東京都庁
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都の執行機関としての事務を行う役所
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東京都庁(とうきょうとちょう、英語表記:Tokyo Metropolitan Government)は、一般の職員が所属する知事部局のほか、行政委員会・公営企業・消防吏員・警察官・学校教職員までを含めると総計約17万人もの職員を抱えるという、巨大な組織の事。
沿革[編集]
- 1943年 - 東京都制施行により東京府と東京市が統合し東京都が発足。
- 1947年 - 地方自治法施行、区部は35区から23区に再編され特別区となる。
- 1952年 - 特別区長が、公選制から都知事の同意を得て区議会が選任する方式となる。
- 1957年 - 先代の都庁舎が千代田区丸の内三丁目に完成。
- 1964年 - 福祉事務所を特別区に移管。
- 1975年 - 特別区長が再び公選制となる。保健所など多くの事務を特別区に移管。
- 1991年 - 現在の東京都庁舎が新宿区西新宿二丁目に完成し、丸の内から移転。
- 2000年 - 清掃事業などが特別区に移管。移管しなかった一部業務を環境保全局(当時)に統合し、環境局と改組・改称する。
- 2004年 - 東京都立大久保病院の経営を東京都保健医療公社に移管する。
- 2005年 - 東京都農業試験場、東京都畜産試験場など多くの試験研究機関の統廃合並びに財団法人化を開始。
- 2006年 - 動物園をはじめとした都立公園の多くに指定管理者制度を導入。
試験研究機関の財団法人化と同様に、事実上の民営化となる。
東京都立荏原病院の経営を東京都保健医療公社に移管する。
業務[編集]
道府県と同様の市町村を包括する広域の地方公共団体としての事務を処理するほか、特別区に関する連絡調整事務、
そして本来市町村が処理する事務のうち、東京23区内の大都市地域における行政の一体性と統一性の確保の観点から当該区域を通じて一体的に処理することが必要である事務(消防・水道・下水道・都市計画など)を行っている。
ただ、過去の幾度の地方自治法の改正により、数多くの権限が特別区に委譲され、特別区の自治権は拡充される方向にある。
財政[編集]
都の収入のうち都税収入は例年7割近くを占め、他の道府県と比べ自主財源の割合が高い。
大企業をはじめ東京都に本社を置く企業が多いため、都税収入は法人二税(法人都民税・法人事業税)の動向に大きく左右されるのが現状である。
財政は1998年度決算で1,068億円の赤字を出し、財政再建団体への転落が懸念されたため、1999年度に財政再建推進プランを策定。
職員定数の削減などを進め、さらに好調な企業収益などにも後押しされ、2006年度決算では、実質収支で1,366億円の黒字(形式収支は1,709億円の黒字)となり、最悪の状況からは脱した。但し、平均給与は30歳前後までは国家公務員のキャリア組をも上回る地方自治体でも最も高い水準を示している。
また、都の業務の性格から、本来市税であるもののうち一部は都が徴収する。都区財政調整制度により、固定資産税・市町村民税の法人分・特別土地保有税の収入額の55%を財源として、基準財政需要額が基準財政収入額を超える区にはその差額が財政調整交付金として各特別区に配分される。
さらに、調整制度とは別に、都市計画税も特別区でなく都が徴収し、それを財源として、特別区の行う都市計画を円滑に進めるための交付金である都市計画交付金もある。
1999年度予算で4216億円に上った財源不足が2005年度以降は解消され、財政状況が改善されたとして1997年度から原則停止してきた都庁舎や保有施設の改築や修繕について、2007年度予算から解禁を決定した。
人事管理[編集]
採用[編集]
主として人事委員会の採用試験によるものと局独自の採用選考によるものに大別される。
- 人事委員会による採用試験
- 人事委員会による採用は一般行政系職員の募集である。
2008年度実施の採用試験では、専門人材<主任>(民間企業等における職務経験が7年以上)、I類A(公務に有用な経験(大学院修士課程等修了、学校卒業後の民間企業等における職務経験)が2年以上)、I類B(大学卒業程度:従来のI類とほぼ同じ)、II類(短大卒業程度)、III類(高校卒業程度)、身体障害者選考(III類)の試験が実施された(なお、2007年度採用より、II類は専門的な職種のみとなった)。 - 人事委員会での採用職種として、事務、技術(土木、建築、機械、電気)、専門的な職種(環境検査、林業、畜産、水産、造園、司書、心理、福祉A・C、衛生監視、薬剤A・B、衛生検査、臨床検査、栄養士、看護師、獣医)がある。ただし、職種によっては毎年採用試験があるとは限らない。
- なお、2008年8月21日に、2009年度実施試験からI類A・I類B採用試験についてさらに制度改正されることが発表された。
- 局による採用選考
- 人事委員会採用以外では局独自の採用選考があり、総務局・教育庁で海洋技術職、福祉保健局や病院経営本部で主に医療職(看護師等)・福祉職などを、
産業労働局では職業訓練職、農業技術職、技能職(農園芸等)、中央卸売市場で技能職(食肉処理等)、水道局で技能職を募集することがある。 - 教育庁では、教員等の採用選考を行う。
- 交通局では鉄道営業や自動車運転士といった現業職の採用について、局財政の悪化や合理化による人員過剰を理由にここ数年の間採用を中止していた。
しかし、2007年度に実施する採用選考において「鉄道営業」(地下鉄駅員)・「自動車運転(バス)」(バス運転士)の採用が再開される事が、2007年9月28日に報道発表された。交通技能(保守係員)についても採用が再開された。 - 局独自に採用された職員は同一職種が存在する局以外に局間異動する事は原則としてない。ただし、能力認定選考で他職種を受験して合格した場合は、合格した職種に転職するが、その数はわずかである。
また、職種の新設・統廃合による転職が存在するほか、管理職選考に合格した職員は職種に関係なく異動することが少なくない。
異動[編集]
職員は概ね3年を目安にしており、大島支庁・三宅支庁・八丈支庁・小笠原支庁など島嶼(とうしょ)の事業所を含めて局内異動若しくは局間異動が行われる。
局間異動は、監督職以上だけでなく2級職(旧3級職)昇任時の前期または後期、主任級職昇任時、庁内公募制人事に採用された場合に行われる。異動希望は原則として自己申告制度により行う。
昇任[編集]
採用及び昇任については類に関係なく競争試験によって行われるという独特なシステムをとっている。学歴に関係なく平等に昇任の機会が与えられている。
高校卒業で都庁に就職し、水道局の検針員から副知事まで上りつめたケースは特に有名である。
一般行政系職員では、採用から数年後に主任級職選考の試験(主任試験と呼ばれている)の受験資格が得られ、これに合格すると主任になる。
その後、係長、課長補佐と選考により昇任していく。主任試験の受験資格を得られる年数は、I類A(3年)、I類B(5年、獣医は3年)、II類(7年)、III類(9年)と採用区分により異なるが、それ以外に採用区分毎に差はない。採用区分による違いは、専門人材<主任>を除き、資格を得るまでの必要経験年数の違いだけである。
その後、主任、係長、課長補佐は、在任年数によりそれぞれA,Bの選考種別の管理職選考の受験資格がある。最近は受験者の減少が続いている。
なお、選考種別Cは2008年度の実施をもって廃止され、選考種別Bに統合された。
組織[編集]
- 東京都知事
- 東京都副知事
- 東京都技監(空席)
- 知事部局
- 東京都知事本局 - 総務部、地方分権推進室、外務部、基地対策室、政策部、計画調整部
- 東京都青少年・治安対策本部 - 総合対策部
- 東京夏季オリンピック・パラリンピック招致本部 - 企画部、招致推進部
- 東京都総務局 - 総務部、行政改革推進部、情報システム部、首都大学支援部、人事部、行政監察室、行政部、総合防災部、統計部、人権部、国体・障害者スポーツ大会推進部
- 東京都財務局 - 経理部、主計部、財産運用部、建築保全部
- 東京都主税局 - 総務部、税制部、課税部、資産税部、徴税部
- 東京都生活文化スポーツ局 - 総務部、広報広聴部、都民生活部、消費生活部、私学部、文化振興部、スポーツ振興部
- 東京都都市整備局 - 総務部、都市づくり政策部、住宅政策推進部、都市基盤部、市街地整備部、市街地建築部、都営住宅経営部
- 東京都環境局 - 環境政策部、都市地球環境部、環境改善部、自動車公害対策部、自然環境部、廃棄物対策部
- 東京都福祉保健局 - 総務部、指導監査部、医療政策部、保健政策部、生活福祉部、高齢社会対策部、少子社会対策部、障害者施策推進部、健康安全部
- 東京都病院経営本部 - 経営企画部、サービス推進部
- 東京都産業労働局 - 総務部、商工部、金融部、観光部、農林水産部、雇用就業部
- 東京都中央卸売市場 - 管理部、事業部
- 東京都建設局 - 総務部、用地部、道路管理部、道路建設部、公園緑地部、河川部
- 東京都港湾局 - 総務部、港湾経営部、臨海開発部、港湾整備部、離島港湾部
- 東京都会計管理局 - 管理部、警察・消防出納部
- 東京都知事本局 - 総務部、地方分権推進室、外務部、基地対策室、政策部、計画調整部
- 東京消防庁 - 総務部、人事部、警防部、防災部、救急部、予防部、指導広報部、装備部
- 地方公営企業
- 東京都交通局 - 総務部、職員部、資産運用部、電車部、自動車部、車両電気部、建設工務部
- 東京都水道局 - 総務部、職員部、経理部、サービス推進部、浄水部、給水部、建設部
- 多摩水道改革推進本部 - 調整部、施設部
- 東京都下水道局 - 総務部、職員部、経理部、計画調整部、施設管理部、建設部
- 流域下水道本部 - 管理部、技術部
- 知事部局
- 教育委員会 - 教育庁 - 総務部、都立学校教育部、地域教育支援部、指導部、人事部、福利厚生部
- 選挙管理委員会 - 事務局
- 人事委員会 - 事務局 - 任用公平部、試験室
- 監査委員 - 事務局
- 公安委員会 - 警視庁 - 総務部、警務部、交通部、警備部、地域部、公安部、刑事部、生活安全部、組織犯罪対策部
- 労働委員会 - 事務局
- 収用委員会 - 事務局
- 海区漁業調整委員会 - 事務局
- 内水面漁場管理委員会 - 事務局
- 地方独立行政法人
- 東京都立産業技術研究センター
- 公立大学法人首都大学東京 - 首都大学東京、産業技術大学院大学、東京都立産業技術高等専門学校
- 健康長寿医療センター - 病院、研究所
なお、議会局は議決機関である東京都議会の下に置かれるが、異動等の取り扱いについては、知事部局等の局相当組織とほぼ同一に扱われる。
著名な職員[編集]
- 青島幸男(元東京都知事) - タレント、放送作家、元参議院議員
- 東龍太郎(元東京都知事) - 医学者、元厚生官僚
- 粟田彰常 - 元皇族
- 池波正太郎(元目黒都税職員など) - 作家
- 石川栄耀(元建設局長) - 都市計画家、元早稲田大学教授、元内務省技師、故人
- 石田祝稔 - 衆議院議員
- 磯村英一(元民生局長) - 元東洋大学学長、都市社会学
- 猪瀬直樹(東京都副知事) - ノンフィクション作家
- 岩成政和(水道局副参事、元東京都交通局電車部勤務) - 鉄道研究家
- 岡崎栄松(元東京都交通局電灯部長) - 仙台市長(日本初の公選市長)
- 小尾乕雄(元教育長) - 教育者、学校群制度施行者
- 加藤芳郎 - 漫画家
- 金子雅臣(元労働経済局課長補佐) - 労働ジャーナリスト
- 金平輝子(元副知事) - 日本司法支援センター理事長
- 桐山襲(元教育庁職員) - 小説家
- 黒田慶樹(東京都都市整備局担当係長) - 黒田清子の配偶者
- 郷仙太郎(元副知事、本名・青山佾(やすし)) - 明治大学大学院教授、作家
- 佐々木信夫 - 中央大学教授
- 鈴木俊一 - 知事、東都政時代の副知事、元自治官僚
- 瀬古利彦(東京都教育委員) - 元マラソンランナー
- 竹花豊(東京都教育委員、元副知事、治安対策担当) - 元広島県警察本部長、現おやじ日本代表、警察官僚
- 谷川昇(元防衛局長) - 元衆議院議員
- 続訓弘(元副知事) - 参議院議員
- 童門冬二(元政策室長) - 小説家
- 長岡安平 - 造園家
- 中山弘子(元監査事務局長) - 新宿区長(特別区初の女性区長)
- 西野保行(元交通局工務部勤務) - 鉄道研究家
- 浜渦武生(元副知事) - 石原慎太郎の秘書
- 福田拓泉(元水道局職員) - 政治活動家、特種株主
- 6代目三升家小勝(元水道局勤務) - 落語家
- 美濃部亮吉(元東京都知事) - 東京教育大・法大教授、経済学、参議院議員
廃止された主な組織・事業等[編集]
- 庁舎
- 初代庁舎(第二次世界大戦前→東京大空襲罹災→三菱UFJ銀行本店)
- 第三庁舎 - 丸内(→豊田通商)
- 交通
- 東京市軽便鉄道線(狭山湖方面)
- 西武バス立川線が代替
- 都電(荒川線除く)
- 東京電気鉄道「千住 - 野田」線(→未成→つくばエキスプレス線)
- 王子電気軌道本社(→東電パワーグリッド大塚支社)
- 中目黒線(→東急バス渋71系洗足線)
- トロリーバス目黒区方面(→東急バス渋41系品川線)
- 錦糸町車庫(→マルイ)
- 青山車庫(→国連大学ほか)
- 角筈車庫(→新宿伊勢丹)
- 目黒車庫
- 大塚車庫(→中央大学)
- 角筈終点(→新宿ピカデリーほか)
- 赤羽終点(→メトロ・埼玉高速鉄道岩淵駅)
- 駒込折返所(→豊島区駒込公園ほか)
- 下田橋折返所(中野区松が丘 →トランクルームライゼボックス)
- 清水折返所(杉並区)
- 柳沢折返所(西東京市)
- 都営地下鉄
- 6号三田線蓮根橋方面計画線(→未成→国際興業線)
- 6号三田線和光市内延伸計画線(→未成→国際興業線)
- 6号三田線大宮市内延伸計画線(→未成→首都高速埼玉大宮線ほか)
- 水道
- 鷺宮ポンプ場(→中野区みよし公園)
- 別所配水所 - 多摩市(→東急ドライヴィングスクール)
- 都市整備等
- 都営住宅(一部→移管→特別区ほか)
- 江北団地(→売却・取り壊し→東京女子医科大学足立医療センター🩺)
- トーキョーパブリック練馬北口駐車場(→練馬区ココネリ駐車場)
- トーキョーパブリック大久保通駐車場(新宿区、二輪車向け→売却)
- 消防
- 浜田山消防署(杉並区)
- 会計管理
- 東京市財務局線(昭島市)
- 立川バス拝島循環線が代替
- 練馬都税事務所(→移転→練馬区豊玉すこやかセンター)
- 新銀行東京(→きらぼし銀行)
- 労政
- 巣鴨労政事務所(→撤退→GEO)
- 池袋労政事務所 - 7階(→撤退)
- 新宿労政事務所 - 6階(→撤退)
- 三鷹労政事務所(→三鷹市市民協働センター)
- 福祉保健・医療
- 母子保健院(→取り壊し→パームス世田谷桜)
- 北区画→世田谷区緑地事業
- 幼年保護所(→豊島区西部保健福祉センター)
- 養育院栃木分院
- 養育院練馬分院(→光丘病院)
- 伊豆山老人ホーム(→こやま医療福祉グループ熱海伊豆海の郷(あたみいずみのさと))
- 台東病院
- 明石病院
- 職員共済組合青山病院(→取り壊し)
- 清瀬病院(竹丘)
- 梅丘病院
- 清瀬小児病院
- 八王子小児病院
- 東京西警察病院
- 心身障がい者福祉センター(新宿区戸山 →移転)
- 児童相談所(新宿区戸山)
- 宇佐美児童学園 - 伊東市(→廃止→「玉川自動車解体」)
- 片浜養護学校(→廃止→沼津市看護専門学校)
- 葛飾福祉工場(→移譲→東京コロニー)
- 板橋福祉工場(→移譲→日本キリスト教奉仕団)
- 大田福祉工場(→移譲→東京コロニー)
- 中央卸売市場
- 練馬市場(高野台 →ベジフルセンター)
- 神田分場(→秋葉原UDX)
- 松原分場(上北沢)
- 大田分場(→PIO)
- 築地市場
- 教育
- 武蔵丘学園(→移譲→双葉保育園)
- 四谷商高(初代校舎→新宿区役所第二分庁舎)
- 第五(新制)高等女学校(→1948年→移転・富士高校発足→新宿コマ劇場→再開発→TOHOシネマズ新宿)
- 都立大学キャンパス(→移転→目黒区「パーシモンホール」)
- 用賀技術開発学院(→廃止・再開発→バーリントンハウス馬事公苑)
- 東京都教育信用組合(神田須田町)
- 口座は東京都職員信用組合に移管
- 一時期中央労働金庫本店が仮店舗として出店
- その他
- 成城警察署(祖師谷 →移転)
- 東京メトロポリタンテレビジョン(→東京FM)
- 目黒競馬場