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1997年12月、「'''21世紀に間に合いました。'''」(考案:[[岩崎俊一 (コピーライター)|岩崎俊一]])のキャッチコピーが示す通り、世界初となる「'''量産ハイブリッド自動車'''」として誕生。開発責任者(チーフエンジニア)は、後にトヨタ自動車の[[会長]]となる[[内山田竹志]]が務めた。開発プロジェクト名は「G21プロジェクト」(『90年代国産車のすべて』三栄書房、87頁参照)。 | 1997年12月、「'''21世紀に間に合いました。'''」(考案:[[岩崎俊一 (コピーライター)|岩崎俊一]])のキャッチコピーが示す通り、世界初となる「'''量産ハイブリッド自動車'''」として誕生。開発責任者(チーフエンジニア)は、後にトヨタ自動車の[[会長]]となる[[内山田竹志]]が務めた。開発プロジェクト名は「G21プロジェクト」(『90年代国産車のすべて』三栄書房、87頁参照)。 | ||
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先代の4ドアセダンからワンモーションスタイルの5ドア[[ハッチバック]]へと、ボディ形状が大きく変更される(ちなみに、自動車の同一モデルのフルモデルチェンジで、ボディ形状が変化するケースは多くはない)。また2代目からは日本国外での市場を考慮してやや大型化され、ホイールベースも2,700mmとなり、[[車格]]は[[トヨタ・プレミオ|プレミオ]]/[[トヨタ・アリオン|アリオン]](旧[[トヨタ・コロナ|コロナ]]/[[トヨタ・カリーナ|カリーナ]])クラスとなった。車幅が1,725mmと拡大されたため、日本市場では[[普通自動車#道路運送車両法上の区分|3ナンバー]][[日本のナンバープレート|登録]]となる。ホイール[[ハブ]]の[[ボルト (部品)#ボルトの種類|スタッドボルト]]数は、初代の4本から5本に変更された([[ナット座ピッチ直径|PCD]]は100のまま)。目標月間販売台数は3,000台。これは、先代の直近の販売実績の3倍であった。給油口が右側から左側に変更された。 | 先代の4ドアセダンからワンモーションスタイルの5ドア[[ハッチバック]]へと、ボディ形状が大きく変更される(ちなみに、自動車の同一モデルのフルモデルチェンジで、ボディ形状が変化するケースは多くはない)。また2代目からは日本国外での市場を考慮してやや大型化され、ホイールベースも2,700mmとなり、[[車格]]は[[トヨタ・プレミオ|プレミオ]]/[[トヨタ・アリオン|アリオン]](旧[[トヨタ・コロナ|コロナ]]/[[トヨタ・カリーナ|カリーナ]])クラスとなった。車幅が1,725mmと拡大されたため、日本市場では[[普通自動車#道路運送車両法上の区分|3ナンバー]][[日本のナンバープレート|登録]]となる。ホイール[[ハブ]]の[[ボルト (部品)#ボルトの種類|スタッドボルト]]数は、初代の4本から5本に変更された([[ナット座ピッチ直径|PCD]]は100のまま)。目標月間販売台数は3,000台。これは、先代の直近の販売実績の3倍であった。給油口が右側から左側に変更された。 | ||
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2009年1月に開催された[[北米国際オートショー]]において発表、同年[[5月18日]]に日本での販売が開始された。2代目と同様に3ナンバー。 | 2009年1月に開催された[[北米国際オートショー]]において発表、同年[[5月18日]]に日本での販売が開始された。2代目と同様に3ナンバー。 |
2014年10月5日 (日) 16:28時点における版
プリウス(PRIUS)は、トヨタ自動車が1997年に製造・発売を開始した世界初の量産ハイブリッド専用車(スプリット方式)、およびそれを中心としたハイブリッド専用車のブランド(商標)である。
現在、世界93か国で販売されていて、車名はどの国においても「プリウス」(PRIUS)を名乗る[1]。
目次
プロトタイプ(1995年)
1995年11月、第31回東京モーターショーにて参考出品車として展示。「人と地球にとって快適であること」というコンセプトの元に開発。低燃費走行を目的としたパワートレーンシステム「TOYOTA EMS(Energy Management System)」を搭載。これは直噴ガソリンエンジン「TOYOTA D-4」・CVT(Continuous Variable Transmission・ベルト式無段変速機)・キャパシターを電源としたインダクションモーター/ジェネレーター(M/G)をコンピューター(ECU)によって協調制御した世界初のパワートレーンシステムで、エンジン・駆動系の効率を大幅に向上させ、エネルギー回生、停車時のエンジン停止などの画期的な機能を採用し、同クラス車の約2倍の燃費30km/L(10・15モード走行)実現を目標にしていた。
環境を配慮した機能として、電動パワーステアリング・低転がり抵抗タイヤ・電動コンプレッサーエアコンシステム・RSPP(新リサイクル防音材)の採用・空力ボデー・高性能熱線吸収ガラス・着色樹脂を使った無塗装バンパー&サイドモールがあった。安全装備として早くも側面衝突対応SRSエアバッグを装備し、計6カ所のエアバッグがあった。
珍しい装備としては助手席およびリヤシートに組み込み式チャイルドシートや、近未来対応型マルチメディアシステム、ドームランプに設置された4方向のセンサーから発信されるマイクロ波により、駐車中の車内への侵入者を感知。アラーム(ホーン吹鳴、ライトの点滅)で異常を知らせるセキュリティシステムがあった。内装においてはセンターメーターではなく、運転席側にメーターを配置したオーソドックスなタイプが採用されていた。
初代 NHW10・11(1997年 - 2003年)
車両概要
1997年12月、「21世紀に間に合いました。」(考案:岩崎俊一)のキャッチコピーが示す通り、世界初となる「量産ハイブリッド自動車」として誕生。開発責任者(チーフエンジニア)は、後にトヨタ自動車の会長となる内山田竹志が務めた。開発プロジェクト名は「G21プロジェクト」(『90年代国産車のすべて』三栄書房、87頁参照)。
サイズは小型5ナンバー4ドアセダンで、デザインは歴代セリカなどを手がけたトヨタのアメリカのデザイン拠点であるCALTYが担当し「未来からやってきた車」のイメージに相応しいエクステリアを構築する。外観は当時としては珍しいフロントグリルとボンネットをシームレスにつないだデザインを採用した。これは単にデザインだけではなく、空気抵抗の減少にも大きく寄与している。また、車両の全高を大きくとって着座位置を高くすることにより、乗降を容易に、かつ車内の居住空間を有効に使えるようにしているが、これは当時のセダンとしては革新的なパッケージングであった。
足回りでは専用の超軽量鍛造アルミホイールを装着し、さらにその上に空気抵抗低減のための樹脂製のホイールカバーを装着するという珍しい手法を採用している。なお、これは2代目や3代目にも引き続いて採用されている。
インテリアの最大の特徴としてセンターメーターがあるが、当時はまだ採用車種が少なく話題を呼んだ。また、5.8インチマルチインフォメーションディスプレイ[2]を始めからインテリアデザインに盛り込む設計がされたのも、同時期にデビューしたハリアーとともに初めての試みである。これらは後の乗用車全般のインテリアデザインに大きな影響を与えた。なお独特の駆動方式(走行中でもエンジンが停止するなど)から、タコメーターと水温計が省かれている[3]。
駆動ユニットはTHS(Toyota Hybrid System)と呼ばれ、アトキンソンサイクル方式の1NZ-FXE型ガソリンエンジンと、1CM型永久磁石式同期モーターを併用して動力を発生する。1CM型はマイナーチェンジ時に改良され2CM型となる。
発表当初の燃費は28.0km/l(10・15モード)であり、当時の同程度のガソリンエンジン車と比較して驚異的なものであった。その後の改良により、最終モデルの燃費は31.0km/l(10・15モード)に達している。
販売価格は215万円と、同程度の車格のカローラの「1.5SEサルーン」が152.7万円(2WDの4速AT車での場合)で販売されていた時代(1997年-1999年当時)としては決して安くはなかった。しかし、ハイブリッドシステムのコストからすると原価を大きく割り込んでいると見られ、「215万円はバッテリーだけの価格」や(前述のキャッチコピーからか)「21世紀へgo(5)の語呂合わせ」等と噂された。
年間の販売台数は最大でも2万台を超えることはなく、モデル末期には1万台を割り込んでおり、2代目のような「大ヒット」や3代目のような「スマッシュヒット」という訳にはいかなかったものの、ハイブリッド乗用車史の基礎を築き上げるには十分な販売実績だった。一方で後述の通り2代目以降は3ナンバーとなり、2代目プリウス以降もトヨタのハイブリッド乗用車は主に3ナンバーとなったため、トヨタの5ナンバーハイブリッド乗用車はアクアの登場まで、更に初代プリウスの流れを汲む3ボックスセダン型5ナンバーハイブリッド乗用車はカローラアクシオハイブリッドの登場まで、一時期途絶える事になる。
沿革
- 1997年12月
- 正式発表、発売開始。
- 1998年度グッドデザイン賞受賞。
- 1999年11月
- 特別仕様車「Gセレクション」を再発売。前回仕様より3万円値下げした。
- 2000年5月
- マイナーチェンジを実施。形式がNHW11型となったことから、これ以降の初代モデルを俗に後期型ないし1.5代目と呼ぶこともある。超-低排出ガス認定(☆☆☆)を受け、10・15モード燃費は29.0km/Lに向上。グレード体系を変更して「S」と「G」の2グレード体制になる。また、2000年モデルから北米での販売が開始されるのに伴って現地での安全基準へ適合させるためバンパー形状が変更された。さらにリアスポイラーを新設定し空力性能の向上を図っている。
- 2001年1月
- 「S」をベースに、DVDボイスナビゲーションシステムやクルーズコントロールなどの上級装備を備えた特別仕様車「S プレミアム21」を発売。
- 2001年8月
- 一部改良。欧州仕様用のセッティングが施されたサスペンション、リアディスクブレーキ、リアスポイラー、新デザインの14インチアルミホイールを装備する「ユーロパッケージ」の導入と、新ボディカラーである「ボルドーマイカ」を追加。
- 2002年1月10日
- 「S」をベースに、ボディカラーにボルドーマイカ等の専用色を2色設定すると共に、DVDボイスナビゲーションシステム、クルーズコントロール等を装備した特別仕様車「S Premium」を発売。
- 2002年8月6日
- 一部改良。制動時のエネルギー回収量を増加したことで、10・15モード燃費を31.0km/Lに向上。同日にDVDボイスナビゲーションなどを装備した特別仕様車「Sナビスペシャル」、「Gナビスペシャル」を発売。
2代目 NHW20(2003年 - 2011年)
車両概要
先代の4ドアセダンからワンモーションスタイルの5ドアハッチバックへと、ボディ形状が大きく変更される(ちなみに、自動車の同一モデルのフルモデルチェンジで、ボディ形状が変化するケースは多くはない)。また2代目からは日本国外での市場を考慮してやや大型化され、ホイールベースも2,700mmとなり、車格はプレミオ/アリオン(旧コロナ/カリーナ)クラスとなった。車幅が1,725mmと拡大されたため、日本市場では3ナンバー登録となる。ホイールハブのスタッドボルト数は、初代の4本から5本に変更された(PCDは100のまま)。目標月間販売台数は3,000台。これは、先代の直近の販売実績の3倍であった。給油口が右側から左側に変更された。
2代目から、トヨタのハイブリッド乗用車(ダイハツ工業へのOEM車種[4]も含む)にて「HYBRID SYNERGY DRIVE」(ハイブリッド・シナジー・ドライブ)のブランド展開を開始。当代が初の車種となり、車名エンブレムの下にそのエンブレムが装着された[5]。
2代目に搭載されているユニットはTHS-II(Toyota Hybrid System II)と呼称されるTHSの発展型で、エンジンは先代と同じく1NZ-FXE型を搭載するが最高回転数を5000rpmまで増加、新型モーター(3CM)の出力を従来型の33kWから50kWへと向上させるなどパワーアップを図りながら、10・15モード燃費はさらに向上して35.5km/Lとなり、4人乗り以上の市販ハイブリッドカーとしては当時、世界最高の省燃費を達成した。電池には引き続きニッケル・水素充電池を採用する。
なお、トヨタのハイブリッドシステムはこの他にもクラウン(JZS170系セダンほか)などに搭載されていた簡易ハイブリッドユニットである「THS-M」(Mild)、エスティマやアルファードに搭載された「THS-C」(CVT)などのバリエーションがある[6]。またパナソニックEVエナジー(現 プライムアースEVエナジー)のニッケル水素電池は小型トラック(日野・デュトロ)や大型路線バス(日野・ブルーリボンシティ)のハイブリッド車にも採用されている。後述の#ハイブリッドシステムの特性も参照。
後の3代目モデルやアクアにも継承された「トライアングル・シルエット」と呼ばれる三角形の「おむすび形」のスタイリングが特徴的で、2003年度にはグッドデザイン大賞を受賞した。
その他、2代目モデルでは、モーターのみの走行が選択可能な「EVモード」、後方カメラの映像上で場所を指定するだけで駐車時のハンドル操作を自動化できる「インテリジェントパーキングアシスト」(世界初搭載)、横滑り防止機構と電動パワーステアリングを統合制御する「S-VSC」(世界初搭載)、アイドリングストップ中もバッテリーを電源として動作可能な電動インバーターエアコン[7](車載用として世界初搭載)、キーをポケットに入れたままドアノブに手を掛けるだけでロック解除、そのままブレーキペダルを踏みながらパワースイッチを押すだけでハイブリッドシステムが始動する「スマートエントリー」、イモビライザーなどの最新技術が投入された。特に電動インバーターエアコンは、その後のトヨタのハイブリッド乗用車の主要装備となる。
グレード
初代の後期モデルより引き継いだ「S」と「G」の2グレードを基本として、上級オプションパッケージとなる「TOURING selection」を新設定した。
- S
- 最量販グレードとなる標準仕様車。一通りの装備が装着されている。タイヤサイズは185/65R15となるプリウス専用開発の低燃費エコタイヤ(グッドイヤー・GT3)を装備する。また、装備を厳選した「スタンダードパッケージ」が後期モデルより新設定される。
- G
- 「S」に本革巻きステアリング、キーレスオープン(スマートエントリー)、CDチェンジャー、アルカンターラ(後期モデル)のシートなどの豪華装備を追加した上級グレード。
- TOURING selection
- 先代後期モデルに初設定された「ユーロパッケージ」をさらに昇華させ、走行性能を大幅に向上させた上級のオプションパッケージで、車体底部にフロアアンダーカバーとリアバンパースポイラーを装着し、リアゲート部に大型リアスポイラーを装備して空気抵抗を低減。初採用の16インチアルミホイールと195/55R16サイズの高性能タイヤ(ミシュラン・Pilot Primacy)を組み合わせ、さらに専用サスペンションを装着することで、高速走行時の直進安定性を向上させた。他には、ディスチャージ・ヘッドランプ、フロント・フォグランプが標準装備されている。2005年以降の後期モデルでは、Gツーリングにはアルカンターラのシートを採用した他、モデル初の本革シートが追加された「G TOURING selection LEATHER package」も設定された。なお低燃費タイヤではないため他のグレードよりも燃費性能はやや劣る。
- EX
- 3代目モデル発表と同時に設定された法人ユーザー向けの新グレードである。「S スタンダードパッケージ」をベースに、ボディカラーをスーパーホワイトII・シルバーメタリック・ブラックの3色とし、内装色をグレーのみに絞ってフロントグリルをボディ同色に変更。また、フロントフォグランプやホイールキャップをオプション設定にして装備を厳選し189万円という超低価格を実現した。なお、運転席・助手席デュアルステージSRSエアバッグ等の安全装備やCDオーディオや温度センサー付電動インバーターエアコンなどの快適装備は従来どおり装備される。1クラス下のセグメントにアクアが登場したため、2011年12月をもって生産が終了した。
沿革
- 2004年2月
- 仕様変更。車両型式を変更し「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」に対応。
- 2004年8月4日
- 「S」と「G」をベースに、「ツーリングセレクション」の装備とアルカンターラ専用シート表皮・ディスチャージヘッドランプ・G-BOOK対応DVDボイスナビゲーション付EMV(エレクトロマルチビジョン)&インテリジェントパーキングアシスト(カラーバックガイドモニター機能付)を特別装備した特別仕様車「S ツーリングセレクション・プレミアム/G ツーリングセレクション・プレミアム」を発売。
- 2005年11月1日
- マイナーチェンジ。
- デザインの大幅な変更はないが、フロントグリルフィンのメッキ処理化・リヤワイパーの標準装備化(これまでは寒冷地仕様車のみオプションとして選択可能で装着車は数少なかった)・ヘッドライトエクステンションのブルー着色・リアコンビネーションランプLED部の色を黒からクリアに変更・メーカーオプションのナビをDVDからHDDに変更し、「HYBRID」の文字エンブレムがトヨタのハイブリッドカーとして初めてフロントフェンダー部にも装着された。またハロゲンヘッドランプ車にはマニュアルレベリング機能が装着された。
- また、ボディ剛性のさらなる向上や遮音性の向上、アルミホイールの剛性向上やサスペンションのチューニング変更等、走行性能に関する点が改良された。内装ではシート生地の変更(「G」と「G ツーリングセレクション」にはアルカンターラのシートが採用された)とインパネ・ドアトリム部にソフトパッドが採用され内装の質感が大幅に向上した。さらに新グレードとして「S」の装備を簡略化した「S スタンダードパッケージ」と3代目でも最上級グレードとなった「G ツーリングセレクション・レザーパッケージ」が追加された。
- 2007年2月1日
- 一部改良。エンジン直下の触媒の性能向上と車両床下の触媒追加、エンジン制御のコンピューター(ECU)の改良により排出ガス浄化性能をさらに向上。パーキングブレーキの戻し忘れ警告ブザーも追加される。
- 2007年4月2日
- プリウス生誕10周年を記念して、SグレードにHDDナビ、スマートエントリー&スタートシステムなどの特別装備を追加した「S 10th Anniversary edition」を発売。
- 2009年5月18日
- 3代目モデルの発売と共に、ビジネスユーザー向けに特化した新グレード「EX」を発表(発売は6月8日からで、189万円から)。以後の2代目プリウスは、このグレードのみ販売されていた。
- 2011年12月
- 生産を終了。
プリウス・サーキットバージョン
2代目モデルをベースとしてトヨタ自動車が「サーキットバージョン」を製作。外装はトヨタF1をイメージしたカラーリングが施され、内装は遮音材などの快適装備を撤去して大幅な軽量化を図り、ボディ剛性と安全性の向上のためロールケージを組むなど、一般のレーシングカー(グループN準拠)と同じ方法で製作された。
そしてプリウスの特徴であるハイブリッドシステムにもチューニングが施され、エンジンは標準搭載のアトキンソンサイクル型からカローラ用の通常燃焼型(1NZ-FE)へ変更。インバーターシステムも昇圧性能を強化したものとなり、システム出力を大幅に向上させた。バッテリーも直接外気を導入して冷却できるようリアドアにエアインテークが設けられた。また、タイヤ・ホイールはツーリングセレクション用の16インチ(タイヤはブリヂストン・POTENZAのハイグリップのものに変更)を装備し、ブレーキも欧州仕様車と同じ物(リアをディスク化)が採用されストッピングパワーを強化している。
将来的なワンメイクレース開催を見込んで同様のサーキット仕様が数台制作されたが、結局市販化されることはなかった。
他社への技術提供
2代目チーフエンジニアの井上雅央はカタログで「THS-IIの技術を独り占めするつもりはない。地球環境のために、他社への技術提供もいとわない」と発言。
その発言通り、2代目発売から、3年後の2006年10月4日、北米日産のアルティマハイブリッドにハイブリッドシステムを供給したものの、日産製のエンジンとハイブリッドシステムの組み合わせをトヨタが担当した際に手間が掛かりすぎてしまったため、自社で開発してくれる相手を探す方向に向かう。そして、THS-II登場の10年後の2013年11月にマツダのアクセラに「SKYACTIV-HYBRID」としてTHS-II(厳密にはリダクション機構付THS-II)が搭載された。トヨタから供給されたシステムを使い、マツダがハイブリッドシステムを開発。システムプログラムのわからない箇所をトヨタ側に問い合わせるうちに、トヨタの技術者がバスでマツダに見学に来るという事態も発生した。
3代目 ZVW30(2009年 -)
2009年1月に開催された北米国際オートショーにおいて発表、同年5月18日に日本での販売が開始された。2代目と同様に3ナンバー。
2009年12月からは、ZVW30型プリウスをベースとしたプラグインハイブリッドカーのプリウスPHVのリースが開始され、2012年1月30日には市販も開始された。
2011年12月にはマイナーチェンジが行われ、内外装デザインの変更などが行われている。また、それに合わせ派生車種のプリウスαとアクア(プリウスC)が販売されている。
ハイブリッドシステムの特性
システムの利点及び欠点を以下に挙げる。
ハイブリッドカーの項目も参照。
利点
- ガソリンスタンドでの燃料補給のみで電気自動車(EV)の長所を享受できる。ハイブリッドカー(HV)のために新たなインフラを整備する必要がない。
- ガソリンエンジンの効率が悪い低回転域では、低回転トルクに優れる電気モーターを使用して効率的に発進・加速できる。
- 極低速時などモーターの動力のみで駆動できるときや、停止中のエアコン使用時でも、HV(=ハイブリッドビークル)バッテリーの充電が十分であればエンジンを停止できるアイドリングストップ。
- 減速時にエンジンを停止(速度によってはガソリン供給のみを停止)し、運動エネルギーをモーターによって発電して回収して充電する回生ブレーキを搭載。その結果、ブレーキパッドの磨耗等が少ない。
- 電力は回生ブレーキやエンジンから発電されたものを利用するため、ユーザーが充電する必要はない。また、THSはモーターと遊星歯車機構を利用した無段変速機(CVT)を持つので、標準がオートマチックである。
- エネルギーの流れや瞬間燃費などの情報は、マルチインフォメーションディスプレイにリアルタイムで表示され、急加速やエアコンの作動のように燃費を悪化させる操作の結果が数字で如実に示される。
- プリウスは、「シリーズ・パラレルハイブリッド」という方式を採用しており、速度域や加速・減速などの条件変化によって「エンジンのみ」「モーターのみ」「エンジン・モーター併用」の駆動の切り替えを頻繁に行い燃費効率を上げている。下り坂ではエンジン・モーターともほとんど作動させないまま走行することも可能で、燃料消費量を減らすことができる。
- THSには、一般的なトランスミッションに必要な多段のギアやトルクコンバータが無いために、機械的には単純な構造である。
- 電気モーターのみで走行するEVに対し、ガソリンエンジンを搭載するハイブリッドカーは、エンジン動力や回生ブレーキから発生する電力で電池の充電が可能であり、電力を外部から給電する必要がない。このためEVの航続距離が短いという欠点を持たない。
- 高速では燃費改善のためにエンジンを極限に近い低回転重負荷で使用している。加速や勾配への余力が乏しい点にはモーターアシストと敏速な電気変速により対処している。ハイブリッド車は高速では重量増のため燃費は不利とする意見があるが、実際には時速100kmでのエンジン回転を2000rpm以下と大排気量車並に低くすることで同クラスの通常車両より燃費は良い。
欠点
- ハイブリッドシステムの限界
- ハイブリッドカーの燃費性能には計測環境の違いにより、カタログ表記の燃費と実用上の燃費の差が大きい場合がある。制御上、短時間でストップ&ゴーが連続する市街地走行で長所を発揮することができるが、長い上り坂では不利となり、また下り坂では十分エネルギーを吸収することができない。長い上り坂ではモーターアシストでバッテリーを使い切るとモーターやバッテリーの重量が負荷となる。また長い下り坂ではバッテリーが満充電となるとエネルギーを回収できなくなる。エコカーに厳しい評価を下すことで有名なBBCの自動車番組『トップ・ギア』が専用サーキットで行った2代目とBMW・M3の燃費比較テストを行っている。「プリウスが全サーキット走行し、M3がその後を追走する」内容で、M3の方が燃費が良かったとしている。この企画においてM3は終始スリップストリームに入っており、欧州モード燃費値からも計測の正当性には疑問があるなど問題点はあるが、ハイブリッドは必ずしも「万能薬」ではないという事実の極例ではあると言える。
- LCA
- 有害物質の排出量は軽減されるが、バッテリーやインバーターなどを含むハイブリッドシステムの部品の製造と廃棄に伴う有害物質の排出量は、ハイブリッドシステムを搭載しない車両よりも多いものとなる。このため、車両のライフサイクル全体における有害物質排出量の総合では、従来のガソリン車との比較する必要があるとの指摘がある。トヨタは資源採取から廃棄・リサイクルまでの各段階で環境に与える要因を定量化し総合評価する手法LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)を計測し、「旧型のガソリン車」よりも、10年10万km走行時の環境負荷が二酸化炭素換算で約43%低いとしている[8]。
- 寿命に関する懸念
- 高性能な燃費を支える主要部品であるインバータや駆動用のHVバッテリーなどは熱や電圧、充放電サイクル等によって劣化する。そのため車両やエンジン本体の寿命よりも短い周期で、ハイブリッドシステム用部品の交換が必要となる可能性がある。初代プリウスは、インバーターの有償交換には実費で約40万円、バッテリーはリサイクルバッテリーを使用した場合11万円程度とされていたが、出力制限警告灯などが点灯する不具合によるサービスキャンペーン(経年・走行距離・交換履歴を問わないため実質交換回数が無制限)が、NHW11にはバッテリー液漏れ不具合によるサービスキャンペーンがメーカーから公開されている。2代目NHW20のバッテリー交換費用は13万円程度である。2代目以降はバッテリーの性能が改善し短期間で交換したという報告はほとんどなく、メーカー側は名目上「5年または10万km」の保証期間としている。
- 低騒音ゆえの問題
- 低速域ではエンジンが停止しモーター走行となるため、通常のガソリン車よりも走行音が極端に小さい。そのため歩行者に気付いてもらえない場面がしばしば見られる。特に、視覚障害者は周囲の状況を走行音などの音場で認知するため危険に晒されやすい。さらに、走行音が小さいことを悪用した犯罪も実際に発生している[9]。
- この問題に対してはトヨタも対策を行っており、2010年8月には3代目プリウス用から時速25km以下の場合にスピーカーから音を発して車前方の人間に接近を知らせる「車両接近通報装置」がオプション設定され[10]、2011年11月のマイナーチェンジでは車両接近通報装置を標準装備した。実際に低速域での走行音が小さく聞こえるのは車内であり、車外では走行音の大部分を占めるタイヤからのロードノイズやインバーターの励起音は発生しているので単に聞こえ方の違いであるとも言える。
- 運転感覚の問題
- ハイブリッド車では概してエンジン騒音が低いために速度感が通常のガソリン車と異なる。また速度とエンジン回転数や騒音との関連が乏しいため、アクセルによる速度調整や速度維持に慣れが必要との意見がある。ブレーキング時には回生ブレーキによる電気制動とディスクブレーキによる制動の配分が速度や運転状況により自動的に調節される。通常の制動では主に回生ブレーキの配分が大きいが、高速のパニックブレーキやごく低速ではディスクブレーキの配分が大きくなる。このため速度域でブレーキの効きに変化を感じることがある。しかしハイブリッド車の販売が乗用車2009年以後トップシェアの1位から3位を独占するなど好調であることから、殆どのドライバーはハイブリッド車のアクセルやブレーキ特性については許容していると考えられる。
評価
同等クラスのガソリン車と比較すると燃費性能に優れるが、車両価格が高く価格差を燃費で相殺するまでには相当な走行距離を要すると言われてきた。しかし現状ではプリウスに車格が近いプレミオやウィッシュにプリウスと同等の車両安全装置VSDやカーテンエアバッグなどの装備を追加すると、プリウスとの価格差は無いかむしろ低廉となる。しかしコンパクトクラス、サブコンパクトクラスとの車両価格差を回収するには年間1万キロ走行では10年近くを要する[11]。
プリウスは単に燃費性能が良いというだけではなく環境負荷の低減や先進的なEV機能などを評価して購入すべきであるという見方も強い。実際、アカデミー賞に俳優がプリウスに乗って登場したように、プリウスは環境に良いというブランドイメージを築いており、好調な販売成績を挙げている。
アメリカにおいてもプリウスは非常に人気が高い。カリフォルニア州では州の厳しい規制をパスした当時唯一のガソリンエンジンの実用車としてプリウスが話題を呼び、環境問題に積極的な富裕層を中心として次々にプリウスを購入したことから、ハリウッド・スターなどのセレブリティも環境問題に関心があることをアピールするためにこぞってプリウスを自家用車に選ぶ、という面もある。例えば最近ではアカデミー賞授賞式にリムジンでなくプリウスで乗り付けるスターが増えている。中でもレオナルド・ディカプリオは数台購入したといわれる。現在でも、原油価格が高騰から人気が冷めず、最長で半年待ちとなるほど予約が殺到しているという[12]。
しかし一方では、環境問題に積極的な姿を誇示する一部のプリウス所有者を不快に感じる人や、ハイブリッド車に乗らない人は環境問題に消極的であるかのように扱われることに情緒的な反感を抱く人もおり[13][14]、プリウスは単に環境破壊の免罪符にはならないとする声もある[15]。
ディーゼルエンジンとマニュアルトランスミッション指向の強いヨーロッパにおいても、環境問題への関心の高まりから、イギリスなどを中心に高い評価を得ている。2007年のフランクフルトモーターショーをはじめ、大陸ヨーロッパでも積極的なプロモーションが始められた。2000年に発売されたヨーロッパでは、2007年8月までに約10万台のトヨタ・ハイブリッドが販売された[16]。トヨタのハイブリッド車は同年5月に販売累計が100万台に達していることから、その約1割が欧州市場での販売であったことになる。イギリスのAmberjac Projects社では、プリウスに搭載されたニッケル水素電池をリチウムイオン電池に載せ換えて、燃費や航続距離を改善するという改造を行なっている。
日本国外での受賞
- 北米カー・オブ・ザ・イヤー(2004年/平成16年) - 2001年(平成13年)にもノミネート
- ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー(2006年/平成18年) - 37人の審査員からの最高得点を得て計406点で1位を受賞
他、多数の受賞がある。また、ヨーロッパの自動車衝突安全テストユーロNCAPでは、星5つの評価を得ている。
レンタカー
一方、一部のレンタカー会社(および地域)で車種をプリウスに限定したキャンペーンが行なわれることがある。この場合のレンタル料金は一般車種とほぼ同額であり、利用者にとっては自分で購入するのと異なり車輛価格が高額であることを意識せずに済む上一般に燃料費も安くつき(走行距離が長ければ若干レンタル料金が高くても燃料費の差額で十分元がとれてしまう)、またレンタカー会社としても車輛の回転効率を上げることで初期費用を早く回収することができるので、利用者と所有者のどちらにとっても有益であり、ハイブリッド車の普及を図る上では非常に有効な手段であると言える。
なお、トヨタレンタリースではこれまでカローラと同じP3クラスだったが、2008年10月1日以降予約分はプレミオ/アリオンと同じP4クラスに変更され、値上げとなったが、2009年5月1日以降はP3クラスに戻され、値下げとなった。同年6月から順次導入されている3代目はP4クラスの料金が適用される(2代目と3代目では排気量が異なる為、P3クラスの2代目には(1.5L)、P4クラスの3代目には(1.8L)と表記し区別されている)。2012年4月1日からは、ハイブリッド専用のクラスが3種新設され、HV1には2代目が、HV2には3代目が割り当てられている。また同時に、区間平均燃費が表示できる機能を生かして、満タン返しが不要な「HV燃費精算」も開始された。
アメリカ合衆国の大手レンタカー会社では、2007年7月現在エイビス・レンタカー(Avis)が約1,000台のプリウスを保有するほか、ハーツ・レンタカー(Hertz)が2008年までに3,400台のプリウスを導入し、ニューヨーク市などハイブリッド車の需要が旺盛な地域に重点配備することを発表した[17]。エイビス・レンタカーはイギリスでもプリウスを保有し、ロンドンなどに配置している[18]。
また、2010年7月4日からはトヨタレンタリース長崎管轄の福江店(長崎県五島市)において、プリウスプラグインハイブリッドのレンタカー貸出を開始。これは、長崎県が経済産業省のモデル事業である「長崎県EV・PHVタウン」の主要プロジェクトとして五島地域で展開する未来型ドライブ観光システム「長崎EV&ITS(エビッツ)」に協力し、同車を福江店へ2台配備したもので、一般ユーザーがレンタカーでPHVを運転できる国内唯一の店舗となった[19]。その後、「能登スマート・ドライブ・プロジェクト」と題して、2012年7月7日、トヨタレンタリース石川がプリウスPHV(市販モデル)を能登空港店を中心に県内に配備、併せてトヨタメディアサービスのWi-Fi付充電スタンド「G-Station」を能登半島に21台設置するプロジェクトも始まった。ただし、往路か復路のいずれかに能登空港を利用することが貸出の条件となっている。さらに全国11の地域(2012年8月現在、長崎・石川を含む)でもPHVの貸出が開始されている。
販売店
初代はトヨタ店のみであったが、2代目からはトヨペット店が加わり、2チャンネル併売となった。また、販売台数も2代目からは格段に増え、発売後半年経っても、購入から納車まで数か月待ちという事態も起きた。3代目ではカローラ店とネッツ店にも販売網を広げ、レクサス専売店を除くトヨタの全販売店で販売を開始した。トヨタの全販売店で販売する車種の登場は、トヨタが現体制になった1982年以降では2000年に限定生産されたオリジンの例があったのみで、限定生産車以外では初めてとなる。なお、2代目モデルもグレード体系などを見直し、ビジネスユーザー向け新グレード「EX」に一本化し2011年12月26日まで継続販売された(取扱いは従来どおりトヨタ店とトヨペット店)。低価格路線を打ち出しているホンダ・インサイトに対抗するため、「EX」の車両本体価格はインサイトの「G」と同じ189万円に設定。3代目モデルも205万円からの価格設定にしていた。
車名の由来
- ラテン語で「~に先立って」の意味。
- また、Pはプレゼンス(存在感)、Rはラディカル(技術的革新)、Iはアイデアル(理想)、Uはユニティ(調和)、Sはソフィスケート(洗練)を意味するキーワードとしている[20]。
- ちなみに、かつて日立製作所が発売していた同名の家庭用パソコン「プリウス」(こちらはP以外のアルファベットを小文字にして、"Prius"と表記する)も全く同じ意味でネーミングされたもので、こちらは1年早い1996年に発売された。
その他
- 2002年に週刊少年マガジンで製作したスタッフチーム等の苦悩を描いた漫画「プリウス〜21世紀への翼〜」が掲載された(作画は日和一吾)。
- 一般的にスポーツグレードを持たない実用車種にはエアロパーツやサスペンションキットなどのチューニングパーツはあまり発売されないが、2代目プリウスでは空気抵抗を減らして燃費をさらにあげるためのボディキットが発売されたり、またTRDやトムスなど、アフターパーツメーカーからもマフラーやホイール、サスペンションキットなど改造部品が販売されている。
- 大阪トヨペットグループでは、レーシングドライバーの片山右京と共同開発したカスタマイズカーである「ENERGY MASTER [2]」を発売。「究極の環境性能を誇るエコカー」をテーマに、環境問題にも執心であるプロデューサーの片山の意見を取り入れて足回りの軽量化のため、専用の超軽量アルミホイールを開発した(ちなみに、17インチサイズで1本5Kgの軽量化に成功している)。タイヤには横浜ゴムのエコタイヤである「DNA Earth-1」が採用され、さらに空気抵抗を低減し燃費をさらに向上させるエアロパーツセット(オプション品)も用意されている。
- 3代目モデル(ZVW30型)の発表を2週間前に控えた2009年5月2日よりTBSラジオにて、「TOYOTA PRIUS Presents 高樹千佳子のハイブリッドな週末」というタイアップ番組を放送開始。パーソナリティには、車や音楽好きでも知られるタレントの高樹千佳子を起用し、高樹がプリウスを実際にドライブしながらゲストとのトークや開発スタッフとのプリウス開発秘話、そして高樹によるプリウスの試乗インプレッションを交えた新感覚の番組で、車内外の走行音やウインカーの作動音などもそのまま収録されている。
- ハリウッドスターのみならず日本の芸能界でも2代目モデル以降は多くの芸能人が所有しており、「環境負荷の低いハイブリッドカー」という高級輸入車とはまた一味違った“ステイタス”のクルマとしてプリウスは認知されている。ただ、ハリウッドではプリウスよりもCO2排出量の少ない電気自動車のスポーツカーであるテスラ・ロードスターや燃料電池車ホンダ・FCXクラリティ(リースのみ)などに乗り換える動きも既にある。現に、プリウスを購入したレオナルド・ディカプリオは、後にテスラ・ロードスターへと乗り換えた[21]。
- 一般的に新型車が発表された際は自動車関連のニュースや一部の経済ニュースでは報道されるものの、一般紙や通常のニュース番組で報道されることはほとんどない。だがプリウスに関しては、報道発表会の模様や試乗インプレッションが一般紙やニュース番組で特集を組んで報道されている。
- ナゴヤドームのトヨタグループの電動回転広告板には2009年~2011年の間、「魅せろよ プリウス」という広告が掲示されていた。
- ゼネラルモーターズのダニエル・アカーソンCEOは「さえない車」「おたくの車 (geek-mobile) 、私だったら絶対に乗らない」とこき下ろした[22]。
- 3代目で派生車種が誕生したことで英語表記での複数形が必要になったことから、米国トヨタ自動車販売ではホームページ上の投票で応募を受け付けた結果、2011年2月に複数形を「Prii(プリアイ)」とすることを発表している[23][24]。
- ドライビングシミュレーターゲームである、「グランツーリスモ5」(初代、二代目、三代目モデル)、「Forza Motorsport 4」(三代目の北米仕様)にプリウスが登場している。Forza Horizonにも登場しているが、こちらは一般車として走行している。
- 最近はタクシーの採用が増えている。二代目から大手のタクシー会社がテスト運用していたが、タクシー仕様でない一般車両にもかかわらず燃費が良好で耐久性も予想以上であったことから採用が増えている。三代目からは事実上タクシー仕様であるEX仕様が準備されている。長距離営業でも専用LPGガススタンドでなく通常のガソリンスタンドで燃料補給できるため、走行距離が伸びる地方での採用が増えている。トヨタが2017年にタクシー専用車コンフォートを発売終了しプリウスのタクシー専用仕様に置き換えると発表したこともありプリウスのタクシーが増加している[25][26]。
モータースポーツ
- 2012年よりSUPER GTのGT300クラスにカローラアクシオの後継マシンとしてRV8Kエンジンをリアに搭載し、助手席にハイブリッドシステムが搭載されたマシンがaprから出場している。2013年4月29日、SUPER GT 2013 第2戦(富士スピードウェイ)で優勝、SUPER GT史上初のハイブリッドカーでの優勝車両となった[27] 。なおこの車両のハイブリッドシステムはレース専用品ではなく、アクア用のモーター、プリウスα用のバッテリー、カムリ用のECUと市販車と同じパーツを使用して構成されている。その為同じハイブリッドシステムでもレース専用に開発したシステムを搭載してGT300に参戦しているホンダのCR-Zと比較してシステムの重量が倍近く重くなっている。
- 純粋なモータースポーツではないが、2008年から地域ごとのトヨタディーラー対抗による「プリウスカップ」が開催されている。これはエコラン及び整備技術を争うものである。初の「全国大会」は2011年に開催された。
脚注
- ↑ ただし言語により発音は異なることがある
- ↑ 運転席と助手席の間に埋め込まれた液晶画面で、オーディオやカーナビゲーション、エアコンなどの機能を表示、制御できる。セルシオ、ソアラ、クラウンのエレクトロマルチビジョンで実用化済み。
- ↑ その後のトヨタブランドのハイブリッド乗用車でも、「THS-M」搭載車以外でタコメーターが搭載された例はカローラアクシオ/フィールダーハイブリッドの発売まで無かった。ちなみにレクサスブランドのハイブリッドカーの一部には以前から搭載されている。
- ↑ カムリOEMのアルティスとプリウスαOEMのメビウス。
- ↑ トヨタグループ以外では、2代目アクシオをベースとしたパイクカー、光岡・リューギにこのエンブレムが装着された。
- ↑ いずれも現在は搭載車種がなく、後者が搭載された車種に至ってはモデルチェンジで「THS-II」に変更されている。
- ↑ 冷媒用圧縮機をインバーター制御された電動機で運転する。
- ↑ toyota.jp プリウス>環境仕様
- ↑ 静かなプリウスでひったくり 被害者「走行音聞こえず」 asahi.com 2010年4月15日。
- ↑ トヨタ自動車、3代目プリウス用「車両接近通報装置」を発売 - トヨタ自動車・2010年8月24日
- ↑ 。 2009年4月に施行された「環境対応車普及促進税制」による自動車重量税と自動車取得税の全額免税、さらには同年6月から始まった「エコカー補助金」もあって、プリウスは軽自動車を含む総合で2009年6月度から2010年12月度までの18か月連続で首位を獲得した。
- ↑ “プリウス、モデルチェンジ前でも納車2ヵ月待ち。ハイブリッドカーひとり勝ち状態続く”. MONEYzine (2008年8月12日). 2011年1月10日閲覧。
- ↑ Green With Envy: Prius Owners Smile as Neighbors Fume “Green With Envy: Prius Owners Smile as Neighbors Fume”. FOXNews.com. 2008年10月11日閲覧。
- ↑ “Celebrity Hybrid Drivers”. hybridCARS. 2008年10月11日閲覧。
- ↑ 【地球をどうしますか 環境2008】米国に浸透するハイブリッド車 産経ニュース.2008年10月11日閲覧。
- ↑ “ハイブリッド攻勢のなかでトヨタのブースは?!(前編)”. 日経BP (2007年9月12日). 2009年10月5日閲覧。
- ↑ “IN TRANSIT; Rental Fleets Go Hybrid To Attract the Green Set”. New York Times Jennifer Conlin (2007年7月1日)2009年10月5日閲覧。
- ↑ “Avis introduces the Toyota Prius to UK Fleet”. easier.com. (2007年6月25日) 2009年10月5日閲覧。
- ↑ [http://www2.toyota.co.jp/jp/news/10/07/nt10_0707.html “トヨタ自動車、トヨタレンタリース長崎 福江店(長崎県五島市)でプリウス プラグインハイブリッド(PHV)のレンタカー貸出を開始”]. トヨタ自動車:ニュースリリース. (2010年7月2日) 2010年7月3日閲覧。
- ↑ 第330弾『新型プリウスのすべて』18ページ
- ↑ Leonardo DiCaprio's New(Green)sports car ハフィントン・ポスト2008年12月28日
- ↑ プリウスは「オタクの車」GMのCEOが発言AP・共同
- ↑ ラテン語の文法では-usで終わる名詞の複数形は-iiであり、それに従えばPriiは「プリイイ」と読む。なお、英語では/ˈ/(プリアイもしくはプリーアイ)と発音するため、間違いとも言い切れない。
- ↑ プリウス、複数形は「プリアイ」=一般投票で決定-トヨタ - 時事通信・2011年2月21日
- ↑ [1]J-CAST
- ↑ トヨタLPガスタクシーのコンフォート生産終了検討 関連業界反発朝日新聞
- ↑ レースもハイブリッドの時代。トヨタ プリウスがGT300初勝利、2位はホンダ CR-Z【スーパーGT 第2戦】 - マイナビ 2013年4月30日閲覧
参考文献
- モーターファン別冊 ニューモデル速報 第330弾『新型プリウスのすべて』三栄書房、2003年9月 ISBN 4-87904-690-6
- モーターファン別冊 ニューモデル速報 第426弾『新型プリウスのすべて』三栄書房、2009年7月 ISBN 978-4-7796-0619-9
関連項目
- トヨタ・プリウス ZVW30 - 本車の3代目モデルの詳細
- 派生車種
- トヨタ・カローラアクシオハイブリッド NKE165 - 初代プリウスの販売終了以来、10年ぶりの投入となる5ナンバーサイズの3ボックスセダンモデル
- プライムアースEVエナジー - HVバッテリーの製造メーカーで、トヨタとパナソニックの合弁。旧・パナソニックEVエナジー
- Google ドライバーレスカー - Googleによって自動運転車に改造された派生モデル