徴。材質は革か布、色は白か灰色である。礼装は白・灰共に用いられ、ピンタックという三ツ山の装飾が外側に付いている。女性向けの礼装用ドレスグローブには、二の腕あたりまですっぽりと覆うロンググローブタイプのものもある。
作業用は白が多い。一部の警備会社では略して「白手」(しろて)と呼ぶ。本来は燕尾服やタキシードなど夜の正装に用いて、モーニングコートなど昼には用いなかったが現在は関係なく用いられている。色は白が幅広く用いられているが厳密には燕尾服には白、モーニングコート・フロックコートには灰色、タキシードは黒となっている(背広で代用した場合も同じ)が現在は気にせず白や灰色を用いることも多い。弔事には服装を問わず灰色や黒を用いる。
オペラグローブの画像
外部リンク
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