ロンド・ベル

ロンド・ベル は、アニメーション映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』および小説『機動戦士ガンダムUC』に登場する架空の部隊。地球連邦軍の外郭新興部隊である。

概要

宇宙世紀0090年3月21日、武力的な反地球連邦政府活動の取り締まりのために地球連邦軍の独立部隊として設立される。拠点は、サイド1のコロニー・ロンデニオン。事実上かつてのエゥーゴやカラバの部隊が第一次ネオ・ジオン抗争後に解体され、地球連邦軍に編入されたものであるという見解もある。それを裏付ける物として、編成当初の装備はエゥーゴやカラバから引き継がれたものが多く、第一次ネオ・ジオン抗争中より第一線に従事していたネェル・アーガマが艦隊旗艦を務め、その艦長であるブライト・ノアが艦隊司令を兼任した。

各コロニーに対する独立捜査権が与えられているが、旧ハマーン派を初めとするジオニスト系セクトやその他の反連邦活動の弾圧・残党狩りが目的というその性格上、スペースノイドからは、かつてのティターンズ同様の組織と認識され、憎悪の対象とされており、連邦政府とコロニーの民衆との間で板ばさみの立場を強いられていた。 編成当初は部隊の台所事情も厳しく、エゥーゴ時代のネェル・アーガマを支えたガンダム・チームの機体や主力パイロット達は既に艦を離れており、しばらくは戦力の質量共に不足した状態が続き、目ざましい成果をあげる事は無かった。程なくしてブライトは一旦司令を解任され、大気圏周回用のガルダ級に転任させられる事となった。

だが、部隊を巡る状況が急転したのはシャア・アズナブル率いる新生ネオ・ジオン艦艇がスウィート・ウォーターを占拠してからである。連邦政府高官のジョン・バウアーは同隊の戦力増強をもって実戦部隊として対抗しうるだけの組織への再編成を提案・実施した。それまで軍上層部の危惧により地球上での任務に回されていたアムロ・レイが新たに同隊モビルスーツ部隊の隊長としてロンド・ベルに編入されたのは宇宙世紀0092年12月25日。次いでまもなくブライトも同隊へと復帰する事となった。以後、アナハイム・エレクトロニクス社のバックアップにより新たにラー・カイラムを旗艦として、ネオ・ジオンの地球潰しを阻止するため行動する。

ニュータイプのアムロと歴戦の名指揮官ブライトが所属する部隊という事実は、周囲にかつての第13独立部隊（一年戦争当時のホワイトベース隊）同様の無敵の最強部隊であるという印象を強める一方で、そもそも同隊の成り立ちが元々は反地球連邦組織として一時的に離反したエゥーゴやカラバの部隊を母体としており、その当時、ブライトやアムロもそれらの組織の中心として活躍していたという戦歴は、一部の保守的なアースノイド（特にバウアーを除く地球連邦高官の多く）たちには危険分子あるいはその予備軍と認識されるに十分なものとなった。これらは、ニュータイプへの畏怖と相俟って同隊の支援等がおざなりにされる要因ともなった。同様にスペースノイドに対しても、かつてのティターンズを彷彿とさせる部隊と一年戦争当時の連邦軍を代表する英雄の組み合せは、連邦による宇宙支配の象徴としてさらなる恐怖と嫌悪を抱かせるのに十分であった。

ロンド・ベルにおいて運用されている戦闘艦艇はラー・カイラム級戦艦のラー・カイラム（旗艦）、クラップ級巡洋艦のクラップ、ラー・ザイム、ラー・エルム、ラー・チャター、ラー・キェム（一部の資料にはラー・ギエムあるいはラー・ケイムとする資料もあり）、強襲揚陸艦ネェル・アーガマ（初代旗艦として運用され、再編成後一旦は主力艦隊より姿を消すが、宇宙世紀0096年においても同隊で運用されている。なお、同隊編入後は戦艦から巡洋艦、さらに近代化改修後は強襲揚陸艦に類別されている）がある。

部隊再編後は新型モビルスーツが優先的に配備されており、地球連邦本軍の主力がジムIIIであるのに対し、量産機は制式化されて間もないジェガンが優先的に配備されている他、その先行試作機であるジェダなども運用していた（そもそも連邦軍におけるジェガン系列の制式化を促したのも、やはりバウアー派の後押しがあっての事であった）。しかし、地球連邦軍の高官達は未だにニュータイプに対し恐怖を抱いており、ニュータイプが反乱を起こすのを恐れ、ガンダムタイプのMSの使用を一切禁じ、ΖΖガンダム以下Ζガンダム、ガンダムMk-II、百式までをも使用不可としてしまったと言われている(ただし、部隊編成当初のある時期には量産タイプと思われる百式改の配備が確認されている。ΖΖガンダムはこの時点で既に木星船団に持ち出されており、地球圏には存在していなかったという情報もある)。そのため、アムロによるΖガンダム等の配備許可申請もなかなか通らず、やっと与えられた（半ば強引に持ち出し、無理矢理認めさせた）のがΖガンダムの量産試作機リ・ガズィであった。サイコミュを搭載したνガンダム配備が決定したのはネオ・ジオン艦隊がスウィート・ウォーターに進駐した前後（第二次ネオ・ジオン抗争開戦前後）。実際に配備されたのは、ネオ・ジオンによる5thルナ落とし後であった。

なお、第二次ネオ・ジオン抗争の終結後もアムロ・レイやケーラ・スゥといった主力パイロット達を失いつつも、同隊は存続している。宇宙世紀0096年を舞台とした小説『機動戦士ガンダムUC』の時点でも健在の模様。ジェガンの他に新鋭可変MSのリゼルが配備されている。

さらに後の時代の『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』ではブライトとラー・カイラムは第13独立艦隊に編入されており、この時点でのロンド・ベル隊の状況詳細は不明となっている（ロンド・ベル自体が第13独立艦隊に再編成されたという見解が一般的ではある）。

ちなみに、ゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』では、アムロやブライトらに加え、他のガンダムシリーズの主人公達や数多のスーパーロボットが所属する地球圏最強の部隊となっていることが多い。

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