マスコミュニケーション
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マスコミュニケーション(英:mass communication)あるいは大衆伝達(たいしゅうでんたつ)とは、マスメディア(具体的にはテレビ、ラジオ、インターネット、新聞、雑誌、書籍など)を用いて、不特定多数の大衆(マス)に大量の情報を伝達すること[1]。
概要・特徴[編集]
書籍によって多少異なるが、日本における狭義の"マスコミ"の特徴は、情報の速報性、情報の受け取りがほぼ同時であること、受け手側が不特定多数であること(情報の公開性)、情報の流れが一方的であること、などである。しかし、情報の即時性・伝達性・双方向性・発信性・公開性に優れるインターネットの登場により、狭義の呼称による使用を控える動きがあり、既に国内の主要なメディアでは自粛用語となっておりマスメディアに置き換えられている。
マスコミに似た言葉としてミニコミ(受け手が特定少数、和製英語)、口コミ(伝達手段が会話)、パーソナル・コミュニケーション(personal communication、特定個人による少数同士の交流)などがある。
マスコミュニケーションの歴史[編集]
印刷技術や電子媒体の発達とともに成立・発展し、とくに19世紀半ば以降急速に発達した。情報の流通が一方的になるにつれて、人々の意識や行動に与える影響力が大きいことから、さまざまな議論が展開されてきた。
マスコミュニケーションの理論[編集]
マスコミュニケーションは情報学やメディア研究によって以下のように説明されている[2]。
- マスコミュニケーションのモデル
- マスコミュニケーションの全体像・モデルとしては、シャノンとウィーバーの「情報伝達モデル」(情報理論)が有名である。
- 送り手に関する考察
- マスコミュニケーションの送り手である、マスメディアについては効果・影響力が盛んに論じられてきた。
- 1920年代から1940年代はラジオやレコードが普及した。弾丸を打ち込まれるように強力な効果がある(弾丸理論)ので、宣伝に利用できる(プロパガンダ理論)と考えられていた。1940年代から1960年代になると、コミュニケーションには2つの段階があり、一般人はオピニオンリーダーやゲートキーパーの意見に従っているので、限定的な効果しかないと考えられるようになった(普及理論など)。
- 1960年代から1980年代になるとテレビが普及した。マスメディアには「議題設定効果」や「培養効果」(カルティベーション理論)があり、少数派は「沈黙の螺旋」に陥って意見を言えなくなる。強力な効果があると再び考えられるようになった。
- またマスメディアの背後では、大企業や資本家などが操っている(ポリティカル・エコノミー理論)という説もある。
- 受け手に関する考察
- 1920年代から1940年代は、視聴者は受身であり言いなりになる(弾丸理論)と考えられていた。1960年から1980年代になると、視聴者は満足度などを考えて、自分でメディアを選別している(アクティブ・オーディエンス理論)と考えるようになった。また送り手が意図したように視聴者は解釈していない場合があると言った研究(カルチュラル・スタディーズ)もなされるようになった。
脚注[編集]
- ↑ 『大辞林』第二版
- ↑ 『やさしいマスコミ入門』(金山勉、金山智子)ISBN 978-4326653034